ワードの表情はその言葉が
二人の間に『ワードの攻撃に警戒しなければならない』という共通の思考が流れる。
「ほら余所見すんな!!!」
『!!!』
ワードがそう叫んだ瞬間、泥の触手や弾丸が一斉に飛んできた。二人はそれを間一髪のところで躱す。
「ミゲルさん 気をつけて!!
次に掴まったら後がありませんよ!!!」
「!! 分かった!!」
ミゲルの位置を入れ替える魔法にワードが対応しているなら、次に泥の触手に掴まれたら負け筋が濃厚になる事は感覚で理解していた。
「バーカ やんのはテメェからだよ
ガキが!!!」 「!!?」
哲郎の視界に入ったのは泥状化した泥に片腕を突っ込んでいるワードの姿だった。
まさか と思った時には既に傍の泥状化した地面から出てきた腕に足首を掴まれ、地面に引きずり込まれる。
「テツロウ君!!!」
ワードが腕を引き出すと手に哲郎の足首が握られ、無防備な体勢の哲郎が一緒に出てきた。すかさず哲郎の腹に泥の触手の突きを叩き込む。
反応する暇もなく哲郎の身体は軽々と吹き飛んだ。
「どうだ!! こいつが俺の秘策 《
自慢げにそう叫ぶ間にも間髪入れずに距離を詰め、反撃の隙を与えようとしない。
「今助けるぞ!!!」
(バーカ テメェのネタはもう上がってんだよ!)
ミゲルは窮地に陥った哲郎を助けるために魔法を発動させ、自分とワードの位置を入れ替えた。
「そこだッ!!!」 「!!!?」
位置が入れ替わった瞬間、胸と腹に泥の弾丸が直撃した。急所に直撃し、苦悶の表情が露になる。
(こいつ、私の動きを先読みした………!!!?)
「だから言ったろ!! お前の対処法を見つけたってよ!!!」
肉体の苦痛を奥底に封じ込め、ワードへの攻撃に全力を注ぐ。ワードの背後にある泥の一片と自分とを入れ替えた。
「次はこっちだ!!!」 「!!?」
入れ替わった瞬間、今度はワードの回し蹴りが襲いかかった。間一髪 反応して腕で受けるが、関節に鈍痛が走る。
「貴様………………!!!!」
「テメェの弱点は二つある。教えてやろうか?」
「何!!?」
ミゲルの心にワードの痛烈な言葉が突き刺さる。
「一つは、入れ替えた後、1秒か2秒の間待たねぇと次の魔法が使えねぇって事。
もう一つは動きが単調になって読まれやすいって事だ!!」
「!!!!」
「……どうやら図星のようだな?」
ミゲルの表情が歪んだのを見て自分の予感を確信に変えた事でワードの心に優越感が生まれた。
「━━━━━━━━━━━━━僕を忘れていませんか?」
「!」
ミゲルに集中していた隙をついて距離を詰めていた。そしてその構えはワードにとって不利な魚人波掌の構えではなく、腕を完全に弛緩させている。
バチィン!!!!! 「!!!!!」
哲郎の渾身の平手打ちがワードの背中に直撃した。本来 連発する出来る特徴を捨て、一撃必殺に特化した攻撃だ。
(━━━━━━━これで………………)
「『これでアイズンみたいに無様にのたうち回れば面白い』ってとこか?」
「!!!!?」
「そいつをアイズンをぶっ倒すのに使ったのは失敗だったな!!!」 「!!!」
ワードの背中は泥を乾燥させた防壁に覆われていた。この状態では皮膚の神経を狙って攻撃する
「テツロウ君 離れろ!!!!」
「!! はいっ!!!」
ミゲルの言葉に咄嗟に反応して、後ろに飛んで距離をとる。
「……そう来ると思ったぜ。」 「!?」
ワードの口元が歪んだと思った瞬間、後ろから何かが飛んでくる気配がした。
「うおっ!!!?」 「な、何!!?」
かろうじて後ろから飛んでくるそれを回避した。飛んできたものは回転しながらワードの手中に収まる。
哲郎はそれを見て驚いた。
それは、茶色の剣だった。
そして後ろを見ると、空中で泥の塊が静止している。
「こいつだけはレイザーと白黒つけるまで取っておきたかったんだがな。
まぁラドラ様をあそこまでビビらせたお礼に使ってやるよ!!」
「………………!!」
ワードは腕を振って泥の針を飛ばした。哲郎はそれを難なく躱す。
「!!?」
泥の針が哲郎の後ろで爆発した。そしてそれは先程 剣を飛ばした泥の塊と同じように空中で静止する。
「お楽しみはこっからだぜ!!」 「!?」
ワードは哲郎との距離を詰め、後ろの泥の塊に腕を突っ込んだ。引き抜くとその手には匕首程の長さの刃物が逆手に握られている。
それを強引に引き切って哲郎の胸を切りつける。
かろうじて後ろに飛んで回避するが避けきれず、胸に赤い線ができた。
これこそがワードの本当の奥の手
《