原作のハジメの代わりに腕を失い、香織サン鋼鉄ジーク化でハニ丸と戦う未来にはなりませんでした。
是非そうしたかったのですが、クラウディアサンが聖女の私が居てそんな事許すわけないでしょうと抗議されて、ボツになりました。無念。
代わりにオルクスのあの方達がユカイな事になりました。合掌。
ベヒモス戦と檜山の裏切り行為は王宮を震撼させた。
ハジメがトラウムソルジャーの方に、いち早く光輝と清水を回したため、他の生徒や騎士達に死者は出なかったが、ハジメ達六人、つまり生徒の二割近くが一気に失われたのだ。
トラップに掛かるのを防げなかったメルド団長は監督責任を問われて更送された。
後任はクゼリー・レイル副団長が昇格し、メルド前団長は平騎士に降格され、魔人族との最前線送りとなった。
メルドにとり不名誉な結果だが、その代わりノイントに殺される未来は消えた。
八重樫さん達と生徒からは減刑嘆願が出されたが、生徒には多くの死者を出したのに、騎士には死者どころか重傷者すら出ていない点が反ってマイナスとなった。
生徒だけを戦闘の矢面に立たせ、騎士は戦闘を回避したと見なされたのだ。
地球で言えば敵前逃亡の嫌疑で軍法会議の有罪判決を受け、懲罰部隊送りになったという場合に当たる。
ここまで厳しい処罰になったのは、教会が檜山の件まで王国に責任を押し付けて来たからだ。
エヒト神が送ってきた勇者に問題などある筈が無く、ならば王国に問題があったに決まっていると、責任者を厳罰(死刑)にするよう要望(命令)してきたのだ。
勇者側からの減刑嘆願と王国側の抵抗が無ければ、死刑になっていただろう。
檜山は犯罪を公表出来ない為、罪には問えないので、王国側は牢内で「病死」させる予定である。
ハジメ達が死んだと思った生徒達は、死という現実を突き付けられ、士気阻喪した。
オマケにその原因が檜山の勘違いによる痴情のもつれとあっては。
光輝と香織は付き合ってなどいなかったのだから。
檜山事件の前から愛子先生が豊穣化のため留守にしていた中、光輝は精力的に八重樫さん達や龍太郎、清水と何度も話し合って協力を仰ぎ、クラスをまとめるべく奔走した。
その為にメルド団長の更送騒ぎの混乱を利用して、後任のクゼリー副団長の昇格と引き継ぎが終わるまで、迷宮探査を止めて時間稼ぎをしていた。
もちろんただ遊んでいる訳ではなく、少しでも自衛出来るように鍛練を皆に課し、その時間でガンダムの生産を行っていた。
奈落に降下した恵里達は、途中の岩棚にベースキャンプを設営し、探索を開始すると同時に香織の治療を行った。
香織サンは、早く強くなって役に立つために、義手義足を分離合体して、状況に応じて色々な機能の手足と換装するのになりたいと主張したが、聖女たるクラウディアサンがとてもいい笑顔で完全回復させた。
香織の希望が通っていたら、「スーパーロボ、鋼鉄カオリン」に天職が変わっていたかも知れない。
真大迷宮の入口の場所はわからないが、前回恵里がハジメ達の会話を盗聴した時、水流にぶつかったら意識が途絶え、気が付いたら大迷宮内部の川岸にいたと回想していたのをヒントに捜索する。
真大迷宮はオルクス迷宮より下にある筈なので、ある程度降下してから、水が大量に流れ込んでいる場所を当たった。
それらしい所を見付ける度に、恵里の屍虫を放り込んで確認する。
ハジメが溺死しなかったのだから、流れ込んでいる場所から数分間で真大迷宮内部に出られる筈だ。
十六箇所目で当たりを引いた。
恵里が灰翼で岩を分解して流れを変え、水が横穴に流れ込まないようにしてから、全員変身して、歩いて真大迷宮に入り込んだ。
メイド姿の恵里は小箱を開け、屍虫を次々と発進させて、迷宮内部の地図作成と索敵を開始した。
魔物の位置を粗方掴むと、魔物の移動していく先に皆で先回りして待ち伏せる。
不運な二尾狼の群れは、気付いた時にはハジメと雫の斬撃の剣圧で纏めて吹き飛ばされた。
壁に叩き付けられ、動きが止まった所へ残り五人が殺到して止めを刺した。
その後は魔物の死骸をアンデッド化しては次の魔物の攻撃に使い、ねずみ算式に殖やしてアンデッドの軍団を編成していった。
アンデッド化すると知能が落ちるので、そんなに強い訳では無いが、一当たりさせて相手の強さや特殊能力を探るのに丁度良い。
石化バシリスクや地中鮫のような初見殺しの魔物の手の内を見る事が出来るのは、極めて大きい。
後日おかげで地中鮫は先制でタールの海に剣圧の衝撃波を次々と叩き込まれ、ガッチン漁法のように、気絶してプカ~と浮いて来て全滅する事になる。
爪熊を、ハジメが風爪も弾く重装甲に守られて難なく倒し、この階層の安全を確保すると、食料問題の解決に入った。
前回ハジメは食料など持っていなかった。
ならば魔物を食べて生き残ったとしか考えられないが、魔物は有毒。
おそらく前回ハジメが何度か使っていた、神水で助かったに違いない。
そしてそれはこの階層にある筈だ。
でなければ、ハジメは餓死していた筈だからだ。
、魔物を蹴散らしながら、魔力探査で神結晶を見つけ出した。
さっそく熊と兎と狼の肉を串焼きにして、人間で一番丈夫なハジメが志願して、まず食べた。
今回は神水を使わなくても、治癒役が二人もいるので、余裕を持って治癒する事が出来る。
香織もクラウディアから治癒術について色々学び、レベルの急速な向上と相まって、めきめき実力を上げていった。
食べる事で魔物の能力を取り込める事がわかった後は、能力欲しさに皆夢中になって狩りに勤しんだ。
トレーディングカードのように、次々と新しい能力が手に入る楽しさにハジメ達は嵌まった。
同じ魔物を捕えても新しい能力は手に入らないので、皆血眼になって新しい魔物を求めていた。
手に解体用の包丁持って、「新しい魔物はいないか~?」と、ナマハゲのごとく探して歩くハジメ達から、悲鳴を上げて逃げ惑う魔物の姿が見られるようになった。
こうして凄まじい速度で攻略し、強くなったハジメ達は遂に五十階層に到着した。
門番のサイクロプスは石像のまま瞬殺され、土木作業や荷物運びに使える強力なアンデッドが手に入ったと恵里を喜ばすだけしか出番がなかった。
ドアを開け、ネコ耳カチューシャの暗視能力で中を覗き込んだ恵里達の眼に四角いキューブに下半身を埋め込まれた少女の姿が眼に入る。
ハジメ達の警戒度がマックスになり、少女に武器を向ける中、恵里だけは逆に安心して近付いていった。
「皆大丈夫、危険は無いよ」
制止の声を掛けるハジメ達を宥めながら、恵里はユエをゆっくりと眺めた。
(前回お兄ちゃんの正妻だったユエ、こんな所にいたんだ。
どっから湧いたか不思議だったけど、イヤ~、納得。)
感慨に耽っていた恵里に、眼をウルウルさせながらユエが言った言葉が耳に入った。
「お姉様、この恩は必ず返す、私の愛をお姉様に捧げる事を誓う♡」
恵里はピキリと固まり、プルプル震えだした。
(あ、あれ、ボクヤラかした?!
ヒナ鳥が初めて見た者を親だと思い込むみたいに刷り込みしちゃった?!
だからユエはあんなに前回お兄ちゃんを熱愛してたのか?)
ギギギと油の切れた人形みたいな、ギクシャクとした動きで恵里は言い訳して逃げようとした。
「イ、イヤ、ソンナキニスルコトナイデスヨ。
タイシタコトジャナイデスヨ」
「さすがお姉様、謙虚♡
でもお姉様が大丈夫と庇ってくれなかったら、私助けて貰えなかった、有り難う♡」
ユエの熱視線とさすおね攻撃に、百合耐性の全く無い恵里は精神の限界を迎えた。
突然無言で床に頭を打ち付け出した恵里の奇行に驚いて、まだ身体を固定されたままのユエが、もがきながら慌てて叫んだ。
「だ、誰か、お姉様を助けて!!」
ハジメが苦笑しながら、恵里を取り押さえて落ち着かせた。
「あー、恵里ちゃんはいつもの事だから心配いらないよ」
ハジメに錬成で救助されたユエは、恵里にビットリくっついて血を貰いご満悦だった。
恵里の血は、原作のハジメより大分レベルが高いため、より魔力が高く、酔いしれるほど美味しかったのだ。
刷り込みに加え、胃袋まで掴まれたユエは恵里を独占したがり、ハジメが恵里に近付くのも嫌がったが、救助された借りがあるので渋々認めていた。
恵里を争い、ハジメとユエが戦うとか悪夢以外の何者でもない。
(アアア、ボクのバカー!なんで浩介に行かせなかったんだあ~!!)
慌てた恵里は、ユエに対しハジメは自分の命を何度も救ってくれた恩人だからと説明し、危害を加えないよう、厳重に釘を刺した。
それでも影でユエは、「ぐぎぎぎ・・・、お姉様の事を心配しない、あんな男なんてお姉様に相応しくない。
殺していけないのなら、ハゲてしまえば、いや潰して男の娘にしてしまえばヨカロウなのだ」とか呟いて、恵里に頭を打ち付けさせていた。
何も知らないハジメはなぜか顔を会わす度に、ユエがハジメの股間を虎視眈々と睨むので、居心地悪そうにしていた。
(「フッ、南雲ハジメよ、覚悟するがいい!
スマッシュNo.1の称号を持つ私が、貴様に新しい世界を見せてやろう!!」て言ってたけど何なんだろう?
恵里ちゃんが青い顔して、ユエさん引き摺って連れて行っちゃったから、どういう意味か聞けなかったけど?
痴女にしちゃ殺気が凄くて怖いんだけど?!)
(ああ、お兄ちゃんがハーレムの話するとイヤがるから、誰が入っていたか言わなかったのがこんなことになろうとは?!
こんなことお兄ちゃんに言えるかい!
ユエがお兄ちゃんの股間をスマッシュして潰そうと狙ってるなんて!)
知らぬが仏、人生には知らない方がいい事がある。
なお落ちてきたサソリモドキはお姉様との逢瀬を邪魔されたと、怒り心頭でパワーアップしたユエの蒼天の連続行使で、じっくりとろ火で炙られて、もがき苦しみながら焼きサソリにされた。
途中装備を手に入った様々な素材で改変強化しながら、さくさく攻略を進め、エセアルラウネは密林毎戦略爆撃されて燻り出され、フラム鉱石で造ったナパームモドキを発見されたエリアの回りにバラ撒き、退路を断たれてエリア毎焼かれた。
恵里達は原作ハジメを大幅に上回るスピードで百階層に到達した。
おそらくダンジョンボスがいるのだろうと、警戒した恵里達は大型魔法陣が現れると、直ちに攻撃準備にかかり、出現と同時に先制でありったけの攻撃を叩き込んだ。
原作に於けるヒュドラが強敵だったのは、ハジメがユエと二人だけだったのに対し、ヒュドラが七つの首の分だけ手数が多く、飽和攻撃でハジメ達の対応を破綻させたからである。
今逆の事が起きていた。
先制で首を二つやられた所に、元の首の数と同じ七人掛かりで攻撃されているため、防御や回復が間に合わないのだ。
全ての首が同時に攻撃されているため、ジリ貧で削られていき、アッサリ倒された。
恵里達は反逆者オスカー・オルクスの住まいに侵入し、生成魔法を習得したが、香織以外はリーゼロッテから習得済みなので正直あまり有り難くない。
ではなぜオルクス大迷宮を目指したか?
一つ目は、生成術士であるオスカー・オルクスの研究資料と素材を手に入れる事である。
これについては経済産業省と文部科学省の役人が、どちらの管轄にするか掴み合いのケンカをしながら、是非押さえて欲しいと依頼を恵里にしていた。
日本政府が魔法を組み込んだ産業政策を立てるには、魔法でどこまで可能なのかが、わからなければ何も出来ないからだ。
その為にトータスのトップ研究者の資料は喉から手が出るほど欲しい物だ。
二つ目は、ハイリヒ王国首都に一番近い大迷宮を制圧する事で、安全な工作拠点といざという時のシェルターを手に入れる事である。
エヒトと悪魔のハルマゲドンが近付く今、クラスメイトやトータスで出来た味方を避難させる事が出来るシェルターは必要だ。
流れ弾一発で街毎蒸発させられてはかなわない。
そして三つ目の最も重要な目的を達成すべく、恵里はリーゼロッテと儀式魔法の準備を行っていた。
魂魄魔法の奥義を行う為に必要な素材は途中の迷宮で手に入っており、最後の最も重要な物がここで手に入った。
すなわち、オスカー・オルクスの遺体と本人が最も強い執着を持つアイテム、つまりメイドロボである。
一昼夜ぶっ続けの儀式の果てに、恵里はオスカー・オルクスの霊の召喚に成功した。
依り代はオスカー・オルクス本人が作成したメイドロボだ、鬼か。
自分の作品を依り代にしてあげたというのに、何故かオスカーサンはご機嫌斜めで自室に魔法で鍵かけて、涙目で引き篭もってしまった。
「恵里ちゃん、メイドロボはやっぱりマズかったんじゃ?」
「仕方ないじゃないか。
だって残留思念が残っている程、執着していたアイテムなんだよ。
神代の人の降霊術は大変なんだよ。
降霊術で使わない訳が無いだろう!
あれだけ執着してた物だから、喜んでもらえると思ったんだ!」
「でもこのままじゃ問題が解決しないぞ」
「なに、ボクにいい考えがある。
オルクスさんが駄目なら、他の大迷宮に行って、そこの解放者の人を復活させて、オルクスさんに話をしてもらおう。
オルクスさんの私物を触媒に使えるし。
今度はちゃんと依り代用のゴーレムを用意するよ」
「で、どこの大迷宮にする?」
「ン~、ここの出口のすぐ近くに、別の大迷宮がある。
これだけ近くに有るって事は親しい関係だったんじゃないかな?
ええと、ライセン大迷宮か」
参考資料 現在の本当の各人天職。
南雲ハジメ 錬成士 ニンジャ 竜の騎士
南雲恵里 降霊術士 ニンジャ
八重樫雫 ニンジャ サムライ
遠藤浩介 ニンジャ
クラウディア ニンジャ 聖女
白崎香織 治癒術士 ニンジャ
リーゼロッテ ニンジャ コスプレイヤー
筆者が原作読んで思った事。
ユエサン、躊躇いも無く次々とスマッシュしてるけど、ヤケにスマッシュ手慣れてね?
前に経験たっぷり積んでた?
てことは、女王様はスマッシャー?
吸血鬼の国は凄いトコだったのでは?
スマッシュ!スマッシュ!No.1♪