転生することになりましたがオリ主とか興味ないので安心して暮らせる特典をいただきました 作:BサインからCサイン
ヴァーリ・ルシファー。彼は悪魔と人間の間に生まれたハーフで旧魔王「ルシファー」の曾孫にあたる男であり白龍皇である。
彼は堕天使組織『神の子を見張る者』に所属しているが、ある日過去戦った友人美猴に禍の団に誘われ興味を惹かれていた。
そして今日トップのアザゼルの目を盗み英雄派のアジトに向かった彼は英雄派トップである曹操と呼ばれる男と出会った。
「やあ、君が新しく禍の団に入った白龍皇かい?」
「ああ、ヴァーリ・ルシファーだ。よろしく頼む」
ヴァーリは表面は冷静を保っているが心内では闘争心がたぎっていた。英雄の子孫や末裔が集まっていると聞く英雄派、そのリーダーである曹操はどれほどの強さなのかと期待を膨らませていた。
「ヴァーリは俺っちがここに誘ってきたんだぜぃ」
「知ってるさ、っていうかその話はもう三回くらい聞いたんだが……」
曹操の肩を叩きドヤ顔をしている美猴。逆に言えば彼が曹操に話しをしたからこそ曹操が自分のことを知っているのではないか?と思ったが黙っているヴァーリ。
「俺の名は曹操、英雄派のリーダーを務めている」
「といっても一番強いってわけじゃないんだぜぃ」
「それを言うな美猴、だから修行をしているんじゃないか……君もするか?」
「勘弁してくれ、曹操の修行にはついていけないからねぃ」
……ん?
「君がここで一番の実力じゃないのかい?」
「ああ、残念だが俺は一番強いわけじゃない。俺より強いやつがここにいるからな」
「……それは面白いな」
ヴァーリは戦闘狂である、当初の目的は曹操と戦わせてもらおうと思っていた。だがそれ以上の強者がいるならばそちらと戦うのも悪くない。
「さて、他の英雄派のメンバーも紹介しよう。今呼んだところだから少し待っていてくれ」
「構わない」
自分から見れば曹操はかなりの実力を持っていると見た、その仲間も同等、それ以上の実力を持人物がいることに期待するヴァーリ、おもちゃを目の前にした子供のような心境である。
「なあ曹操、その人物の名前はなんというんだ?」
「ん?ああ、そいつの名前は諸葛慶。諸葛亮孔明の子孫だよ。__ちょうど来たようだな」
曹操が指さす方を見る。そこには着物を着崩した黒髪、西洋を思わせる容姿、漢服を着た三人の女性の姿があった。まさかこの中の誰かが曹操を倒したというのだろうか?屈強な男を予想していたが……。
「曹操、そちらの方が新しく加入された……?」
「ああ、ヴァーリ・ルシファーという。現白龍皇だ」
始めに口を開いたのは漢服を着た女性。彼女は曹操の体を自分の方に向けるとなにやら話し始めた。
「…ちょっと曹操、大丈夫なんですか?ルシファーってことはあの悪魔の子孫でしょう?黒歌さんに危険が迫ったりしたら……」
「大丈夫だ、彼は堕天使サイドだから悪魔と繋がってはいない。悪魔に黒歌の情報が漏れることはないから安心してくれ」
この会話はヴァーリに筒抜けである。ヴァーリはハーフといえども悪魔の血が流れているので五感が通常の人間よりも発達しているのだ、よって聴覚が人より優れている彼にヒソヒソ話しても無意味なのだ。
「私の名前はジャンヌ、ジャンヌ・ダルクの子孫よ。よろしく」
「私は黒歌にゃん、よろしくね白龍皇さん♪」
「ああ、よろしく頼む」
西洋の女性がジャンヌ、着物を着崩している女性が黒歌というようだ。この二人もかなりの強さと見た。……どうでもいいが黒歌の口元にクリームが付いていることは指摘した方がいいのだろうか?
「ヴァーリは俺っちがここに誘ってきたんだぜぃ」
今度は自分の隣でドヤ顔をする美猴。そんな彼に曹操は苦笑いしている、女性陣の反応については触れない方がいいと判断した。
「私の名前は諸葛慶といいます。これからよろしくお願いしますね」
「ああ、よろしく」
本命が来た、とヴァーリは喜んだ。彼女が曹操よりも強いと言われた強者、だが微笑みながら握手を交わそうとしてくる彼女が本当にそうなのかとも同時に思った。なにより、彼女からは曹操やジャンヌのような『強さ』が感じられなかった。
「なあ曹操、本当に彼女が君を倒したのかい?俺にはそうとは思えないんだが……」
「先入観はしない方がいいぞヴァーリ。本当に彼女は俺よりも強い、なんだったら実際に戦ってみたらどうだ?」
「なるほど」
曹操から慶へと体の向きを変える。
「なあ慶、俺と一戦交えてくれないか?」
「曹操としてくださいよ……」
急に機嫌が悪くなる慶、しかしそんなことには気づかないヴァーリ。
「俺は君と戦いたい。君はリーダーである曹操よりも強いと聞いたからね」
曹操をジト目で睨みつける慶。曹操はといえばははは…と笑って誤魔化していた。
「はぁ……勘弁してくださ___」
「おぉーい曹操。新しい加入者ってどこにいるんだ?」
入り口から慶の言葉を遮った巨漢の男、見れば彼の隣にはローブの青年と白髪の青年の姿も見えた。三人の__いや、巨漢の姿を見た慶の目がキラリと光った気がした。
慶は三人が近づいてくると巨漢の漢の横に立ちいい笑顔で口を開いた。
「紹介しますね、彼の名前はヴァーリ・ルシファー。新しく禍の団に加入した現白龍皇です」
「本当か!」
「ヴァーリ、彼はヘラクレス。英雄派の中でもかなりの実力者です。どうですかヴァーリ、勝負したいのでしたらこちらのヘラクレスの方ががおすすめですよ?」
「いや、それも嬉しいが俺は__」
「彼は最近燃焼不足らしくて相手がいなくて困っていたんですよねヴァーリも戦う相手が欲しいようですしちょうどいいと思いませんか私みたいな女よりも戦闘意欲のある彼と戦った方がいいと思いますよその方がモチベーションだってあがるでしょう?ヘラクレスも彼と戦いたいとは思いませんか?一世代に一人しかいない白龍皇と戦えるなんて滅多にないことですよ?」
「俺の名はヘラクレス!ヴァーリ!俺と勝負だ!」
有無を言わさないマシンガントーク、見事彼女は戦うことを避けヘラクレスという巨漢の漢に役目を押し付けた。ヴァーリは納得こそいかないが意気揚々としているヘラクレスに対して断るのも無粋だろうと考えた。
「ああ、よろしくヘラクレス。じゃあ早速俺と一戦交えるとしようか」
こうして、二人は戦うことになった。後ろで曹操が盛大にこけた気もしたが気に留めることはしなかった。
ヘラクレスの神器『巨人の悪戯』は攻撃と同時にその個所を爆発させるというものであった。それを確認したヴァーリは『白龍皇の光翼』を発動し空中からの高速移動でまず攪乱して様子を見ることにした。
___今近づくのはマズイ!
『Divide!』
10秒経った。後ろに回り込んで一発殴ったヴァーリはまずヘラクレスの『パワー』を半減させた。しかし爆発=攻撃力とはいかないようで爆風の威力などに変化はみられない。ヘラクレスは自分を追いかけるようなことはせず自身の足元___地面を殴りつけた。
ドオォン!
ヘラクレスの周りが爆風で包まれる。爆風を回避するため一旦後ろに下がる。
__しかしそれは悪手だった。
「オラァ!」
「ぐっ!」
ドゴオォン!
自身の真下が爆発したと思った瞬間、
ヘラクレスが地面を殴りつけたのは恐らく自分の目を攪乱するためだけではない。地面を爆発で砕くことにより砕いた塊を武器にしてぶつけているのだろう。
回避しようにも礫の数が多い。万が一これがすべて爆発するというのなら当たってはならない。
「___禁手!|白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル》!!」
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!』
白い全身鎧がヴァーリの身を包む。鎧は礫のダメージを無効化にした。
「___なかなかやるな。さすがは英雄の子孫」
「お前もな、楽しくなってきたぜ!」
手に持っていた大きな塊を殴りつけるヘラクレス。砕かれた塊は礫と化し『巨人の悪戯』より一つ一つがその大きさに比例した爆弾と化した。
「はあぁぁぁぁあ!!
『Half Dimension!!!!』
ヴァーリに降りかかる爆発の威力が半減される。ダメージが減った瞬間を見計らってヘラクレスに向かって突っ込む。
「こい!禁手!
突如、ヘラクレスの全身からミサイルのような突起物が生えてくる。
「全弾発射!!」
全身から生えたミサイルがヴァーリに向けて撃ち出された!
「おもしろい!おもしろいぞっ!!」
『Half Dimension!!!!』
全てのミサイルの速度を半減したヴァーリ、自分の向かってくるミサイル一つ一つの間を潜り抜け、ヘラクレスへと突っ込んだ!
『Divide!』
「がああぁぁぁぁ!」
ヘラクレスにヴァーリの拳が突き刺さる!同時にっヴァーリはヘラクレスの防御力を半減させる、通常の二倍の威力を受けたヘラクレスは後ろに吹っ飛んだ。
「…俺の勝ちだな」
ヘラクレスのもとへと近寄り手をさし延ばす。ヘラクレスはその手を取り立ち上がった。
「ああ、久しぶりに楽しい戦闘だったぜ……」
ヘラクレスはそれだけ言うと去っていった。それを見届けたヴァーリは今度は試合を観戦していた慶に勝負を挑んだ。ヘラクレスとの戦闘で闘争心がみなぎってきていたヴァーリは待ち遠しさに返事も聞かず訓練場へと歩いて行った。
☆☆☆
「……遅かったな慶、さあ早く戦おうか!」
「ええ……フフフっ楽しみですねえ」
あれから五分後、訓練場に来た慶は様子がおかしかった。会ったばかりなのに様子がおかしいと思うというのも変な話である。だがヴァーリは対して気にしなかった。
「最初から全力でいくぞ!」
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!』
白龍皇の鎧を発動するヴァーリ。両足に力を込め慶に勢いよく突っ込んでいく_____
シュンッ!
____しかし、その攻撃は通らない。
「なに……?」
「フフッ…まだまだですねぇ…」
「!?」
声のする方を見たヴァーリは驚愕した。そこには怪しく微笑む慶の姿、だが驚くべきなのはその『位置』だ。
自身の移動速度は人よりも遥かに上だとヴァーリは実感している。白龍皇の鎧を着たヴァーリのスピードはたとえ中級悪魔だとしても捉えられないものだ。
しかし、彼女はそれを避けた。オマケにこの広い訓練場の端に一瞬で移動したのだ。
「おもしろい…曹操の言ったことは嘘じゃないようだ」
「行きますよー…」
シュンッ!
「なっ___!」
一瞬だった。瞬きをしたその一瞬の間に、彼女の蹴りが自分の腹に炸裂していた。
蹴りを受けたヴァーリはその反動で後ろに飛んでいくが鎧のおかげでダメージは無いに等しかった。
しかしそれでも、ヴァーリは動揺していた。
「(な、何がおこったんだ……ほんの、ほんの一瞬の間に彼女の蹴りが俺に決まっていた…もし鎧がなかったらと思うと……)」
「あれぇおかしいですねぇ……まあその方がおもしろいですよねぇ……!」
シュンッ!
『Divide!』
再び慶の姿が消えた、このままでは同じように攻撃をくらうと思ったヴァーリは慶の『スピード』を半減した。
ドガッ!
「うっ……!」
____だが、それは意味を成さない。
ヴァーリの計算では慶は目にも止まらぬ超スピードで移動しており『スピード』を半減すればその動きは鈍化するはずだった。
しかし結果は半減しても慶のスピードは同じように目で捉えきれず今度は横から、あっさりと懐への侵入を許すこととなりさきほどと同じように蹴りをくらい反動でのけぞった。
ここでヴァーリは一つの仮定を思いついた。
「……まさか、瞬間移動しているとでも言うのか!」
「……フフフ」
慶は微笑む。
「瞬間移動?違いますよぉこれは超高速で移動しているだけなんですよ…」
「バカな……俺は今まで君のように目で捉えきれない速度で移動する者は見たことがないぃぃぃぃ!?」
_____一瞬
気づいたときには自身の腹を突くような跳び蹴りが決まっていた。足の甲ではなく、つま先からかかとにかけての一撃、ヴァーリはその衝撃の反動で吹き飛ばされた。ダメージは……あった。
「黒兜流極奥義瞬激刹駆……私のおじいさんから伝授した奥義の一つです。まあそれだけではありませんが…あなたでは私に追いつくことすらできませんよ?」
「なるほど……やるね」
腹を蹴られた痛みに顔を苦痛に歪めることなく起きあがるヴァーリ、その表情は喜びに溢れていた。
『Divide!』
もう一度慶のスピードを半減する、しかしそれでも慶の動きは見えない。ヴァーリの脳裏には見るということが存在していなかった。
___見えなければ、自分が同じ速度にまで達すればいい。
本来『白龍皇の光翼』の能力は敵の力を半減するだけではない、同時に半減した力を自分の物にすることができるのだ。すなわち、半減をしたぶんだけヴァーリのスピードも上昇するということだ。
「行きますよぉ」
シュンッ!
「!」
シュン!
二人の姿がぶれた。そしてヴァーリの目にはかすかに動く慶の姿が見えていた。
__チャンスは一回、間違えれば負ける!
『Half Dimension!!!!』
ヴァーリは一か八かの賭けに出た。それは慶が踏み込む瞬間を狙ってその地面にかかる摩擦を半減するというもの。
「(一瞬のうちに見えない速度で移動するということは足にはそれ相応の力が加えられているはずだ、ならばその足と地面の摩擦を減らせれば慶の速度は一瞬だけ止まるはず!)」
そしてその企みは成功する。ドンピシャのタイミングで摩擦を半減させたヴァーリは光翼を使い慶に突っ込んだ。摩擦を半減された慶は滑るような体制で体が前のめりになった。この状態では高速移動は不可能。
「くらえぇぇぇぇ!!」
魔力を溜めた拳を振りかぶるヴァーリ。
_______ニィ
慶は笑った。その笑みはさきほどのような微笑みではない。まるで、そう、罠にかかった獲物を捕らえたような____
「ヘブンスドアーッ!!」
慶がそう叫んだ瞬間、ヴァーリは信じられない物を見た。慶の右腕がまるで__いや、本になっていたのだ。そして驚異的な速さで慶は本にこう書き込んだ。
『今から放たれる拳はヴァーリルシファーの鎧を貫通する』
ここでヴァーリは気づく、自分ははめられたのだと。いつのまにか慶の体は
女性とは思えないほどの威力の拳での一撃を受けたヴァーリは気絶した。
ヴァーリ・ルシファーは諸葛慶に敗北したのだ。
今回使った奥義の説明を、
『黒兜流極奥義瞬激刹駆』
驚異的な素早さで移動する技、 達人の域に達した者は瞬きの間に二十間(約36m)をなんなく移動できるという。慶は5歳からこれを(無理矢理)修行し達人の域に達することに成功した。なんだかんだいいつつも日常生活において非常に便利だったため慶はこの奥義を気に入っている。