苺花が恵一の家に
二人は朝食を済ませ、学校に向かう。
途中で
「おう、黒崎じゃん」
「おはよう、矢澤くん」
恵一と一勇は同学年だ。しかし、クラスが違う。
「って、なんで苺花がいるの?」
「知ってんのか?」
「え? あ、いや……」
「一勇、隠すことないよ。恵一も死神なんだ」
「そうなの!?」
驚く一勇。
「ああ。一週間前からだけどな。黒崎はいつからなんだ?」
「僕は生まれつき。お父さんが死神だからね」
「そうなんだ」
学校に着く三人。
「そんじゃあ、俺らB組だかんな」
「うん」
恵一と苺花は一勇と別れて教室へ。
「お! 矢澤夫婦のお出ましか」
二人での登校にからかうクラスメイト。
「はあ?」
「違うわよ」
「無視しとこう?」
恵一はそう言って自分の席に着く。
隣には苺花が座る。
「あ! そうだ、恵一」
「あん?」
苺花がカバンからウサギの顔がついた細長い容器を取り出す。
「あんたにこれ渡しとく。代行証だと不便だからね」
「なんだよこれ?」
恵一は容器を手にして苺花に訊ねる。
「
「義魂丸?」
「一人で戦う時はそれで死神化してね。その間は仮の魂があなたの肉体に入るから。その方が都合がいいのよ」
恵一は容器から義魂丸を出した。
(飴玉みてえだな。仮の魂。差し詰めソウルキャンディーってところか?)
恵一は義魂丸を容器に戻し、懐にしまった。
……。
…………。
………………。
昼休みのことだ。
屋上で恵一と苺花が食事をしている。
刹那、苺花の伝令信機が鳴る。
「虚だ」
恵一は代行証を取ろうとする。
「待って。せっかくだから、さっき渡した義魂丸を使おう?」
恵一は義魂丸を取り出した。
「飲めばいいのか?」
「ご名答」
恵一は義魂丸を飲み込んだ。
義魂丸が恵一の体内に入り込み、肉体から魂魄が押し出されて死神化する。
「抜けた!?」
倒れた恵一の体がむくりと起き上がる。
「僕は矢澤 恵一、十五歳! 高校一年生です!」
「なんか変じゃねえか?」
「そんなことより行くよ!」
苺花も義魂丸で死神化する。
「ごゆっくり」
恵一に入った義魂丸は二人を見送ると、ニヤリとほくそ笑んだ。
「新入り、ちゃんとご主人様のふりをするのよ?」
苺花の義骸に入っている義魂丸のベリーが恵一の体の方を見るが。
「って、どこ行った!?」
そこには誰もいなかった。
恵一と苺花は受け取った情報を頼りに虚の出現ポイントにやってきた。
「苺花、虚なんていねえぞ。それ壊れてんじゃねえか?」
「そんなことないわよ」
苺花は伝令信機を見つめている。
「あっちだ。……あ、待って」
「どうした?」
「消えたのよ」
「なにが消えたんだよ?」
「虚の反応が消えんたんだ」
「はあ?」
「現れたり消えたりを繰り返してる」
「とりあえずその場所へ行けばいいじゃねえか?」
恵一は反応のあった場所へ向かった。
「待って」
後を追う苺花。
恵一と苺花は反応のあった場所へやってくるが。
「虚なんてどこにもいねえじゃねえか。やっぱそれ壊れてんだよ」
「そんなことはないはず。新品なのよ?」
恵一が辺りを見渡すと、路地裏に怯えてプルプル震えてる小太りの男の霊を見つけた。
「おい!」
「ひい!?」
突然の声に更に怯える魂魄。
「ここいらで怪物見てねえか?」
「か、怪物なら光の矢を持った女の子が倒して回ってたよ」
「矢を持った女?」
と、苺花が疑問符を浮かべた。
「とりあえず、あんたは尸魂界へ逝きなさい」
苺花が斬魄刀の柄を魂魄の額にあてがう。
魂魄は光に包まれて尸魂界へ魂葬された。
「あ!」
恵一の眼前を光の矢が飛んでいく。
「光の矢!」
「なんだって!?」
苺花が恵一の見る先を向く。
「飛んできた方角へ行くぞ!」
苺花を先導して恵一が矢の飛んできた先へ向かう。
目的地で、光の矢を虚に向かって放っている女を見つける。
「おい!」
女の前に恵一と苺花が降り立つ。
「死神?」
「そんなことはどうでもいいのよ。虚を退治してるのはあんた?」
「虚用の撒き餌をうっかり落として割っちゃってね」
「あんた何者?」
「私?