転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
90 龍神武道会の裏側! 魔王と魔王の人員探し!!
「ギ、ギリス この子今何て……………!!!
「そ、それに【クロムウェル】って確か…………!!!!」
蛍とハッシュの驚きに対し、ギリスは案の定 と言わんばかりに口を開く。
「……落ち着け。 言いたいことは色々あるだろうが、俺の話を聞いてからにしてくれ。」
***
「蛍です。ここから先の話は全部 ギリスとリルアちゃんの述懐になります。
それからこの話は私達が龍神武道会に参加している時に起きた事だそうです。」
***
蛍とハッシュと別れてから数時間たち、ギリスとリルアを乗せた電車は目的地の駅に着いた。
「んーーーっ
やっと着いたーー! 長旅だったのだ!」
「何言ってるんだ。
電車に乗ってまだ数時間も経ってないだろ?」
蛍とまったく同じ動きと言葉を言ったリルアにギリスは半ば呆れてそう言った。
「ほら、もたもたするな 早く行くぞ。
軽く腹をこしらえたらすぐにギルドに行くぞ。」
***
「おーっ」
食堂で目の前に運ばれてきた食餌にリルアは目を輝かせ、そう感嘆した。
「『おーっ』っていう程のものか?
50ベルぽっちのランチだぞ?」
「失礼な事を言うな!
お店の人が一生懸命作ってくれたのだから!」
「そういう事じゃない。
その程度の食事ならいつでも作ってやるぞと言ったんだ。」
リルアの前に運ばれてきた献立は
・ハムエッグ3個
・シーザーサラダ 並盛
・ロールパン 2個
・クラムチャウダー
という物だった。
「えっ? ギリス 料理できるようになったのか?」
「おかげさまでな。
すっかり魔王には必要ない力が身についてしまったよ。」
こんな事を蛍の前でも言っていたな と思い起こしながらギリスは自嘲気味にぼやいた。
「だからこの店を馬鹿にしてる訳じゃない。 むしろこうして食事を取れることには感謝しているさ。」
「なぁ、私もギリスの作る料理を食べたいのだが?」
「リクエストしなくてもいずれ嫌でも食べることになるさ。 こうやって外食ばかりじゃ金がいくらあっても足りないからな。」
最後に会った時とはまるで見違えたな と思っていると、ギリスの料理も運ばれてきた。
キノコのクリームパスタとクルトンが入ったサラダがギリスの目の前に置かれた。
「ほら、待ってる必要もないぞ。
冷めないうちにお前も食べろ。」
「分かった。 それにしてもギリスお前、キノコ好きなのは変わってないのだな。」
「無駄口叩いてないで 早く食べるぞ。」
***
「お会計 合計 1デベルになります。」
「こいつで頼む。」
「ちょうど いただきます。」
簡単な会計を済ませ、2人は食事処を後にした。
「……しかし、やはり食事処には奇妙な印象を受けるな……。」
「? なんでなのだ?」
「そういえば お前にはまだ話してなかったな。」
ギリスはリルアにハッシュが食事処の店員に変装して近づいてきた事を説明した。
「……はおーー
あいつ てっきりルベドの紹介で入ったと思っていたが、そんなきっかけだったのか……!!」
「ルベドの紹介は紹介だがな。
お前から見てあいつはどう思う?」
「人間的にはちょっとパッとしないが、強さならかなりの上玉と見ている。
腕力だけで私達
大した自信だな と感心半分呆れ半分で心の中で呟きながら、ギリスはギルドへ歩を進める。
***
「ここが募集のギルドか。」
「そうだ。ここはかなり精度の高い事で有名だ。 ここなら良い人材も見つかる可能性 大と言うものだ。」
「そうだな。 ところで、蛍の方は大丈夫だと思うか?」
「龍神武道会は昔から強豪揃いだからな。
その傾向が今も続いているなら
「そうだな!」
***
ギルドメンバー 募集
ギルド 【
ギルドマスター 【ギリス・クリム】
募集人数 未定
募集期間 約1週間
簡易的な面接と研修の後に採用か否かを決めるものとする
そう書かれた張り紙がギルドの掲示板に貼られた。
「これでよろしいでしょうか?」
「ああ。 後は希望者が出たらその都度 連絡を頼む。」
「かしこまりました。」
「それから何かやって欲しい依頼があったら見せてくれないか。」
「かしこまりました。 こちらの掲示板からお選び下さい。」
受付の女性に促されてギリスとリルアは歩を進める。
「なあ ギリス、 蛍達は上手くやってると思うか?」
「何だ そんなに気になるなら今日の夜にでも連絡してみるか?」