「っと、その前に伊達だったわね。」
「はい?」
アリア先輩にいきなり話しかけられて実際ビビってます。
「早く校門前に行きなさい。もう5分くらい待ってるわよ。」
「了解です!」
急げ俺。あの人また帰っちゃうぞ!
「さて、それじゃあ本題ね。」
アリア先輩はあかりたちの方に振り返ったようだ。
*****
かれこれ5分待っているのだが全く来ない。ついでに言うとうざいのに絡まれている。
「ねー、なみっちー。」
「うっせぇぞ。なんでお前までいるんだよ。早く帰れ。」
「うわーい、ドライ過ぎ〜。そんなんじゃモテないぞ。」
「キンジもなんか言ってくれ。」
遠山金次、俺のルームメイト且つ同じ強襲科で年末にいろいろあったやつだ。
「いや、お前強襲科に行かないのか?」
「今日はちょっとな。ガキの相手をせにゃならん。」
「ああ、言ってたあいつか。」
そんなことを言っていると理子が視界に手を入れてきて、
「ねえねえ、あいつって朝の子?」
手を払いのけると、
「そうですね、先輩。伊達雪樹といいます。」
ようやく来たようだ。
*****
「そんじゃあ、今から試験開始だ。制限時間はそうだな…今日中に戦兄弟契約が締め切りに間に合うようにするには…今日の19時までに俺からエンブレムを奪い取れ。」
そう言って先輩は携帯電話にエンブレムを貼り付け、
「ゲームスタートだ。」
俺から逃げ始めた。
◆
速い。一切の無駄のない動きで校内を逃げ回っている。追いつける追いつけない以前に、見失わないようにするのがやっとだ。
「おいおい、銃でもナイフでもなんでも使ってこいよ。」
「くっ…」
「ちゃんと狙えよ〜。」
あえなく弾道を読まれてしまった俺は当然の如く弾丸を回避され、
「ほれ。」
「っつぅ!?」
防刃制服の上からとはいえ、右の太腿に小型の投げナイフがあたる。その威力はたいしたことなくとも動きが止まる。次の瞬間には遥か先の窓から飛び降りている先輩の姿があった。
「くそッ!」
俺も痛みを我慢して飛ぶ。
「もうちょい走れ。」
そう言って、10メートルくらい先で待っていた先輩が走り出す。しかし、今ならあたると思い足を狙って撃つが、
「当たらんさ。」
警戒していたらしく、軽々と回避されてしまう。
「まだまだぁ!」
先輩の頭の先をめがけでスタングレネードを投げる。しかし、振り向いた先輩の体から出たマズルフラッシュのようなものから出た弾丸で破壊される。
「鼓膜破る気かよ。」
そう言いながらまた走る。多分だが、だいぶ抑えて走っているのだろう。余裕すぎる表情だ。
「バイク!?」
「そーだよ。そっちにあるの使って追え。」
飛びかかろうとするが、ナイフを足元に投げられたしなめられる。
「ちゃんとついてこいよ?」
「わかってますよ!」
これってカーチェイスってことでいいのか?
*****
「あらら。まさかバイクをぶっ壊すとはね。」
校内から出る直前、炸裂弾を喰らってバイクを壊されてしまった。
「ちっ、クソガキてめえ、限度とか知らねぇのかよ。」
「…先輩。」
「あ?」
「本気で戦ってください。」
こいつの目は本気だ。本気で倒しに来てる。
「参ったな、こりゃどうも。本気ださせたら戦兄弟契約せざる負えなくないか?」
「だからこそです。せめて技の一つや二つくらい使わせる気で来ました。」
周りに人はいない。そりゃそうだ。蘭豹に頼んでおいたしな。なら、
「一回だけ、一回だけ使ってやる。受けて覚えろ。いいな、雪樹。」
「はい!」
まあ、これ使わせるくらいだ。面倒だが結んでやろう。キンジのやつだって風魔と契約したんだし、俺もそろそろ諦めよう。
*****
何が起こったのか理解できなかった。構えたワンテンポ後に腹に衝撃を受けてそのまま戦闘不能になったのだ。
「あ…れ?」
「覚えたな?これでもまだ俺と戦兄弟契約をしたいんだったら、明日、俺の教室に来いよ。一応お前は合格だ。」
それと同時に意識が飛んだ。
キャラ紹介
波峰幽(なみみね かすむ)
強襲科 Cランク武偵
使用武器 小型ナイフ コルト・シングル・アクション・アーミー を常時装備している
身長172cm 体重64kg AB型
基本的にキンジや理子、レキとつるんでいる。適当に生きているように見えて期日は守るタイプのやつ。成績は平均なのにキンジがわからないところ質問すると普通に教えられる頭の良さ。
その正体はこれからのストーリーで明かす予定。