精霊の使い魔   作:ちっぱい眼鏡っ娘が好き

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おっさん自覚する

 

 

「風よ 切り裂け。」

 

俺の言葉に合わせて、イメージを精霊たちが読み取って力を貸してくれる。

 

風の刃が、目の前の小鬼(ゴブリン)を上下に分ける。

 

風の刃は、目の前の小鬼(ゴブリン)だけに留まらず、後方に居た5匹の小鬼(ゴブリン)を切り裂いた。

 

「水よ 氷と為れ。」

 

地面を氷が覆い、複数の小鬼(ゴブリン)を巻き込んで小鬼(ゴブリン)の氷の彫像を作る。

 

「後ろっ!」

 

レイの言葉に反応して、咄嗟に前方に大きく飛び地面を転がる。

 

「唸れ 大地。」

 

大地が隆起して、俺を襲った豚人(オーク)が態勢を維持できなくなり転ぶ。

 

「火よ 焼き尽くせ。」

 

火柱が豚人(オーク)を包み込んで、骨も残さずに焼き尽くす。

 

 

豚人(オーク)を倒して周囲に目を這わせる。

 

少し離れた所では、姫宮(ひめみや)大鬼(オーガ)を相手に戦っている。

 

あの様子なら、加勢は必要ないだろうと判断する。

 

 

その判断は正しく。

 

姫宮(ひめみや)大鬼(オーガ)の首を、手に持つ木刀で切り刎ねる。

 

ズンッ。と大きな音を立てて、大鬼(オーガ)の巨体が地面に着く。

 

姫宮(ひめみや)が俺の方を見て、こちらに近づいて来る。

 

 

「大分マシに為ってきましたね。」

 

「そりゃ、どうも。」

 

「レイに助けられたのは見逃してあげます。」

 

一月半(ひとつきはん)で、此処まで成長したんだ。 多少の減点は勘弁してくれ。」

 

こちとら、戦闘どころか。 格闘技すらしていなかった一般人だぞ。

 

と、言いたくなるが。

 

「敵は勘弁してくれませんよ。」

 

「精進します・・・。」

 

姫宮(ひめみや)の言葉は正解で。

 

敵は、俺が未熟だろうと熟練だろうと関係なく襲ってくる。

 

自分の命が惜しければ、自分で自分の身を守るしかない。

 

 

 * * * * * * *

 

 

家に着いて、今まで疑問に思っていた事を姫宮(ひめみや)に尋ねる。

 

「なぁ、姫宮(ひめみや)

 

あの小鬼(ゴブリン)豚人(オーク)達って、どこから来てるんだ?」

 

「異世界ですよ。」

 

返って来たのは、トンデモ発言だった。

 

 

「は!? 異世界!? 在るのか!?」

 

「ええ、在りますよ。

 

じゃなければ、あの小鬼(ゴブリン)豚人(オーク)の説明がつきませんよ。」

 

異世界。 地球とは違う次元軸に存在する世界。

 

この次元軸が、時折屈折して、地球と異世界とを繋げてしまうらしい。

 

この時に、地球側から異世界に行ってしまい。

 

帰って来れなくなった人たちの事を、地球では神隠しと呼ばれている。

 

また、その逆もあり。

 

異世界から地球に来て、元の世界に帰れなくなった人たちも居る。

 

それが、姫宮(ひめみや)の一族や、世界中に居る魔術師たちの祖先でもある。

 

「魔術師って、結構いるんだな・・・。」

 

「はい。 一般的には知られていませんが。

 

それなりの数の魔術師は存在しますよ。

 

もっとも、漫画やアニメみたいに、都市を壊滅させるような殲滅魔法などと言う魔法は使用できませんけど。」

 

「それって。 やっぱり、アニメや漫画の様に、地球に魔力ってのが無いからか?」

 

「それも有りますが。 基本的に1人で使う事の出来る魔力なんて知れています。

 

私だって、その気に為れば周囲数十メートルくらいの範囲で術を行使できますが。

 

それを、都市規模で行使しろと言われれば無理です。」

 

「出来るのかよ・・・・。」

 

「そして、七五三(しのしめ)さん。

 

貴方に至っては、災害規模で能力(ちから)を行使するのが可能です。」

 

姫宮(ひめみや)の言葉に、俺は唖然として口が半開きになってしまう。

 

 

「今はまだ、下級の精霊の能力(ちから)しか行使できていないですが。

 

大精霊さまの能力(ちから)を行使できるように為れば、それこそ単騎で国を相手に出来ます。

 

ましてや、精霊王と精霊女王が覚醒し。

 

貴方が、その能力(ちから)を振るう事が出来れば。

 

それこそ、地球規模での現象が起こせるほどです。」

 

開いた口が塞がらないとは此の事で。

 

姫宮(ひめみや)の言葉に、俺は半開きの口が閉じれずにいた。

 

「そもそもにして。 下級精霊と言われている存在の精霊の能力(ちから)でさえ、私たち魔術師の熟練者の域なのです。

 

たった、一か月半足らずで、ただの一般人の貴方が。 何の取り柄もない貴方が。

 

此処まで能力(ちから)を振るえること自体が異常も異常。 大異常なのですよ。」

 

軽くディスられているが。

 

俺は、それどころじゃない。

 

思考が追い付いて来ていない。

 

多少の自覚は持っていたが。

 

まさかのまさか。 そこまで危ない存在に為って居るなど、誰が自覚できようか。

 

せいぜい、危ない力を持った奴。 くらいの認識だったんだよ。 今までは。

 

「お・・・俺は・・・。 そんなに危ない存在(もの)に為ってたのか?」

 

「はい。 端的に言えば。 地球の人口の9割を貴方は滅っする事が出来ます。」

 

姫宮(ひめみや)の言葉に、俺は視界が歪んで目の前が暗くなる。

 

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