IS Let's make you a happy days   作:AK74

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 第一話

「一夏。お前またやったのか?」

 

 放課後、部活に所属していない一夏は帰宅の路についていた時声をかけられる。

 一夏が振り向けば、制服を着崩している今時の不良風の数馬がいた。カバンの他に袋を持っているあたり、チョコレートでももらってきたのだろう。

 今日は二月十四日なのだからおかしくはない。

 まぁ、その量が少々問題なのだが。

 

「どうせお前が売られた喧嘩でも買ったんだろ?いい加減律儀に買うの―――――」

 

「死ね」

 

「ちょ・・・!?いきなり死ねはないだ――――――」

 

「ウザイ失せろ邪魔だ、俺から半径三億キロ離れろ」

 

「三億キロって・・・どれくらいだっけか?ヨーロッパくらいか?」

 

 馬鹿故に頭の上に?を浮かべる数馬を、一夏は鼻で笑う。

 

「ブヴァカ地球上じゃ表せねーよ。よくそんなんで藍越受かったな、モテることよりも高校の事を心配したほうがいいぞ」

 

 ドヤ顔で数馬は言う。

 

「ふっふっふ!甘いな一夏。俺には主人公補正が―――――」

 

「嘘つけドアホ。お前が主人公な訳ねーだろうが」

 

「ちぇっ、少しは乗ってくれりゃいいのに。ま、俺だって頑張った訳よ、もう忘れたけどな。あっはっはっ!」

 

 脳天気に笑う数馬を見て一夏は一言。

 

「バカなりにか。それだから完全無欠の脳筋筋肉馬鹿って言われんだよ、分かんないのか?」

 

「ダイジョーブだって、俺は俺だからな。もーまんたいだ」

 

 笑いながら言い切る数馬から、一夏は無言で目をそらした。なんだか、数馬が羨ましく感じたからだ。

 

(俺は俺・・・か。同じ事いってたっけな)

 

 脳裏に憧れた少女の姿が浮かぶ。今頃何をしているのだろうか。

 そういえば、連絡できたのにしてないじゃんと一夏。

 あの時、涙を我慢するのに精一杯でそんなことに全く気付けなかった。携帯電話のメールアドレスも交換していたというのに。

 こっちもこっちであっちもあっちで連絡を一切しなかったからなのだが、自業自得というものだろうか?

 

「んで?なんか用か数馬。すげー話逸れたけど」

 

 しばらく歩き、ふと思い出すように一夏が言うと、数馬はやれやれと肩をすくめる。

 

「まったくだ。どれだけそれりゃぁ気が済むんだってな」

 

「ったく、誰のせいだと思っているんだ?」

 

「誰のせいって・・・一夏お前以外にいないだろ。いきなり死ねなんか言わなきゃよ」

 

「ハァ?お前馬鹿か?話しかけてこなけりゃ、話は逸れないって」

 

 遠回しに話しかけんなアホと言っているのは数馬自身気づいてはいる。それ自体に、文句を言わないのはどうせ文句に文句返しされるだろうし、そもそも一夏がとてつもないほど愛想悪いのと、そういう理由を理解しているからだ。

 ただ、口が悪くても信頼してくれているのはわかる。

 そうじゃなければ、今までうまくいかなかっただろう。

 以外に一夏は寂しがり屋なのだ、性格は(かなりもしくは超)悪いが。

 

「お前なぁ、いい加減喧嘩すんのやめたらどうだ?高校行ったら退学もんだぞ」

 

 強引に話を進める。こうでもしない限り、一生と言っても差し支えないほどこのままだ。

 

「知るか、喧嘩売ってくるアホどもが悪い。自己防衛ってやつだっつーの。向こうは金属バットとか木刀だぞ?」

 

「いや・・・お前の場合返り討ちがエグいんだよ・・・」

 

(ぜってぇ、病院送りにするからなぁコイツ。秋羅さんもわかって鍛えているのかよ・・・?)

 

 はぁ、と数馬はため息をついた。

 一夏は、世界で最も有名な織斑千冬を姉に持っている。

 織斑千冬は、ISの最高峰の大会であるモンドグロッソで二連覇を果たす実力を持つ。しかも、公式試合での敗北経験は一度たりともなく、また試合時間が最長でも一分三十秒を超えたことがない、誰もが認める世界最強の人物だ。

 最強と言われる所以はISの操縦技術だけではない。

 生身。いわる近接格闘術の高さにある。その近接格闘術の高さは目を張るものがあり、部活動では全国大会上位に確実に送り出すほどだ。

 上には上はいるものなのだが、やはり最強なのに変わりない。そんな姉を持つが故に、弟である一夏も強いだろうと思う輩は少なからずいる。

 簡単に言ってしまえば思い込みだ。

 まぁ、その一夏は姉ほどではないが強い為、喧嘩を売る輩は尽きないのだ。

 

「なぁ一夏・・・っていねぇ!?」

 

 顔を横に向けてみたら、そこにいる(はず)親友の姿は何処にもない。慌ててあたりを見回すと、

十数メートル先にその姿はあった。

 数秒のうちにそれだけ歩いたと言うのか。

 しかも一夏の周りには女子たちが、今日はバレンタインデーだからおかしくはない。

 数馬を置いて歩いて行ったところ、女子の群れにとっ捕まったのだろうか。

 

(はは、無愛想だけど顔はいいからモテるってか)

 

 遠目で親友の姿を微笑ましく見ると一夏はかなり鬱陶しそうにしていた。それだから非リア充の敵と言われるのに気づいていないのか。

 ちなみに一夏は密かに女子だけで行われたランキングで、守ってもらいたい男子でぶっちぎりの一位を獲得している。

 

(・・・ん?ま~たあいつ一夏に渡してら。きっぱり振られたのに諦めてねーのかい)

 

 振られても告白したい男子にもきっちりランクインしている。もちろん一位。

 

「やれやれ。助けてやるとしますか」

 

 自身に言い聞かせるようにつぶやく。

 

(ったく、変なところでジョーシキ知らずなんだからよ)

 

 どうせ困っていることだろう。数馬は一夏の上に立てる優越感に浸りつつ、かなりモテるわりに女子のあしらい方も知らない親友の元へ走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウザイ邪魔だ失せろバァカてめぇに助けられなくても兵器・・・いや平気だ超ドアホ、銀河系クソ馬鹿カス野郎が」

 

「せっかく来てやったのに酷い言いようだな!?というか地味にネタ入れんなっ!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらないんだけど」

 

「・・・・・・オイ」

 

 たまたま近くにあったゴミ置き場に本気でチョコを投げようとする親友を抑える。

 あれから少し、一夏にチョコを渡せて満足した女子が退散する形でその場は収まったが、一夏はかなり疲弊していた。

 

「もうヤダ」

 

「ひっさしぶりに弱音吐くとこみたわ。そういや、お前は女子が苦手だったっけな」

 

 ギロリ一夏は数馬を睨む。

 

「苦手なんじゃない、だいっきらいだ」

 

「・・・・・・・へいへい」

 

 数馬は肩をすくめつつ疲弊しきっている一夏を見て、再度女子がにが・・・嫌いなんだと認識する。

 一夏が女子を嫌いな理由など小さい頃から苦労していたのは、秋羅や千冬から聞いていた。最初聞いたときは、現実にあっていいことなのかと疑ったものだ。

 簡単に言えばいじめの一言で終わるのだが悲惨過ぎて、いじめで済ませないような物。

 その話しを聞いて以来、どちらかといえばいじめっ子だった数馬は、撲滅する側に心変わりするほどだ。

 ちなみにだが、数馬には一夏を倒すという目標があるが未だかなわない。疲弊している今を狙えば簡単だろうが数馬のプライドが許さない、なんだかんだありながらも親友なのだ。

 

「つうかさ、お前女子嫌いなんだろ?IS学園行くしかないのにどうするよ。IS動かしちまったんだろ?」

 

 女子が嫌いという所で、逸れ過ぎていた話の話題を思い出しふる。どんな反応すんのかなーと思って一夏を見ると。

 

「畜生・・・・・・!あのクソアマ覚えときやがれ。闇討ちしてやる・・・・・・!」

 

「オイオイいきなり物騒なこと言うな。気持ちはわからんでもないが流石にそりゃないだ―――」

 

「たった一人でISを運ばされたのにか?」

 

「あーまぁウザイな。そういや八つ当たりにIS蹴飛ばしたら起動させちまったんだっけか?間抜けだよなー」

 

「黙れカス。てめぇの顔の方が一京倍くらいマヌケだ」

 

「うん、そう言われるのはわかってた。というか予想通りの反応されるとウケ――――」

 

「ンだとてめェコラ」

 

「す、すんません」

 

 ギロリと睨まれ一喝されひるむ数馬。キレた姿が一度だけ見た千冬に似てる物だから余計に怖い。

 ちなみに唯一の数馬のトラウマ。

 こんなものでは、一夏に勝てる日は当分来なそうだ。

 睨まれて終わるオチが目に見えて分かる。

 

「そういや弾は?」

 

 思わず数馬はずっこける。先程までのさっきはどこに行ったのか。コロコロと態度が変わるのは一夏らしくはあるが。

 

「・・・・・・確か家でウジウジしてんじゃね?チョコ貰えねーって」

 

「よっしゃぁっ!弾んち今から行っていじっていじりまくってげろさせようぜ!」

 

「だと思ったよ!お前はどんな時でも腹黒いな!」

 

 ドSの帝王、腹黒クール系、これが一夏の二つ名だった・・・

 




 お久しぶりです、これからもよろしくお願いします。

 
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