バリバリバリバリバリバリッ!!!!!
「!!!!! グアーーーーーーーーッ!!!!!」
「苦しいだろう!!? 貴様が食い物にした女達の魂を抱いて黒焦げになれ!!!!」
「……………!!!」
レオルの雷がトレラの全身を蹂躙している。
その光景を見た哲郎が抱いた感想は『このまま勝てる可能性は五分五分』という物だ。哲郎が全力を出して倒し切れないトレラが自分に負けたレオルに倒せるとはどうしても思えない。
そしてそれを証明するトレラの行動を哲郎の目は捉えた。
「………………!!!!
こんの ロン毛野郎がァ!!!!」
「!!!!?」
「レオルさん 危ない!!!!」
トレラの身体から生えてきた蔓の横薙ぎの攻撃がレオルの首目掛けて襲いかかった。このままでは先程の哲郎と同様にレオルの首が切断されるのは必至。そして待っているのはレオルの確実な死だ。
ヒュオッ!!!! 「!!!!?」
「…………………ッ!!!!」
「テ、テツロウ!!!」
空中を飛ぶ哲郎がレオルの上半身を倒し、蔓の攻撃から彼を救った。レオルを攻撃からかばった結果、蔓の攻撃が背中に掠って血が吹き出す。
レオルは咄嗟の判断で空中に魔法陣で足場を作り、哲郎を下ろした。
「テツロウ!! 大丈夫か!!?」
「 はい。大丈夫です。掠っただけですよ。
これくらいなら直ぐに戻ります。それより危なかったですよ。あのままだったらレオルさんの首が飛んでいました。」
「!!! ああ。あの状態からの攻撃は失念していた。
だが奴への攻撃は確実に効いた。今も攻撃してこないのがその証拠だ。」
「……はい。 それは確かに。」
トレラの身体、そしてそれを包む木は所々 黒く焦げて煙が上がっている。彼女の表情も同様に虚ろな目をして苦痛に顔を歪ませている。それが演技の類ではないと自分の直感が訴える。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
トレラは湧き上がる哲郎とレオルへの怒りを下唇を噛むという行為にぶつける。あまりの咬合力に血管が切れて
『………あいつには
『…同感です。もしかしたら昔は
「遊びは終いじゃ カス共!!!!!」
「!!!!」
次の瞬間、トレラの全身の大木から無数の蠢く枝が現れ、二人目掛けて襲いかかった。その予備動作だけで屋敷の周囲の花や木が吹き飛ばされる。
「死に晒せェ!!!!!」
「!!!!」
哲郎とレオルに襲い掛かった巨木の槍は十数本。その全てを軌道を哲郎が受け流して捻じ曲げた。
それでも攻撃の手は止まず、哲郎の腕の皮に攻撃が届き始める。
「………………!!!」
「そのまま潰れてまえ!!!!」
(……まずいな。テツロウは屋敷に居る奴等のことを気にして下手に攻撃が出来ない。あいつと私が全力を出せば あんな材木 捻り潰せん筈は無いというのに……………!!!)
「テツロウ!!! あの女の避難が終わるまで耐えろ!!! それが終わるまでの辛抱だ!!!」
「はいっ!!!!」
哲郎は気力を振り絞るがあまり効果は無く、木の槍の先端が哲郎の両腕に傷を増やしていく。
(やはり駄目か!! このままではこいつが潰れるのが先!!!
奴を仕留める為に魔力を温存したかったが致し方無い!! かくなる上は!!!)
「!!!!」
「もらったァ!!!!」
執念深い槍の猛攻が遂に哲郎の防御を突破し、次の槍が哲郎の腹目掛けて襲い掛かる。
バチィン!!!!!
「!!!?」 「ナッ…………!!!!」
哲郎に襲い掛かる木の槍の先端をレオルの黒い雷が焼き切った。
『レ、レオルさん!!』
『お前の撃ち漏らしは私が対処する!!!
屋敷の奴等の避難が終わるまでこいつを引き付けるぞ!!!』
『はい!! なら確実に倒すために一発重いのを入れたいんですが、僕に合わせてくれますか?』
『?』
(……………!!!
あかん!! あのガキとボンボンが手ェ組んだらぶち抜くんは無理や!!!
こうなったら!!!!)
『!!!』
トレラの猛攻が一瞬だけ止まった。しかしそれは次の攻撃の合図でもある。
彼女の左側に無数の幹を束ねて形成された極太の鞭が現れた。
「でかいのが来るぞ!!! 持ち堪えろ!!!!」
「はいっ!!!!」
「無駄じゃ 消し飛べェ!!!!!」
トレラは身体を振るってしなる木の鞭を哲郎達に炸裂させる。先端には既に自分達を確実に仕留める威力があったが、哲郎はその対処法に気付き、そして直ぐに実行に移した。
バチィン!!!!
「!!!!?」
哲郎は魔法陣の足場から飛び出し、そして鞭の中心部分に体当たりをかました。途中で攻撃の力を捻じ曲げられた鞭の先端はレオルの前方の空を切った。
(鞭が一番早いのは攻撃する先の方!! それ以外の場所を攻撃すれば勢いは殺せる!!!)
「今です!!!!」 「おう!!!!」
ボンッ!!!!! 「!!!!!」
トレラの一瞬の隙をついて放たれたレオルの雷が彼女の身体の木を真っ二つに切り裂いた。