という訳でお話を進めていきますよ(希望的観測)
では、ゆっくりしていってね!
作戦から無事に帰還した翌日、昨日はやらなかったMVP発表なら反省会を今日やるそうだ。でもその反省会が始まるのは少ししてからだし、俺は教官の仕事をしていた。
「うん。いい動きだ!」
今現在はグラニと模擬戦をしている。グラニといい、フェンといいかなりの勢いで強くなっている。多分今の彼女達が訓練最初期の俺くらいになら余裕をもって勝てるだろうな。
「っと、褒められたからって気を抜くなよっ!」
「うげっ?!」
グラニの隙を見つけたのでそこを軽く突こうとしがどうにか槍で防いだ。
「あっぶな!教官この頃どんどん強くなってるんですけど!?」
「それはお前達がどんどん強くなってるからだよ」
「と言っても、未だに槍使って無いじゃんー!っぶな?!」
話すことに気を取られちゃ駄目だぞという思いを込めてちょっとキツイ攻撃を見舞うが、ギリギリで避けた。俺の予想だと防ぐと思ったんだな。
「ーよく避けたなぁ」
「だってそれ、強攻撃でしょ!」
どうやら俺の狙いを見向いていたようだ。じゃあもう少しギアを上げてーーとしようとしたら電子音が鳴り響く。終わりの時間だ。
「はい、終わり」
「あ、ありがとうございました!」
グラニの返事的にそこまで疲れてなさそうだな。そろそろ槍使うかなぁ...いや、これは主治医に聞かないとな。
そうこう思っていると、近くで此方を見ながら素振りをひたすらしていたフェンが此方に近付いてきた。
「じゃあ、始めよう」
「はいっ!」
フェンは何処まで速くなったなーー?俺は油断はしないで彼女との組み合いを始めた。
フェンとの組み合いも無事終えた。彼女もキチンと成長している。スピードも今となっちゃグラニとドッコイ位かね?
そんな事を考えながら反省会の開催場所である会議室に向かっていると、アーミヤ社長が向かい側からコチラに歩いて来る。
「アーミヤ社長」
「ドラグーンさん。おはようございます」
丁度会ったのでそのまま特に寄り道もなく会議室まで着いた。中に入るとそこにはドクターとサリアさんが居た。
「あっ、ドラグーン!こんにちは」
「ドクターどうも。サリアさんも、こんにちは」
「...あぁ、こんにちは」
ドクターは何時もより少しテンションが高かった。大丈夫か?少し心配だな。リセイタリテル?
それに対してサリアさんは何やら考え事をしているようだ。
「席は何処に座れば?」
「適当に開いてる席に座って!」
かなり上機嫌なドクターの返事を受け俺はどうしようかなと席を見渡す。因みに円卓っぽい感じだ。アーミヤCEOは気が付いたらドクターの隣に座っていた。俺はドクターの向かい側に座っていたサリアさんの隣の席に座り端末を開く。ドーベルマン教官にそろそろ今後の訓練内容を送って来いと連絡がきたからね。
「次は連携の練習か?...でもするなら俺は外側から見たいなぁ」
複数人数捌ける人に手伝いを頼んでみるか?でもここにそんな隙を持て余してる奴なんて
「ー居るけど、厄介だから別のにするか」
脳裏にある奴が思い浮かんだが、それを頭振ってその考えを消した。記載いていた訓練内容のメモを一応保存し、別のメモ帳を立ち上げ次の訓練内容になる素案を考え始める。がなかなかいい案が思いつかないため、一旦視線を上げて周囲を確認すると結構な人数が集まっていた。というより隣にブレイズさんが座りつつこっちを見ていたのか目が合った。
「いやー凄い集中力だね。私も立場的にやることはあるけどそこまで集中出来ないなー」
「そうですか?と言っても進んでは無いんですけどねー」
端末の電源をスリープさせる。席が埋まったしそろそろ始まるだろう。
「では、危機契約の反省会に移ります。と言っても報告書の共有をするだけなんだけど、じゃあ端末に送ったから順に話すねーーー」
そこからはイメージ大学の講義風のスライドによる各員の報告を集計しての共有が殆どであった。因みに隣にいるエリート猫は結構序盤から寝落ちしていた。大丈夫なのか?
「ーー以上で共有は終わりです。じゃあ次は今回の作戦のMVPについてだね。じゃあアーミヤお願い」
MVPその言葉をドクターが言った瞬間場の空気がピリついた。というよりMVPってなんだ?そう思っているとサリアさんが俺の困惑顔に気付いたのか説明をしてくれた。
「通常の作戦では無いが、この危機契約においては特別休憩を貰える権利がこのMVPだ」
「えっ?でも休暇って貰ってますよね?」
確かこのロドスが龍門に帰艦してから2日位の休みを入れられていたよな?そう思い聞き返すとサリアさんが答えるより先にアーミヤCEOの声がよぎった。
「では今回のMVPは、サリアさんです」
それと同時に拍手が始まる。当の本人はしかめっ面をしていた。いや若干頬が朱くなってるから照れてるかな?
「では、サリアさんには3日間の休暇を与えるとの事で今回の会議を終わります」
なる程ね、一日増えるという訳か。それならそこまで反感は出ないか。それにここに居る面々は全員かなり忙しい人達だからな。こういった時の休みはありがたいだろうな。
「...むぅ」
「......」
そう思いつつチラッとサリアさんを見てみるとそこには何時も以上に眉を潜めて考え事をしているサリアさんがいた。サリアさんも仕事中毒者だったのか。そんな事を思っていると肩を叩かれた。振り向くとそこにはニヤニヤしているブレイズさんがいた。
「ねー、ドラグーンこの後暇?」
「仕事ですね。ブレイズさんこそ仕事は無いんですか?」
そう聞き返すと、どうやら仕事は今日は無いそうだ。まぁ流石に危機契約が終わった後だもんな。
「それじゃ、また暇がある時に訓練しよう!」
「えぇ...はい」
この人は訓練マニアなのかな?まぁエリートオペレーターから学ぶ事もあるだろうと思い返事をし部屋を後にするブレイズさんを見送る。
「サリアさんはー居なくなってるな」
それじゃあ俺も退出するかと出口に向かう。
それから訓練内容を考えつつフラフラと艦内を歩いていると声をかけられた。
「ドラグーン?」
「シャイニング」
シャイニングが何やら荷物を持って向かい側から歩いて来ていた。彼女は少し首を傾げつつしつもんしてくる。
「貴方はまだ仕事中では無いのですか?」
「...そうだな」
俺は気分転換代わりに歩いていたと返すと彼女はふむと言った後
「ならば、彼女の所に行くのはどうですか?」
「...彼女?」
誰なのかシャイニングに聞いてみたが、まともに答える気はないらしく(弄られてるだけだなこりゃ)場所だけ教えて貰ったので向かった。するとそこには庭園が広がっていた。確かに気分転換にはもってこいだな。
「あら?噂の教官君じゃない?」
「お仕事中申し訳ない。友に勧められまして...って噂の?」
気分転換をしているとここの管理者と思わしきヴァルポの女性が話しかけてきた。噂というのが少しばかり気になったので聞いてみると彼女は微笑みながら悪い噂じゃないと言うが詳しいことは教えてくれそうにない。
「っと、そう言えば自己紹介がまだだったわね。コードネームはパフューマーよろしくね?」
「私はドラグーンと言います。しがない傭兵をしてました。こちらこそよろしくお願いします」
自己紹介を返し握手をする。その後彼女に連れられ何故か園内にあるテーブルと椅子が置いてある場所に向い座るように言われたので座るといつの間にか、2つのティーカップを持った彼女が向かいに座り、ポットからお茶らしきものを入れて片方を俺の方に差し出した。
「ハーブティーよ。そこまで癖はないわ」
「どうも...!」
一口口に含むと同時にくどく無く鼻を安らかな香りが抜けていった。俺の反応に満足したのか、パフューマーは少し真剣な顔をして聞いてくる。
「それで、何故ここに?」
「あぁ...それはー」
そこから、訓練内容について悩んでいる事を告げる。すると彼女は少し驚いた様にコチラを見ていた。
「んー、なら一旦ドーベルマン教官に相談した方が良いと思うわ」
「そうですよね。ありがとうございます」
在り来たりだが色々と一歩が踏み出しにくい自身の上司への相談をするとこを勧められた。まぁ悩んでも思いつかないなら相談するのが一番だなと思い感謝を告げながら、俺は庭園を後にした。
それからドーベルマンさんに一報を送ると、向こうも丁度話したいことがあるそうで、時間的に空いている食堂で落ち合う事になった。
現場に着くと既にドーベルマンさんは空いた席に座っていたので急いでそちらに向う。
「ドーベルマンさん。おまたせしました」
「いや、そこまで待ってないさ。急だったしな」
挨拶も程々に話を始める。コチラの相談事としては、教え子の二人の指導現状と次のステップとして考えてる事を伝える。するとドーベルマンさんはなる程と言った後
「ならば丁度良いな」
「?」
ドーベルマンさんの言った言葉とほぼ同時に一人の人影が食堂に入って来た。そこに立っていたのは、金髪で左腰に帯剣しているクランタ族の女性であった。あの人って確か同じ教官のー
「ドーベルマン、来たわよ。それと面と向かっては始めましてね。私はウィシュラッシュよ。よろしくねドラグーン教官」
「こちらこそよろしくお願いします。ウィシュラッシュ教官」
ウィシュラッシュ教官はドーベルマン教官と同じく新人教育を担っている人だ。しかし何故彼女も?そう思っていると、ドーベルマンさんは話を切りだした。
「ドラグーン。こちらの要件と言うのはだな」
「はい」
少し間をおいて口を開いたドーベルマンさんは一言
「我々を連携訓練に入れてくれないか?」
「はいっ??」
えっどう言うこと??
評価・感想お気軽にどうぞ!
ではまた次回お会いしましょう!