BLEACH 死神になった少年   作:桂ヒナギク

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5.友達

 帰宅中の恵一と苺花。

「なんか色々あって疲れたなあ」

「そりゃあんだけ霊力使えばね」

「ん?」

 ゴミ捨て場に、綺麗なクマのぬいぐるみが捨ててある。

「もったいねえ」

 恵一がクマのぬいぐるみを手に取る。

「そうだ」

 義魂丸を取り出す。

「動くかな?」

「無理だと思うよ」

 恵一は義魂丸をぬいぐるみの口の中に突っ込んだ。

 一瞬の静寂の後、ぬいぐるみが動き出した。

 すっくと立ち上がるクマのぬいぐるみ。

「恵一の兄貴、ありがとうな」

「動いた!」

「そんなことって!?」

 クマのぬいぐるみが恵一の肩に乗っかる。

「お前なんていう名前なんだ?」

「名前? ない」

「ゴン」

「……?」

 きょとんとした顔で恵一を見るぬいぐるみ。

「お前はゴンだ」

「ゴン?」

「ああ。名無しだからな」

 ぬいぐるみ、もといゴンは嬉しそうな表情を見せる。

「ていうか、俺はお前の兄貴ではない」

「いんや、兄貴だ。兄貴は廃棄が決まってた俺を助けてくれた。だから兄貴だ」

「そうか」

 恵一は歩き出した。

「じゃあ私は?」

 恵一を追いかけながら、ゴンに向かって訊ねる苺花。

 ゴンはプイッと顔を逸らした。

「酷い!」

 横目で苺花を見るゴン。

「お前、兄貴のなんなんだ?」

「お友達かな」

「兄貴の友達は、俺の友達だ。よろしくな」

 三人目の仲間ができ、一行は矢澤家へ向かう。

「ただいまー」

 と、苺花とともに帰宅する恵一。

「おかえり、って何よその汚い縫いぐるみ?」

 と、母親が出迎えるなり、ゴンに対して率直な感想を述べる。

 恵一は縫いぐるみからゴンを取り出し、母親に預ける。

「洗っといてくれ」

「洗えって言われてもね。大の男が縫いぐるみだなんて」

「ああ、それ私のなんですよ」

「え、苺花ちゃんのだったの? ごめんなさいね」

 母親は縫いぐるみを洗面所へと持っていく。

 恵一と苺花は部屋に移動する。

「はーあ」

 恵一がベッドに横たわる。

 刹那、苺花の伝令信機が鳴り響く。

「恵一、虚!」

「人気者は辛いな」

 恵一はゴンを飲み込んだ。

 肉体から飛び出し、死神と化す恵一。

「家のことは任せた!」

「おう、任せとけ!」

 恵一と苺花は虚の反応があった公園に向かう。

「うわああああ!」

 公園で魂魄が虚に襲われていた。

「てい!」

 恵一は虚を蹴り飛ばした。

「大丈夫か?」

「はい!」

 魂魄が茂みに隠れる。

 恵一は迫り来る虚の頭に斬魄刀を突き刺した。

「ひぎぇえええ……」

 弱々しい悲鳴をあげ、消滅する虚。

「あ、ありがとうございます。助かりました」

 魂魄が恵一にお礼を言う。

「こんなところにいたらまた襲われちまう。送ってやるよ」

「送るって、どこへです?」

尸魂界(ソウル・ソサエティ)。魂の故郷だ」

「はあ。……?」

 恵一は魂魄の額に斬魄刀の柄をあてがい、魂葬をした。

 地獄蝶の導きと共に天へ昇っていく魂魄。

「帰るか」

 恵一と苺花は家へ戻る。

 その最中、酷く疲弊したアフロの死神と遭遇した。

 車谷(くるまだに) 善之助(ぜんのすけ)

「誰だ、あんた? 酷く疲れてるみたいだが」

「俺は車谷って死神だ」

 車谷が恵一を見る。

「君も死神か。霊力を吸い取る虚に気をつけな」

「そいつは俺のことか?」

 と、虚が現れる。

「ぎゃああああ!」

 驚いて恵一の背後に隠れる車谷。

「ほう。死神がもう一人。こりゃついてるぜえ!」

 虚が恵一に接近する。

「は!」

 恵一が虚を斬魄刀で弾き飛ばす。

「そうでなくちゃなあ!」

 虚が再び襲いかかる。

 恵一は飛び退き、虚から距離を取る。

「は!」

 恵一が斬魄刀を振り、斬撃を飛ばして虚に当てる。

「ぐお!」

 吹っ飛ぶ虚。

「トドメ!」

 虚の(ふところ)へ一瞬で潜った恵一は、その額を斬魄刀で貫いた。

 虚は光に包まれて消滅した。

「助かったぜ、あんた。てか、あんた隊章はどうした?」

「隊章はないが、代行証ならあるぜ」

 恵一は代行証を見せた。

「そんなの俺は見たことないな。さてはあんた、死神のコスプレをした見える人間だな?」

「放っておいて行こう?」

 苺花はそう言って恵一の家に向かう。

 恵一も苺花を追って歩き出した。

「おいおい、人が話してるのに言っちゃうのか? おーい!」

 

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