転生することになりましたがオリ主とか興味ないので安心して暮らせる特典をいただきました 作:BサインからCサイン
曹操は禍の団英雄派のリーダーである。同じ英雄派のゲオルグ、ジークフリードと実力はさほど変わらないが『まとめ役』として向いていたためにリーダーに適任された。
数日前、中国で自分と同じ英雄の子孫という諸葛慶と出会った。慶は自身の祖先と深い関わりのある諸葛孔明の子孫、英雄派に誘おうとすぐに考えた。最初はそれらしい資質を持っていると見抜いたが、まさか英雄の子孫だとは。
いろいろあったあと、店に入り話題を進めていった。勧誘をしてみたが争いは御免だとかテロリストが~とかでなかなか入ってくれそうにない。だが諦めるわけにはいかなかった。自分と同じ境遇である人物を、こんなところで逃がすわけにもいかなかったのだ。
いろいろ粘って説得して数分。なんとか勧誘に成功、諸葛慶はどうやら家がなく旅をしていたらしい。安全な暮らしを求めていた。なので曹操は金と自身のアジトで暮らせることを伝え了承を得たのだ。
だが実際、入ってしまえばそうそう抜け出せはしないだろとは思ってはいたが仲間とのそりが合わないようだ。自分も同じ英雄派に引き込むための人物を探しており、訓練場はあまり多様しないためにあの日以来あまり話しをしていない。
そんなある日、突然声をかけられた。明日の朝に仲間たちを集めてほしいと。『大事な話がある、リーダーのあなたにしか頼めないことなんです』と言われた曹操はあまり部下に頼られたことがなかったのでつい二つ返事で了承した。
だが、もしかしたら英雄派を抜けると言うかもしれないと思った曹操は集まる間際にヘラクレスに声をかけておいた。何かがあったら止めれるように慶の近くに俺といてくれ、と。
だが慶から発せられたのは曹操の期待を裏切るものであった。
「みなさん、もっと仲良くしましょう」
空気が凍った。
「同じ仲間なのになぜ一人でいるんですか、なんのための派閥ですか?一緒にいることを恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか、不安がることなんてありません。コミュ症を全員で治しましょう!」
腕を広げる慶。全員はなにがなんだかわからなかった。
「……ということはなにか?俺たちがコミュ症だとでもいいたいのか?」
「ええ」
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「どうしましたか曹操?」
曹操は怒りで顔を赤くした。
「俺はコミュ症じゃない!」
「またまた御冗談を、ではなぜいつもアジトにいないんですか?」
「俺が一人でいるのは、仲間の勧誘や修行を行うためだ!」
「ふっ……。恥ずかしがらなくてもいいんですよ曹操、修行ならうちですればいいじゃないですか。そもそも本当にしているのか。…仲間と過ごす時間だっていいものですよ?言い訳なんてしなくてもいいんです」
笑顔で語りかけてくる慶。敬語口調が余計に腹ただしい。
「誰でも通る道なんです。さあ、コミュ症から抜け出しましょう」
ぷちっ
「ぬがあぁぁぁぁぁ!」
「お、落ち着け曹操!」
「そ、そうよ!悪気があって言ってるんじゃないんだし!」
「離せぇジャンヌ、ヘラクレス!たとえ悪気がなくても俺はこいつの言ったことは許せん!」
「口調が変わってるぞ曹操!おい、慶謝れ!それとゲオルグとジークフリードも見ていないでこいつを落ち着かせてくれ!」
腕をヘラクレスに、体をジャンヌに引っ張られて押さえられる曹操。
「落ち着いてください曹操。謝りますから、キレると悪印象を与えてしまって友達はできませんよ?リーダーなんですから落ち着_ごほっごほっ!」
「ぶっ飛ばしてやる!
「やめろ曹操!こんなところで神滅具を出すのはやめてくれぇ!」
「慶、あなた本当に悪気ないのよね!?」
場は完全にヒートアップ状態。曹操は手がつけられない、こうなってしまったら止められるのはゲオルグかジークフリードくらいしかいない。
しかしジークフリードはいつのまにか部屋の隅に避難しており、ゲオルグに至っては結界を張っている。
キレた人間に関わりたくないのは誰しも同じなのである。
「はぁぁなぁぁせぇぇぇ!そしてお前はそこを動くなぁ!!」
いつの間にか慶でさえも曹操から離れていた。
「本当に落ち着いて!そしてゲオルグたちは見てないでなんとかしてちょうだい!」
「……もうこのさい戦わせた方が早くないか?そうすれば曹操も落ち着くだろうし」
「もうそれしかないわね。……二人とも!ヤルなら訓練場にしなさい!」
「え?」
曹操をヘラクレスが引きずり、しぶしぶ了承した慶を連れて全員、訓練場へと移動していった。
☆☆☆
「俺の実力を思い知らせてやる!修行をしていないただのかざりと言ったことを後悔させてやるぞ!」
「そこまで言ってませんが………はあ、争いは嫌いなんですが」
曹操は|極夜なる天輪聖王の輝廻槍《ポーラナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン》を構え、慶は手刀を構えた。
「くらえぇ!」
曹操は槍を慶に向けて突き刺す、が
「残念でしたね」
「なっ、ガァ」
その槍が彼女を突き刺す瞬間、彼女の
まさかの開始早々の決着であった。
☆☆☆
その後曹操は夜中に目を覚ました。ベッドから起き上がった彼はすぐに自身の敗北を自覚した。怒りによる注意力の欠如と慢心が招いたものである、曹操は拳を握りしめた。
「……なんて様だ。怒りで周りが見えていなかったなんてな……、いや。こんなのは負けた言い訳にはならないな。リーダーだからと周りを見下してばかりで慢心していた。あいつの言う通りろくな修行をしていなかったのかもな。こんなんじゃコミュ症だと罵られていても仕方がい………リーダー失格だな、俺は」
「そんなことはないと思いますよ」
自分のすぐ横から声が聞こえた。見ればそこには壁にもたれかかっている諸葛慶の姿があった。
「……いつからいたんだ?」
「最初からいましたよ。体調は大丈夫ですか?」
「ああ。手刀一発で気絶するなんて思ってもみなかったよ」
苦笑いをする曹操。
「曹操、あなたは先ほど自分がリーダー失格だとおっしゃいましたね。それは違います。あなたが最初に任された役目があなたに一番適しているのです。それに反省点に気づけたならそれでいいじゃないですか、過去よりも先のことを見ましょう」
「だが、こんな俺にあいつらは着いてきてくれるのか?実力はゲオルグたちと対して変わりはない」
「そこが間違いですよ、『着いてきてくれるのか?』ではなく『着いてきてもらえる』ようにするんです。自分の力で強くなっていけば自然とリーダーとしてなっていけるんですから、それが『武人』というものでしょう?自分が変われば周りが変わるんです」
「……そうだな、確かに今の俺は武人として足りない部分が多い。こんなんじゃ『曹操』のように、みんなのリーダーにはなれないな」
「ええ、ですから。これからなっていきましょう」
「…ああ!」
☆☆☆
翌日の朝、訓練場で切磋琢磨に修行を行っている曹操の姿があった。もう過去の慢心を抱いていた彼の姿はどこにもない。己を磨き、上に立つ者として努力する一人の青年であった。
「俺は強くなる!みんなを引っ張っていける男になるんだ!」