コンラッド・シェパード
―アスカロン領・ハーシェル村―
「パパ~」
「どうした、リアナ」
「あのリンゴを取って~」
「ちょっと待っててな」
「はやくぅ~」
「意外と取るのに時間かかるんだよ」
パパと呼ばれた男は、木に登り、リンゴを3つ取って降りてきた。
「はい、リアナ。
エリー、君も」
「ありがとう、パパ」
仲睦まじい家族の姿がそこにあった。
タッタッタッタッタッタッ…
「コンラッド・シェパードか?」
兵士の一人が尋ねた。
「ああ、そうだ」
「召集がかかっている、今すぐソルフェリア基地に赴くように」
「なぜ、引退した私が…」
「アベロンの勢力を抑えるために多くの兵が必要なのだ」
一人の兵士が剣を差し出した。
「仕方あるまい。
リアナ、エリー、行ってくるよ…」
コンラッドは、剣の柄を持った。
「パパ~」
「あなた、必ず帰ってきて…」
「二人とも…必ず帰るから…」
―――3ヶ月後―――
―ソルフェリア基地―
「コンラッド!」
一人の男が休んでいるコンラッドの元へ走った。
「オーウェン、どうしたんだ?
そんなに急いでいて…」
「村が…
同郷の旧友は、ためらいながらも、言葉を発した。
「……アベロン軍に滅ぼされた!」
「!!
…嘘だろ…?」
しばらく沈黙が流れた。
「………、村は…?」
沈黙を破ったのは、コンラッドだった。
「焦土と化したよ…。
生存者は……………いない……………」
「………リアナ………エリー………。
嘘だろ…、あれが最後だったなんて…」
コンラッドの目には、透明な液体が溢れ、それはコンラッドの頬を冷たく濡らした。
「コンラッド・シェパード、出撃せよ」
司令部から出撃命令が出た。
「オーウェンは?」
「俺は、残らないと」
「そう…………か」
その後、アベロン軍との交戦が始まった。
「アベロンめ!
よくも私の家族を!」
コンラッドは、錯乱しながら剣を振るった。
彼は、もはや
次々となぎ倒されるアベロン兵。
「…………ハァハァハァ…………。
………………………………!!!」
正気が戻ったコンラッドが目にしたのは、まさに“地獄絵図”の光景。
辺りには、
ただあるのは、骸の山。
「…………見失ったのか…………?」
戦場を動き回っているのは、コンラッドだけ。
「………ソルフェリア基地……に戻ろう……。
早く戻らないと、ここにアベロン軍が来るかもしれないからな…。
みんなも心配だ…………」
コンラッドは、愛剣を携え、歩き出した。