IS Let's make you a happy days 作:AK74
”お前は私たちの子供なのだから、私たちの言う事を聞いてればいい”
―――ずっと、そう言われるのが堪らなく苦痛だった―――――
「んぁ?」
いつの間にか俺は寝ていたらしかった。なんで?と言われても机にうつ伏せ状態で、気がつけば寝ていたくらいしかないと言う、消去法でしかないが。
「げ」
ずっとうつ伏せでいるのもアレだったから頭を上げてみれば、目の前には必死こいて話している教師が。しかも女。俺が嫌いな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗」
嫌な予感がしたから横を向けば、
「(じ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――)」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?)
なんかとなりの女子にガン見されてた。
その視線に質量があったならば、軽く俺は殺されているだろうというくらいに。
顔がひきつるのが分かる。念の為反対も見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
周囲が教壇に視線を向ける中、一人だけ見ているとかそういう程度じゃなくて、
なんか俺、クラスメイトの殆どに見られてるんだけど。
なんで?と思っていると、丁度よく視界の中に目の前の教師が出していたタグが飛び込んできて、ココはIS学園だと思い出した。
電子タグとか結構便利だとだよな、いちいち書かなくていいからだ。普通の授業もタグ見たくデータ化しちまえばいいのに、ノート取らなくていいから。
(・・・・・・・なんだ?ココがIS学園だって分かってからイライラする)
もともと女子(もっと言えば女)嫌いの性格のせいなのは分かるが、ここまで女子が多いとイライラするのかーと馬鹿げてると思うが、俺自身に感心する。
ストレス溜まんのかなと思っていたからな。ストレス溜まるくらいならイライラしたほうがマシだからな、ストレス溜まるのは女子と並んで嫌いだ。
そういえばだがココIS学園は寮制らしい。入学式のパンフで読んだ。つまりだ、長期休みでもない限り家には帰れない。
家に帰れない=ずっとIS学園にいるハメに
(あ・・・。これストレス溜まるパターンじゃね?)
オーノー、入学する前で一番危惧した事じゃないか。
この教室の雰囲気というか女子特有の匂い(?)みたいなので頭痛がするほどなのに、安らぎを得る場所までこんな空間の一部なのか。
しかもIS学園創立からだいたい8年たってて、毎年倍率がとんでもねーことを考えれば一人部屋+新品(無使用ということ)の部屋を望むことは不可能だろうと思う。
(だよなー・・・・・・・ムリだよな)
俺は枕が変わると眠らない主義者だ。だから修学旅行とかは一晩中起きていた、その間は秘密裏に持ち込んだPSPをやってたから困ることはなかったけど。
ただ今回は、不特定多数の人が使う部屋じゃなくてきっかり8年間女子に使われた部屋だ。
・・・・・・安眠なんて期待できそうもない。それが三年続けば俺は終わる、小学生でも分かることだ。
「あ、あの・・・お、織斑・・・君?ち、ちょっと・・・良いかな?」
「あ゛ぁ?」
「ひぃっ!?」
なんか目の前の教師が、人が考え事の途中に話しかけてきやがったから睨みつけておいた。悪いね教師Aさん。若干涙目だけど気にしない気にしない。
「教師に喧嘩を売るとはな?偉くなったモノだな織斑。ん?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「あ。d―――」
がしっ。
めぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎめぎっ!!
「ッ――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!????」
(ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!????)
目の前の鬼もとい姉さんの目は逝っている。これはかなり本気だ。
マウスキラーのせいで口を塞がれているため、悲鳴が上げられない。
そのため心の中で上げるハメに。
あまりの激痛に視界が歪む。
あれ潰される感覚としか言い様ができない痛みもとい激痛。だってこの世のものとは思えないんだもの。
「どうなんだ織斑?」
自分で口封じやっておきながら何を言い出すんだアンタは。
ガチでそう言ってやりたいけどいかんせん口が開けない為、そんなことは無理。
もし出来たとしても、鉄拳制裁が待っているはずだ。ようするにどっちに転ぼうが、制裁を喰らうことには変わりはないぞ、と。
ちなみにだが、手を離してもらったのは5分後のことだ。
時は過ぎて休み時間。
(居心地がかなり悪い・・・・・・)
HRのあとは普通に休み時間になると思っていたけども、”普通”を期待した俺がアホだった。いつもアホ言いまくってる俺が情けない。
男性IS操縦者と言うのは以外に話の話題になるらしい、その為か教室の外には見る限りの人だらけ。
当たり前だけど女子ばっか。しかもリボンの色を見るに他学年のやつらもたくさんいた。
俺は動物園のパンダか。
ただその視線が、ホンの少し恐怖を含んでいるから違うのだろう。
中学時代にかなり荒れていたことがバレたと言うべきか。別にバレようが心底どーでもいい。
それは自己紹介中のことだ。
―――――――――――――――――――
「・・・・・・織斑一夏だ」
姉さんに言われ教壇に立ったはいいもの、俺はコミュニケーション力が限りなくかけている為何を話せばいいか分からない。
他人の真似をすれば良かったと思うが、その時は考え中でそう言う場合ではなかった。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(期待)」」」」」」
俺に集中する全クラスメイトの視線。しかもだんだんと高まってゆく期待が含まれている。
(ふざけんなテメーら)
「あ、あの・・・好きな食べ物とか趣味とかでいいですよ・・・・・・?」
教師Aさんが何を言えばいいか一応教えてくれた。
だが、俺にはこれといって好きな食べ物や趣味とかがないから、ぶっちゃけてしまえば無駄な徒労でしかない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・織斑下がっていいぞ」
そりゃどーも姉さん。
しびれを切らした姉さんが許してくれた。俺としてはありがたい。
なんか呆れた顔してはいたけど、俺は知らん。
「そうじゃないでしょ?織斑くん」
「あ?」
座ろうとしたとき後ろから声が聞こえた。その少しハスキーがかかった声には聞き覚えがある。
振り向いてみればそこには見知った顔があった。
「やっほー織斑君」
「・・・・・・・・・・なんでテメーがここにいんだよ」
「なんでって言われてもねぇ・・・それはそうとしてあれはないよ?」
(余計なお世話だ)
コイツの名前は知らん。ただ中学の時に同じクラスだった奴だ。学級委員長タイプで人あたりもいいらしく、男女問わず人気があったらしい。
コイツと関わりたくはなかったが、皆仲良くのために何かと五月蝿かったという印象しかない。
ただIS学園に入学することは知らなかった。
「ほかに言うことあるでしょ?」
「何だよ?」
にやりと笑いやがった。
大抵コイツがニヤリと笑うと大変な目に会う。おもに俺が。
「とぼけなくてもいいんじゃないかな?だって織斑君は名前を出せばビビらない人はいないって程の不良でしょ?喧嘩に明け暮れてたじゃない?」
「お前なぁ・・・」
とんでもねー事を大暴露しやがったし。個人情報保護法はどうなっていやがんだ、コイツ完璧に破っていやがる。
クラスを見渡してみれば、ほとんどの奴らが軽く(?)ビビっていた。
そりゃあそうだろう。興味津々で見ていた唯一の男のクラスメイトは、とんでもねー不良でした~なんて聞けばそうなるだろうな。
「気にすること無くていいのに中学の時は知れ渡っていたじゃないの、ね?”暴君さん”?」
瞬間、クラス中から悲鳴が上がった。
それは有名人を見たときの様なものじゃなく、正真正銘恐怖の時に上げるものだった。
―――――――――――――――――――
と、言う事があっあ訳だ。
俺はここいらじゃ最悪な不良としてかなり知れ渡っている。ただ、知れ渡っているとは言ってもそれは、”暴君”って言う名前だけで織斑一夏と知られているのは案外少ない。
俺はただ売られた喧嘩を律儀に買っていただけなのにな。まぁ、どうでもいいことか。
ただ、さっきよりも居心地は悪くなったが。
「ちょっといいか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
目線だけ声がした方に向ける。
「ひ、久しぶりだな一夏」
会わなくなってから数年経っていたから見た目の違いは有ったものの、ひと目で分かった。
篠ノ之箒だ。コイツの姉が姉さんと仲良かったからかなり小さい時から知り合っていた奴だ。
コイツもIS学園にいるとはな。
もしかしたら、姉が有名だから強制なのかもな。
コイツの姉は、ISの開発者の一人篠ノ之束。ISの基礎などは全て一人で完成させたことで有名。 今は行方不明中のはずだ。
性格はアレだったが良くしてもらっていた。
「なんだお前は?」
「っ・・・な、なんだはないだろう一夏。久しぶりの幼なじみにその態度は・・・・・・」
「そーだな」
「6年ぶりだ―――」
言葉を遮って言う。
「あぁそうだ、6年ぶりだよ。よくもノコノコと俺の目の前に現れたものだな。で、なんだ?幼なじみィ?ふざけてんのかテメェはよ、あ?」
「そ、それは・・・・・・」
「全然6年前と態度が違うなぁオイ。てっきり俺は6年前を繰り返すと思ったよ、違うのか?」
脳裏に浮かぶのは6年前、いや4年間のコイツがやった事。
未だ、心の奥底に眠っている思い出したくもない記憶に刻み込まれているトラウマ。
「違っ―――」
「違わないね。あの時散々やっておきながら幼なじみは馬が良すぎんじゃねぇか?忘れていたと思っていんじゃねぇだろうな?むしろはっきり思い出したよ。オイどうしてくれんだ?」
あの時のことを嫌でも思い出し、コイツを問答無用で殴り飛ばすしたくなるが抑える。ここで殴り飛ばしたらすべてが終わりだ、そう自分に言い聞かせる。なのに。
「6年ぶりなんだぞ・・・・・・?」
この一言で、我慢の限界に達した。まだ6年ぶりにこだわるというのか。
(ふざけるんじゃねぇよ・・・・・・!)
「だまれ!!」
俺の怒声にクラス中が静まり、視線が集まる。だけど気にしている暇はない、こうしてしまったのだからあとには引けない。
怒りのままに立ち上がり、邪魔なイスを後ろへ蹴り飛ばす。そして篠ノ之の襟首をつかみひねり上げ、持ち上げる。
「ひっ!?やめろ・・・」
「うるせぇンだよテメェは!6年ぶりだからどうだって言うんだよ!?テメェは6年前俺に何をしてくれた?散々散々散々散々好き放題ヤってくれたよなァ、あ!?それで幼なじみィ?テメェはどんだけ都合のいい奴なんだ?どうなんだよ!?」
「・・・・・・っあ・・・」
「ず黙ってねぇで喋ったらどうなんだよ!?」
あの時のコイツからは想像もできないほど弱弱しく答えてきた。
「一夏が入学するって・・・聞いたから私も入学したのに・・・・」
「俺が入学するからテメェも入学だァ?気持ちわりぃンだよ!俺はココに入学なんかしたくもなかったんだよ!IS動かしたから女子高に入学とかふざけてんだろうが!女なんか見たくもねぇのにテメェ等ジロジロ見やがって、俺は見世物じゃねぇんだ!同じ部屋の中にいることでさえ苦痛なんだよ!分かるか!?これからずっとここに居るしかないんだぞ!?しかも嫌いなやつらと一緒にな!どうなんだよ!?」
なに言っているのか、おれ自身分からなくなってきていた。
なのに次から次へと言葉を紡いでいく。止まらない。勝手に口が開いていく。
「な、何しているんですか織斑君!?」
「ッ!」
突然大きな声が聞こえ、一瞬俺は硬直するのを感じた。
そこからの声の主はすばやかった。おっちょこちょいにしか見えない人だったから驚いた、やっぱり教師なんだなぁと改めて考え直させるものだった。
俺と篠ノ之の間に割り込み、つかんでいた手を引き剥がす。そしてソイツを守るかのように俺の前に立ちふさがる。
「もう一度聞きます。何をしていたんですか?」
「アンタには関係ないだろう?」
「関係あります!織斑君は私の生徒なんですよ!関係ないわけがありません!」
”私の生徒””関係ないわけがありません”
その言葉がはっきりと聞こえ、俺には表現しきれない感情が心の奥底からあふれてきた。
身長差の関係上、俺が見下ろすようになるがその瞳には怖気づいたのは一切ない。
この人は俺の事をちっとも恐れちゃいなかった。”暴君”にもかかわらず。
「だからどうした?アンタが勝手に俺のことを自分の生徒だと思っているだけだ。アンタの生徒だって認めた覚えはない」
「ならこれから認めさせてあげます。だから今は篠ノ之さんに謝ってください」
「・・・・・・断る」
そういって教室から出ようとする。なんだかここに詳しく言えば、コイツの前に居たくなかった。
逃げようとしているのは分かりきった事だ。
「まっ―――」
「触るな」
伸ばしてきた手を言葉で制した。
「・・・・・・何処に行くのも織斑君の勝手です。でも篠ノ之さんに謝ってください、それからです」
「コイツが何をしたかも知らないクセによく言うなアンタは。知らないってのは罪ってホントの事だったんだな」
「え?」
「7年前に起きた傷害事件、これを言えば分かるだろ?」
「あ、あの事件・・・!?」
教師が驚いている隙に即座に教室から出て行く。入り口に居た女子どもは、俺が近づいただけで道を空けた。
(最悪だ)
あてどなく歩く中そう内心毒づいた。
遅くなってすみません。
箒さんと山田先生が好きな人はごめんなさい、
話の都合上こうするしかありません。
本当にごめんなさい。