恵里は今日も壁に頭を打ち付ける(完結)   作:コミッサール

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エリリン劇場第三十二幕開演デ~ス。
今回ネコレンジャーの残りと香織サンをセットにして出そうとしたら、ナゼか香織サンの文字数がドンドン伸びていったので、二つに分けました。
エリリンの企みでこれ迄出番が無かったので、もっと出せと逸っておられるようです。


第三十二話 ネコレンジャーの逆襲

メイド戦隊ネコレンジャーはまだ未完成である。

まず、人数が足らない。

戦隊を名乗るなら最低五名、出来れば六名は欲しい所である。

ではどうするかについて、まず滅茶苦茶強くなった上に、全員の神代魔法の師匠にもなり、立場が大きく強化されたリーゼロッテお姉さん改めリーゼロッテ先生が教卓に立って口火を切った。

「え?ちゃんと六人揃っているのに、何が問題なんですの?

ハジメ君と浩介がいるじゃないですの?

そうすれば浩介も、わたくしとクレアとお揃いの格好になれますわ。

男の娘が見られるなんて、素晴らしいじゃありませんの」

ハジメと浩介がガマのように脂汗をタラタラ流して焦っているうちに、女性陣の話が進んでしまう。

「いいわね、私も賛成よ。

やはり言い出しっぺは先頭に立って自分で実践すべきよね」

雫が目が笑っていない、とてもいい笑顔で変身アイテムをハジメに押し付けた。

「あ、あの私とお揃いはイヤですか?」

クラウディアがモジモジと浩介を上目遣いに見ながら、変身アイテムを押し付ける。

恵里が溜め息吐きながら、止めを刺した。

「お兄ちゃん、もうあきらめなよ。

ここのところ、浩介君と一緒にメイドとか言って何かしてたよね。

二人とも同罪だね。

こういうやり方じゃ無くて、変身させる前に好きだからメイドになって欲しいと言ってくれれば、ボクはちゃんと着てあげたのにさ」

「先生の言う事が聞けないのかしら、南雲君、遠藤君♪

出来るまで居残りですわよ♡

浩、もとい遠藤君には先生が変身のやり方を手取り足取り教えて上げますわ♡♪マスワ♡♪」

女性陣全員に包囲されたハジメと浩介は、顔を茹でタコみたいに真っ赤にして涙目で変身する。

二人の男の娘姿を堪能した、リーゼロッテ先生が指示棒でビシリと手を叩き、高らかに宣言する。

「これにて一件落着ですわ!デスワ!」

「「お願いだから、落着させないでえ」」

二人の悲鳴が響いた。

「えっ、この程度じゃ不足なの?

コミケでコスプレしたいのかしら?」

「「違いますう!!」」

結局スッキリした雫が満足した事と、恵里が今後はハジメの作品を、先に自分だけでテストすると約束した事で、メイド姿は勘弁する事に収まった。

リーゼロッテは、最後までハジメと浩介を男の娘にしようと画策したが、代わりにハジメと浩介が魂魄魔法で分身の術を修行する事で渋々納得した。

どうやら浩介を養殖して、クラウディアとシェアするとか、分身の内、一人だけなら男の娘にしても事故だとか、企てているようである。

メイドが足らないのは仕方ないので、今後クラスメイトからやトータスでの人員補充を考える事にして、メイド戦闘服のテスト結果を元に南雲家の面々で改良点の検討に入った。

一家でアイデアを出し合い、菫がパッパッとイラストを描き、それを修正して、最終案を愁がCGで3D作成して、召喚までの間に問題点を洗い出して、一年間を掛けて改良されたメイド装備を作成しテストしていく。

現在の防御力は耐熱、耐刃、耐弾に優れる炭素繊維を錬成魔法で強化して作ったメイド服に、防御魔法を重ね掛けし、着心地も対衝撃吸収に優れた裏地を付ける事で改善している。

機関銃弾程度までなら防げるだろう。

ネコ耳カチューシャで暗視能力と聴力強化、外装式ネコ爪でぶら下がったり壁登り、チョーカーで状態異常無効、襟元のブローチにディストーションフィールドを固有装備にしたのが基本形態で、状況に応じて第二形態ニンジャメイドか第三形態アーマーメイドにお色直しで変身できる

ニンジャメイドは、ステルス重視の潜入、偵察用で、衣擦れの音すらしないように短い裾で、光学迷彩で温度まで周囲と一体化する漆黒のメイド服に、特殊な無音靴に破壊工作用の工具や焼夷剤などを装備している。

アーマーメイドは強敵との正面からの殴り合い用で、胸当て、腕、脚部などに自衛隊の10式戦車用の装甲板を魔法で加工強化した装甲を装着した上に、リアクティブアーマーを装着して、パイルバンカーを仕込んだ大型の盾を持った防御重視の形態である。

つまり敵が盾を殴ると、盾の表面が爆発して、敵を吹っ飛ばす事が出来る。

敵が盾を殴ってくれない場合は、こちらから盾で敵をぶん殴れば、爆発で追加ダメージを喰らわす事が出来る。

そして、そのままだと重装甲な分機動力が落ちるため、足元のジェットローラーダッシュで疾走出来、背面に魔力を噴射するブースターで短時間ジャンプ飛行可能な代物だ。

もう何処がメイドなのか突っ込み必至の、人間モビルスーツな代物だが、こんな物では南雲家は満足しない!

そうだ攻撃力が足らないじゃないか!

アーマーの各部にポールジョイントが設置され、各種兵装を選択して装着出来る。

特にオススメは思考制御される連装や三連装の、レールキャノン搭載の巨大な旋回砲塔だ。

大きいのは、レールキャノンを小型化出来なかったからだが、大型の金属の塊でもあるため、射撃だけでなく、鈍器代わりにぶん殴るにヨシ、盾にヨシと大変お得になっている。

砲塔は必要時にはパージ出来るので、剛力自慢の雫など大型三連装砲塔を両肩と両腕に四基十二門装備して、距離が空いている時は砲撃し、近くなればパージして斬馬刀で敵を両断するスタイルを好んだ。

搦め手を好む恵里は速射能力の高い二連装小型砲塔を多数装備して、目や武器を狙うような攻撃を好んだ。

凄まじい攻撃力だが、これでも南雲家は満足しない!

「このメイド服では使徒の奴等には勝てない!!」

当たり前である。

トータスの魔法素材が手に入らず、貧弱な地球産の素材で、使徒に簡単に勝てる装備が出来る訳がない。

仕方なく、トータス召喚後に強化する予定になった。

もちろん、メイド装備と平行して、ハジメと浩介の装備も作成されていく。

ハジメのはタンク役として、最初からアーマーメイドを上回る重装甲が全身を覆い、その重量を竜の力が支えている。

思考制御される外付けの各種オプション兵装(射撃、煙幕、目潰しレーザーなど)に標準装備の大型の盾とジェットローラーダッシュと魔力ブースターが付いている。

浩介の方は、ニンジャメイドと同じステルス装備の男性版だが、分身術の具合を見て、使い勝手がいいように装備を改良する予定である。

こうした装備が完成するには、一年はかかるだろう。

ネコレンジャー会議が終わると、恵里はハジメに頭を下げて詫びた

「お兄ちゃん、今日は庇えなくてゴメンね。

お詫びにお兄ちゃんの作る、どんな服でも着てあげるから、ね元気出して♪♡」

(よしっ、これで他の女性メンバーのお色気コスチュームで、お兄ちゃんが悩殺される事はなくなった。

お兄ちゃんを悩殺するのは、ボクだけでいいんだよ、クスクスクス♪)

こうしてネコレンジャーを完成させようと努力が為されている裏で、あさっての方向への努力もされていた。

「ハジメ君♪いとしいシト♡

一年も掛けて、やっとおまじないの準備が整ったの♪

星宸良しっ、触媒良しっ、印良しっ、蜂蜜酒良しっ、発音準備良しっ。

これで呪いを打ち破り、やっとハジメ君に会える♡♪エヘヘヘヘ♡いとしいシト♡大好き♡」

今日も香織サンは平常運転である。

平和な卒業式前夜の出来事だった。




異能生存体の香織サンなら、ナニがあっても大丈夫。
と言うか、ホント何で死なないんだろうと原作読みながら思ってたら、一回死んで斜め上の方向で復活した。
何があっても大丈夫、姿かたちが変わっても必ず還って来ると、筆者も安心してピンチに放り込めるキャラです。
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