指揮官はつらいよ~美女美少女ばかりの職場でいかに性欲を発散するか~   作:サモアの女神はサンディエゴ

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アズールレーン4周年おめでとうマッソー!!

毎日母港でKAN-SEN達に会うと日々の疲れや辛さを忘れてしまうよ!!

そしてそのまま母港に入り浸っていたくなるような甘えが出るんだ!!

今回はそんな甘える事のお話だよ!!

それではレッツマッソー!!



第44話 朝食と翔鶴

 

指揮官です。

 

今日は重桜寮の方にある、ちょっとした座敷にて畳に正座して朝食を取っております。

日本庭園………ここでは重桜庭園と呼ばれる美しい中庭を眺めながら取る食事は、元日本人として心が安らぐものなのですよ。

 

「良いものだな、本当に美しい」

 

食べながら話すという行儀が悪い事を思わずしてしまうが、美しく整えられて模様を刻む玉砂利に丁寧に手入れされた樹木、そして色鮮やかな錦鯉が泳ぐ池を見るとそう言わずにはいられない。

こんな贅沢を味わうなんて、今日は一日が良い日になりそうだ。

そう思いながら脚付きお膳に載せられていた赤い器に入っている味噌汁を啜る。

 

「この味噌の香り、鼻を抜ける度に食欲を唆る芳醇な厚みを感じさせる良いものだな………ズズッ、しっかりと出汁が効いていて味も最高だ。しかも赤味噌、濃ゆ目の味噌が食欲を更に強くするなぁ」

 

これ程までに旨いと感じる味噌汁は前世にも無かっただろう。

そこに茶碗に入った純白の白米を一口食べれば………至高の一時。

身体中の筋肉がもっと寄越せとざわめく様に次が食べたくなる。

味噌汁が恋しくなるが、他のおかずも食べなくては。

お膳の真ん中に置いてある平皿の上の鯵の開き。

しかも俺の好物のみりん干しときた。

身を骨から外して一口パクリ。

 

「…………ああ、旨い」

 

それだけしか出てこない。

俺の語呂力の無さが恨めしくなる。

脂の乗った鯵とみりんの風味が、口の中で合わさって更に唾液を分泌させるのだ。

噛み締めるほどに旨さが引き立ち、気が付けば一口、二口と箸を進め続けてあっという間に半分以上を食してしまった。

これではいけないとその上に鎮座する、小鉢に入った黄金色に見間違わんばかりに輝く柔らかそうな卵焼きをそっと箸で半分に切り、半切れを摘んで口へ運んだ。

ほんのり甘みを感じる味よりも、驚いた事があった。

 

「おお!?これは中が半熟だぞ!?」

 

卵焼きを作る上で巻いていく作業があるのだが、中を半熟にして焼く方法はなかなかに難しい。

前世のように便利グッズを使ってお手軽に、なんて事はここではできないからだ。

こんな風に半熟で作るのには熟練の技や見極めが必要になってくる。

こんなに手間の掛かる作り方をしてくれた彼女には本当に感謝だな。

 

「本当にありがとうな翔鶴。こんなに美味しい朝ご飯を作ってくれて」

 

「いえいえ、指揮官が喜んでくれたなら私も嬉しいです♪」

 

満面の笑みを浮かべながらそう返す重桜空母 翔鶴。

白い長髪の空色の瞳で、鶴の翼を模したと思われる広い袖を持つ白い着物を着ている彼女は、その穏やかそうな美貌に似合う柔らかな笑顔で食事を進める俺を見ていた。

 

何故俺が翔鶴に食事を作って貰っているのか。

それは毎日ロイヤルメイド隊による筋肉と栄養価を考えた食事に少々飽きがきてしまった俺のせいである。

というかぶっちゃけた事を言うと………日本食が恋しくなった。

確かにバラエティ豊かな朝食を毎日違うメニューで出してくれる。

だが、だがしかし、前世が日本人だった身としては………味噌汁が飲みたい!!!

 

そんな訳で重桜の料理ならばこの人と言われる鳳翔にお願いする予定だったのだが………

鳳翔は重桜本島に帰参中。

その他で料理が上手いKAN-SENというと真っ先に赤城や加賀、愛宕に大鳳が上がるのだが………何を要求されるか怖過ぎた。

長良に頼むという手もあったのだが、彼女は普段から姉妹達のご飯も作っているので手を煩わせるには忍びない。

 

そこで白羽の矢が立ったのが翔鶴だった。

 

彼女もやらかす事はあるものの、ヤベンジャーズ程ではない。

というかヤベンジャーズが酷過ぎて比較するのも申し訳ないわ。

それに普段から瑞鶴が翔鶴の手料理、特に天ぷらが美味しいのだと絶賛していて気にはなっていた。

なので重桜寮に赴き今回、明日の俺の朝食を日本食………ここでの重桜食を作ってもらえないか依頼すると

 

「え?私の手料理で良いんですか?赤城先輩達じゃなくて?」

 

「ああ、前から瑞鶴によく自慢されていてな。一度味わってみたいと思ったんだが………」

 

「もう、瑞鶴ったら………」

 

瑞鶴の自慢という形で話を切り出してみたが、頬に手を当てながら少し困ったような表情の翔鶴。

………もしかして駄目だったか?

いきなり飯を作ってくれっていうのは………うん、普通に上司が部下に頼むことじゃないよなこれ。

普通に考えても立場を使ったパワハラになるのでは?

 

「ああー、いきなりで本当にすまない。こんな急に無理だよな、俺の勝手な我儘で翔鶴にこんな無茶苦茶な事を言ってしまっているから………また鳳翔が帰って来た時に頼むと………」

 

「大丈夫です!!任せてください!!」

 

「お、おぉ……そうか?」

 

「はい!腕によりを掛けて作りますね!」

 

俺の言葉を被せて遮るように笑顔で了承する翔鶴。

袖から伸びる両手は力強く握って、やる気の程を示しているようにも見えた。

まぁそんな訳で今日の朝食を翔鶴に任せてみたのだが………

 

「ご馳走様でした。美味し過ぎて普段の食事で満足できるか不安になってきたぞ?」

 

「ふふ♪お粗末様でした。そんな風に言ってもらえたら嬉しくなっちゃいますよ?これ以上は何も出ませんからね?」

 

食事を終えて素直に感想を言ってみたのだが、ニコニコ笑顔で俺の前に正座で座る翔鶴にそう言われてしまう。

これは俺が悪いのか?

まぁ聞き方によっては何か強請るようにも聞こえてしまうのかもしれんが、それほどまでに翔鶴の料理の腕が良かったと言う事なのだ。

 

「いや、本当に美味しかったよ翔鶴。こんなに美味しい朝飯は毎日食べたいくらいだ」

 

「っ?!…………それは………嬉しいですね」

 

何故だ?

正直に感想を言っただけなのに翔鶴が顔を赤くして挙動不審になってしまった。

落ち着きなく視線を彷徨わせる翔鶴を不思議に思いながら、湯呑みに入った温かい緑茶を飲む。

ああ、これだよこれ。

この何処かホッとするような感じ、このご飯を食べた後のお茶ってなんでこんなに心を落ち着かせてくれるのか………

 

俺の中に居る日本人が心の奥底から満足しているのが分かる。

全身のマッソーもいつもとは比べ物にならない程、力強く盛り上がって絶好調だ。

このまま筋肉との対話を始めたら普段の2倍………いや、3倍の量を行えそうである。

このまま執務前にトレーニングルームへ向かおうか?

そんな事を考えていると

 

「あの、指揮官」

 

「ん?どうした?」

 

耳を赤くしたままお膳を下げ終えた翔鶴がいつの間にか俺の目の前にいた。

というか何故三つ指を付いて頭を下げているんだ?

 

「どうしたんだ翔鶴?」

 

「えっと………あの………」

 

「?」

 

なんとも歯切れが悪い反応だ。

しどろもどろな翔鶴が見れて少し可愛く感じているが、このままというのもなんだか居心地が悪い。

それに執務の時間もある。

あまり時間をかけ過ぎると翔鶴の言葉を聞く前に、仕事へ行かなくてはならなくなるのはあまりにも不義理ではないだろうか?

言葉に詰まっているようだし、少し俺から詰めてみるか。

 

「翔鶴、落ち着け。俺に言いたい事があるんだろ?」

 

「は、はい………」

 

俺が近寄って声を掛けたらビクッて反応してる更に深く頭を下げる翔鶴。

………これって傍から見たらパワハラ上司では?

部下に頭を下げさせる上司とかマジでないわ。

しかも飯まで作らせといてこの扱い?

滅茶苦茶酷い奴じゃないか………

マッソーで親しみやすい指揮官を目指しているのに、ここでパワハラするのはいけない。

どうにか翔鶴に頭を上げしなくては………

 

「翔鶴、頭を上げて」

 

「…………はい

 

ようやく顔を上げてくれた翔鶴は潤んだ瞳で俺を見つめたかと思うと………胸の前で手を組んでゆっくり瞼を閉じる。

…………待ってくれ。

マジで待ってくれ。

色々とキャパオーバーだ、主に俺の。

これはどういう状況だ?

何故彼女はキス待ちのような………ん?

なんか引っかかるぞ?

俺はなんて言った?

 

たしか………〘毎日食べたい〙?

 

………あれ?これってお前の味噌汁が毎日飲みたいとかいうプロポーズの臭いセリフと一緒か?

待て待て待て待て!!

そんな意味は込めてない。

だが………でも重桜だぞ?

有り得そうな気がしてきた………

つまり何だ……俺は無意識に翔鶴を口説いていた?

 

「し、翔鶴?あのな?」

 

「………ぷっ、あはは♪何を本気にしているんですか指揮官?」

 

「え?」

 

「冗談ですよ冗談♪」

 

「だ、だよな!!」

 

しどろもどろな俺を見ながら袖で口を隠しつつ、吹き出すように笑う翔鶴。

やべー、俺は勘違い野郎になる所だった。

なんだよ、俺をからかっただけかよ………

マッソーピュアハートを弄るんじゃないよまったく………

 

「まったく………心臓に悪いじゃないか」

 

「ん~~、もう少し焦らした方が良かったですかね?」

 

「おいおい、勘弁してくれよ………」

 

「いつも指揮官が優しいから、つい甘えちゃいました♪」

 

「はぁ………」

 

思わず出てきた溜め息。

それを見ながらコロコロと鈴を転がすように上品な笑い声を上げる翔鶴。

アレが本当に冗談で良かった。

もしヤベンジャーズだったら………次の日には干乾びたマッソーが………

この想像はやめよう、寒気しか感じない。

冷えた身体に温かいお茶がよく沁みる。

ズズッと音を立てながらお茶を啜っていると翔鶴がスススッと俺の横までやって来て

 

 

 

「でも指揮官?………本当にしてみませんか?」

 

「ブホッ!?!!???!」

 

 

 

耳元でそう言ったものだから思わずお茶を吹き出してしまいそうになった。

しかも変な所に入ったせいかなかなか咳が収まらない。

 

「ゲホッゲホッゴホッ!!しょう……かくっ!!ゴホッゴホッ!!」

 

「あらあら♪指揮官でもそんなに慌てる事があるんですか〜?クスクス♪」

 

「この……やろう………」

 

「野郎ではありませんよ?私、瑞鶴のお姉ちゃんで女の子ですから!!」

 

息も絶え絶えな俺に畳み掛けるようにしてからかい始める翔鶴。

というか瑞鶴の姉の所でドヤ顔すんなや。

両手を握って頑張るゾイのポーズとか滅茶苦茶似合っててビックリするわ!!

そういえばコイツはこういうマウントを………主に赤城に取る奴だったな。

今回は標的が俺しかいないから滅茶苦茶弄られる。

 

だがやられっ放しってのも癪だな。

コロコロ笑う今の翔鶴は、油断して俺の方を見ていない

よし、やるなら今だな。

笑っていられるのも今のうちだぞ翔鶴?

 

「ほいっと」

 

「へ?ちょっ指揮官!?え?え?え?」

 

俺は正座を崩して胡座をかき、すぐ横で笑い続けていた翔鶴をそのまま抱き寄せて横抱きにする。

そして混乱して固まっている彼女の頬に手を当てて、顔を近づけながら

 

 

 

「続き、するか?」

 

 

 

ニヤリと笑いながらゆっくりそう言った。

するとどうだろうか?

そこにはみるみる顔が赤くなる翔鶴の姿が………あれ?

あの………確かに赤くなってはいるものの、両手で口元を押さえて潤む瞳で俺を見つめ返す翔鶴がいるんですが………

 

予想とは違うんですが?

もっとこう……なんだ、恥ずかしがってくれたら冗談としては大成功なんよ?

そうこうしている内に翔鶴は胸に手を当てて、一呼吸する。

そして何かを求めるかのようにジッと俺を見つめ返すと

 

 

 

「私で………いいんですか?」

 

 

 

呟くような小さい声でそう確認してきた。

その声色はどこか甘く、そうであって欲しいと願うかのように。

妹の瑞鶴に似て豊満なお胸様がグニュリと形を変えるのも厭わず、まるで何かを抑えつけるかのように両手で胸を押さえる姿は何処か必死に堪えているようにも見えた。

 

「瑞鶴でも、一航戦の方々でもなく………私を、私を選んでくれるんですか?」

 

翔鶴の再度の問い掛けは熱が籠もっていた。

そうであって欲しい、ただそれだけを望む言葉。

ここまでされて俺もこれ以上は冗談なんて言えない。

彼女の覚悟を決めたその姿勢に悪巫山戯なんかで答えられないだろう。

そんな考えをしていたら、頬に当てていた手を翔鶴に両手で掴まれた。

そして彼女の次の行動に俺は度肝を抜かれる事になる。

 

 

 

「ここ、触ってください………すごく、うるさいくらい鳴ってるんです」

 

 

 

なんと彼女は掴んだその手を………自身の心臓の位置に持っていって押し付けた。

 

「っ!?翔鶴………」

 

「ほら、自分でもビックリしてるんです。指揮官が選んでくれたって………そう思ったら止まらないんですよ」

 

柔らかさと温かさの中で確かに触れる激しい鼓動。

その空を思わせる瞳からポロポロと涙を溢しながら、晴れやかに笑う翔鶴はとても美しく見えた。

 

「こんな事して卑しいとか、はしたない娘なんて思われるかもしれません。でも………でも指揮官になら………私……私は……」

 

「…………」

 

俺は………彼女の覚悟を見誤っていたのかもしれない。

こんなに必死な翔鶴の姿は初めて見る。

先輩である一航戦………特に赤城をからかうような陽気さを持った、しかし妹の瑞鶴に自慢される程の立派な姉としての姿を持つ彼女が、ここまで俺を想ってくれていた事を。

そして知らなかった。

いや、知らないだけで、知らないという事に甘えていただけだったという事を。

 

彼女だけじゃない。

彼女以外にもこうした想いを持った娘達が何人も居たではないか。

また無自覚に彼女達を傷付けるような真似をした。

 

「指揮官?」

 

「………ああ」

 

翔鶴の問い掛けについ生返事で返してしまう。

それを見ていた彼女は、悲しげに目を伏せると

 

 

 

「やっぱり指揮官は………誰も見て下さらないのですね」

 

 

 

そう言ってスルリと俺の腕の中から抜け出てしまった。

引き留めなくてはいけない、そんな思いがあった。

しかし、翔鶴のその言葉に身体が動かない。

哀しんでいる翔鶴を引き留めないといけないという思いと、無責任な事をして更に傷を付ける事を恐れる感情がせめぎ合う。

俺に出来たのは悲しげに微笑む翔鶴が、目の前に座り直したのを見届けるだけ。

 

なんと不甲斐ない。

 

なんと情けない。

 

それでも俺は男なのか?

 

苦しむ彼女を助けられないし、その原因を作った俺がどうしても腹立たしい。

そんな複雑な感情を抱えながら彼女を目で追っていると………

 

「………んむっ?!」

 

「ん………ちゅぅ…………ぷはぁっ……キス、しちゃいました」

 

翔鶴にいきなり唇を奪われた。

 

舌を絡める深く激しい口吻。

俺の首に手を回し、縋り付くように抱き着いて艶めかしく吸い付く翔鶴に、俺はただの身動きせずに驚くばかり。

そんな俺を尻目に抱き着いたままの翔鶴はそう言って淫靡に微笑む。

口の端から伸びる唾液のアーチを、指で掬って舐めとる仕草はまるで淫魔のように。

 

「今回はこれで勘弁してあげます。でも………次はしっかり続きを最後まで……ね?」

 

「………え…あ……」

 

パチリとウィンクを決めた翔鶴は呆然とする俺から離れると、そのまま食べ終わったお膳を持って座敷から出ていってしまった。

 

 

 

全く良い所無く動けないまま、場違いに感じてしまう中庭の風景を見ながら思う。

 

 

 

さっきまでの雰囲気はどこ?

 

 

 

………ここ?

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「はぁ………はぁ………はぁ………はぁ………」

 

心臓が痛い。

顔が熱くて燃えているみたい。

お膳を持つ手が震えて今にも力が抜けそう。

それどころかすぐにも膝から崩れ落ちそうになる。

 

「あぁ……だめ………」

 

誰も居ない事を確認して近くの小部屋に入り込む。

そこは物置として使われている部屋だから、普段は誰も入ってこない。

ワナワナと震える手から、落としてしまいそうになっていたお膳をゆっくり降ろす。

羞恥や興奮の入り混じった複雑な感情が私の身体を正常に動かすのを阻んでいる。

 

だってしょうがないよね?

 

「私………指揮官とキスを………」

 

その事実を言葉に出したら、私はついにその場に崩れ落ちた。

心臓の音がうるさい。

まるで胸から飛び出そうと跳ね回っているみたいだ。

あまりの息苦しさに着物の胸元を緩める。

それでもまだ足りない。

でもまだだ、まだ喜ぶにはまだ早い。

 

「まだ……キスしただけ」

 

あの甘美な感触、味わったことの無いような幸福感に包まれたキス。

自分だけの一方通行な想いのキスだけでこれなのだ。

もし、もしも指揮官が本当に自分を求めてくれたら?

 

「ーーーーーーーーっ!!??!!」

 

それだけで意識が遠くなってしまった。

想像だけで。

チカチカと星が瞬くような感覚に気をやってしまいそうになるが、まだ本番じゃない。

その身を焦がすような熱と快樂に何処かに意識を飛ばしつつ、なんとか手を伸ばす。

 

その先にあるのは………指揮官が食べ終わった食器が置いてあるお膳。

 

この時をどれほど待ち焦がれた事か。

朝食を作って欲しいと言われた時に、既に考えていた事。

大事な妹の瑞鶴にすら秘密にして進めてきた計画。

ゆっくりと震える手でお膳から………指揮官が使っていた箸を一本手に取った。

 

そして………その先端を………伸ばした舌で触れる。

 

一舐め、たった一舐めした。

その瞬間、ゾクゾクとした背徳感と興奮がその身を襲う。

いや、実際に身体は震えている。

振り切れた感情が暴走して身体のコントロールを手放そうとする。

こんなの重桜寮の地下オークションで、大枚叩いて買って手に入れた指揮官のハンカチを胸いっぱい吸い込んだ時以来………いや、あの時以上の幸福感に包まれていた。

 

「も、もっと……もっといっぱい………指揮官」

 

呼吸が早くなりながらも、もう一度味わおうと浅ましく舌を伸ばす。

こんな変態的な自分を指揮官が見たらどう思うだろうか?

軽蔑するだろうか?

それとも興奮してこの身を貪り尽くすのだろうか?

しかし、もう自分では止められそうにない。

 

「んん……ちゅる………んぁ……はぁ…」

 

本当はあのまま襲って欲しかった。

獣のように本能だけの存在になって一つになる。

それがどれだけ自分を満たして充足感を与えるのだろうか?

たった一本の箸をはしたなく味わうだけで、ここまで乱れる自分がどうなってしまうのか期待する欲望が胸に溢れる。

 

「ぴちゃ………ちゅぅ……」

 

舐めるだけでなく、吸い付いて味わう。

イケナイ事が情欲を燃え上がらせて想像を膨らませていく。

今の指揮官の眼には………心にはまだ誰も写っていない。

そんな真っ更な指揮官の心を独り占めできたらどんなに嬉しいだろうか?

様々な誘惑を跳ね除け続けた指揮官の理性にだって限界はある。

今回はその限界を少し垣間見る事ができた。

 

「瑞鶴には悪い事をしたかな………でも」

 

味わい続けた箸を、透明な液体で糸を引くほどに堪能したソレを胸に抱きかかえてクスリと嗤う。

あんなに守りが硬いようで何処か隙が見える指揮官を見たら………欲しくなってしまう。

 

「センパイ達の事を言えませんね………」

 

そうは言いつつも釣り上がる口の端を抑えられない。

それもこれも指揮官が悪いのだ。

こんなにも乙女心を掻き乱してその気にさせるのに、そのくせ最後までしてくれない生殺しを続けるから。

ドロドロに溶けそうになるほど優しく甘やかしてしまう毒。

しかもその毒はもっとその身に浸したいと願う程の中毒性が出るのだ。

 

 

 

「ごめんね瑞鶴、お姉ちゃん………我慢できなくなっちゃった」

 

 

 

胸に抱くソレは甘美な毒。

 

 

 

もはや抜け出す事が出来ないほどに深みへと誘われた美しき鶴姉妹の姉は…………

 

 

 

どこか歪んだような、壊れたような笑みを浮かべて一人嗤い続けるのだった。

 

 

 




 
という訳で今回は甘えるお話だったね!!

皆もついつい甘えてしまう経験はないかな!!

人間だからね、仕方ないよ!!

さて、皆も今回のイベントで待望の島風に逢える事に胸を膨らませていると思うけど、作者も凄くワクワクしているよ!!

あの底抜けに明るい島風との物語を一緒に楽しもう!!

それじゃ今回はここまで!!

それじゃ皆もマッソーマッソー!!

友人にアズレン小説書いてるのがバレて言われた一言「史実側、宇宙人に侵略されている歴史にも居るんでしょこの指揮官?それってどんな感じなん?」これはいる?

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