異世界に適応する少年   作:Yuukiaway

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#14 Semifinal

観客席は、引き続き熱狂に包まれていた。

 

『さぁ皆様 この魔界コロシアムも遂に3試合を残すことになりました!!!

 

ここに集いし4人の戦士は、この魔界コロシアム 出場選手 32名から勝ち上がった、いわば四強です!!!』

 

試合会場には、哲郎を含む4人が立っていた。哲郎は両腕両脚に包帯を巻き、レオルとの試合の負傷を手当している。

 

 

『まずはAブロック!!!

その甘いマスクと圧倒的な魔法技術でこのトーナメントを制したこの大会のダークホース、

 

ノア・シェヘラザードォォォ!!!!!』

 

この大会を無傷で勝ち上がってきたノア。

哲郎、そして観客の歓声に一礼をした。

 

 

『続いてBブロック!!!

圧倒的な巨体と筋肉で魔人族の魔法を打ち破った愛国戦士、

 

エティー・アームストロングゥゥゥ!!!!!』

 

彼は自分の行動を賞賛してくれた男だ。

 

 

『そしてCブロック!!!

 

その五体に培われたマーシャルアーツで並み居る強豪に対し華麗な逆転劇を魅せた人間族の少年、

 

テツロウ・タナァァカァァァ!!!!!』

 

観客席からも惜しみない歓声が沸き起こる。

ゼースやレオルを倒したインパクトが大きかったらしい。

 

 

『最後にDブロック!!!

 

その華麗な身体から放たれる爆発で、この魔界コロシアムを勝利の華で染め上げた 人呼んで【紅蓮の姫君】!!!

 

サラ・ブラースゥゥゥ!!!!!』

 

 

金髪ツインテールの彼女は、歓声に応えるようにその髪をなびかせた。

きっとミナは今頃 自分と彼女のどっちを応援していいか 悩んでいる頃だろう。

 

 

『さぁ、これからこの4人が戦い、そしてこの中からこの大会の優勝者が決定します!!!

この世にいる全員、たとえ神であってもこの4人の誰が優勝するかは分かり兼ねることでしょう!!!!』

 

アナウンサーのその言葉が、観客席をさらに熱狂させた。哲郎を含む4人はそれぞれの形で観客に応えた。

 

 

『では、まもなく準決勝 開始です!!!!!』

 

 

***

 

 

試合会場には、青年と大男が対峙していた。

両者は挑発もデモンストレーションもなく、ただただ見合っている。

 

『ただ今より、セミファイナル 第1試合を行います。』

 

それに応えるように観客席から歓声が巻き起こる。

 

『片や、圧倒的な魔力でこの大会を勝ち上がってきたダークホース

 

ノア・シェヘラザードォォォ!!!!

 

片や、その巨体で様々な相手を打ち破ってきた愛国戦士、

 

エティー・アームストロングゥゥゥ!!!!!』

 

哲郎もこの試合に並々ならぬものを感じていた。エティーの試合は1度も観ていないし、ノアもほんの少しの力しか見れなかった。

 

手の内は知りたくないとは思っていたが、そうも言っていられなくなってきた。

 

『たった今 入ってきた情報によりますと、エティー選手の種族は人間族と獣人族の混血から発展しており、故郷は発展途上国だそうです。エティー選手はこの大会に私が出ることで故郷のためになるなら、出る意味があるものだと言っていました!!

 

その思いが優勝へと結びつくのか!!?

はたまた ノア選手の魔力がその夢を打ち砕くのか!!?

 

決勝にその駒を進めるのは、果たしてどちから!!!?』

 

 

青年と大男が激突する時が遂に来た。

 

「殺害 以外の全てを認めます。

両者 構えて

 

始めェ!!!!!」

『遂にゴングが鳴らされたァァァーーーーー!!!!!』

 

 

先にしかけたのはノアだった。

 

「北国の男よ。全力で行くぞ。」

 

ドクゥン!!!!!

 

『こ、これはノア選手がネロ・サムワン選手を一撃で沈めて見せた、【魔力を込めた鼓動】です!! しかし、エティー選手はなんのダメージも受けていません!!!!』

 

「ほう。これは驚いたな。混血の力がこれほどのものとは。なら これはどうだ!!?」

 

ノアが一瞬でエティーとの距離を詰めた。

 

『は、早い!! そしてノア選手のあの手の形は━━━━━━━━━━』

 

カンっ!!!

 

『出ました!!! ネロ選手の身体を吹き飛ばした強烈な【指パッチン】!!!

しかし、エティー選手の身体は、少ししか出血していません!!!!』

 

これにはノアも面食らった。

後ろの外枠は粉々に破壊されたのに、この大男にこれほどの耐久力があるとは想定外だった。

 

「今度はこちらからだ」

 

その言葉の直後、ノアの腹、そして頬にエティーの拳が炸裂した。

ノアの身体は 外枠に激突した。

 

『ノ、ノア選手 吹き飛ばされたァァァーーーーー!!!!

この大会を通じて初めて攻撃を貰ったのです!!!!』

 

 

隙をつかず、エティーはノアに詰め寄り、そして

 

『つ、掴んだ!!

がっちりと捕獲しました エティー選手。

果たしてここから何を見せる!!?』

 

 

場内が緊張に包まれる中、エティーの取った行動は、仰け反ってノアを空高く投げ飛ばすというものだった。

 

『な、投げたァーーー!!!!

飛ぶ!!! 飛びます!!!! 人間が飛ぶぅぅぅーーーー!!!!!』

 

そのままノアは受身を取れずに地面に激突した。

 

『決まったァァァーーーーー!!!!

ノア選手の頭部に深刻なダメージ!!!

 

これは勝負あったかァ!!!!?』


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