酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

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十四話:マタタビ最強説

 

 

 

 

俺は今ロドスの資料室に来ていた。

 

「ん?なになに、フェリーンに対するマタタビの使用時の反応?」

 

へぇ、ふーん……なるほどねぇ……。

 

「閃いた!」

 

パチーンを指を鳴らして早速資料室を後にした。

 

 

 

 

「とはいえまたたびがどこにあるのかを俺は知らねぇ。」

 

ペットショップか?

 

「めんどくせぇ、どっかで注文するか。」

 

しかしどのくらいの量あれば良いのかは分からねぇ。

 

「……とりあえず、二袋、とか?」

 

フェリーンへの適正量も知らねぇし、とりあえず量使って試してみるか。

 

 

 

 

「ラックー、いるー?」

 

「エクシア?どうしたんだよ。」

 

「はいこれ、注文の商品ね!」

 

「お、サンキュ。」

 

なんだ配達はペンギン急便がしてくれたのか。

 

「何買ったの?」

 

「内緒だ内緒、まだ配達あるんだろ?」

 

「ちぇー、分かったよ。」

 

「頑張れよ。」

 

ぽふっと頭に手を置くと軽く抱き着いてきた。

 

「何してんだ。」

 

「ラック成分?っての補充っ!」

 

「んだよ、俺は栄養ドリンクか何かか?」

 

「私にとってはそうかもね。それじゃ!」

 

「おー。」

 

手を振って見送る。

さて、このマタタビをどうやって使うか……。

 

「頭から被ってみるか?」

 

なんか絵面間抜けだな。でもそれくらいしか自然に嗅がせるなんて出来そうにないし。

風呂場で被るか。

 

「よっ。ぶっ!げほっげほっ!」

 

思ったより粉っぽい!

 

「げっほげっほ!あー……よし、行くか。」

 

目指せベロンベロンに酔った女性フェリーン!

スキップしそうな気分で部屋を飛び出す。

 

「女性フェリーンで良く話すやつと言えばエンヤ、エンシア、シュヴァルツ、メランサくらいか。エンシオには会いたくねぇなぁ!アッハッハ!」

 

「私がどうした?」

 

後ろからエンシオの声が聞こえた瞬間にその場から飛び退くと手を前に出す。

 

「エンシオ、それ以上俺に近寄るんじゃねぇ。良いか?一歩も近寄るなよ。」

 

「どういう……くっ。」

 

エンシオがその場でしゃがむ。

 

「どういう訳だ……これは……。」

 

ふらふらと立ち上がって俺に近寄る。

 

「く、来るな、来るんじゃねぇ!」

 

どんどん近寄って来て壁に追いやられて、遂に壁ドンまで行く。

 

「アアアァァァ!ギャアアア!!イヤァァアア!」

 

「この、不思議な感じは……。」

 

「あ”あ”!」

 

顔面をぶん殴って逃げ出す。

 

「うぇっ……お”ぇっ、ぐすっ……。」

 

走って逃げた先で地面に崩れる。

なんなんだよ、フラグかよてめぇ……!

 

「くっそ、こんなので諦めるか……!文字通りおにゃんにゃんするまで諦めねぇからな!」

 

歩いていると曲がり角で誰かにぶつかる。

 

「っと、お前は……。」

 

!?!?!?こ、こいつ確かブローカだったよな!?

 

「よ、よお……ブローカだったよな?悪ぃ、前見て無かったわ。」

 

「……ああ、気にすんな。」

 

ガッシリと両肩を掴まれる。

 

「え、は……なんだよ。」

 

ブローカが首元に顔を近付けてくる。

 

「は、放しやがれっ!……力強ッ!?」

 

手首を掴んで引き剥がす事も出来そうにない。

 

「この声、ラックか?」

 

「チェン?チェンか!?早く来てくれ!助けて!」

 

角からチェンが現れて俺達を見る。

 

「あー……いや、うん、お前に節操が無いのは知っていたがそこまでとは……。」

 

「違ぇよ何考えてんだこのクソザコスイーツ。」

 

「な、何を言う!」

 

「てめぇ知ってんだぞ!この前友人に連れられて恋愛映画見に行って最初は興味無かった癖に最後の方でボロ泣きしてたの!

そんで最近はラブコメ漫画読んでんだろ!甘い恋がしたいとかため息吐いてんだろどうせ!」

 

「な、なななッ!?」

 

「狼狽えてないでとっとと助けろ!さもないとロドス中に言いふらすぞ!」

 

「くっ……!約束だぞ!」

 

チェンがブローカの後頭部を殴ると気絶した。

 

「あ……危なかった……。」

 

暑くないのに汗かいてきたぞ……。

 

「や、約束は守ってくれ!」

 

「分かった分かった、なんなら今度俺のおすすめ映画を教えてやるよ。」

 

そう言って別れた。

ブローカ?ほっとけば良いだろ。

さて、そんな事よりも重要な事がある。

フェリーンの女性フェリーンの女性フェリーンの女性フェリーンの女性フェリーンの女性!!!!

煩悩塗れで歩いていると誰かにぶつかった。

 

「きゃっ……!」

 

「っと、悪ぃ。大丈夫か?」

 

注意力散漫だったか。手を差し伸べる。

 

「ありがとうございます。」

 

「ああ、ワイフー、だったか?」

 

「ええ、合ってます。」

 

ワイフーもフェリーンだったよな。キタキタキタァ!!

 

「あれ……?」

 

ワイフーが俺に近寄って臭いを嗅ぐ。

 

「ふにゃ……これは、一体……。」

 

ペタリとその場に座り込むところを抱き留める。

こ、これは……まさか!!

 

「い、いえ、なんだか、とても良い気分になってきたような……。」

 

ゴロゴロと首の臭いを嗅がれる。良いぞ!流れが来てる!

 

「そうなのか。じゃあ、すぐ近くに俺の部屋があるから休んでいかないか?」

 

「え?ですが……いきなり男性の部屋に行くなんて……。」

 

「大丈夫大丈夫。何もしないから。何もしないから!」

 

「……では、お言葉に甘えて。」

 

よしきた!

肩を貸して部屋に連れ込んでベッドに座らせると、ふらふらしながら俺に撓垂れ掛かってきた。

 

「んっ……ふぅ……。」

 

首元に擦り寄ってくる。俺はワイフーの腰を抱き寄せる。

 

「あっ……だ、ダメです。」

 

震える手で押し返そうとするが、力が入っていない。

 

「どうしたんだ?」

 

耳の後ろを指で掻く。

 

「んひゃっ……!」

 

びくっと跳ねる。ほうほう、ここが良いのか?

カリカリと掻きながら胸元に抱き寄せる。

 

「にゃあ……。」

 

よし、もうべろんべろんに酔ってるな。

そう思っていたらドアが開く。

 

「失礼します。この後用事とかは……。」

 

「げっ、エンヤ。」

 

今誰かが入ってくるのはまずい。

ワイフーを一旦離してエンヤを抱き締める。

 

「な、何を……むぅ……。」

 

一瞬抵抗したが次の瞬間には胸元に擦り寄って臭いを嗅ぎ始めた。

すげぇ!すげぇよマタタビ!マタタビ先生!!

キャッホウとハイテンションでズルズルとエンヤを部屋に連れ込む。

いや、しかし、マタタビ先生の力は計り知れない。こう、いつもなら絶対無理ってやつもマタタビ先生の力をお借りすれば可能かもしれない。

ドアを少し開いて廊下を見る。

 

「……シュヴァルツか。」

 

ジッと見ていると視線に気付いたシュヴァルツがこっちに来る。バカめ!気配に敏感な己の優秀さを恨むが良いわ!

こっちに近寄る程シュヴァルツの様子が変わっていき、最終的に俺の方に倒れ込む。

 

「……フェリーンに対して無敵では?」

 

ちょっと使うのが怖くなって来たんだが……。

シュヴァルツを部屋に連れ込んだ所慌ただしい足音が聞こえてきた。

 

「まずい!」

 

壁を叩くとクルッと回転して壁の中に入り、床下に逃げ込む。まさかもしもの隠し通路を使う事になるとは……ロドスが危機に陥った時用だったが活きたな!

 

「動くな!」

 

床下の穴から様子を見る。

チェンとホシグマか。勝てそうにない。

 

「やはり何か企んでいたか……。」

 

「ブローカに続いてシルバーアッシュの様子がおかしかったので何かと思えば……。」

 

「ああ、マタタビを使ったな。」

 

「しかし、ラックの姿が見当たりませんね。ここに彼女達がいるなら近くにいるはずですが。」

 

「隠れたな。それも私達に見つからない場所に。」

 

当たり前だ。更に俺の隠密を合わせれば部屋をぶっ壊すくらいじゃないと見つかる訳がない。

 

「どうします?」

 

「……スペシャリストを連れて来よう。

私としても、ラックの事を考えて連れて来なかったが、このまま逃げられる訳にはいかないからな。仕方ない。」

 

ふむ、下からだと二人ともスカートじゃないからパンツは見えないが、チェンの健康的な足に、二人の魅力的な尻が素晴らしい。

 

「ドクター!」

 

「ああ、ラック探しのスペシャリストを連れて来たぞ!」

 

「ラックとかくれんぼかい?テーマパークに来たみたいだね。」

 

「……チョコが貰えると来たのだが。」

 

げぇ!?

うっきうきのラップランドとしょげたテキサスがやって来た。

あ、いや、でもまたたびの臭いとか、俺の部屋だしタバコの臭いが混じっててこの前の戦いみたいに見つかったりはしねぇか!

がっはっはっ!勝ったな!ラップランドとテキサスの素晴らしい足と尻も見せてもらおう!

 

「……?あれ、暗いな?部屋の明かり切れてないはずなんだけど……あ、ちょっといい匂いした。」

 

なんで見えねぇんだろうなぁ……くっそ、これじゃ俺の尻と足が!

 

「アハッ……みぃつけた。」

 

「これが我が逃走経路よ!」

 

バンと床を下から叩くとまたまたクルッと回転して俺とラップランドの位置が入れ替わる。

 

「なにっ!?」

 

「そい!」

 

いつものカプセルと違い大きな煙玉を叩き付けると部屋中に広がる。更に臭い対策にくさや汁を散布して飛び出す。

 

「さらばだ!」

 

ふーはははは!既にお前らの対策なんざ出来てんだよォ!

 

 

 

 

「アンセル、茶とかねぇの?」

 

あれからどこに逃げようか悩んでアルセルの部屋に逃げ込んだ。

 

「急に押し掛けてきた人に出すお茶はありませんよ。……少し待っててください。」

 

「サンキュー、今度また奢るわ。」

 

「それはまあ、ありがたく奢られますけど。」

 

こいつも随分乗り気になったな。

 

「さては、あれから一人で行ったな?」

 

「あはは、まあ何回か。なかなか女性の体をあんなに見ることはありませんから、興味深いです。」

 

「流石にお医者様ってか?でも、あっちの方も楽しんでんだろ?」

 

「それは、まあ、そういうお店ですから。私だって男ですしね。」

 

そういうと今度は少し赤くなる。

 

「それよりも良いんですか?」

 

「え、何が?」

 

後ろ、と指差すと、涙目で青筋を浮かべたとってもキュートな狼が二匹いた。

 

「ワオ、アンセル見てくれよ。こいつら俺の事が大好き過ぎてここまで追い掛けて来やがった。

可愛いやつらめ。」

 

うりうりと頭を撫でる。

 

「あ、あの、もうその辺でやめた方が。」

 

「大丈夫大丈夫。少なくともドクターかチェンの所に連れて行かれるまでそんな危ない事されないだろ?

へへへ、ここが気持ち良いのか。」

 

顎をくすぐるように撫でる。

ペラッと出された紙を見る。

 

「なになに?『後の事は二人に任せます。好きにしてください。 ドクター、チェン』

アーッハッハッ!ヒヒヒッハハハハハッ!これ見ろよアンセル笑っちまうぜハーッハッハッハッ……は……マジ?」

 

こくりと頷く。

 

「ほんの出来心だったんだって。ほら、お前らって鼻が良いだろ?だから実験ってか。あ、やめて服破かないで……!違うんだって、いや、違うってマジで。悪気無かったんだよ。今度、今度デート行こう、何時間だって付き合うから。ごめんって、パンツ、それパンツ、ズボンじゃないからアンセル!アンセル助けて!」

 

ラップランドとテキサスに押さえ込まれながら服を剥がされる。俺が一体何をやったって言うんだ!?

 

「あ、ヤるなら別の部屋でヤってくださいね。私の部屋ですから。」

 

「ああ、そうだね。悪かったよ。」

 

「すまないな。」

 

「見捨てるのかアンセル!この俺をごふっ!?」

 

片足ずつ持たれて引きづられ、段差で頭を打つ。

 

「なんだァてめェら!部屋着いたら覚えてろよ、俺のビッグマグナムでひぃひぃ鳴かせてやるっあ!やめて!俺のマグナム踏まないで!女の子でしょはしたないわよ!」

 

「いつ奢ってもらおうかな。休みを確認しないと。」

 

「おいこら!少年少女の目に毒でしょ!特に少女の!俺に惚れちまって大変な事になっちまうぜ!許して!股広げないで!ごめんって!俺全裸なの!わかってる!?裂ける!裂けちゃう!アァァァァーーーーー!?!?」

 

マタタビは容量用法、使う種族を考えて使おう!

 

 

 

 

 

 

 

 

・ある日の一幕

 

「はっいたーつはっいたーつるっらるっらるーん♪」

 

今日も楽しく配達だ。ただ、今朝からちょっと嫌な予感がする。

 

「止まれ!」

 

何人かの武装した男が現れた。剣とか弓とか、分かりやすい武器だな。

 

「あ?何、人が気分良く歌ってんのに。もしかしてファンか?」

 

「一緒に来てもらう。」

 

「人の話聞けよ……。どうせモスティマ釣る餌だろ?一部のやつらまだやってんのかよ。そろそろ旬は過ぎたぜ?」

 

「黙れ、とにかく来てもらう。」

 

「サンクタはいないか。外部の傭兵辺りか?」

 

んじゃあ、やるか。

 

 

 

 

「ぐふっ……。」

 

周りにさっきまでいた男達が倒れ伏している。

あーあー、服汚れちゃったよ。ラップランドがこれに反応するから嫌なんだよなぁ。

 

「俺には……帰る場所、が……。」

 

最後のリーダーっぽいのの頭を踏み砕く。

 

「それなら最初から挑んで来んなよ。戦わずに農家か就職でもしてれば生きれたのに。」

 

逃がすって考えはない。そしたらどうせまた挑んで来るかモスティマに近付こうとするだろ。

 

「お前らにモスティマはやらねぇよ。」

 

遠くの方を見るとイグゼキュターがいて、手を振ると去って行った。

 

「セーフ判定か。」

 

ならよし。荷物を拾い上げて配達に戻った。

 

 

 

 







本編と一幕でシリアスとシリアルが丁度良い……気がします。

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
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