IS Let's make you a happy days   作:AK74

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 第三話

 

「あいよ。これでも飲んで落ち着きな」

 

「・・・・・・どうも」

 

 食堂のおばちゃんが出してくれたコーヒーを啜る。

 

(うげ。めちゃくちゃ甘いぞこれ)

 

 色合いからして完全ブラックだと思ったが、砂糖が大量に入っているんだろう。好意で出してもらったものだから捨てるわけにもいかない。あんまり甘いものは好きじゃないんだけどなぁ。

 只今9時10分頃、俺がいるのは食堂つまりはサボりだ。

 まぁ、あんなところに居づらいというのが本音。決してサボりたがりの不良ではないぞ?

 ……不良なのはアレだが。

 盛大にヤってしまった所でのうのうといることなんて俺にゃできん、出来そうな人を一人知っているがあいにく数ヶ月に渡るお出かけ中であっていまは会えない。

 ただ、そのせいで俺が被害を受けるので早くバックホームしてもらいたい所。主に姉さんから。

 結局のところ(何が結局か俺は知らん)アイツが全て悪い。アイツが話しかけなけりゃこうはならなかった。

 

(それにしても)

 

 甘すぎるコーヒーを啜りつつ、止めに入ってきた教師について考える。

 正直言えばあんな教師見たことがない、おっちょこちょいと言う所とかは今まで見てきた教師にはないものだった。俺を担任してきた奴等が年食っていたのばっかだったのもあるかもしれない。

 そしてあの言葉を言う所が。

 ”私の生徒””関係ないわけがありません”

 初めて言われたことだった。

 今までの教師は皆俺と向き合う奴は誰一人としていなく、腫れ物を扱うようだったり、罵倒したりと、まともと感じた奴はいない。

 今ならわかる。そう言われた時心の底から溢れた感情は”嬉しい”だと。

 

(何なんだかなーあの教師は)

 

 ”暴君”の俺にも怖気付くことはなかったし、HRが終わった時など元気かとまで聞いてきた。よく分からない、怖くないのだろうか?

 確実に病院送りにする最悪の不良だっていうのに。

 もしかすれば、あの教師の期待を裏切ってしまったのかもしれない、今思えば初めてまともにIS学園で話し、応援してくれた人だった。

 それに、”普通”に話せる人だった。

 女子が嫌いなのにも関わらずにだ、凪沙たちや鈴のように何事もなく、弾たちのように話していてもイライラしてこない。

 

(よく分からない・・・な)

 

 最初入学する前は一人だとばかり思っていた、事前に姉さんがIS学園にいるのは分かっていたけど、姉さんに頼ればボロクソ言われること間違いなしだしその他もろもろの理由で気軽に話しかけづらい。それに頼れば何を言われるかたまったもんじゃない。

 だから姉さんに助けをもらうことはしたくないから、基本一人だって思っていた中、あの教師と会った。

 運命なわけないだろうけど、あの教師はいい人なんだろうと思う。

 山田・・・真耶。あの教師の名前だったはずだ。

 

(謝るかなぁ・・・)

 

 HRの最初の方にいきなり喧嘩を売ってしまったことも含めてあやま―――

 

「あ」

 

(あ、謝るってどうすればいいんだ―――――――――ッ!?)

 

 思わぬ落とし穴発見。

 今まで謝ることなんてなかったからどうすりゃいいんだ?つうか15歳で謝ったことのない奴って俺だけだろうな。当たり前だろうな。

 ごめんなさい言うのは分かるんだが、その時どうすればいいか全くわからない。

 

(土下座・・・は大げさすぎるのか?あれ?じゃぁどうすりゃいいんだ?)

 

 ムームーうなっている俺を他人が見れば、変人としか思わないんだろうな。

 

 

 ズガァッ!!

 

「ぐふぅっ!?」

頭に走ったとてつもない痛みに思わず、変な声+涙が出た。人が考えことをしてる途中に何するコノヤロー。

 

「ここにいたか一夏」

 

「うげぇっ!?」

 

(やややややややややややぁばい!)

 

 史上最強最悪地獄の鬼教師こと姉さんがアルティメットウェポン(出席簿)を手に居た。

 そう”暴君”織斑一夏死亡の瞬間であるッ!!??。

 死ぬ!そう思って身構えていたのだけれど、いつまでたっても振り下ろされる様子がなく、それどころか殺気自体感じれなかった。

 恐る恐る構えを解いて姉さんを見ると。

 

「”一夏”何をしている?」

 

 呆れている姉さんの顔が見えた。

 なんで?殴らないでいてくれたのか?むむ、よくわからんぞ。

 だから「ほへぇ?」とマヌケな声が出てしまったのは、仕方ないと思いたい。割とマジで。

 弾辺りに聞かれたら死ぬまでネタにされるに違いない。これだけは阻止しなければ。

 

「あえ?ココは学校じゃん、なのになんで家と同じようにしている訳?姉さんそうゆうことは三流のすることじゃなかっ「どがっ!」ひでぶっ!?」

 

「そんなことを心配するくらいならもっと小娘どもに素直になればいいだろう?」

 

「イテテテ・・・やだねそんなこと、なんで話したこともないような奴等に気を許すしかない訳?そんなことしたくもない」

 

 予想通りの言葉だったのか姉さんはあまり反応することはなかった・・・のだけども、も、だぞ?テーブルに、詳しく言えば俺の対面に座った。説教だったらトンズラしようか、説教キラーイ。

 逃げれるかどうかとか知らんけど。運任せだな。

 

「小娘たちだが、一夏のことを”暴君”だと分かっているがあまり気にしていないようだぞ?ただ今まで通り行くかどうか知らないが」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

(悲鳴あげて俺を避けていたクセによく言うよ)

 

「だから少し位、小娘どもと仲良くしたらどうだ?強制ではないが」

 

「強制じゃないならしたくない、ホントなら今頃弾たちと藍越に行ってたはずなのにな」

 

 藍越に行っていたといっても、中学の延長線上でしかないと思う。それに俺は人付き合いが悪い方だ、弾と数馬以外に新しくトモダチができるとははっきりと言えるが思えない。

 でも、それでも一緒にいるのは楽しかった、たとえ、笑い合うことはなくても。恥ずかしいから顔に出したり、ありがとうといったことはないけど。

 だから、俺がIS学園に行くことになったとき、それまで以上に俺は荒れた。それくらいIS学園に行くことは嫌だった。

 

「そうか。それはすまないことをしたな」

 

「姉さんは悪くない。馬鹿なのは日本政府の奴等だ、男を女子高に入れるとか馬鹿げてるよ」

 

「ふふっ、五反田なら泣いて喜ぶシチュエーションじゃないか」

 

 その場面が容易に想像できた自分がなんか怖い。ナゼでしょーねぇ?

 

「はは、あいつはド変態だからな仕方ない」

 

 姉さんと話していると、なぜか懐かしさを覚えた。

 だけどそれに疑問を抱くほどじゃない。抱くまでもなくなかったからだ。

 久しぶりに姉弟水入らずで居れているから。

 姉さんが仕事が忙しくて、ゆっくりと最近は家にいなかったからだろう。

 

「それで篠ノ之の事だが」

 

 さっきまでのゆったりした雰囲気は何処へやら、一転してキリッとなる。

 やっぱりそうなるよな。あそこまでやったんだから。

 

「うん、その話題を持ち込まれるのは薄々わかってた。だから気にしないで続けて」

 

「分かった、篠ノ之だがかなり落ち込んでいた。篠ノ之がお前に何かして切れたので間違いないんだな?」

 

「・・・・・・7年前あんな事して幼なじみってうるさかったから、我慢できなかった」

 

「あの事件か。やっぱり忘れられないのか?」

 

「いや事件自体はもう過ぎたことだから気にはしてない。ただアイツが・・・アイツが!アイツが事件の中心人物のくせに、当たり前のように親しくしてくるのが許せないんだよ・・・!」

 

 7年前の障害事件。新聞の地方欄にも載るほど大きいものだ。

 被害者は俺。救急搬送される程の大怪我を負い、2~3日意識不明一ヶ月の入院を経験するハメになった。その事件のせいで事件の中心集団がISの女尊男批に染まりきった女どもだったのもあったし、その時には今のような風潮だったのもあり、何もとがめらねることはなかった。俺には二度と消えることのない大きな傷跡が残された。

 男はあまりにも無力だった。

 そしてかなりあとになって、篠ノ之が中心だと分かった。それを知ったとき、とてつもない怒りを覚えたのを昨日のように思い出せる。

 

「そうか」

 

 ふと姉さんの顔を見ると、一瞬だけ曇ったような気がした。

 

「姉さんどうしたの?そんな顔してさ」

 

「あ、イヤ、なんでもないさ。一時間目の授業内容だが―――――」

 

 姉さんが隠し事をしているのはひと目で分かった。でもそれを追求はしない、なぜかして欲しくないと言っているように見えたから。

 

(隠し事下手だな姉さん)

 

 その姿をみてふと思った。

 

 

 

 ”ずっと一緒に居れると当たり前のように思っていた”

 

 

―――でも、それは紙が簡単に破けるように簡単に終わった―――

 

 

 

 

 俺が教室に戻ったとき、もう一時間目は終わっていて休み時間に入っていた。

 HRが終わったあとと違って、誰一人として教室の外に見学者はいない。

 盛大にヤったあとだし、見に来る奴なんていないんだろう。それでも来る奴は物好きだろうな。

まぁ、いないけど。

 ガラリと教室の戸を開けると、賑やかだった教室が水を打ったように静まる。

 

(だよ・・・な)

 ”暴君”でまだ学園に慣れてないときにマジ切れした所を見た奴と、親しくも関わりたくないんだろう。自業自得って奴だな。

 慣れてしまった、腫れ物を見るような視線を受けつつ自分の席に座る。

 

(何、期待してんだよ俺。親しくするはずないだろうに)

 

 内心ではどこか期待していたんだろう、少しがっかりした気がする。

 クラスの奴らは俺が何もしないと分かると、先ほどまでのにぎやかが戻って来る。ただどこかボリュームが控え気味だ。

 次の授業まで大体5分弱。寝てればすぐだろうと考え、うつぶせになった時だった。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「あ?」

 

「まぁ!なんですのそのお返事。話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 コイツの頭ん中大丈夫なのか?割とガチで思った。なにコイツ、脳味噌腐ってんじゃね?。

 

「唯一ISを動かせる男と聞いて興味がありましたのに。なのに蓋を開けてみれば、ただの不良で身の程も巻きわ得ない落ちこぼれ。期待したわたくしが馬鹿でしたわ」

 

「テメェもっぺん言えや。なんつった?」

 

「ハァ…これだから不良は、あなたは代表候補生であるセシリアオルコットにもう一度言えといいますの?」

 

 正直言ってしまえば、女子の中でもいっちばん嫌いなタイプだ。

 だからウザくてウザくてウザくてウザくてウザくてウザくてウザくてウザくてウザくて仕方ない。

 

「で?代表候補生だからなんだってんだ?」

 

「なっ!?入試で唯一教官を倒したわたくしを馬鹿にするのですか!?」

 

「アホ。教官なら時間かかったが倒したわボォケ。んでよ、家族にIS開発者の一人と世界最強の国家代表がいんだよ。だからな、候補生ごときどうってことねぇ。分かるか?」

 

「っ!?・・・・・・・・。ゴホン、ま、まぁそんなに素晴らしい家族はあなたにはもったいなんじゃないんですの?ゴミ屑以下のあなたに――――」

 

「義兄さんはゴミ屑以下じゃないッ!!」

  

「「「「「「「(ビックゥッッ!!!???)」」」」」」」 

 

 突然クラス中に響いた大声(怒声ではない)に、クラスにいた全員の呼吸が一瞬止まった・・・ような錯覚を覚えた。 

 

(この声って・・・・・・)

 

――――まさかな。

 

(そうだなうん。そうだ。ここにいるわけがないんだからな、そうそう。ロシアに行ったはずなんだからな)

 

 だかその幻想はすぐさま壊れてしまった。(ぱりーん!)

 俺の横を通り過ぎてウザイ奴に食ってかかった為、視界に入ったからだ。

 

「なんで義兄さんのことを悪く言うわけ!?オルコットさんは、義兄さんのいい所を見た事もないくせに偉そうなこと言わないでっ!」

 

「んなななななななななななななななな!?か、簪ィ!!??」

 

 驚きを通り越してなんと言えばわからないほどの衝撃を受ける。開いた口が閉じないって言うのはこうゆうことを言うのだろうな。

 脳内大絶賛大混乱100%のせいでどうすればいいのか、何を言えばいいのか、全くわからない。

 あ~れ?俺何言おうとしていたんだっけ?どうしたものか。

 

「じゃっじゃじゃ~ん!みんなの癒し役を務める布仏本音様のおと~りぃ~!」

 

「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」

 

 (何なんだよ一体!?)

 

 俺は、疲れているのか・・・・・・?だからこんな夢のような出来事を見ているのだろうか。頬をつねればわか――痛いぞ!?

 なん・・・だと!?夢じゃ・・・・・・ない・・・!?

 

「ねぇ!さっきから黙っているけど、何か言ったらどうなの!?さっきまで義兄さんをバカにしてたのはなんだった訳!?」

 

「そうだそうだ~っ!ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら私のところに来なさい。以上」

 

 なんか気がつけば簪と本音がクソアマのことを攻めまくっていた。もうこの際二人がいることを気にするのは止めよう。

 というか本音、最後のはなんだ。

 

「オルコットさんは義兄さんのことわかって言っている訳!?あなたは代表候補生でしょ!?行ったことには責任取れるよね!?」

 

「そうだそうだ~っ!お前の幻想をぶち壊すッ!」

 

 あの・・・ですね、二人とも?

 

「義兄さんをバカにするなら、この教室から出て行ってっ!義兄さんは悪くないよっ!」

 

「そうだそうだ~っ!逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」

 

 そう言ってもらえることは涙が出るくらい嬉しいんですけど、ちょっと聞いてくれませんかねぇ?

 

「義兄さんをバカにすると”私たち”がゆるさないからっ!」

 

「そうだそうだ~っ!お前は既に死んでいる。ほわちゃあ!」

 

 ちょっとは人の話聞けよ。

 ほらすぐ後ろに―――

 

「お前ら少しは静かに出来んのか騒がしい!」

 

 バシィ!

 

「「「あうっ!?」」」

 

 ほらな?だから言ったろ。

 すぐ後ろに史上最強最悪地獄の鬼教師アルティメットウェポン装備(出席簿)がいるってさ。

 




ちょっとのほほんさんでふざけてみました。
反省はしている駄菓子菓子後悔はしていない。
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