この結界の中なら、レイさんは、俺の側を離れる事が出来る。
流石に幽霊とは言え、トイレや風呂の中まで御一緒は遠慮させて貰いたい。
着替え程度なら、見られていても平気で着替えるが。
いくら50歳の初老の域に入ってるとは言え、他人に見慣れながらの排泄や風呂に入る性癖は俺に備わっては居ない。
「レイさん。 私の部屋には入れないようにしているからね。」
「あっ!はい!」
俺の部屋にも。 っと、頼もうとしたら。
「
と。先手を打たれてしまった。
どうやら、俺はプライバシーと言う物を失くしてしまったらしい。
「あの、自己処理する時は言ってくださいね。 離れていますので。」
レイさんが、恥ずかしそうに言う。
「・・・・・・。」
しねえよっ! などとは言える訳も無く。 どう返事を返して良いか分からずに無言を貫く。
* * * * * * *
明けて翌日。
事務所に行って、昨日の件を大門さんに説明する。
「それは、災難?だったのかな?」
微妙な表情で、大門さんが言う。
そして、レイと言えば。
お盆の上にカップを乗せて、俺たちの所にコーヒーを持ってくる。
「・・・・・。」
その光景を、大門さんが無言で見ている。
昨日まで、レイは物に触る事は出来なかった。
しかし。 しかしだ。
寝て起きて目が覚めたら、何故かレイは物に触れる事が出来るように為って居た。
「マジックか、何かを見ているような気分だ。」
目を揉み
大門さんには、レイの姿は見えていない。
内閣特殊調査課の過半数以上の職員は、霊的な
と、言うか。 霊的な
大門から見れば、お盆が宙に浮かんで動いていると感じる。
「まぁ、彼女の事は、こちらでも調べてみよう。」
「お手数を掛けます。」
大門に向かって頭を下げる。
レイも頭を下げているが、大門には見えていない。
「なに、君の身柄は国の方でも最重要人物指定扱いだからね。
その、お願いを無下に断る訳にもいかんさ。」
まるで危険人物扱いだが、あながち間違ってもいないんだなコレが。
今はまだ、
精霊の王と女王の
危険人物とみなされたら、
「なんか、色々とスイマセン。」
深く頭を下げる俺。
「気にするな。 君ほどじゃない。」
大人な対応で返してくれる大門さん。