IS Let's make you a happy days   作:AK74

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 第十二話

――――ねぇ一夏。短冊になんて書いたかママに教えてくれる?

 

―――うん!僕はね、ママ!

 

 

 それは、忘れることのできない大切な思い出の一つで、ひどくなつかしい懐かしい夢だった。

 

 

 オルコットにどうにか勝利した次の日。

 いつも通りと言うのか寝ぼけつつも教室に入ると、一斉に俺へ視線が集まり・・・そしてすぐ視線が散らばる。

 

(ん?)

  

 

 いつものように集まった視線が普段となんとなく違うような気がした。

 自慢ではないんだけども、俺はいろんなことがあったおかげで微々な変化に気づくことができる。人の感情の変化に敏感という事でもあるかもしれないな。

 まぁ、そんな訳で視線の微妙な変化に気づいたが、コイツら何かおかしい。

 普段のような”暴君”に恐怖するものじゃなくて、なんだか・・・よく分からないけど何かを隠しているような、そんな感じがした。

 けど、俺にゃ関係ないことだろうと、思い自分の席に座る。

 やっぱり一番前っていうのはあまり好きじゃない。どちらかといえば、静かにしていたいんだ。周りの奴らのせいでできないままだが。

 いろいろあるが時間を確認すると、HR開始まで5分ちょいと行ったところ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 変な気分だった。

 ココに来なきゃいけないと言われた時、”浮いてもいいから一人でいよう”そう思っていたのに、今この状況がとてつもなくイヤだ。

 大勢の中にいるのにも関わらず、孤独を感じるのが。

 小憎たらしいことだが、俺は弾たちが居たからこそ中学時代は楽しかったと、再度認識しなきゃいけないらしい。

 全く、うざいうざいいつも言っていたくせに何なんだか俺は。

 そう思うとため息しか出てこない。

 そして俺はどっちが良かったんだろうか・・・と、ここ一週間考えていることが頭によぎる。

 どっちと言うのは、

 弾たちと藍越に行き、中学の延長のように普通の高校生活を送るのか。

 IS学園に行き、凪沙たちと再開して異質ながらも高校生活を送るか。

 の二つだ。

 俺からしたら、凪沙たちも弾たちも大切な存在。

 今の俺じゃ、どっちがいいかなんて結論づけることができないし、できれば結論を出せないほうがいいとは思う。

 ずるいとは思うんだけれども、俺は片方を取り、片方を切り捨てると言うのはしたくない。 

 ただ、今回ばかりは強制的にIS学園コースに決まっちまった。

 だがIS学園には凪沙たちがいたという事もあるから、嬉しいんだか何なんだかよく分からない。微妙なところだ。

 

(フクザツすぎるぞ、こんちくしょうめ)

 

「諸君おはよう」

 

「「「「おはようございます!」」」」

 

 おっと、回想タイムはここまでか。

 姉さんがいるところでノンキに考えにふけっていると、地獄コース直行は間違いなしだから目の前の姉さんの話に重中する。

 教壇のの前にたったということは、姉さん直々に連絡ごとがあると思っていいのか。

 

「貴様ら、一年一組クラス代表は織斑一夏に決定した。これは決定事項だ、異議は認めない」

 

「「「「「はい!!」」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

 俺はクラスの奴らとは意味が違うが同じ言葉、つまり同音異義語をマヌケに口にする。

 

 というかなんでコイツラ普通に返事してんだ・・・・・・・?

 

 

 

 

「クラス代表は織斑千冬に決定する。意義は認めないが、質問なら聞こう」

 

 クラス代表を決めるために波乱万丈の、試合があった次の日。

 世界最強のシスコン野郎(織斑零夏)が教壇の前に立ち、そうつげた。

 一応だが、俺は千冬とセシリア(プライド女)にISで勝利したから俺がクラス代表になるはずだが・・・・・・

 なんか絡んでいやがるなこのシスコンは。

 

「なんで雪片君がクラス代表じゃないんですか?」

 

 やはりというか、その決定事項には疑問があったらしい。クラスメイトの一人が手を挙げて質問していた。

 理由も聞けるだろうし、悪いことはないだろう。

 

「そんな事は簡単だ。オルコットは論外で話にならないのは分かるな?代表候補性でありながら素人に負けていては、代表候補性を名乗るだけ無駄だ」

 

 無駄行っちゃったよこの人・・・・・・

 ちなみにプライド女は今この教室にはいない。多分引きこもっているんだろうと思う。俺からすれば、千冬を罵倒したからざまぁ見ろというのが本音。

 

「で、だ。一番実力をつける必要があるのは、千冬だけだ。クラス代表になれば自ずと訓練時間が増え、自然と実力がついてくる。そうなればトーナメントでも優勝できるようになる。貴様らにも悪くない話だ」

 

「雪片君は結局どうなるんですか?」

 

 その質問は俺も気になることだったから、シスコンに注目する。

 するとシスコンは俺を見て一言。

 

「あ?アレか?平気だ。あんなんほっときゃ強くなる。貴様らは余計な心配をかけなくてよろしい。

つかあれなんざ、至極どーでもいい」

 

「「「「「「「・・・・・・・・・・・・えぇ」」」」」」」

 

 ひどすぎないかこのシスコン野郎は?

 放置してるだけで強くなるとか、都合の良すぎる話なんてないだろうが!!と思い、立ち上がるのだが。

 

「なんか文句あるか雪片?ン?」

 

「いえ。なんでもないでございますです」

 

 やっぱりシスコンには勝てなかった・・・・・・・

 さすが、学生時代伊達に不良名乗っていなかったってわけかよ、畜生め。

 

「という訳で、クラス代表は千冬だ」

 

 余談だが、この人は学校だろうが千冬のことは普通に名前で読んでる。さすがシスコン。

 

「まぁ、何も一人でやれと言っている訳じゃないさ千冬。俺も仕事の合間を縫って訓練を手伝うから、余計な心配をしなくていいぞ?」

 

「・・・・・うん」

 

 この時のシスコン野郎はすっげーシスコン具合を発揮していて、クラスの奴等が黄色い悲鳴を上げそうなくらい優しそうな、ほとんど見せることのない笑顔をしていた。

 しかも、千冬も千冬で満更でもないようだ。

 ・・・・・・・・・なんだか気に食わない。

 

 

 

 

「なんだよこのIS・・・・・・・」

 

 俺は放課後白騎士のスペックを見ようぜ!という事で、凪沙と一緒に整備室?に来たんだけども、あまりの白騎士のスペックに驚きようが隠せなかった。

 スラスターが六つもあったから、スピードはすごいんだろうなーと思ってたけどその予想を上回るデータがあった。

 ”最高時速約1750キロメートル”

 凪沙が言うには現行ISでトップに位置してもおかしくないらしかった。普通のISがどれくらいのスピードを出すか知らないけど。

 防御面に目をつぶれば、その他のスペックはかなりの高水準でまとまっていた。パワーアシストからPICの機体制御能力、ハイパーセンサーの感知能力及びロック速度までもが。

 果てまでは瞬時加速のエネルギーチャージ時間が1秒の100分の1という、所まで。

 

「ちょっとどころじゃないけど、白騎士のスペックは異常だよ。とてもじゃないけど、データ収集用に作られたISがここまでのスペックを誇るなんてありえない」

 

「そうなのか?」

 

「まぁね、データを取るくらいなら打鉄くらいでいいはずなんだけどね・・・・・・それに」

 

 凪沙が目で見た画面に映っていたのは、一次移行が完了した時に発現したであろう超大出力可変型エネルギーキャノン砲[天照]のデータだ。

 射撃時にはPICを全力で機体制御に回さなければ、反動で後ろに吹き飛ばされる上に肩を脱臼、悪ければ粉砕骨折するような極悪なシロモノだが、反面破壊力は途方もなかった。

 レーザとして放てば、強固なアリーナのシールドを一瞬にして貫くほどだ。いわゆる防御貫通攻撃というものらしい。ISのシールドなんて紙くず同然になるし、並のISなら直撃=終わりというほどの破壊力だ。正確になら危険領域限界まで叩き落とす、ちなみにエネルギーが満タンでも。

 キャノン砲としてならば、威力が落ちるものの直径25メートルは吹き飛ばし、エネルギーを安全領域から警告領域に叩き落とすほど。

 反面エネルギー消費はとてつもないが、白騎士の無限エネルギー能力[隣界]というらしい、チート能力があるからバカスカ撃てるし、近接に持ち込めばそれはそれで最強の零落白夜があるという、相手からしたら涙目必須のISでしかないみたいだ。

 ・・・・・・俺からしてもすごいと思う。

 おれTUEEEEEEE!!!!無双をして欲しいというのか、この機体は?

 

「元々近接にめっぽう強いのに、それに加えて苦手距離を補うかのように強力な[天照]があるなんてね・・・・・・」

 

「要するに大火力で相手を叩けというのがコンセプトなのか?白騎士は」

 

「う~ん、難しいところだねそれは。元々拡張領域には[白雪]しか入ってなかったから、多分[天照]が発現することは視野にないようにしか思えないし、それに視野に入っていたら何かしら射撃兵装はあるはずなのになぁ。一夏、本当になかったの?」

 

「おう。武装一覧にはそれしかなかったのは確実だな」

 

「やっぱりか・・・何なんだろうね、このISは」

 

 そう言った凪沙は待機状態の白騎士を見た。

 真っ白なスポーツ用リストバンドを。

 

 

 

 凪沙と別れたあと。

 俺は部屋の鍵を開けて中には入り、カバンを放り投げるとベットに横になる。

 ココには凪沙と虚さんはいない。

 姉さんが言ったように一週間たった今日、山田先生に言われ部屋が変わった。

 つまり一人部屋という訳だ。

 一週間前は一人部屋を望んでいたはずなのに、今はこの一人部屋がイヤと感じる。騒がしかったけど、凪沙と虚さんと同じ部屋の方がいいと思える。

 

 

「ハァ・・・・・・」

 

 俺がおかしいのは自分自身気づいているし、昼間も凪沙や簪に何回か言われていた。

 普段の俺なら、こんな思いにふけるなんてないはずなのに。

 どれもこれも今朝見た夢が原因なんじゃないかと、ある程度目星はつけていたし、それもあまり間違えていないとは思う。

 

「30日か・・・・・・」

 

 夢見たのは、俺がまだ何も知らない子供だったころのこと。父さんと母さんと一緒に笑い合って過ごしていた頃のことだと推測できた。

 なぜ推測なのかといえば、理由は分からないけどその頃の記憶が曖昧でしかなくて、あまり思い出せないから。

 ただなんとなく、漠然とわかる程度。”楽しかった”と思えていたのは、はっきりと思い出せる。

 でも裏を返せばそれだけとしか思い出せない。

 楽しいと思えていたとだけで、何をしていたのか、どんなことがあったのか、ポッカリと俺の記憶から抜け落ちていた。

 だから、言い方は変だけど一番古い楽しかった記憶は3年前、つまり凪沙たちと過ごしていたときのが、最古の楽しい思い出でしかない。

 それより以前は思い出したくもない記憶だ。

 楽しいと思いながら過ごした時期は、つまらなくて地獄だった日々より圧倒的に少ない。

 でも、今が楽しいから。だから俺は過去を振り返りたくないのに、思い出そうとしまう。

 ポッカリと空いた空白の時期を。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 懐から肌身離さず持ち歩いている、思い出の写真の中の一枚を取り出す。

 11年近く前に撮ったらしい、家族写真。中学生の姉さんに父さんに肩車をされている幼稚園の制服を着た幼い俺、20代後半に見える俺の父さんと母さんらしい人物。そしてなぜか秋羅兄に俺と同じくらいの女の子が母さんに抱かれながら写っている。

 気まぐれな父さんの性格や、天然が入っていたらしい母さんの性格からすれば、こんなことはありえるんだろうと思う。

 全員が心の底から幸せそうな笑顔を浮かべていた。

 

(俺もこんな顔していたんだなぁ・・・…)

 

 数年後に地獄のような日々を送るとは考えていないような、純粋な笑顔だった。

 今の俺は、この頃のように純粋に笑えるのだろうか?

 

 物思いにふけっていると、ドアの方からノックの音がした。写真を懐に戻しながら返事をすれば、来客は凪沙だった。

 

「あ、制服のまま横になってる。そんなんじゃ皺だらけになっちゃうよ?」

 

「っと、悪い悪い」

 

「全く、気をつけてよね」

 

「うん」

 

 

 楽しい。

 凪沙がいるだけで全然違う。

 そんな内心をあまり悟られたくないことだから、少々気をつけつつ聞く。

 

「なぁ、凪沙。なんか話でもあるのか?」

 

「あ、そうだった。一夏ご飯まだでしょ?だから一緒にどうかなーって思ってね」

 

「夕飯まだだっけな・・・・・・じゃ食堂に行くか」

 

 横になっていた体を起こすと、凪沙に手を取られ先導されていく。

 

「ちょ、凪沙?」

 

「ほら早く!早くしないと食堂しまっちゃうよ?」

 

 まだまだしまる時間には程遠いんだが・・・?という言葉は言わないでおく。

 楽しいから、それでいいさ。

 凪沙に手を取られつつ、懐にある写真と同じように肌身離さず持ち歩いている、宝物の一つである一通の手紙を感じ取る。

 凪沙の後ろ姿を見ながら俺は、”今日返事を返そう”そう思うのだった。

 




 感想であった楯無さんと簪のISの改造
できましたよ!!ヽ(*´∀`)ノ
 
 コンセプトとしては、楯無さんがチートというほどの
武装の近中距離型ISに、簪が完璧完全チート級の破壊力を持った
防衛拠点突破型近中距離ISになりました。
 そのおかげか、楯無さんは日本代表という肩書きに変わりましたが
いいよね?(/ω・\)チラッ

 ちなみに簪の完璧完全チート級の破壊力というのは具体的に言うと、
アリーナ半分(観客席を除く)吹き飛びます。
 後先考えなければ(エネルギーを完全に使う)IS学園全体が消えます。
爆風を含めれば、もっと行きますネ。
 友達からのアドバイスをもらい完成させました。


一夏君のエネルギーキャノン砲は、ACのコジマキャノン、マヴラヴのマグナス・ルクス
を元ネタに考えました。

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