IS Let's make you a happy days   作:AK74

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 第七話

「うぉが?」

 

 起きて最初に視界へ入ってきたのは、愛用のスマホ(種類はXPERIA SO-03D)で形とか大きさが気に入っている。

 低血圧のため、妙に動こうとしない腕を伸ばしスマホを手に取り、電源を入れ時間帯を確認。

 

 ”05:38”

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?)

 

 念の為にもう一度確認する。もしかしたら寝ぼけて見間違えたのかもしれない。

 

”05:39”

 

(はぁああああああああああああああああああっ!!!???)

 

(どどどどどどどど、どう言う事なんだこれは!?)

 

 頭の中身が寝起きにもかかわらず、完全覚醒して状況分析をする。

 

Q1 なんでこんな時間を示している訳?

 

A1 早く起きたからだろう

 

Q2 俺って低血圧でかーなーり朝に弱くなかった? 

 

A2 低血圧の奴だってたまには早起きするし

 

Q3 俺って7時より前に起きた事なんて数えるくらいしかないぞ?

 

A3 何度言えば分かる。どんなにひどい低血圧の奴だって早起きするんだってば

 

 要するに俺は早起きをしたらしい。それも歴代トップ3に入るくらいの。

 

(まぁいいか。なんかこのまま寝たら起きれなさそうだし・・・)

 

 かなーり眠いが。

 

「んぐぐぐぐ・・・・・・!」

 

 ぐいーっと伸びて体をほぐす。イスに座って寝ていた所為か体が妙な感じにこっていて痛い。

 ・・・・・・・・え、イス?

 ちょっと待てえい!何で俺はイス(正確には突っ伏しながら)で寝てるんだ?

 ここは寮の中のどこかの部屋らしい、間取りが俺の部屋だった所と同じだ。じゃあここは何処だ?

 

 

(寝泊りしたって事は知らない人のとこじゃなさそうだけど・・・・・・)

 

 少なくとも姉さんの部屋じゃなさそうだ。整理整頓がされていてすっきりしているからだ。

 姉さんの部屋は予想だが、到底人の住めるような場所じゃないと思う。魔窟みたいになっているだろうな、散らかりすぎて。もしかしたら足の踏み場すらないかもしれない。

 ・・・・・・・絶対住みたくねぇ・・・、人が住む場所じゃない。姉さんは住んでいるのかもしれないけど。

 

(じゃあ何処だ?)

 

「・・・すぅ」×2

 

「へ?」

 

 突如として聞えた穏やかな寝息。

 寝息が聞えた方に顔を向けてみる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?」

 

 声のした方、つまりベットなのだがそこには凪沙と虚さんがスヤスヤと寝ていた。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・あ、そうだったな。部屋に止めてもらったんだっけか。

 だんだんと思い出してきたぞ。

 えーえー、昨日の夜確か部屋をどうするって話になったんだっけな。で・・・確か虚さんが

 

「私たちの部屋に止まればいい」

 

 って事言ったような気がする。女子の部屋に止まるのはさすがにどうか?って凪さと一緒に言ってみたが。

 

「どうせ”あんな事”したのでしょう?それくらいの事をしたなら部屋に寝泊りくらいどうってことないじゃないですか?別に同じベットで寝るわけじゃありませんし」

 

 二人そろってびっくりして赤面したのを覚えてる。確かにあの近くには虚さんは居なかったはずなのにどうしてと聞けば。

 

「二人のすることなんてお見通しです」

 

 の一言で一括されたな。

 やっぱり虚さんには勝てなかった。虚さんマジ最凶すぎワロエナイ。

 虚さんなんだけど、前に怖さの度合いを説明したと思う。それでそこで説明したときの虚さんは、あくまで最強のときだ。最凶になった瞬間越えられない壁の向こう側に行ってしまうのだ。越えられない壁のはずなのにな。

 まぁ、起こらなければしっかり者の姉って感じだ。

 とりあえず二人を起こさないように、静かに着替えを持って洗面所へ。ついでに使用中の立て札もな(お手製)

 

 寝巻きのジャージを脱いでいくと、服に隠れていた大きすぎる傷跡があらわになる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 右肩から左腰にかけて残るバッサリと切られた傷跡を見ると、中学の喧嘩に明け暮れてたのもあり、俺はやっぱりそうゆう人間なんだろうかといつも思う。

 絶対クラスの奴らが見たら勘違いするはずだ。ヤクザと接点がある、もしくはヤクザだ位は。

 本当なら俺はこれで死んでいたみたいだ。深々と切られ出血多量で死んでもおかしくない程

だったらしい。でも俺は死ななかった、今ここに生きている。

 それに医者は言っていた。あそこまでの大怪我をおって、しかも後遺症が残っていないのは”奇跡”だって。半身不随や動けなくなってもおかしくないはずだったらしい。

 

 

(あれのせいで誰も受け入れようとしなくなったときがあったっけな・・・・・・)

 

 周りの奴等はもちろん、よくしてくれた人どころか、唯一の家族までも受け入れようとしなかった。人と接する事が怖くなっていたんだろうと思う。

 一日中部屋に篭ってずっと膝を抱えていた、大体一ヶ月近くそうしていたと思う。表にはまだ入院中で面会拒否で話を合わせてくれていたらしく、俺は迷惑をかけたと思う。

 それでもアイツは、篠ノ之は俺の家に来て面会させて欲しいと言ったらしい。図々しい奴だと思う。

 しかもアイツは「謝りたい事がある」と言っていたらしい。ふざけるなといいたかったさ。

 

「いつもいつも罵倒してくるくせに謝りたい?ふざけないで」

 

 と。

 アイツが傷害事件の犯人だと分かったのは、アイツが転校して行ってしばらくの事だった。何で知ったのか覚えていない。

 ただその事を姉さんと秋羅兄に言ったら”お前は勘違いしている”としか言ってくれなかった。

 

 勘違い?僕が?。何で?アイツが僕の事を。

 

 内心ではそんな事を考えていたと思う。

 ”勘違いしている”この言葉の意味はいまだ分からない。アイツがやったんだから、そうでしかないのにってさ。

 この傷を作ったのは確かにアイツじゃないかもしれないし、少々言い過ぎたのかもしれない。でもその原因を作ったのは紛れもないアイツだ。

 なのにあの態度。

 でもどこか妙に引っかかるんだよな、アイツ口を開こうとしてやめる、立ち上がろうとしてしない、そんな姿が視界の端っこに映っていた、アイツは何がしたいんだ?

 あれは何か伝えようとしているような・・・伝える?

 

 

(どうゆうことだ?)

 

 引っかかっていたのはこの事なのか?

 もし伝えようとしていたとするとなんだ?

 謝る?いや、違うな。もっと大切な事を伝えようとしている感じだ。

 ならなんだ?まったく見当も付かない。

 本人に聞いた方が早いかもしれないが、あいにく昨日突き放したばかりだ。それなのにのうのうと聞ける訳もない。

 畜生。凪沙に言われたままじゃねぇか、後先考えないで突き放した結果がこれかよ。

 冷静に済ませればうまくいったもしれないことを、その時の感情で行動してしまう。

 俺は”アホでマヌケで、どうしようもないほどの大馬鹿ヤロウ”でしかない。

 弾たちの事言えねぇよ、俺は。

 

「って、何暗くなってんだか。こんなところ見られたら凪沙たちに心配されちまう」

 

 ガツン!と強めに頬を気合を入れるように殴る。

 なんせ今日からは一週間後の試合に向けて、姉さん公認のISの訓練が始まるんだ。余計な事を考えてると訓練に集中できなくなっちまう、それだけはなんとしても止めたい。

 それに気を抜いていたら、瞬殺されるのは目に見えている。

 そうだ相手が代表候補生だろうが国家代表が関係ない、俺は

 

 ”勝つ”

 

 

 

 

 昼休み俺は姉さんに呼び出された。理由はまったく分からないけど、急を要している感じだったから授業が終わると同時に職員室に急いだ。

 

「失礼しまーす・・・・・・」

 

 ドアを開けた瞬間、職員室にいた教師の視線がいっせいに集まる。

 

(うっ・・・)

 

 これだから職員室は嫌い、妙に入りずらいのがとてつもなく苦手だ。

 

「織斑こっちだ!」

 

 姉さんを見つけたと思えば、とっとと奥の方に入られて姿があっという間に見えなくなった。

 自分で来いって事かい。相変わらずのスパルタだこと。

 

 四苦八苦して姉さんが向かったところに行けばソコは会議室らしかった。

 ・・・・・・まさか説教?昨日やった事がそんなにマズイ事だったの―――

 

「遅いぞ織斑、時間がないから手短に話す。しっかり聞いておけ・・・・・・ん?何故お前は逃げようとしている?」

 

「説教じゃないの?」

 

「ハァ、やれやれ。ISの訓練に関する事を説明するのに何故説教をする必要があるんだ?それにやるならもっと堂々とやるから安心していい」

 

(そうゆうことを言う時点で安心できないよ姉さん・・・・・・)

 

 取り合えず説教じゃないって分かったから、姉さんの近くに座る。

 

「ほれ、IS訓練のためにとった許可証だ。よく読め」

 

 俺の目の前にファイルがすっと投げられる。

 

「・・・・・・説明するって言っておきながら、全然する気ないじゃん」

 

「黙れ」

 

 へいへい、分かりましたよーだ。このままいくと何されるかたまったモンじゃない、ここは黙って読むとしよう。

 なんだか小難しい事が書いてあるけど内容自体は簡単で、特別に一年のアンタのアリーナ使用を許可してやろうじゃないのって事だ。

 んで、アリーナを利用するのは一週間後の試合、オルコットと戦うためなのだから、情報が漏れて対戦相手に有利になってしまうのを防ぐために、俺が許可した人以外の出入りを禁止する。

 使用可能時間はいつでも、貸切にしてやったんだからムダにしないで欲しいとの事。

 訓練機は最大3機まで貸し出してくれるらしい。

 貸切の事で文句言われたら、学園長命令だこのやろう。文句あんのか?ン?と脅していいらしい。

絶対しないけど。

 で最後には、感謝の心を忘れんなよーって事で締めくくられていた。

 ちぃーっと軽すぎたかもしれないが、気にしたら負けだと俺は思う。

 応援してくれているのが丸分かりだよこの文章。

 

「一通り読んだな。訓練機のISだが一夏お前のために特別にアリーナを貸し出しているとはいえ、あくまで一つのアリーナを貸し出すだけに過ぎないのを忘れるな?他のアリーナでは通常通り生徒に貸し出されている。この意味が分かるな?」

 

「十分わかっているさ。貸し出せるISの数は変割らないって事だろう?」

 

 俺の答えに姉さんは満足そうに頷く。

 

「そこまで分かっているなら十分だな。必然的に他のアリーナへ流れ込む、予約されている訓練機の貸し出し数に余裕はない中の三機だ。打鉄かラファールか、それはその日の運で変わる。不満は漏らすなよ?」

 

「何に言ってんだよ姉さん。アリーナにIS三機を無償で貸し出してくれるんだ、これで不満がある訳がない」

 

「ふん。言うようになったな一夏。ISのコーチは見つかったか?」

 

「まぁな、凪沙に虚さん、簪に本音も居る。最高のコーチを見つけたよ。そしてもう一人、ね」

 

「もう一人・・・だと?」

 

 俺が言ったもう一人の検討がまったく付かないのか、姉さんは頭の上にハテナを浮かべている。

まぁ、もう一人ってだけで分かったらとんでもないんだけどね。

 

「という事で、姉さんコーチ頼むよ」

 

 俺の言葉に姉さんは目を文字通り丸くする。

 

「プッ、クッ、フフッ……アッハッハッハ!!もう一人は私か・・・?フフッ面白い事を言うな一夏」

 

「笑うとは失礼な。だって姉さんが言ったんじゃないか”使えるものは最大限に使え”ってさ。だから俺は使う、ISを動かしたら右に出るものはいない姉さんを、ね」 

 

「勝つためには努力を惜しむなと言う意味で言ったが、そうとらえられているとはな」

 

「ひねくれているかもしれないけど、勝つための努力をする準備として、姉さんにコーチを頼むだけ。忙しいなら無理しなくていい」

 

「ふん。無理するなといわれれば無理したくなるのが私でな、その話乗ろうじゃないか」

 

 やっぱりこの人は変わってないなとつくずく思う。今の姉さんの言葉とかがそうだ。ただそのまま無理してオワタになる事も多いんだけどな。

 

「あ、ところでさ姉さん。俺のISスーツってどうなるんだ?」

 

 背中を指指しつつ言うと、それだけで意味を理解してくれたらしく、安心していいと言ってきた。

 

「それなら手回し済みだ。ダイバースーツに近いようなものにしておいたから平気だ」

 

「マジで?ありがとう。んじゃ俺は教室に戻る事にするよ」

 

 時計を見てみれば、結構時間が過ぎていた。そろそろ食堂に行かないと次の授業に間に合わなくなる・・・・・・と思ったんだが。

 嫌な予感ってあたって欲しくないほどあたるんだよな。さっきから俺の五感が必死に、逃げろと伝えてくる。

 

「待て一夏。コーチ料はないのか?」

 

 げ。

 まぢであたりやがった。

 

「いやぁ何言ってるのかな姉さん?家族の頼みだよ?それくらいいい―――」

 

「そうだなぁ、一つ話を聞くってのはどうだ。それなら平気だろう?なにせ”家族の頼み”なんだからな(ニヤリ)」

 

 ちっくしおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!

 俺が使った事をまるっきりそのまんま・・・・・ッ!!

 

「どうした一夏?おあいこじゃないか。私は一夏のISのコーチをする、一夏は私の話を聞く、何処も問題などないだろう?それともなんだ?私にISのコーチをさせるだけさせておいて何も無しなのか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(激汗)」がくがく

 

 この人俺が逃げれないように・・・・・・・ッ!!

 腕を掴まれているから逃げるにも逃げれない、たとえ逃げたとしても捕まってオワタ。

 

「そうだなぁ、一夏聞いてくれ秋羅から電話が来てな?」

 

「あ、あの姉さん・・・・・?授業に遅れるんだけど・・・・・・?」がくがくぶるぶる

 

「ふん授業など知らん。それでな?秋羅はなんて言ったと思う?」

 

「あの、授業・・・・・・」がくがくぶるぶる

 

「補修を受ければいい、安心しろ話はつけておく。教師の手伝いをしたといえば何も文句は言われん。なんとな?一ヶ月以内には帰ってくといったんだぞ?嬉しくないか!秋羅が帰って来るんだぞ!?」

 

 あぁ、姉さんが珍しくハイテンションになってるよ・・・・・・・。誰か助けて。姉さんが止まらない。

 

「はは、そりゃあもう・・・・・・・」

 

「それでだな、秋羅は帰ったらしばらく何処にもいかないって――――」

 

 

 責任者出て来い。昨日は暴力で、今日は精神を揺さぶってくるのか。ふざけるなこの野郎ッ!!

 そして俺はその後たっぷりと二時間、姉さんのノロケ話を聞かされ続けるのだった・・・・・・・

 

 

「一夏聞いているのか?」

 

「えぇ、そりゃあもうあはははは・・・・・・・」

 




不可能を可能にする虚さんの最凶モード

限界を超えるッ!!by21歳曇りさん
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