クリティカルをしまくったら、いつの間にかほとんどのモンスターが一撃で倒せるようになってしまった 作:伊達 マイム
気が付くと茂治は場所が変わっていることに気付いた。辺りを見回すと草原のフィールドに転移したようだ。
「ここでモンスターの討伐するのか?それにしてはモンスターの姿が見当たらないけど」
「モンスターなら、もう少しで来るはずです」
後ろから声が聞こえた。バッと後ろを振り返ると、宙に浮いているタブレット程のモニターからフランがこっちを見ていた。
「おわっ!・・・びっくりしたー」
ガシャン
「ん?なんか音が聞こえたな」
茂治は腰に目をやると刀が装備されていた。
「刀だ!ここに転移されたときに装備されたのかもな」
誰に対して行っているか分からない言葉を吐くと前方から声が聞こえてきた。
「ん?そういえば、モンスターがやってくるって言われたな」
声のする方に目をやるとモンスターがいた。
「グギャグギャギャ」
「グギャグ」
モンスターは二体のようだ。モンスター同士の会話が聞こえる。よく見ると100㎝程の大きさで肌が碧あおく、棍棒を持ち、醜い子供のようなモンスター、ゴブリンが現れた。ゴブリン達が茂治を見つけたのか指を差し喜んでいる。そして、茂治に襲い掛かってきた。
「グギャギャ!」
「グギャグギャ!」
「いきなりだな!」
茂治はバックステップでゴブリン達の攻撃をかわす。追撃をしてきたゴブリン達に帯刀していた刀で弾いていく。ゴブリン達は驚き、態勢が崩れる。
「グギャッ!?」
「グギャギャッ!?」
その隙を見逃さず、ゴブリン達の胴体を切った。
「はああぁぁぁああ!!!」
「ギャッ!!」
「グギッ!!」
ゴブリン達のHPが5分の1減った。茂治は追撃したが、ゴブリン達にかわされてしまった。
「くっそ!甘かったか」
「そろそろスキルを使われてはいかがでしょうか」
そうモニター越しに助言をするフラン。しかし、何のスキルがあるか分からない茂治はゴブリン達の攻撃をかわしながらフランに聞き返す。
「そんなこと言われても。どんなスキルがあるの?」
「今のあなたですと【スラッシュ】のスキルが使えます」
「【スラッシュ】ね!」
その言葉とともにゴブリン達の棍棒を弾く。ゴブリン達は大きく体制を崩した。それを見逃さなかった茂治が片方のゴブリンの首めがけて仕掛ける。
「【スラッシュ】!」
5分の4あったHPが一気に無くなり、声を上げずに首が落ちたゴブリンはポリゴンとなって消えた。
「もう一体!」
茂治はもう一体のゴブリンに体を向き対峙した。ゴブリンは「ゲゲゲ」とひどく歪んだ笑みを浮かべている。そして、ゴブリンは茂治に襲い掛かった。棍棒を振り回して攻撃するも茂治にかわされ続けた。やがて、疲れてきたのかゴブリンの息が上がっている。それでも棍棒を振って茂治を攻撃する。
茂治もかわし続けて息が上がっている。しかし、ゴブリンと違いまだ余裕があるように見える。かわしているとゴブリンが少しよろけた。そこを見逃さなかった茂治はゴブリンの胴体を切った。切られた拍子に転んでうずくまっている。立ち上がろうとしているように見えるが、うまく力が入らなようだ。しかし、傷が浅くHPが6分の1しか減らなかった。茂治はゴブリンの首に刃を当ててスキルを使った。
「【スラッシュ】」
「グギッ!」
ゴブリンの首が落ち6分の5あったHPが一気に減ってポリゴンとなって消えた。
「よっしゃー!倒した!って言ってもチュートリアルだから誇れはしなけどな」
拳をグッと握って興奮していると、ここに来た時と同様に光に包まれて転送された。茂治は気が付くと元の場所に戻っていた。目の前にはフランが笑顔で立っていた。
「おめでとうございます!実際に戦ってみていかがでしたか?バグや不具合などはありましたでしょうか」
「楽しかった!バグや不具合とかはなかったよ」
「そうですか。それは良かったです。最後にアドバイスです。クリティカルというものがあります。モンスターによって様々ですが、今回のモンスターであるゴブリンのような人型のモンスターでは基本的に首を落とせば死にます。他には核を破壊すれば死にます。核についてはすべてのモンスター共通してあるものです。」
「あ、だからゴブリンのHPが結構あったのに死んだのか」
「これで全てのチュートリアルが終わりました。もう一度チュートリアルを行いますか」
その言葉が言い終わると茂治の目の前にYES/NOの選択肢が現れた。茂治は迷わずNOを選択した。
「では始まりの場所へ送ります」
茂治の体を光が包む。光が消えると茂治はそこにいなかった。
次回から地の文での主人公の名前の表記が茂治からラハルになります。