転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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93 冒険者のデビュー戦! 初めての魔物討伐!!

シュドシュドシュドッッ!!!

 

矢が小型の魔物の眉間を撃ち抜く音が3つ立て続けに草原に響き渡った。

 

「おーっ!

結構簡単に行くもんスね 魔物討伐ってヤツは! アタシが故郷で獲物狩ってた要領でやれば良かったんスね!」

 

一人の猫耳を生やした少女が無邪気な笑顔を浮かべて喜びの声を上げる。

この少女、ミーアは今 自分が入隊志願したギルドの面々と一緒に魔物討伐の依頼をこなしに近場の草原まで来ていた。

 

「あと何匹狩りゃ良かったんでしたっけ?」

「10体だから、後7匹だな。」

「ウッス! なら全部アタシが狩っても良いっスか?」

「出来ると言うなら、やってみろ。」

 

「よーし、任せてくださいッス!!!」

 

ミーアは機嫌良く弓を持つ腕を上げた。

 

 

 

***

 

 

 

「依頼内容を確認させて頂きました。

ホーンラビット 10体の討伐

達成を確認しました。」

 

魔物討伐はトントン拍子で進み、1時間もしない内にギリス達はギルドに戻ってきた。

 

「それから、報酬の割り当てはどうしましょうか?そちらの冒険者はギルドのメンバーではないそうですが。」

「報酬の半分を彼女にやる方針で頼む。」

「かしこまりました。」

 

「ええっ!!?

半分も貰っちゃっていいんスか マスター!」

「何を言っている。この依頼はお前一人でやったも同然だ。むしろ全額くれてやっても道理が通じるくらいだ。」

「……マスター………!!!

ありがとうございます!!!!」

 

ミーアは公衆の面前であることも忘れギリスに最大限の感謝の意を示した。

 

『おい ギリス、お前 随分人が良くなったじゃないか。 隠遁暮らしが祟って平和ボケでもしたか?』

『何もしてないヤツが何を言っている。

それよりこいつにあの事を話すから適当な所まで案内するぞ。』

『はいはい 分かったのだ。』

 

リルアの冗談を軽く受け流し、事を次の段階に移す。

 

 

***

 

 

 

「お待たせいたしました。

マッシュルームパスタ

ハヤシライス

厚切りハムステーキ

シーザーサラダ 大盛り になります。

 

ご注文 以上でよろしかったでしょうか」

「これで全部だ。」

「かしこまりました

ごゆっくりどうぞ。」

 

3人の前に昼食の料理が並べられた。

ギリスはリルアとミーアを連れてギルドの近くの食堂に入った。

しかし、その目的は食事だけでは無い。

 

「……ん? どうかしたか?」

「………いや、こんなにゴーセーな料理(モン) ホントに食べちゃってもいいんスか?」

「もちろんだ。 俺達の依頼をやってくれたせめてもの礼だと思って食べればいい。」

「…………!!!

 

ありがとうございます!!! それじゃ、頂きます!!!!!」

 

ミーアは目の前の肉の塊にナイフを入れた。

そして切り取ったその一片を口に運ぶ。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

ミーアの口に言葉では表現し切れない程の旨みが溢れ出した。

その様子を見てギリスは冒険者になって今日までまともに収入もなく、節約しなければやって行けなかったのだろう と冷静に結論づける。

 

「なあ、ミーア」

「ん? どうかしたんスか?」

「そいつをタダで食うのは良いが、ここに来た目的は食事だけじゃない。」

「どういう事ッスか?」

 

「確認しておくが、お前は本気でここに入りたいんだよな?」

「そうッスよ。 それはホントっす。」

「それなら、お前には話しておかなければならないことがある。

俺達とは別行動を取っているギルドメンバーについての事だ。」

「ああ その事!

なんか言ってたッスね!」

 

【なんか】という脳天気な単語には目を瞑り、口を開いた。

 

 

 

***

 

 

 

「龍神武道会!

それなら聞いた事あるッスよ! お仲間さん、そこに行ってるんスか?」

「ああ。 そこであわよくばいい人材をスカウトしたいと思っている。」

「それで、どんな人がそこに行ってんスか?」

 

(まだ戦ウ乙女(プリキュア)の事は話せないな。)

「女の戦士と、男の格闘家と、従属の魔物に行ってもらっている。」

『おい! フェリオって魔物か?』

『まだ戦ウ乙女(プリキュア)の事を話す訳にはいかない。 今はそういうことにしておくんだ。

第一まだ採用すると決まったわけじゃない。』

 

「戦士と格闘家!

どんなやつなんスか?」

 

ギリスは蛍とハッシュの事を2人の素性などをひた隠しながら説明した。

 

「………なるほどー

んで、その2人が武道会に出場してるんスか?」

「出場してるかまでは分からない。

とにかくその龍の里で新しいギルドメンバーを募ってもらっている。」

「その人たちとはいつ会えるっスか?」

 

「そうだな。 はっきりとは言えないが、だいたい1週間と少し経った頃だと思ってくれればいい。」

 

ミーアは頷き、再び目の前のハムにナイフを下ろした。


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