指揮官はつらいよ~美女美少女ばかりの職場でいかに性欲を発散するか~ 作:サモアの女神はサンディエゴ
彼は戦う。
人知れず戦う。
人類生存の鍵は彼が握っているのだ。
童貞歴前世も合わせりゃ60年越えの大ベテランが拗らせつつも必死に藻掻くその姿をご覧下さい。
いきなりだが俺はアズールレーンの世界に転生した指揮官である。
前世はうだつの上がらない三十路サラリーマン。
趣味はアプリゲームのアズールレーンでイベントガチャを回す時に食費の諭吉をリンゴに何度も変える錬金術師だった。
そんな生活を続けていたら遂にコロッと栄養失調で倒れてこの世界に転生したのだ。
転生した当初は混乱したが、アズールレーンの世界に転生した事が分かって大興奮したものだ。
美女美少女ばかりの世界に転生したからには是非ともKAN-SEN達に会ってみたい。
あわよくばお近づきになってムフフな事とか…
こんな事ばかり考えてを浮かべて気持ちの悪い笑い方してしまい、母親に怒られる事が幼少期は多かった。
しかし、この世界はそんなに甘くなかった。
勘の良い皆なら分かると思うがセイレーンの存在だ。
この世界の人口の9割を死滅させた奴らに俺はこの世界での両親や兄弟、友人や隣人達を奪い去られた。
そして孤児となった俺は成人する前に徴兵される事に………
世界の危機であるセイレーンに対してカウンターとして生まれたKAN-SEN達の指揮官としての適性が判明するまで、殉職率の高い前線での警備艇の隊員を務めた俺に転生前までの浮ついた邪念はどこか遠くに吹き飛ばされていた。
そして第一次セイレーン大戦が終わった頃にアズールレーンがレッドアクシズと2つに分裂しそうになったのをなんとか派閥争い程度に押し止めたら、今度はアズールレーンの最高指揮官として本部の母港に縛り付けられるようにして着任させられたのだった。
「いや、なんでさ………」
「どうか致しましたかご主人様?」
「なんでもない、独り言だ」
朝日が差し込む執務室で書類作成をしながらぼんやりと回想していたら、つい口に出してしまった。
秘書艦として傍で控えるロイヤルのメイド隊のメイド長である巡洋艦ベルファストに聞かれていたようだ。
「お疲れですか?少し働き過ぎな所もございますし、1度御休憩なされては如何でしょうか?」
「そうだな、この書類を片付けたら少し休もう」
「分かりました。それではお茶の御用意をして参りますね」
心配そうに近寄ってくるベルファストにチラリと視線だけ向けてそう返して再び書類へと視線を戻す。
そして、休憩の為に紅茶と付け合わせのお菓子を用意しに出て行ったベルファストのドアの開ける音を聞いた俺は………猛烈にStand Upしそうになっている自身の息子を抑える。
「なんだよあのメイド服………北半球が丸見えで色気ムンムンじゃねえか………」
この世界に転生してすでに32年。
思春期を戦争で命の危機と共に抑え付けられたリビドーが今になって俺を苛む。
前世と合わせてすでに60年以上の時を生きている俺だが、男としての機能は衰えるどころか逆にギンギンギラギラであった。
しかし、なんとか内戦状態にならずにすんだこの状況で魅力的とはいえKAN-SENに手を出せば、恐らくそこから陣営同士の不和が始まって内戦とセイレーン侵攻で人類オワタになる可能性がある。
そう思ってはいるのだけれど………でも彼女達はすんごい魅力的だ。
「だいたい女性ばかりの場所に男が俺1人ってのがおかしいだろ………ネルソンは前屈みになって胸が出そうになったり、あのミニスカから時々パンツ見えてるしよぉぉぉ………サンディエゴはあの体つきでいきなり抱き着いてくるから我慢するのも大変だし、駆逐艦達の子達もけっこう大きい子達がいるからムラムラが抑えられそうにない!!」
この母港に着任してから臭いなどが男より敏感な女性ばかりが居る場所なのでおちおち自慰すら出来ない。
さっさと片付けた書類を横にやって最近のムラムラ具合に頭を抱える。
思い出したら股間の暴れん坊が天を目指そうとしてズボンを内側から押し上げようとしてきた。
女性ばかりの職場で男の象徴を膨らますなんて社会的な死しかない状況はご勘弁願いたい。
「ダメだダメだダメだ!!これからベルファストが戻ってソファーでお茶するのにこれは見せられない………かくなる上は………」
執務室に作られたとある一角を睨みつけるようにして見る。
恐らくもう猶予は無いだろう。
俺は白い軍装を脱いで中のワイシャツやタンクトップを脱ぎ去り………重量470kgのバーベルを担いでパワーリフティングスクワットを行う。
ずしりとした重量感に全身の筋肉が悲鳴をあげて血管が浮かび上がるのが分かる。
「グギギギギギ……があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
1度屈んで持ち上げただけで汗が吹き出る。
更にもう一度行う頃には全身から滝のように汗が流れ落ちていた。
最後の仕上げに担いだ状態で10秒キープする。
「ふぅぅぅぅ………ふしゅるるるる………」
呼吸の仕方も全身に力を込めやすい腹式呼吸で筋肉一つ一つに酸素を染み渡らせるようにすると床に流した汗が水溜まりを作り始めていた。
「ただいま戻りましたご主人様………っ!?」
「ふはぁぁぁ…………戻ったかベルファスト」
ちょうど終わろうとしていた時にベルファストがカートに紅茶セットを載せて帰って来たようだ。
バーベルを固定器具に戻して傍に用意してあるタオルで顔や体に付いた汗を拭うと何やら頬を赤くしたベルファストがこちらを見たまま固まっている。
まぁ執務室に入っていきなり三十路の野郎が上半身裸で筋トレしてたら思考回路が停止するわな。
「見苦しいモノを見せてすまんなベルファスト、少し身体を動かしたかったんだ………シャワーを浴びてくるからお茶の準備を頼んだ」
「はっ?!失礼致しましたご主人様……早速準備をさせて頂きます」
再び動き出したベルファストを見ながら脱いだワイシャツや上着を肩にかけて母港に用意してある私室を目指して歩き出す。
筋トレで昇華したからムラムラもスッキリだ。
シャワーで更にサッパリしてベルファストの用意した美味しい紅茶とお菓子で残りの仕事も頑張るぞ!!
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「………はぁ………ご主人様の香りが………」
紅茶とお菓子を手早く準備しながら火照る頬を冷やそうとする私は、ゆっくりと呼吸する。
鼻から入ったご主人様の香りが私の中に入って下腹部の疼きを更に刺激してくるのが分かった。
ご主人様は第一次セイレーン大戦の英雄にしてアズールレーンがレッドアクシズと2つに別れそうになったのを防ぎ、セイレーンとの癒着があった腐敗する上層部を一掃するきっかけを作った功労者。
数少なくなった人類を再び戦火の渦に巻き込まないようにたった1人でKAN-SEN達を纏め上げて自ら前線に立った御姿を見て何人のKAN-SENが堕ちた事か………
「あら?こ、これは………」
準備を終えていまだに火照る身体を冷まそうとさらに深呼吸しようとしていたら………ご主人様が持っていかれるのを忘れたタンクトップが目に映る。
誰も居ないはずの執務室で辺りを見渡し震える手でゆっくりとタンクトップを拾い…………
「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………はぅ」
顔に近付けてご主人様の男性的で刺激の強過ぎる香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
その際に軽く達してしまったのは内緒である。
下着も少し怪しい感じがするけれども、これから戻って来られるご主人様に少しでもアピールする為にはちょうど良いのかもしれない。
「陛下もロイヤルの未来の為にはご主人様が必要であると仰られておりますし………まったく、ハニートラップを仕掛けてもつれない御方です」
色んなKAN-SEN達がご主人様にアピールして迫っていますが、いまだにあの難攻不落の要塞のような理性を崩すに至っていません。
一部ではそういう趣味なのではとまで噂になってしまわれておりますが、私室のお掃除に伺った際にベットの下に隠された女性の水着姿が写った写真集もありましたから大丈夫だと思われます。
「私も精一杯アピールすればご主人様とこの執務室で………んんっ」
イケナイ妄想が脳内に映り、下着が更に湿っぽくなっていく。
シリアスではございませんが、このようなはしたないメイドには主人様からの罰を与えて頂きたくなりますね。
「はぁ………ご主人様……ベルファストはいつでもお待ちしております」
自分で慰めたくなるのを我慢しながら執務室にご主人様がお戻りになられるのを待ちます。
願わくばこの想いがご主人様に届きますように
彼は知らない。
全ての陣営が彼を欲しているという事に………
そして、自身がどれほどのKAN-SEN達に影響を与えて狙われているという事に………
男性の象徴をStand Upさせた瞬間に、何が起こるのか…………
それは恐らくセイレーン大戦よりも激しい乙女達の争奪戦の始まりの合図となるであろう
マッソーは全てを解決するのです。
そう、性欲など正しく鍛え上げられた筋肉の前では無意味。
指揮官になってKAN-SENのアピールが辛い?
ならばマッソーを鍛え上げるのです。
それこそが全ての解決策。
マッソーは全ての道に通じているのです。
さあ、貴方も今日からマッソー!!
友人にアズレン小説書いてるのがバレて言われた一言「史実側、宇宙人に侵略されている歴史にも居るんでしょこの指揮官?それってどんな感じなん?」これはいる?
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いる
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いらない
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マッソー