異世界に適応する少年   作:Yuukiaway

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#159 Parasite the filone 4 (Gate to the Heaven. Gate to the Hell)

「あらそう やっぱり入信希望だったのね。

ならこちらへどうぞ。」

「は、はい……………。」

 

彩奈は緊張した足取りで黒服の女性について行く。その様子を彼女が隠し持っている水晶を通して聞いていた人物が三人居た。

通気口に潜入する哲郎 そして自分の屋敷から彩奈に指示を出すエクスとノア である。

 

***

 

『テツロウ こちらエクスだ。聞こえるか?

たった今 アヤナが接触に成功した。 オーバー?』

『こちら哲郎。 確認が取れました。 オーバー。』

『テツロウ、お前が掴んでいる情報をできる限り教えてくれ。 オーバー。』

『はい。一日かけて一階の様子はかなり掴めました。まず眠っても見つからないような人目につかない場所を見つけました。そしてトイレは個室にあるのと公共用の二つがあるようで、その近くに運良く出入口も見つけたので人目を盗めば用を足す事は出来そうです。

一度通信を切ります。 オーバー?』

『ああ。 また連絡する。』

 

***

 

「あ、そういえばまだ自己紹介してなかったわね。私はマリナ。 一応幹部って事になっているわ。

アヤナさん。あなたにもきっといい名前を頂けるわよ。」

「は、はい。」

『『(…………幹部?)』』

「それと……」

『マリナ様! 新しい仲間(家族)の人ですかーっ』 「ひゅいッッ!!!?」

 

彩奈は突然駆け寄ってきた四人の少女達にたじろいでしまった。

 

「あらあなた達、 もうお掃除は終わったの?」

『はいっ!』

「そう。なら丁度いいわ 紹介するわね。

新しい家族のアヤナ・アサクラさんよ。」

「は、はい。 アヤナ・アサクラです……。

よろしく お願いします……………。」

『はーい! よろしくします!!』 「っ!!!」

 

***

 

『……やっぱり彩奈さん コミュニケーション苦手ですね。 オーバー。』

『ああ。 だがお前は何もしなくていい。

俺が指示を送る。』

 

***

 

「それでアヤナさん、あなたはどうしてここに?」 「えっ!!? (志望動機って事!!?)」

「? どうかしたの?」

「あ、あの えっと………………」

『アヤナ!!』 「!?」

 

返答に詰まる彩奈を見かねてエクスが水晶越しに指示を出す。屋敷にいるエクスは水晶から彩奈の様子を見ることが出来るのだ。

 

『振り返るな アヤナ!!

『いじめられていてここに逃げてきました』と言え!!』 「!」

 

「じ、実は私、学校でいじめられていて、誰も助けてくれなくて……………

!」

 

マリナと名乗った女性が彩奈を優しく抱き寄せた。

 

「それは怖かったわね アヤナさん。

だけどもう大丈夫よ。ここには女性しか居ないわ。」

「は、はい。 ありがとうございます…………。

(気を許しちゃいけない。 早く哲郎さんと合流しないと…………)」

 

彩奈はマリナの胸の中で形だけの感謝の言葉を口にした。

 

「あの、それでマリナ様、ここにいる人達って新しい名前があるみたいですけど、名前をくれるのはどんな人なんですか?」

「マリアージュ様の事?

どうと聞かれると難しいんだけど、 まぁ教祖様みたいな方と考えてくれればいいわ。」

 

『『(教祖?)』』

 

「そ、そうですか。 分かりました。」

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。優しい方だから。」

 

彩奈の緊張を解きほぐすようなマリナの優しい声が鼓膜を震わせた。

 

***

 

『テツロウ、今の話は聞いたな? オーバー?』

『はい。今の段階ではそのマリナという人物か教祖が怪しいと感じます。オーバー。』

『ああ。今からアヤナが取得したマリナの顔を送るから確認しろ。』

 

哲郎が持つ水晶からマリナの顔写真が表示された。声に違わず優しそうな表情の人物だ。

 

『確認は済んだか? オーバー?』

『はい。他にも何人かその場に居るようですが、どういう人かは分かりますか? オーバー。』

『待ってろ。今から顔写真を送る。』

 

哲郎の前に表示されたのは黒髪を首の所で二つに下げた少女 栗色の髪を切りそろえた少女 薄緑の髪を長く伸ばした大人しそうな顔立ちの少女 そして褐色で金髪を巻いた少女の四人だ。

 

『この人たちの名前は分かりますか? オーバー。』

『今の所はまだ分からない。それにこの場で唐突に名前を聞くのは不自然だ。折を見てからで良いだろう。』

 

***

 

 

「それじゃあアヤナさん、御屋敷の中に案内するわね。 着いてきて。」

「はい……。」

 

マリナに連れられた彩奈を待っていたのは大きな女神像 そしてそれを囲うように咲き誇る無数の花だった。

 

「うわぁ……………

すごい花園ですね……………。」

「そう言ってくれて嬉しいわ。 だけど花園は他にもあるの。あそこの温室にもっと大きな物があるわ。」

「へぇ………………」

 

『おいテツロウ、今の聞いたな? オーバー?』

『はい。この前のセリナさんの話にもあるように、何か《花》に拘っているように感じます。それに女性だけを対象にしているもの何か狙いがあるように思います。 オーバー。』

『ああ。一先ずこれで直近の目的ができたな。

これからアヤナには教祖 マリアージュとの接触 そして明日の偲ぶ会に職員として参加する意志を見せてもらおう。』

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