転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「誇り高い魔王様がそんな顔するもんじゃないよ。 そんなんじゃただでさえ少ない威厳も霞んじゃうよ?」
「……………!!!」
ヴェルダーズの息がかかったハジョウの言葉はギリスの胸に深深と突き刺さった。
今でこそ蛍やハッシュのような一般人と対等な関係を結んでいるが、かつての魔人族を統べていた魔王の誇りを忘れたわけでは断じて無かった。
「ところでさ、あの娘 放っといていいの?」
「!!!」
ハジョウの指差す方向にはミーアがいた。
突然現れた怪物に足が竦んでしまっている。
「ミーア!!! 何をしている!!!!
早くそいつから離れろ!!!!」
「もう遅いよ。おおかたギルドに迎え入れようとしてたんでしょ? なら倒しちゃっても良いでしょ?」
「!!! くっそ!!!!」
オークの姿をしたチョーマジンは手に持っていた棍棒をミーアに振り下ろした。
「!!!!」
棍棒が直撃する寸前、ギリスがミーアを抱えて助け出した。
「!!! マ、マスター!!!」
「お前には荷が重すぎる敵だ!!!
お前は
「……………!!!」
「返事が聞こえないぞ!!!!!」
「!!!!
ウ、ウス!!」
「その代わり約束する。 必ず勝って迎えに来る!!! だから必ず無事でいろ!!!
リルア!! 早く変身しろ!!!
二人でこいつらを食い止めるぞ!!!」
「分かったのだ!!!」
ギリスが作った隙をついて、リルアはブレイブ・フェデスタルを取り出し、剣を突き刺した。
《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!
リルアは
「あーあ、 変身しちゃったかー。 そのまま寝てくれれば楽だったのに。」
ハジョウの嘲笑的な発言を意に返さず、リルアはギリスの方を向いた。
「ギリス!!! 力を貸してくれ!!!」
「応!!!!」
「!!
やれやれ。 そっちも本領発揮かな?」
ギリスは既に少年の姿から本来の青年の姿になっている。
「二対二なら勝てると思った? 残念だったね。 《
ハジョウの両手10本の指に10個の魔法陣が展開した。 両手を振るって飛ばした先はミーアが倒した10体のゴブリンの遺体だった。
ゴブリンの遺体が光り、小型のチョーマジンが10体生まれた。
「!! しまった!!」
「あはは これで12人だよ。
衰えた魔王二人くらいなら数を積めば勝てるって ヴェルダーズ様が教えてくれたんだよねー。
さぁどうする? この12体を彼女を庇いながら戦えるか
!!」
「頭が高いぞ 消えろ。」
ハジョウが悠々と喋っている隙にギリスが背後に立った。 手には魔力で作られた剣が握られている。
《
ヒュカッ!!!
「!!!??」
ギリスの剣が空を切った。 ハジョウの上半身が風に吹かれた砂のように崩れたのだ。
「こ、こいつ…………!!!」
「『頭が高い』って何? ちょっとでも魔王感を出そうとしたの?」
ハジョウの声がどこからか聞こえてきた。
(……!! これがやつの
日本神系
効果:自身の身体を粉状に分解して霧散させる。 自分の意思で自由に部分的に解除できる。
「そこだ!!! 《
「甘いよ。」
ガシッ! 「!!?」
ギリスの放った火球は外れ、逆に粉状から戻ったハジョウの手がギリスの手首と足首を掴んだ。 ハッシュがやっているような格闘ではありえない状態での掴み技だ。
ブンッ!
「おあっ!!!?」
ズドン!!!! 「!!!!?」
自在に動くハジョウの手がギリスの身体を浮かべ体制を崩して投げ、地面に叩きつけた。
「き、貴様…………!!!」
「ああ、それから これはヴェルダーズ様が言ってたことなんだけど、」
「?」
「『ヤツが力を取り戻すことは絶対に避けなければならないから必ず首を取ってこい』
ってさ。 喜ばなきゃダメだよ?あの人が手放しに評価してくれてるんだから。」
「……………!!!」
ギリスの脳裏によぎったのは 力を隠していた当時のヴェルダーズを配下として一緒に暮らしていた時代の事。 そして彼の真意を見抜けなかった自身の不甲斐なさが心を震わせた。
「ギリス!!! 今助けるぞ!!」
「させないよ。 ほら。」
ズドンッ!!! 「!!!」
オークを素体としたチョーマジンがグラトニーの行く手を阻んだ。
ガシッ!! 「!!!」
さらに背後に回り込んだゴブリンのチョーマジンが首に腕を回して拘束する。
「………!!! し、しまった…………!!!」
「!! グ、グラトニー………!!!」
「やっぱりあの人の言う事は正しいね。
衰えた魔王二人なら数があれば余裕だね。」
ギリスとグラトニーが窮地に立たされる中、ハジョウの勝ち誇った笑い声が響いた。