デレステ 綴られただけのお話   作:むつさん

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森久保乃々誕生日作品

ちょっとしたお話です。
ごゆっくり


2つの誕生日

2つの8月27日

 

 

店員もおらずボロボロになった靴屋に1人の少女が訪れた…

 

 

少女「この靴…サイズ合いそうです…ずっとこの靴ですから…もう変えましょう…」

 

そう言って手に取ったのはビニール袋に包まれた一組の新品の靴

 

少女「ピッタリ…こんなにピッタリの靴は久しぶり…」

 

そう呟くと、少し前、ある靴を履かれてくれた人のことを思い出し。涙が溢れ始めた

 

少女「あぁ…なんだか…また寂しくなって…いいえ…まだ何処かにいるはずですから…もりくぼは諦めてません…」

 

肩に背負っていたカバンを強く抱きしめ

涙を拭い。立ち上がった。

 

………

 

少女の名前は森久保乃々

 

家で目を覚まし

外に出るとそこは荒廃した世界が広がっていた。

 

何がどうなっているのかもわからず

ただひたすら友人、そして大切な人の名をずっと呼ぶが。

どこからも返事はない

 

生活するために様々な物を探した

 

水や食料を探して飢えと乾きに耐え

火を起こして暖を取り

時に見つけた本を読む。

 

そうしながら、友人を探している。

 

…………

 

森久保「この道…このお店の看板…もしかしたら…」

 

慣れた道を見つけて…一つの場所に向かって…

 

森久保「ここは…本当にプロダクション…?にしては…ボロボロ過ぎませんか…?」

 

恐る恐る入り口に入ると

確かに見慣れた光景の跡はあって…

 

森久保「誰かいませんか!誰か!」

 

でも…返事がない…

 

森久保「えっと…事務所はもっと上で…ひっ…エレベーターが…落ちてる…」

 

地下の底まで落ちたエレベーター

隣のエレベーターはボタンを押しても反応がない…

 

森久保「階段は、まだ使えるでしょうか…」

 

目的の階層まで登ると階段はそこで途切れてる…

 

森久保「扉が開いたまま…事務所には誰か…?」

 

オフィスを覗いても誰もいない…

 

森久保「プロデューサーさん…一体どこに行ったしまわれたのでしょう…いつもなら何かあると、すぐにでもお電話かかってくるのに…」

 

事務所を眺めていると。

また前のことを思い出してしまう

思い出すとまた寂しくなる…

ここ数日…誰ともお話をしてない…

話すのが苦手なもりくぼでも…

誰とも会えないのはとても…

とても…寂しくて…

 

だから…探して、いっぱい話して。

寂しくならないように、一緒に本を読んだり、お歌を歌ったり…

 

またみんなに…会いたいですから…

 

森久保「皆さん…おはようございます…それと…お疲れ様です…」

 

そう言ってオフィスを出て

向かったのは一つの場所。

 

森久保「今日はちょっと大きめのリュックなので…」

 

着いたのは社員食堂、厨房の冷蔵庫や保存庫が目当て…

 

森久保「まだ、食べられるものがたくさん…お水ももらっていきましょう…」

 

冷蔵庫は何故か通電していて、中が冷えている、保存庫には即席で食べられるものやお菓子もあった。

 

持ち帰るために鞄に入れていると

誰かが階層を登る足音が聞こえた気が…

 

森久保「誰か…居るんでしょうか…」

 

小さく呟くと。

聞こえてきたのは少しの呻き声が…

 

人の姿をした黒くて影のような…何か…

 

以前、目を合わせてから見つかるといつも追いかけてくる…

 

しかも、私の行く場所によく居る…

偶然とは思えないほど。よく見かける…

 

森久保「だんだん、近づいてきて…」

 

何故かいつもいて…

 

でも足は遅いからすぐ逃げられる。

今回もうまく逃げられるはず…

 

森久保「でもなんで…もりくぼの事を…?」

 

ひとつだけ気になる…

どうしてもりくぼがいる場所に来てもりくぼを探しているのでしょう…

 

森久保「…今は少し…やるくぼに…」

 

厨房から出ると

社員食堂の奥扉から入ってきて目があった

 

呻きながら近づいてくる…

怖い…逃げたい…

でも…確かめて見ないとわからないから…

 

森久保「そ…それ以上近づかないでください…!」

 

強く言うと、黒い人は立ち止まった。

 

森久保「こ、言葉はわかるんですね…」

 

黒い人はその場で座るように崩れてしまった

 

森久保「あの…少しお話がしたくて。いくつか聞いてもいいでしょうか…」

 

黒い人は呻きながら頷く。

 

森久保「あ…あなたはもりくぼを襲うつもりなのでしょうか…」

 

頷かず、首を横に振った。

多分悪いことはするつもりがないのかも…

 

森久保「あなたは、もりくぼのお知り合いですか…?」

 

呻きながら頷く。

 

森久保「何か、それを教えてくれるようなものはあるでしょうか…」

 

黒い影は胸元から一つの小包を取り出して

渡すように手を伸ばした。

 

恐る恐る近づいて小包を受け取る

 

森久保「プレゼント…危ないものじゃないですよね…?」

 

黒い影は頷く

 

小包を開けて逆さにすると

中からリスのノンホールピアスが出てきて

四つ折りの紙は下に落ちた

 

森久保「これは…あの時の…」

 

前に装飾品のお店で見ていたピアス

自分のお小遣いでは買えず諦めていたもの…

 

森久保「どうしてこれを…?」

 

黒い影は下に落ちた紙を指差した

 

森久保「この紙…」

 

四つ折りの紙を開くと…

 

……

 

ハッピーバースデー!

誕生日プレゼントだぞ!

おめでとう乃々!

 

プロデューサーより

 

……

 

森久保「あの…これは…もしかしてあなたは…プロデューサーさん…?」

 

黒い影は静かに頷いて。

確かにもりくぼの知っているプロデューサーさんの仕草でした

 

だから…これはプロデューサーからのプレゼント…この黒い影はプロデューサーさんの影だから…もりくぼを見つけられて…

それでこれを渡すために追いかけてきていて…

 

そう思うと泣き崩れてしまって

 

森久保「てっきり怖い人だと思ってしまいました…すみません…プロデューサーさん…」

 

プロデューサーさんの影は近づいて、

優しく抱きしめてくれた…

 

森久保「こんな形になってももりくぼのために…プレゼントを渡すために…ありがとうございます…プロデューサーさん…」

 

だけど、少しおかしい

プロデューサーさんの影が呻き始めると

 

だんだん色が薄くなって…

 

森久保「え…プロデューサーさん…?」

 

次第に透明になって、触れている感覚も弱くなっていって…

 

森久保「えっ…なんでですか…?消えてしまうんですか…?まだ…お話もしたいのに…待って…待ってください!プロデューサーさん!…プロデューサーさん!!」

 

強く叫んでも。もう影は見えなくて…

 

森久保「そんな…せっかくまた会えたのに…プロデューサーさん…に会えたのに…」

 

ずっと涙が止まらない…

大切な人が目の前で消えてしまった…

 

森久保「どうして消えて…もりくぼはもうどうすればいいか…」

 

探していた人が目の前で消えた

いつも勇気をくれた

背中を押してくれた

友人を作るのを手伝ってくれた

自分の理想を叶えてくれた

とても…とても大切な人を見つけられたのに…

 

一緒にいることもできず…

もう…どこにもいない…

 

そう考えると…とても苦しくなった

 

森久保「プロデューサーさん…」

 

涙が止まらない…

寂しくて悲しくて…

どうにもならないくらい

ずっと苦しい。

 

森久保「でも…」

 

きっと…何処かにいるはず…

あれはプロデューサーさんの影なら…

本当のプロデューサーさんはまだ何処かにいる…

 

森久保「もりくぼは…頑張って探しますから…」

 

涙を拭って立ち上がって。

 

社員食堂を出て女子寮に向かって歩く…

 

森久保「ここも…ボロボロです…」

 

廊下の窓はいくつか割れていて…扉は開いてたり外れて倒れていたり…

 

森久保「やっぱり誰もいませんか…」

 

広場にいくと、ソファーに一つのぬいぐるみを見つけた。

 

森久保「これは…美玲ちゃんの…デビキャのぬいぐるみ…」

 

色が薄くなってる…

結局…他のアイドルの方々も見てない…

プロデューサーさんの影みたいにあの姿で彷徨ってるのかも…?

 

ふと目線を窓に向けると

夕日が指して少し暗くなり始めていた。

 

森久保「真っ暗になる前に…帰らないと…」

 

デビキャのぬいぐるみ持って女子寮を出る。

 

プロダクションを出る頃にはもう暗かった。

 

森久保「懐中電灯…つけないと…」

 

大きな懐中電灯だから…前はかなり見やすい…

寄り道をしないで家まで向かう途中で。

懐中電灯の光がだんだん弱くなってきて…

 

森久保「まさか…電池切れですか…?そんな…代わり今持ってないんですけど…」

 

弱い光を頼りに進むと目の前に何かが居るのに気づいた…

 

森久保「あれは…また影さん…」

 

影はもりくぼに気づくと手を伸ばして

ぬいぐるみを指差した

 

森久保「ぬいぐるみが欲しいんですか…?だめです…これは美玲ちゃんの大切な…」

 

そうだ…この影…

角がある…ということは…!

 

森久保「あ、あなたは…美玲ちゃん…?」

 

影さんは大きく頷くとまた手を伸ばした

ぬいぐるみを渡すと案内するように仕草を始めて…

 

森久保「もしかして…もりくぼのお家まで…?」

 

影さんはまた大きく頷くと歩き始めた…

 

影さんについていくと

もりくぼのお家までたどり着いた…

 

森久保「え…これは一体…?」

 

もりくぼの家の前には

何人かの影さんがいて

もりくぼの帰りを待っていたみたいで…

 

森久保「もしかして…しょーこちゃんや裕美ちゃん…ほたるちゃん…みんな…」

 

美玲ちゃんの影さんが他の影さんと合流すると。一斉に影さん達が薄くなってしまって…

 

森久保「やっぱり…お別れなんですか…?」

 

プロデューサーの影の時と同じ

みんな消えてしまうのでしょうか…

せっかく…会えたのに…

挨拶もできないまま消えてしまって…

 

森久保「皆さん…ありがとうごさいました…皆さんのおかげで、もりくぼは…殻を破って…自分から前に進めて、たくさんのお友達や仲間に会えました…皆さん…もりくぼは忘れません…だから…皆さんももりくぼを…忘れないでほしいです…」

 

影さん達が頷くと…

少しもしないまま影さんは消えてしまいました…

 

森久保「…ひとりぼっちで…寂しいです…とても…寂しい…でももりくぼは皆さんを探しますから…必ずまた会ってお話しましょう…」

 

お家に入ってパンを食べて。

布団を重ねて暖かくして寝る…

 

…………

 

少し暑苦しくて…目が覚めてしまいました…

 

森久保「うぅ…ん」

 

起きて見渡すと

そこは確かに女子寮の自分の部屋…

 

森久保「あれ…もりくぼは自分のお家で…」

 

お部屋の外から声が聞こえてくる…

 

???「もう。いつまで寝ぼけてるの?」

 

???「みんな待ってるから早く起こさないと」

 

聞き覚えのある声…

裕美ちゃんと美玲ちゃん…?

 

部屋の扉を開けてみると…

 

関「あ、乃々やっと起きた。」

 

早坂「今日は珍しくお寝坊さんなんだな!」

 

森久保「裕美ちゃん?美玲ちゃん…?」

 

関「どうしたの?何かついてる?」

 

早坂「いつまでも寝ぼけてたら引っ掻いて目を覚まさせるぞ?」

 

何度見直しても、二人はしっかり見える…

影じゃない…

 

森久保「あの…えっと…」

 

これは…夢…?

それとも…現実…なのでしょうか…?

 

関「の、乃々?泣いてるの?」

 

森久保「えっと…えっ…えっと…」

 

早坂「泣くの早くないか?」

 

関「そ、そうだよ?まだ私達起こしに来ただけなんだけど…」

 

森久保「もりくぼを起こしに?」

 

早坂「おう!事務所でみんな待ってるから早く行くぞ!」

 

森久保「は、はい…」

 

言われるままついていくと…

事務所に着いて…

 

関「ちょっと待っててね。10秒数えてから扉開けて入ってきて。」

 

森久保「え、数えてから入るんですか…」

 

早坂「早く入ってきたらだめだからな!」

 

二人は…事務所に入って…

 

それから10秒数えて…

 

森久保「あの…入りますけど…」

 

事務所に入ると真っ暗で…

 

森久保「あ、あれ…?」

 

入って少しすると…いきなり照明がついて…眩しい…

いきなりクラッカーの大きな音まで…

とてもびっくりしてしまって…

 

森久保「ひゃぅ…」

 

関「乃々大丈夫?」

 

森久保「す、すいません、ちょっとびっくりしてしまって…」

 

プロデューサー「ああ、ごめんなびっくりさせて。乃々、今日誕生日だよな。」

 

森久保「誕生日…?あっ…!」

 

そうでした…今日はもりくぼの誕生日…

あれ…でもあのときも…

 

美玲「どうしたんだよ、乃々」

 

森久保「あの…えっと…いえ、なんでもないです。」

 

きっと…さっきのが夢だったんですね…

 

関「ほら乃々こっち座って」

 

森久保「こんな…ケーキまで用意して頂いて…」

 

プロデューサー「みんなが作ってくれたんだ。」

 

森久保「皆さん…もりくぼのためにありがとうございます…」

 

早坂「あとこれ!」

 

森久保「こ、これは…?」

 

早坂「ウチ達からのプレゼント、早く開けてみろよ」

 

プレゼント…箱を開けると…

 

森久保「こ、これは…い、衣装を…森久保の為に?」

 

関「気に入ってくれたかな。」

 

森久保「こ、こんなにも素敵な衣装…嬉しくないわけが…なくて…えっと…あの…本当にありがとうございます…」

 

早坂「気に入ったみたいだな。よかった!」

 

プロデューサー「次の舞台の衣装にってみんなが選んだんだよな。」

 

森久保「これを着て…舞台に…なんだか…上手く行きそうな気がします…でも…ちょっと勿体無いような…」

 

関「ケーキ目の前に広げてたら、クリームついちゃうから、ほら、先にお祝いのケーキ。」

 

…それから…

森久保はみんなとケーキを食べて…

いっぱい…いっぱいお祝いをしてもらって…

えっと……それからのことなんですけど…

 

 

プロデューサー「さて、と。やっと一段落かな…」

 

森久保「あの…もう事務所閉めますか…?」

 

プロデューサー「ううん、森久保ちょっと机の下から出ておいで。」

 

森久保「出てこないとだめですか…」

 

プロデューサー「できれば、出てきて欲しいかな。」

 

森久保「わ…わかりました…」

 

机の下から出て…ソファーに…

プロデューサーさんの、と、隣に…

 

プロデューサー「隣に来るなんて珍しいね」

 

森久保「いえ…あの…それでご用事でしょうか…」

 

プロデューサー「これ、僕からの個人な誕生日プレゼント、皆んなには秘密に。」

 

そう言ってもらった1つの小包…

何故か…見覚えのある…小包

 

プロデューサー「誕生日プレゼント。開けてごらん」

 

開けて逆さにすると…

出てきたのは

リスのノンホールピアス

夢でプロデューサーさんの影からもらったものと全く同じ…

以前に、買えなくて諦めていたもの…

 

森久保「あの…これを…森久保に?」

 

嬉しくて…そして夢のことを思い出すと少し悲しくなって。でも、今は目の前に…プロデューサーさんが居て…

我慢できずに涙が出てしまう…

 

プロデューサー「泣くほど嬉しかったのか…?」

 

森久保「とても嬉しくて…少し…思い出があって…」

 

プロデューサー「そっか。よかった」

 

森久保「プロデューサーさん…」

 

プロデューサー「どうした?」

 

森久保「夢でもプロデューサーさんからこれを貰ったんですけど…そのあと、プロデューサーさんは消えてしまいました…美玲ちゃん達にも会えたのに…影みたいですぐ消えてしまいましたし…だから…目が覚めたとき皆さんに会えて。プロデューサーさんからプレゼントを貰って…とても…とても嬉しくて…」

 

プロデューサー「怖い夢だったんだな。」

 

森久保「プロデューサーさんは…どこにいてももりくぼを見つけて追いかけてきていましたから…」

 

プロデューサー「約束したからね。」

 

森久保「あの…プロデューサーさんは森久保がアイドルを辞めるまでどこにも行きませんか…?突然消えたり…しませんか…?」

 

プロデューサー「僕は乃々のプロデューサーだよ。だから乃々がアイドルを辞めるまでは一緒に居るし。乃々が望むならアイドルをやめてからも一緒にいてあげたい。」

 

森久保「プロデューサーさん…ありがとうございます…そのことを聞けただけでとても…安心したというか…」

 

プロデューサー「これからもよろしく」

 

森久保「時々逃げたりはしますけど…よろしくお願いします…」

 

プロデューサーさんの横がとても暖かくて…

安心感があって…

眠たくなってしまいます…

 

森久保「少し…少しだけ…」

 

肩を寄せて目を閉じると…

もっと強く…プロデューサーさんの暖かさを感じて…そのまま眠ってしまいました…

 

プロデューサー「ゆっくりおやすみ。乃々」

 




森久保乃々。誕生日おめでとうごさいます。

今後も作品を投稿していきます
主にデレステの続きになりますが
これからもよろしくお願いします
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