TS転生して吸血鬼になったけど創作欲しか思い出せない   作:石化

12 / 21
第12話

 

やってきました。こちらで紙を作っているみたいです。早速お邪魔して行きましょう。

失礼しまーす。

 

「あっ?なんだ女。ここは女の来るところじゃねえ。」

 

まあまあそう言わずに。

 

大変職人気質(かたぎ)の生産者さんみたいですね。

そこらへんはなあなあで押し通ります。

 

どうやって作っているんでしょうか。

 

「ああ?そりゃあこの大麻を刻んですりつぶすとこから始めるんだよ。」

 

見ればたくさんのお弟子さんたちが、何やら植物の茎を臼でひいていますね。

 

なるほどこれが紙の原料になる。そういうわけでしょう。

 

でもこれでは、ただ植物の繊維を細かくしただけです。これをどうすれば良いのでしょうか。

 

「次の行程はあっちだ。ついて行ってみな。」

 

職人さんがしゃくって示した先には、潰した繊維を運ぶ弟子さんの姿が。

早速追いかけてみましょう。

 

こんにちは。どこに運んでいるんですか?

 

「ウヒャア。綺麗な女の人?!」

 

とてつもなく驚かれてしまいましたが悪い気はしませんね。

むしろ良い気分です。なでなでしてあげましょう。

 

「いきなり何を。落ち着く⋯⋯。じゃなくて!」

 

恍惚とした表情からすぐに戻ってきました。

優秀なお弟子さんですね。

 

事情を話すと、ついてくるように言われました。

 

先から水音が聞こえます。

 

これは、川ですね。

川を使って何かやっているんでしょうか。

気になるところです。

 

おおっと。職人さんが一人一人真剣な表情で両手に器具を持ちながら何かの容器をのぞいています。時々器具を揺らしているようですが、あれは何をやっているのでしょう?

 

「あれは、繊維が均等になるように振っているんですよ。出来上がればわかります。」

 

お弟子さんが答えてくれました。

なるほど。麻の繊維はゴワゴワしていますもんね。

慎重に均(な)らす必要がありそうです。

 

あっと、一つ完成したようです。

 

職人さんが両手に持つ器具はちょうど盆のような形をしていて、竹でできた底に繊維が溜まっていました。濾過されて本当に紙みたいな様子です。

 

繊維を叩き潰していた時は影も形も想像できなかったですが、ここまでくると、これが紙の元なんだとわかりますね。

 

「あとはあれを乾燥させてしまえば完成です。完成形を見ます?」

 

ええ。ぜひ。

 

⋯⋯⋯⋯

 

うわあ。

 

紙がこんなに。ここは天国みたいですね。

一生ここに住みたいです。

 

「あははは。冗談ですよね。本当なら歓迎しますよ。」

 

 

完全に見知らぬ女としての見学だったけど、堂々としていたのがよかったのか、インタビューの真似事が出来た。

 

だいたい理解したぞ。

 

紙を大量生産するには、まず、材料である大麻の大量生産。

そして、紙職人の育成。

 

この二つが重要な要素なのではないだろうか。

 

あとは、製紙方法の改善もできるかもしれないが、俺に知識がない。

 

渡来人をとっ捕まえて、製紙の知識がないか聞くほうが早そうだ。

どうしてもこの国の技術は遅れているようだからな。

 

まずは大麻の大量生産に取りかかるとしよう。

 

俺は時の天皇に願い出て、土地をもらった。

そんなに怖がらなくていいから。これからは農家みたいな感じになって隠居するから。

 

せっかく暗殺から身を守ってたのに。ひどいやつだな。まあ、もう暗殺者なんて気にしなくても大丈夫だろ。国も十分大きくなったし。

 

こっから俺の農業系人生の始まりだ!

 

⋯⋯なんだか迷走しているような気がする。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。