異世界を巡った少年のヒーローアカデミア:Remake   作:白華虚

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26話 新たに拓ける道とそれぞれの特訓

「……なんだこれ……」

 

出久が唖然としながら呟く。

 

「……俺らにもよく分からねえんだが……」

 

「突然新しいゲートが出来てな」

 

エースと承太郎も、出久の見つめる先をじっと見つめながら答えた。

彼らの視線の先には、新たなゲートがある。

 

帰宅後、慌てた様子の無一郎に呼ばれて精神世界にやってきた出久だったのだが……いざ来てみれば、目の前にはこのゲートがあったという訳だ。

 

「開いたってことは何か意味があるんだと思いますが……」

 

「なにぶん、俺達も何も聞いていないのでな」

 

レイと綱吉もゲートをじっと見つめながら答える。

 

そして、他の者達もぞろぞろと集まって警戒6割、好奇心4割でゲートを観察していると……突如、そこに歪みが生じた。

 

「!何か来るぞ。コムギ、余の後ろに下がっておれ」

 

「はっ、はい!」

 

非戦闘員のコムギを後ろに下げ、出久も含めたその他全員が臨戦態勢を取る。

 

警戒を8割に引き上げてゲートを睨みつけていると……。

 

「WRYYYYY……。謎の声め……何故私がこのようなこと……。殺しにかかられるに決まっておろうに……」

 

ゲートの中から、ジョナサンや承太郎と同じ身長で若々しさに溢れる金髪の男が現れた。その格好は非常に奇抜である上、この場全員その男の顔には見覚えがある。

 

「「「あっ」」」

 

目があった瞬間、その男とジョナサン、承太郎が同時に声を上げた。

 

彼らからあからさまな怒気が溢れ出した瞬間、金髪の男は冷や汗をかきながらガクガク震え始めた。

 

「……待て。違う、誤解だ。ジョジョ、承太郎……!落ち着くんだ!後でラッシュなり波紋なり喰らってやるから今はこのDIOの話を聞け!」

 

「「DIO(ディオ)ォォォォォ!!!!!ここに何をしに来たァ!!!」」

 

そんな彼の……DIOの態度を見てもなお、彼を宿敵とする承太郎とジョナサンは問答無用と言わんばかりに近寄っていく。

 

「WRYYYYYッ!?やはりこうなるのか!?おいっ、やめろ!待て、このDIOの側に近寄るな!痛覚はきっちりあるんだぞ!?」

 

「今から拳を叩き込んで何かをしでかす気を失くさせてやるぜ。感謝しな」

 

「あ''あ''あ''あ''あ''っ!?やめろォォォォォ!私の側に近寄るなァァァァァ!!!!!ザ・ワールドォォォォォ!時よ……グハァッ!?」

 

山吹き色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)ゥゥゥゥゥッ!!!!!」

 

「WRYYYYYYYYYYッ!?か、体がぁっ……!熱い……!溶けるゥッ……!ジョジョォォォォォ!冗談抜きにやめろ!精神世界においてもこのDIOを殺す気かァァァァァ!?」

 

結果……DIOは、面白いくらいに無抵抗のまま2人の手でボコボコにされた。その時間、3分間。ボコられた本人にとってはただの地獄でしかなかったとか。

 

 

「だ……大丈夫……ですか……?」

 

見事に地面に崩れ落ちて、ボロボロなDIOに出久は声をかける。彼をボコボコにした2人は十分に気が済んだようであった。

 

「WRY……。精神世界に留まる存在になっても死にかけるとは……。それにしても私を気にかけるなど、君は心優しいな……」

 

「……流石に死んだ相手にまで恨みを延々とぶつけるのはヒーローの所業じゃないですし。それで、どういったご用件でこちらに?」

 

出久に尋ねられると、死んだ魚のような目をしながらDIOは述べる。

 

「ああ……謎の声に脅されてな。緑谷出久、これから貴様の精神世界を度々尋ねて修行相手になれと……命令された」

 

「僕の修行相手に……ですか。今まで幻影相手にしてましたし、確かにご本人と戦えれば学べることも多いですが……」

 

「悪の帝王様が従わざるを得ないとはな。なんて命令されたんだ?」

 

流石にそんな目の彼を見ていては気になって仕方ないらしく、承太郎が尋ねた。

 

「……『従わなかったら貴方の存在を歴史から抹消してやります』と」

 

「…………成る程」

 

命令の内容を聞いた承太郎は、その一言しか言えなかった。これぞまさしく、「あまりに可哀想で何も言えねえ」という状況である。

 

「こんなことを言われたら従わざるを得んだろうっ!?くそっ、なんという脅し文句をしてくれたのだ……!聞かされた時は、重要な試験を完璧に解いたというのに名前を書かないままそいつを提出して、0点を取ったことに気がついた学生のような気分だった……!まあ……暇だったから別に構わんのだが」

 

「あはは、構わないんだ……」

 

愚痴を吐きながらも、結局は命令された通りのことを遂行しようとDIOは決めているらしく……あっさりと妥協する彼の姿に、ジョナサンは思わず苦笑していた。

 

「取り敢えず……私が言っておくべきことは、他にも私のようにして何者かがこちらを訪ねることが増えるということぐらいだな。2週間後……体育祭?とやらがあるんだろう。我々も、時間ギリギリまで必死こいて問題を解く受験生のようにやれるだけのことを、全力を尽くして施そうじゃあないか」

 

「……!お願いします……!」

 

強くなる為の新たな道が拓け、これからは更に新たなる発見が出来るかもしれない。ここで一気に己を磨き上げるいい機会が回ってきたことに出久は感謝すると共に……ワクワクして仕方がなかった。

 

 

雄英体育祭の開催決定を告げられた数日後。雄英の体育館でのことだ。

 

「オッラァァァァ!!!」

 

「っぐ!?」

 

今日も今日とて爆豪の爆破が心操を穿つ。圧縮した上で放たれる爆破は凄まじい威力があり、単純な威力そのもので言ってしまえば……雄英生の中において出久の繰り出す数々の攻撃に次ぐそれであろう。

 

こんな威力の爆破を喰らえば、大半のヒーローの卵はノックアウト出来てしまうだろう。しかし、心操もまたこれまでに何度も出久に鍛えられ、爆豪のそれを上回る火力の攻撃を何度も喰らっている男だ。このたった一撃で気絶してしまう程柔ではない。

 

「霞の呼吸・肆ノ型 移流斬り」

 

見事に爆破を耐え抜き、爆豪の懐に潜り込んで掬い上げるようにして手刀を振り上げた。

 

「ミズーリースマッシュ!」

 

対する爆豪は、橙色の火花を激しく散らしながら超力の手刀で真っ向から迎え撃つ。

 

力と力とがぶつかり合い、拮抗し……辺りにはその二つがぶつかり合った衝撃が風圧となって露わになる。

 

「っくうっ……!」

 

「どうした!この手刀一つすら受け流せねェのか!?」

 

手刀を押し込みながら言う爆豪に、心操は無茶言うなよという感想を抱いた。

 

当然ながら、幾度も力を培うことでそれが膨大な結晶と化した''ワン・フォー・オール''と全集中の呼吸では身体能力を強化する程度が異なる。心操がこのような感想を抱くのは自明の理であった。

 

しかし。

 

「ッッ……!霞の呼吸・参ノ型 霞散の飛沫!」

 

「っが!?」

 

ここで一方的にやられる心操ではなかった。彼は爆豪の肘を押し込むことでその体勢を崩すと、霞を払うように弧を描きながら回し蹴りを叩き込んだ。

 

咄嗟に体勢を崩されたことで、蹴りを受けざるを得なかった爆豪は吹き飛ぶ。そのタイミングを見計らったように麗日が飛び出し、爆豪に突進する。

 

「おらぁぁぁ!!!」

 

気合の入った掛け声と共にその掌を振るい、爆豪を浮かせんとしたが忘れてはならない。爆豪の反射神経はそこらの生徒とは比べ物にならず、群を抜くということを。

 

彼は掌から放った爆破で体勢を変えると、空中から急降下して踵落としを繰り出してきた。

 

(あかん、反応早すぎるで爆豪君……!)

 

そんなことを内心で愚痴りながらも、麗日は今の最適解を見出して再び振り下ろされる足に掌で触れんとする。

 

それを見た爆豪はというと、麗日の意図を察知して爆破を放ちながら踵落としを強制的に中断し、後退しながら圧縮爆破による爆破弾を次々と放ってきた。

 

「うあっ!?」

 

流石にこれを避ける程の技術を麗日は持っておらず、彼女は次々と迫るそれを喰らってしまう。

 

そして今度は、爆豪の攻撃を中断させるが為に飯田と耳郎が迫る。

 

「おおおおおおおっ!」

 

飯田の繰り出す大振りの蹴り。

 

「セントルイススマッシュ!」

 

爆豪もまた、それを相手を刈りとるような軌道の蹴りで受け切ると、そのまま右フックを放って自分より7cmも身長の高い飯田の巨躯を殴り飛ばした。

 

しかし、飯田の攻撃はあくまで爆豪の注意を自分に引き付ける為のものだ。本命は……耳郎のプラグによる不意打ちである。

 

(いけっ……!)

 

正確さを兼ね備えた不意打ちによる凶悪コンボ。そうそう見切られるはずのない攻撃なのだが……爆豪には予測能力がある。

 

「ッ、見抜かれてた!?」

 

「伊達にお前らと特訓続けてきてねェからな!」

 

持ち前の予測能力によって、耳郎の行動を予測していた爆豪は、迫っていた彼女のプラグを手ではたき落とすと爆破を放って耳郎に肉迫。右手を振り被って……彼の癖である、通称''右の大振り''を繰り出さんとしていた。

 

(もう何回も見てきた……!そう何度も喰らってやらないから!)

 

耳郎は神経を研ぎ澄まして爆豪の動きを観察し……。

 

「ッ、うおっ!?」

 

爆豪の右腕が振り抜かれた瞬間、プラグをそれに巻きつけて軌道を逸らすと共に体勢を崩した。

 

そして。

 

「でやあっ!」

 

「カハッ!?」

 

気合の一声と共に爆豪の腹に膝蹴りを叩き込んだ。

 

「っはは……いい蹴りじゃねェか……!」

 

「ウチだって……ちゃんと強くなってるんだ!ずっと、ずっと……出久を支えたいから!ウチはウチなりに技術をたたき込んでる!」

 

「そう来なくちゃ……なっ!」

 

反撃と言わんばかりに繰り出される爆豪の蹴り上げ。

 

耳郎はそれをバク転で後退しながら躱し、再び耳朶のプラグをその目に向けて放つ。

 

咄嗟のことであった為、爆豪の体は回避という行動を取るよりも反射的に目を瞑ることを優先してしまう。

 

そうして視界を封じることが耳郎の狙いであった。

 

「「うおおおおおっ!!!」」

 

次の瞬間、飯田と心操の猛々しい咆哮が聞こえる。

 

(()められた!)

 

策に()められたことに気がついた爆豪は、飯田と心操の攻撃が迫っていると予測。それを防がんとして目を開け、攻撃に備えるも……。

 

「っな!?」

 

目の前に心操と飯田はおらず、距離を取った位置に立っていた。

 

予測した光景と異なる目の前の光景に爆豪の頭は一瞬混乱し、彼は動きを止めてしまう。

 

この短時間の硬直は、戦闘において大きな隙となる。

 

「隙……ありぃっ!」

 

「ごはっ!?」

 

そんな爆豪の顎に、ここ数日で鍛え上げられた格闘術による麗日のアッパーカットが炸裂する。心操と飯田の声で爆豪の注意を引きつけ、その隙に彼女は爆豪の視界を掻い潜って、懐に潜り込んだのだ。

 

(大した奴だ、麗日ァ……!いくら視線が飯田達に集まってるとはいえ、俺の視界を掻い潜ってくるとはな)

 

格闘術の心得さえろくになかった麗日がここまでやるようになった。元々格闘術の筋は良かったようだが……それを鑑みたとしても、彼女はこの数日で特訓を始めた頃が影も形も無いくらいには強くなった。

 

将来の夢の為に、この場にいる5人で持った共通の思いを実現する為に彼女はこの特訓に地べたを這ってでもついてきた。正直、爆豪自身も自分の特訓は厳しく辛いものだと自負している。それでもなお、彼女は……否、彼女達は折れることなくついてきた。弱音を吐いても、「この程度がなんだ」と自分を鼓舞して研鑽を積んできた。

 

だからこそ……。

 

(まだまだ負けてやらねェよ、お前らには。出久の後ろは譲らねェ!)

 

幼馴染であり、出久の強さを1番身近で見てきた爆豪は奮起して、一層強くなりたいという思いが湧き上がってきた。

 

まだまだ自分はこいつらの壁でなければ、と思い、己の本気を見せつけることにする。

 

爆豪を浮かせんとして近づいてくる麗日の手。

 

爆豪はそれを払い除けると、爆破を起こして空中に高く飛んだ。

 

「っな!?防がれたんやけど!?」

 

「ハッ、まだまだお前らにゃ負けてらんねェんだよォォォ!」

 

そして爆豪は、爆破を巻き起こしながら回転で遠心力を加え、己の最大の技を放たんとする。

 

「ッ!?ヤバい!伏せろ、皆!」

 

これまでに爆豪との特訓をしたある心操は、彼が何をするのか察しがついて呼びかけていたが、時既に遅し。

 

「遅ェ!」

 

爆豪は、爆風を纏いながら勢いを落とすことなく突進してきていた。

 

次の瞬間……

 

榴弾砲(ハウザー)ァァァァァ……着弾(インパクト)ォォォォォ!」

 

ゼロ距離にまで迫った爆豪の、最大火力の爆破が炸裂した。その勢いはまさしく榴弾砲。技の名に引けを取らぬその威力に4人は耐えきれず。

 

『うわぁぁぁぁぁっ!?』

 

まとめて吹き飛ばされて膝から崩れ落ちてしまった。

 

「ッシャオラァッ!今日も俺の勝ちだ!」

 

(やはり強いな、爆豪君……!)

 

(私達もまだまだ……頑張らな……!)

 

(ほんっと、幼馴染2人揃って強すぎじゃないの……!?)

 

(くそ、目の前の壁すらも遠いか……)

 

地面に伏せて肩で息をしながら、飯田達は爆豪の強さを改めてその身で体感していた。

 

 

「ああ〜……疲れたぁ〜……」

 

顔や腕等、数カ所に絆創膏やガーゼを貼り付けた状態の耳郎が伸びをしながら帰路を歩いている。

 

爆豪の榴弾砲着弾によって叩きのめされた後も、''個性''を鍛え上げる為の猛特訓が続いた。__とは言え、耳郎の場合はプラグを硬い岩場に打ち付けまくって音質強化を狙うという地味なものであった為、地力を鍛える為の特訓も課せられたのだが__

 

慣れたとしても、ハードなものは結局ハードであることに変わりはなく……耳郎は体力を使い果たして疲れ切っていた。救いがあるとすれば、ハードな分強くなっているのを実感出来ることと、毎日ではなく2日おきにこの形式の特訓が行われることであろうか。

 

「……でも、始めた頃に比べたらウチも強くなったなあ。自分が自分じゃないみたい」

 

プラグを用いることも鑑みて、特に型やルールに縛られないジークンドーを扱うようになった耳郎だが、爆豪や心操といった体術使用の先駆者達によってその技術は驚くまでに磨き上げられていた。はっきり言ってしまうと、''個性''を持て余したチンピラ程度なら体術のみで易々と撃退することが可能だ。

 

流石にこれ程ハードな特訓をしてボロボロな耳郎を見ると、彼女の両親は言わずもがな心配した訳だが……なんとなく彼女が奮闘する理由を察したらしく、何も口出しせずにただただ見守ることにしてくれた。そんな両親に感謝するのは勿論のこと、頭が上がらないな、と耳郎は思ったとか。

 

そんなことを思い出しながら電車を経由して10分弱。耳郎が駅に着くと……。

 

「お疲れ様、耳郎さん」

 

伊達眼鏡に、青緑色のラグランTシャツと黒のスキニーパンツ姿の出久が彼女を迎えてくれた。どこかトレンド感のある春コーデに仕上がった服装の彼は、度々その近くを通る人の目を惹きつけていて、耳郎は自分の彼氏の魅力が他人にも伝わっていると思うとなんだか嬉しくなると共にそんな彼の彼女が自分であることを自慢したいし、出久を独り占めしたいとも思った。

 

「!出久!ただいま!」

 

「ん、お帰り」

 

出久を目にした耳郎は駆け寄って抱きつき、出久は微笑みを浮かべて彼女を受け止める。

 

その後は2人で手を繋いで話を交わしながら帰路を辿る。予定通り、少し前から二人暮らしを始めた彼らにとっては最早日常茶飯事のことである。

 

予想通りというか、意外というか、出久は精神世界から帰還してからというものの、母親の手伝いを行なっていた為に家事スキルが高い。苦手ではないと言えど、人並みにしか家事の出来ない耳郎にとっては大助かりであると共に彼女は舌を巻いた。__特に、食事の時なんかは、出久の作った絶品料理を口にした耳郎が「結婚しよ……」と呟くと、出久が笑いながら「是非とも貰ってください」と返すか、顔を微かに赤くして「絶対貰います」と返すかの二択のやり取りが行われる__

 

その家事スキルもあって、耳郎は更に出久に惚れた。他に意外なことがあるとすれば、彼の趣味の多さと彼が隠れヒーローオタクだということだろう。__オールマイトのフィギュアやポスターなどがまるで博物館の展示物であるかのように飾られていたことにはこれまた舌を巻いたとか__

 

改めて自分が出久のことをどれだけ好きかを理解した耳郎は、彼と自分の腕を絡ませながら擦り寄る。

 

「どうしたの、耳郎さん」

 

「出久はいつもかっこいいし、なんだかズルいなあって思ったの」

 

「ええっ?そんなこと言ってくれるの耳郎さんだけだよ?」

 

「口に出さないだけで、世の中の女の子達は皆そう思ってる!かっこいいって口にすることすら憚られるくらい出久はかっこいいの!」

 

「……そこまで言っちゃうの?」

 

「言っちゃうの。私服もかっこいいし、ウチを救けてくれたあの時だってかっこよかったし……こうやってウチのこと迎えにも来てくれるし。気が利くところだって、ヒーローらしいところだって全部かっこいい」

 

そこで耳郎は出久の方に顔を向けながら微笑んだ。

 

「そんな出久のことを好きになったウチは幸せ者だね」

 

「……じゃあ、それだけ僕を愛してくれる耳郎さんと一緒になれた僕も幸せ者だ」

 

出久もまた、彼女の発言にほんのり顔を赤くしながらも微笑んで答えた。

 

「そうだ、帰ったら……ご飯にする?お風呂にする?それとも……」

 

「出久を補給してからお風呂」

 

「分かったよ。僕に抱きしめられるの好きだよね、耳郎さん」

 

「だって、出久にぎゅーってされるの安心するんだもん。恋人ってそういうものだと思うな」

 

「ふふ、それもそうだね」

 

こうして他愛もない話をしていると、特訓の疲れも抜けていく。出久がいるからこそ、耳郎は次の特訓も頑張ろうと思えるのだ。

 

 

そうして時間が流れていく。特訓の日々は充実していた為か、ヒーローの卵達にとっては時間が過ぎるのが早かったように思えた。

 

そして、いよいよ待ちに待った日。雄英体育祭、その当日が訪れる……!




ここ最近、忙しいことが続いておりましてチマチマ時間を見つけて執筆はしていましたが、だいぶ久しぶりになってしまいました。もう暫くはこんな調子が続くと思います。

さて、早くも次回から体育祭当日に突入です。出久君達の特訓の成果は本番をお楽しみに!
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