帰宅中の恵一と苺花。
「なんか色々あって疲れたなあ」
「そりゃあんだけ霊力使えばね」
「ん?」
ゴミ捨て場に、綺麗なクマのぬいぐるみが捨ててある。
「もったいねえ」
恵一がクマのぬいぐるみを手に取る。
「そうだ」
義魂丸を取り出す。
「動くかな?」
「無理だと思うよ」
恵一は義魂丸をぬいぐるみの口の中に突っ込んだ。
一瞬の静寂の後、ぬいぐるみが動き出した。
すっくと立ち上がるクマのぬいぐるみ。
「恵一の兄貴、ありがとうな」
「動いた!」
「そんなことって!?」
クマのぬいぐるみが恵一の肩に乗っかる。
「お前なんていう名前なんだ?」
「名前? ない」
「ゴン」
「……?」
きょとんとした顔で恵一を見るぬいぐるみ。
「お前はゴンだ」
「ゴン?」
「ああ。名無しだからな」
ぬいぐるみ、もといゴンは嬉しそうな表情を見せる。
「ていうか、俺はお前の兄貴ではない」
「いんや、兄貴だ。兄貴は廃棄が決まってた俺を助けてくれた。だから兄貴だ」
「そうか」
恵一は歩き出した。
「じゃあ私は?」
恵一を追いかけながら、ゴンに向かって訊ねる苺花。
ゴンはプイッと顔を逸らした。
「酷い!」
横目で苺花を見るゴン。
「お前、兄貴のなんなんだ?」
「お友達かな」
「兄貴の友達は、俺の友達だ。よろしくな」
三人目の仲間ができ、一行は矢澤家へ向かう。
「ただいまー」
と、苺花とともに帰宅する恵一。
「おかえり、って何よその汚い縫いぐるみ?」
と、母親が出迎えるなり、ゴンに対して率直な感想を述べる。
恵一は縫いぐるみからゴンを取り出し、母親に預ける。
「洗っといてくれ」
「洗えって言われてもね。大の男が縫いぐるみだなんて」
「ああ、それ私のなんですよ」
「え、苺花ちゃんのだったの? ごめんなさいね」
母親は縫いぐるみを洗面所へと持っていく。
恵一と苺花は部屋に移動する。
「はーあ」
恵一がベッドに横たわる。
刹那、苺花の伝令信機が鳴り響く。
「恵一、虚!」
「人気者は辛いな」
恵一はゴンを飲み込んだ。
肉体から飛び出し、死神と化す恵一。
「家のことは任せた!」
「おう、任せとけ!」
恵一と苺花は虚の反応があった公園に向かう。
「うわああああ!」
公園で魂魄が虚に襲われていた。
「てい!」
恵一は虚を蹴り飛ばした。
「大丈夫か?」
「はい!」
魂魄が茂みに隠れる。
恵一は迫り来る虚の頭に斬魄刀を突き刺した。
「ひぎぇえええ……」
弱々しい悲鳴をあげ、消滅する虚。
「あ、ありがとうございます。助かりました」
魂魄が恵一にお礼を言う。
「こんなところにいたらまた襲われちまう。送ってやるよ」
「送るって、どこへです?」
「
「はあ。……?」
恵一は魂魄の額に斬魄刀の柄をあてがい、魂葬をした。
地獄蝶の導きと共に天へ昇っていく魂魄。
「帰るか」
恵一と苺花は家へ戻る。
その最中、酷く疲弊したアフロの死神と遭遇した。
「誰だ、あんた? 酷く疲れてるみたいだが」
「俺は車谷って死神だ」
車谷が恵一を見る。
「君も死神か。霊力を吸い取る虚に気をつけな」
「そいつは俺のことか?」
と、虚が現れる。
「ぎゃああああ!」
驚いて恵一の背後に隠れる車谷。
「ほう。死神がもう一人。こりゃついてるぜえ!」
虚が恵一に接近する。
「は!」
恵一が虚を斬魄刀で弾き飛ばす。
「そうでなくちゃなあ!」
虚が再び襲いかかる。
恵一は飛び退き、虚から距離を取る。
「は!」
恵一が斬魄刀を振り、斬撃を飛ばして虚に当てる。
「ぐお!」
吹っ飛ぶ虚。
「トドメ!」
虚の
虚は光に包まれて消滅した。
「助かったぜ、あんた。てか、あんた隊章はどうした?」
「隊章はないが、代行証ならあるぜ」
恵一は代行証を見せた。
「そんなの俺は見たことないな。さてはあんた、死神のコスプレをした見える人間だな?」
「放っておいて行こう?」
苺花はそう言って恵一の家に向かう。
恵一も苺花を追って歩き出した。
「おいおい、人が話してるのに言っちゃうのか? おーい!」