バルドニア戦記   作:アリス・リリス

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prologue~4人の始まりは、4つの手紙~
コンラッド・シェパード


―アスカロン領・ハーシェル村―

 

「パパ~」

「どうした、リアナ」

「あのリンゴを取って~」

 

「ちょっと待っててな」

「はやくぅ~」

「意外と取るのに時間かかるんだよ」

 

パパと呼ばれた男は、木に登り、リンゴを3つ取って降りてきた。

 

 

「はい、リアナ。

エリー、君も」

 

「ありがとう、パパ」

 

 

仲睦まじい家族の姿がそこにあった。

 

タッタッタッタッタッタッ…

 

「コンラッド・シェパードか?」

 

兵士の一人が尋ねた。

 

「ああ、そうだ」

 

「召集がかかっている、今すぐソルフェリア基地に赴くように」

 

「なぜ、引退した私が…」

 

「アベロンの勢力を抑えるために多くの兵が必要なのだ」

 

一人の兵士が剣を差し出した。

 

「仕方あるまい。

リアナ、エリー、行ってくるよ…」

 

コンラッドは、剣の柄を持った。

 

「パパ~」

「あなた、必ず帰ってきて…」

「二人とも…必ず帰るから…」

 

 

―――3ヶ月後―――

 

―ソルフェリア基地―

 

 

「コンラッド!」

 

一人の男が休んでいるコンラッドの元へ走った。

 

「オーウェン、どうしたんだ?

そんなに急いでいて…」

 

「村が…俺達の村(ハーシェル)が…」

 

同郷の旧友は、ためらいながらも、言葉を発した。

 

「……アベロン軍に滅ぼされた!」

 

「!!

…嘘だろ…?」

 

しばらく沈黙が流れた。

 

「………、村は…?」

 

沈黙を破ったのは、コンラッドだった。

 

「焦土と化したよ…。

生存者は……………いない……………」

 

「………リアナ………エリー………。

嘘だろ…、あれが最後だったなんて…」

 

コンラッドの目には、透明な液体が溢れ、それはコンラッドの頬を冷たく濡らした。

 

「コンラッド・シェパード、出撃せよ」

 

司令部から出撃命令が出た。

 

「オーウェンは?」

「俺は、残らないと」

「そう…………か」

 

その後、アベロン軍との交戦が始まった。

 

「アベロンめ!

よくも私の家族を!」

 

コンラッドは、錯乱しながら剣を振るった。

 

彼は、もはや狂戦士(バーサーカー)と化していた。

 

次々となぎ倒されるアベロン兵。

 

 

「…………ハァハァハァ…………。

………………………………!!!」

 

 

正気が戻ったコンラッドが目にしたのは、まさに“地獄絵図”の光景。

 

 

辺りには、味方(アルカナン)の兵の姿も、(アベロン)兵もなかった。

 

ただあるのは、骸の山。

 

「…………見失ったのか…………?」

 

 

戦場を動き回っているのは、コンラッドだけ。

 

「………ソルフェリア基地……に戻ろう……。

早く戻らないと、ここにアベロン軍が来るかもしれないからな…。

みんなも心配だ…………」

 

コンラッドは、愛剣を携え、歩き出した。

 

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