ファイアーエムブレム   作:ユキユキさん

7 / 11
閑話 ~各地の人々。《その2》

ーある教団の魔道士ー

 

イード砂漠の奥地にある神殿にて、教団に属する魔道士である私は召集された。如何なる理由で召集されたのか? まだ分からぬが、私の他に数名の魔道士が召集されている。そのことから考えるに、我らが教団に関する重大な事案があると読む。…でなければ、地下に潜んで生きねばならぬのに召集はしないだろう。万が一でも存在が表沙汰になれば、我らが教団は志(こころざ)し半(なか)ばで滅びを迎えることになるのだから。

 

 

 

 

 

 

我らが教団の司祭であるベルド様からのお言葉、

 

「神託を承った。レンスター地方の山村に、我らが神の血肉になり得る存在が現れた。彼の存在は極めて強大な力を持つロプト一族の生き残り、シギュンに勝るとも劣らない者である。大司祭マンフロイ様からの命を伝える、速やかにその身を確保し神殿へとお連れしろ。…拒むのであれば、…痛めつけるのもやむ無しとの仰せだ。」

 

…おお! なれば我らが大願成就の時が!? 召集されたのにも納得が出来るというもの、…責任は重大であるな。失敗は許されぬ、召集されし者全ての力を以てこの命を果たさねばならない。

 

 

 

 

 

 

素性を隠しレンスター地方の山村へと赴けば、彼の者は既に旅立ったとか。何処へ向かったのかと問えば、イード砂漠のある方角へ向かったのではないか? …とのことである。それが事実であるのなら、入れ違いとなったわけだが好都合というもの。イード砂漠は我らが領域、迷い込んだとすれば手中に収めたも同然よ。

 

この一帯の捜索は一時中断し、イード砂漠へ戻ってみようぞ。おらねば捜索を再開させ、…おればその身を確保すれば良い。無駄な行動となっても些細なことよ、彼の者を捜索する範囲が狭まる故。…確保は時間の問題となる、クハハハハハ…!!

 

 

 

 

 

 

…そして、彼の者をイード砂漠にて確認。直ぐ様行動し確保せんと迫ったのだが、召集されし同胞(はらから)達が一人…また一人と討ち取られていく。我ら一人一人、…決して弱くはない筈なのに何故!? 狼狽える私の耳に同胞(はらから)の絶叫、…残るは私一人!?

 

何処から現れる? 何処から強襲してくる? 警戒する私に何処(いずこ)から、闇魔法ミィルが襲いくるもこの程度の威力で倒れるものか! …と思った矢先、

 

「…ぐぼぉぉぉぉぉっ!!?」

 

私の体に拳が突き刺さっていた。…いつの間に、…いつの間に懐へと入った?

 

崩れ落ちる私が見たのは、黒き魔力を纏った小さな童(わらべ)。されど…私には大きく偉大に見える、そして…私の知る神に似てはいるが違う存在であると。…薄れゆく意識の中で気付く、…貴方様が真なる我らが神か? …暗闇に堕ちる寸前、…童(わらべ)は私に微笑んだ。

 

「…おお! …ロプト神様!」

 

我らが神の手にて死を賜られた、これ程の誉れは…ない。…ロプト神よ、…我らが同胞(はらから)にどうか救いを与えたまえ。

 

…永らく焦がれた光を、………我らにも光を、……………与え…たま………。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。