『ピンポーン』
『!』
「どうやら来たようだな。」
「はい。 僕が出迎えます。」
哲郎は既にエクスの家の勝手をほぼ完璧に把握しており、迷う事無く玄関の場所まで辿り着いた。そして迷う事無く扉を開ける。それが出来たのは扉の向こうの相手が分かっているからだ。
「テツロウ、約束通りあの事を聞きに来たぞ。」
「さ、どういう事か説明して貰うわよ。
なんで人一人引き戻しに来ただけで事件に巻き込まれて屋敷が全壊する羽目になったのかを!!」
「………とりあえず、お疲れ様。」
扉を開けるとやはりそこにはノア、サラ、そしてミナが立っていた。
「待ってましたよ。
エクスさんは中で待ってますから入ってください。」
まるで自分の家のような口振りで哲郎は三人を中に案内した。
***
エクスの家の大広間に以前 学園の食堂で集まった時と同じように哲郎達にファンを加えた六人が椅子に座った。
「………それで、一番最初に聞きたいですが、
サラさん、アリナさんの今の状況はどうなっていますか。」
「この前伝えた所から何も変わってないわよ。
アリナは帰りたくないってよりは
それよりその新聞で読んだけど本当なの?
その宗教団体の女が殺人鬼だったってのは。」
「はい。それは間違いありません。
その時起こった事件の犯人のヴィンさんが証言してくれましたし、何より
ちなみに彼女の動機もヴィンさんの言っていた 事故死した弟さんが関係しているという事で間違いありません。その弟さんと思われる人も一緒にいましたから。」
「…………そう。
それで、そのラドラに化けてた女とつるんでたヤツがヘルヘイムの人間体っていうのも本当なのよね。」
「そうです。名前は《トレラ・レパドール(偽名の可能性あり)》。
自分の身体の特性を利用して他のヘルヘイムを操ったり身体を巨大な植物と同化させたりしました。」
いつもの事ながら哲郎はトレラが《転生者》である事は伏せて話をした。トレラは《憑依》の能力を持ち、何十年も前からヘルヘイムの身体に住み着いている。
その話が全て本当ならトレラを倒すのはかなり困難になってくる と《転生者》の事情を知る三人は考えていた。
***
哲郎達が情報を共有している頃、
「…………おう。入れや。」
「大丈夫? あれから二日経つけどケガの調子はどう?」
「大丈夫なわけあるかい!
まだ身体中が痛くて焦げ臭くて適わへんねや!それにこの左腕かてまだ本調子が出ぇへんしよォ!
あのクソガキ アホみたいにぶちまけおってからに…………!!」
扉を叩いたのは里香であり、トレラの様子を確認しに来たのだ。トレラは花に身を包んで床に座って不貞腐れた表情を浮かべている。
その顔には依然として哲郎とレオルの渾身の攻撃で付いた焦げ跡が残っている。
「それにあの
んで なんの用や。ワシを笑いに来ただけなんやったらワレも今ここで干物にしたるからな。」
「そんなんじゃないよ!
キミから哲郎君達のことで分かったことがあるなら聞いてこいって
「!
……………せやな、一つ挙げるとしたらあのガキの異常なしぶとさやろうな。ワシが首ちょん斬っても毛程も怯まんと向かって来おった。」
「同感だね。
ボクもあいつの事 何回もボコボコにしたけど全然挫けなかったし!」
「ああ。事によるとあいつはどれだけボコボコにしても殺れんかもしらへん。
それこそ
「………さすがにそこまでだと思いたくないけど哲郎君が強いのは間違いないね。あのコロシアムを見るまではノアやエクスが脅威だと思ってたけどもしかしたらそれも間違ってるって思わなきゃいけないかも。
それに、ボクはまだ会った事ないけどあのメイドちゃんも危ないかもって言ってたよ?」
「メイド?あの彩奈っていうガキの事か?」
「そうだよ! だってその子がいなかったら哲郎君も屋敷の奴らもみんな片付けられてた筈なんだよ!」
「! …………そうやな。」