バルドニア戦記   作:アリス・リリス

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アラン・ダンドーロ

―アルカナン領・キロスメイジ養成所―

 

「ハアアアッ!」

 

火の玉が炸裂した。

 

スネークの群れに当たるも、免れたスネークが襲いかかる。

 

「まだまだ!

ポイズン・スモッグ!」

 

辺りに緑色の霧が立ち込めた。

 

「ググルー!」

 

スネークは、断末魔をあげて消えた。

 

「やった!」

「アラン、よくやったな。

さすが、わしの一番弟子じゃ」

「キロス様!」

 

声の主は、このメイジ養成所の所長であり、アランの師匠でもある大賢者・キロスだった。

 

「………じゃが、もう少し『ポイズンスモッグ』を制御できるようになれ。

今のお前じゃ、この通りじゃよ」

 

辺りを見ると、未だにスモッグが残っており、植物や動物が弱っていた。

「わっ…、どうしよう…」

「わしに任せるのじゃ」

 

キロスが杖を掲げ、高らかに叫んだ。

 

「ウィンドストリーム!」

 

たちまち強い風が吹き、スモッグを払った。

 

続けて、

「ソルナキュア!」

 

杖についている宝石が光輝いた。

毒に冒されていた生き物たちは、生気を取り戻していった。

 

「さすが…キロス様…お見事です」

 

「フォッフォッフォ…、わしにできぬことはないのじゃ」

 

キロスは、一度言葉を切った。

 

「アラン、お前に言わなければならぬことがある」

「なんでしょう?」

 

アランは、(こうべ)を垂れた。

 

「我らアルカナンがアベロンと戦っているのを知っておろう」

 

「はい、よく知っております」

 

「わしは、アルカナンから『オディア基地』へ向かうよう命を受けたのじゃ。

わしは、明日出発せねばならぬ」

 

「それって…。

この養成所や私のことはどうなさるおつもりですか!?」

 

キロスは、穏やかに微笑んだ。

 

「アラン、わしがいなくとも、修行を忘れるでないぞ。

必ずお前を呼び寄せる」

 

次の日、キロスは、アルカナン兵に護衛されながら、オディア基地へ向かった。

 

アランは、いつか来る召集の日のために修行を重ねた。

 

そして…キロスが出発してから1ヶ月が経ったころ、

 

「アラン・ダンドーロなる者はいるか!?」

「アラン・ダンドーロとは、この私だ」

「キロス様から手紙だ」

 

 

―アラン、アベロンとの戦争はひどくなる一方じゃ。

お前も十分鍛錬を積んだじゃろう。

一人前のメイジとなるための試験もかねて、オディア基地に来るのじゃ。

司令部の者にはもう伝えておる。

お前に会えることを楽しみにしておるぞ。

キロス・ウファル―

 

 

「…出発は、30分後。

急いで支度せよ」

 

アランは、急いで身支度をして、手紙を届けた兵士と共にオディア基地へ向かった。

 

「キロス様、今参ります!」

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