異世界を巡った少年のヒーローアカデミア:Remake 作:白華虚
何故この選択肢を取ったのか。……それは後書きをご覧くださいませ。
プロローグ
世界総人口の八割が"個性"と呼ばれる超能力を手にしている超人社会。
そこに蔓延る犯罪者、
名前を緑谷出久という。そんな彼は今……とあるビルの屋上にて背負っていた黄色いリュックを下ろし、お気に入りの赤い靴を脱いでその端に立っていた。
「ワンチャンダイブ……。そうだなあ、このまま虚しく人生を生きるくらいならやってみようか……」
光を失った瞳で、出久は一人呟きながら、幼馴染に言われた言葉を思い出していた。
"ワンチャンダイブ"の一言と、この現状で分かっていただけるだろうが、彼は今自殺を試みている。
無個性ながらヒーローに憧れた彼は、周りに散々馬鹿にされ続けた。それも、かつては純粋に憧れていた幼馴染を筆頭にである。
それを経て彼の心はみるみる内に擦り減った。疲弊しきってしまった。
そして、極め付けとなるのは憧れのNo.1ヒーロー、オールマイトからの己の夢を否定する一言であった。
否定されるのは自分でも分かっていたことだ。それでも、憧れからの一言は彼の心を深く抉ってしまったのだ。彼にとって、オールマイトの言葉は凶器にもなり得たのである。
__結果として、彼は生きる気力を失った。だから、こうして「来世は"個性"が宿ると祈ってのワンチャンダイブ」を試みているのだ。
「……ごめんなさい、お母さん……。さよなら……」
出久は、己の母親への謝罪の言葉と別れの言葉を最後に目を閉じ、その身を投じた。
「少年!」
飛び降りる最中、何者かの声が聞こえた気もしたが……彼の体は重力に従って真っ逆さまに落ち、地面に衝突した。痛みを感じながら、その意識は瞬く間に暗転していく。
こうして、緑谷出久は己の人生に、自らの手で幕を引いてしまったのであった。
★
「んん……」
彼が自分の命を落として数分後。彼は、何もない真っ白な空間で目を覚ました。
「えっ……。ここどこ……?あの世……?」
出久はその空間をキョロキョロと見回しながら立ち上がる。そして、周りに何かないだろうかと途方もなく歩き出した。
しばらく歩くと……ツンツンヘアーの栗色の髪をした少年がいた。彼を見て、恐らくは自分の一つ年下であろう、と出久はなんとなく思った。
「!」
その少年は、出久の気配に気づくとパッと振り向く。取り敢えず何も分からない出久は、その少年に話を聞いてみることにした。
「え、えっと……こんにちは。君はここのこと、何か知ってるかな?僕、目を覚ましたらここにいて何も分からなくてさ。何か知ってるなら、教えてほしいんだ」
出久に話しかけられると、その少年は快く答えてくれた。
「はい、知ってますよ。緑谷出久さん……ですよね?」
「そ、そうだけど、どうして僕の名前を知ってるの?」
「いやあ、オレも胡散臭くて信じてなかったんですけど、本当にこうなるとは思ってもみませんでした。信じられないかもですけど……ここは、オレの精神世界的なアレです」
「せ、精神……世界……!?君の!?」
何なんだ、そのコミック的な展開は!と出久はツッコミながら口をあんぐりとさせた。
「そうです。なんか突然オレの脳内に変な声が響いてきてですね、貴方のことを教えてくれたんです。『近々貴方の精神に共存する方が来ます』って。あっ、自己紹介忘れてました。オレ、沢田綱吉って言います。これから宜しくお願いしますね」
「へっ?あっ、うん……よろ……しく?」
これは、沢田綱吉との出会いから始まる、真の強さを学んだ出久が最高のヒーローになるまでの物語だ。
はい、早速リメイクした訳を説明させていただきます。
まず、突如このような選択肢を取ったことを謝罪させていただきます。ご愛読頂いている皆様、突然困惑させて申し訳ございません。
理由はたった一つ。オリジナルの敵に関してのことがあってです。今日一日、色々と反芻させていただいているうちに、「この展開はちょっと違うんじゃないかな」と思ったのです。これじゃ、ごちゃごちゃになるだけじゃないかと。
勿論、このキャラを登場させたのは理由がありますが……それに関しては、別にこのキャラを必ず登場させる必要はないんじゃないか。原作のキャラ達でストーリーを織りなして、その理由を果たすことも出来るのではないか。原作のキャラのみでもなんとか出来るんじゃないのかと考えました。
折角の出久君魔改造の作品なのです。皆様の仰る通り、彼の無双を楽しめるものでなければ意味が薄れます。そうしていくうちに、修正が効くうちに修正してしまおうと決めたのです。
突然のことではありますが、これからもご愛読してくださるという方は、こちらのリメイク版の方をお楽しみください。
大してストーリーの大筋を変えるつもりはありませんが、先に言っておきますとオリジナルの敵は出しません。そして、ちょくちょく変更点もあったりするかもしれません。そこもお楽しみいただければと思います。これからも応援宜しくお願いします。
では、また次回!ちなみにですが……リメイク前の感想欄か何かで、尋ねていただいたならばオリジナルの敵についてはお答えいたします!