Fate/dear my family   作:和間

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闇の中で蠢く声

宝石の魔力を使用した蘇生魔術──────

魔術としては見事じゃが、あの時臣の娘がずいぶんと甘く育ったものよ。

 

あるいは相手が妹の男だからか? まあどちらにせよ、儂にとってはこれは僥倖。

ここで衛宮の小倅に逝かれては、せっかく乗り気にした桜がつむじを曲げかねんからのぅ。

 

ククッ、、、思えばなんとも皮肉なものよ。

胎盤として貰い受けた娘の機嫌を、この儂が伺わねばならぬとは。

じゃが十年前、戯れに植え付けた聖杯の欠片はそれほどまでにあやつに根付いた。

特にここ一年での馴染み様は──まったく、衛宮の敷女と小倅には、機会があれば礼の一つも述べねばなるまいのう。

 

おかげで今の桜は、アインツベルンの用意した正規品にも引けを取らぬ──

いや、注がれる水との相性を考えれば、明らかに優っておろう。

 

故に今はまだ、桜の掣肘を外すことは出来ぬ。

最後は溢れる水であろうと、初めから撒き散らすわけにはゆかぬからのう。

まぁ敷女のためと称した戯れや、慎二の奴に授けた玩具遊び程度ならば目も瞑ろうが……

 

 

 

────むぅ? まったく、あの遠坂の娘。甘いのは心根だけではなかったようじゃの。

未熟も未熟。あやつ、息を吹き返した衛宮の小倅になんの処置も施しておらんではないか。

おかげで小倅の記憶が保たれているのに気づいたマスターが、ランサーを差し向け直しおったわ。

 

いくら傭兵の養子といえど、人の身でサーヴァントに対するは難しかろう。

戯れに興じておる慎二のやつはすぐには呼び出せんし、桜もあやつの目的のために出払っておる。

ここで想い人を失い、壊れた(聖杯)を観察するも一興じゃが──いや、水の注がれておらん盃なんぞ、割れても面白いものでもなし。

仕方がない。ここは可愛い孫娘のために、儂が腰を上げてやらねば────……と思うたがあやつの右手、浮かび上がっておる紋様は、まさか令呪か?

クカァッ、カカッ、カッ、

カァッカカッ、カカカカァ、カァッカッカッカァッカァッ!!!

よもや、七人目のサーヴァントを呼び出すのがあの衛宮の小倅とはのぅ。

 

 

敷女の息子に守られた、衛宮の娘でもあるアインツベルンのホムンクルス。

それぞれの親を養父母とする、衛宮の名を継ぐ引き取られ子。

それに懸想する間桐の貰われ子に、さらにその実の姉である遠坂の娘。

 

なんびとであれ殺し合うが聖杯戦争の定めとはいえ、まっこと因果な話──

此度のマスターは、まるであの教会の男が陰から手を回したかのような奇縁の絡み様よ。

 

ならばどれ──小倅が呼び出す七騎目のサーヴァントは………………

 

 

 

 

 

 




「序」の最後は間桐臓硯の独白(モノローグ)──ハーメルンの特殊タグ機能を色々試してみました。

原作でHFルートに進むきっかけは、桜が士郎への恋心を諦めきれなかったから。
本作の桜は原作と比しても更に『欲張り』なので、臓硯さんが始めっからヤル気モード。



そして──聖杯戦争が始まります。
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