デレステ 綴られただけのお話   作:むつさん

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あるアイドルの歌をお話にしてみました

ちょっと違うんじゃない?
こういう解釈だと思うとか

そういう声はあると思います。

これは筆者の妄想です。
それをご理解した上でお読みください。



谷の底で咲く花のお話

 

 

 

谷の底で咲く花は…

 

美しい一輪の花として今咲き開くはずだった…でも、蕾が開いたその場所は…谷の底…

 

 

毒のある花だがこの場所なら…誰かに、何かにこの毒を振るうことはない。

それ故に種が運ばれるはずもないのに。

なぜこのような場所で咲いてしまったのか…

陽の光もなく土は冷たい、生憎、雨が降るから水分には困らないが…

 

少なくとも蕾が開いてから数日ずっと

一面に曇天で暗く淀んでいる

 

(…ああ…陽の光が恋しい…)

 

そう思ったのは知らない感覚だった

でもそれは確かに感じた。

 

本来であれば陽の光が刺す草原で群れて咲く花、そう在るはずだが、

 

ただそれが叶わなかった。

せめて陽の光を浴びたい

 

今はその願いすら叶わない…

 

大雨は降れども土は崩れず

強風は吹けども茎は折れない

寒さに強い故にすぐには枯れることもない。

 

枯れてしまっても構わない。

新しい花としてでも構わない。

 

陽の光が刺す場所で咲いて

その姿を知らしめて。

美しく咲く一輪の花として在りたい

 

ただ、そう願うばかりだった。

 

ある時、近くに何かが降り立った。

 

(渡り鳥…?)

 

「このようなところに…花が咲くとは…」

 

(誰も願ってここで咲いている訳じゃない、蕾が開くとここで…)

 

「ここは…今夜の嵐、雷雲に巻き込まれるだろうな。」

 

(雷雲…嵐…きっと無事では居られない…)

 

「寧ろ、ここで咲き続けることすら、不幸かもしれないが…」

 

(不幸…)

 

「さて…群れに合流しなければ、」

 

渡り鳥は飛び立った。

 

もうすぐ、嵐がくる…

そうなれば、終われるのだろうか。

生まれ変わって、陽の光を浴びながら咲き誇って。そんな夢を…ずっと見てきた。

 

遂に叶う…?

それとも花として生まれ変われないのかもしれない。

 

それでも、ここで枯れてお終いよりかはきっといいはず…

 

次第に雨が降り始めた…

 

まだ僅かではあるが、

風も感じる。

 

遠くで雷の鳴る音が聞こえる

 

渡り鳥の話は本当なら…

ここは雷雲に巻き込まれる…

 

雨風が強くなってくる…

上空で雷の轟音が激しくなって、時折近くで落ちている…

 

本来であれば。根を強く張り

耐え凌ぐ筈だけれど。

その必要は無いから。

 

(暗くて冷たいこの場所で…ずっと独りで…)

 

風任せで雨に打たれる…

されど、一向に雷は落ちてこない

 

近場には落ちている…

何故…ここには落ちてこないのか…

 

茎が折れる気配もない…

雨風は激しくなる一方だが…

 

終わりを待ち望んでいたはずなのに…

自然と根が強張って震える…

 

どれくらいだろう、長い間ずっと雨風に揺られている。

 

しかし、雷の轟音は収まってもうほとんど聞こえない。

次第に雨も止み風は穏やかになっていき

夜明けと共に雲が晴れていき

光が指してきた…

 

 

初めて温もりを感じた…

とても暖かな温もり…

初めて…陽の光を浴びた…

 

そうか…これが空…晴空の白い雲

そして陽の光を放つ太陽…

 

今まで見えていた景色とは全く違う…

世界はこんなにも美しいなんて…

まるで暗闇の中から希望の光を見つけたような…そんな…焦がれるほど憧れ…

 

…なぜ…あの時私は潰えなかったのか

嵐は私を置いていき…一つの希望を見せるため、消えていった…

 

もう曇天はない…

吹き荒れる風もなければ

激しく降る雨もない…

 

見えていた世界とは変わっていく

 

 

楽園を思わせるような陽の光

撫でるように穏やかで優しい風

 

嵐に遭っても千切れずに咲き続けた私は

美しい花になれるだろうか

 

この陽の光の温もりが私を強くしてくれるのだろうか…

 

それとも、陽の光に灼かれて枯れ果ててしまうのか…

 

どちらでもいい…

 

私はここで咲いている。

今はここで美しい花として咲いているのだから…

 

 

 

………

 

「おや?ここにあった鈴蘭が掘り返されている…そうかあのあと花の群生で見かけた、一際目立って美しく咲いていたあの鈴蘭か。あの嵐を超えたのだな。見事なものだ」

 

………




以上です。

短編ものを書きながらも
本編の方もぼちぼち書いてます。

ではまた会えたら会いましょう
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