異世界に適応する少年   作:Yuukiaway

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#200 The Inferno Tentacle 14 (Re:use ~Murder Weapon~)

『市民の避難を済ませるだと!!?

一体どうやって━━━━━』

『彩奈さんの魔法(・・)を使って皆をエクスさんの屋敷に避難させます!!』

『エクス!? お前が公式戦で関わったというあいつか!!?』

『はい!! 実は彼女、元々エクスさんの所で働いてて、今日はこの宗教団体の裏を暴く為に僕と一緒に潜入していました!!

今から彼女自身に屋敷の所まで行ってもらって全員を避難させます。その間の時間稼ぎを僕とレオルさんでやります!!

彩奈さん、行けますか!!?』

『は、はいっ!!!』

 

彩奈も今日起こった様々な出来事の中で自分の《転送》で出来る事を掴み始めている。これからやる事もきっと出来ると無意識の内に確信していた。

 

『……それじゃあ僕達でヤツの攻撃を引き付けます。彩奈さんはその間に。』

『 はいっ。分かりました!!』

 

彩奈がたどたどしくもそう答えた直後、事態は急に動いた。

 

グラッ!!! 『!!!?』

 

三人が立っていた蔓が突如として波打つように動き、転びそうに足を取られる。

 

「レオルさん、これって!!」

「奴だ!! 一気に勝負を決めるつもりだ!!!

おい娘!! 下にいる奴等は任せていいのか!!?」

「 はいっ!! なんとかやってみます!!」

「そうか。なら信じて任せるぞ!!!」

 

「……………おい。」『!!!』

「何をごちゃごちゃくっちゃべっとんのや!!!

このハエ共がァ!!!!」

『!!!!』

 

トレラの横から巨大な木の槍が三本 一気に襲ってくる。それが届くまで数秒と掛からなかったが、哲郎達は瞬時に最適解を導き出した。

 

白雷障壁(ハイヴェン・コルナーデ)》!!!!

(せせらぎ)》!!!!

ドゴォン!!!! 「うわっ!!!?」

 

向かってくる巨木を哲郎は手で、レオルは雷の壁で上方向に弾き飛ばした。その衝撃は強く、彩奈は蔓の外へと吹き飛ばされて地面へと急降下する。

 

「!!! しまった!!」

「彼女なら大丈夫です!! この状況でも助かる方法を知ってますから!!!」

「!?

!!? き、消えた!!? これはもしや…………!!!」

「そうです。これで最初の目標は達成出来ました!!!」

 

 

彩奈は地面への加速が掛かるより前に身体に触れて自分自身に《転送》を発動させた。そして半壊した屋敷の中に移動したのだ。

そのすぐ後に哲郎の水晶が通信を拾う。レオルの背後に隠れて応答する。

 

「彩奈さん!そっちの状況はどうなっていますか!?」

『大丈夫です!! ケガをしてる人は結構いますけどギルドの人達のおかげでもう避難が始まってます!!

この分なら何分もかからずに避難を終わらせられそうです!! それに、もう隠す必要も無いですよね?』

「はい!ヤツは僕達で何とかしますから、そっちは任せましたよ!!」

『はいっ!!!』

 

彩奈の勇気を振り絞った声を聞いて大丈夫だと確信した哲郎は水晶を懐にしまい、再びトレラと向き合った。彼女の巨大な木の槍は依然として不気味に蠢き 自分達の隙を狙っている。

 

『……テツロウ、私が合図したら一斉に飛び出すぞ。私達が立っているこの蔓もいつどうなるか分からない。』

『はい。じゃあタイミングはヤツがもう一度攻撃を仕掛けてきた時に。』

『ああ。そしたら奴の攻撃をお前が引き付けろ。私はその時に大きいのを叩き込む。』

 

蠢く木が哲郎達の隙を伺う時間が数秒続いた。それが終わった瞬間、再び木の槍が上方向(・・・)から二人を狙う。

 

「今だ!!!!」「はいっ!!!!」

「!!!?」

 

哲郎とレオルは木の槍が届くより早く蔓の足場から飛び降りた。そして哲郎は空を飛び、レオルは空中に魔法陣を展開して足場にして横に飛び出す。

レオルの両手に黒い雷が迸り、その前に哲郎が陣取った状態でトレラへと向かって行く。その少ない情報でトレラは哲郎達が何をしようとしているのかを瞬時に導き出した。

 

(…………!!

そういう事かい!!!)

 

トレラの身体から木より早い蔓の槍が発射される。

 

「来ましたよ!! 僕から離れないで!!!」

「おう!!!」

 

 

バシバシビシバシビシッ!!!!

「!!!!?」

 

あらゆる方向から一斉に襲いかかって来る蔓を的確な動きで全て受け流す。既に何回も見てその動きの特徴を知っていた事がこの技を可能にした。

 

(…………!!!!

ざけんなや!!! なんでこんなガキにワシの技が受け流せんのや!!!!)

「テツロウ!! もう十分だ!!!

後は私に任せて離れろ!!!」

「!!?」

 

哲郎がレオルの進行方向から離れた直後、レオルは急加速してトレラの身体である木の幹に両手を付けた。その両手から黒い雷が迸る。

 

(!!! こいつ まさか……………!!!!)

「これはあの時(・・・)に封印しようと心に決めたが、貴様のような外道にはそんな遠慮も要るまい!!!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!

「!!!!!」

 

レオルの両手から放たれた黒い雷がトレラの全身を包み込んで焼き尽くした。

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