酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

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十九話:メンテってのは専門家に任せるのが一番

 

 

 

 

「うっし、調子が戻ったな。」

 

戦闘終わり。軽く刀を振って調子を確かめる。

 

「ちょっと、その刀見せてもらえる?」

 

「お?えーと、そう、ヴァルカンだっけ?どうかしたのか?」

 

「いいから、刀見せて。」

 

確か鍛冶師だっけ。

素直に刀を渡す。

 

「……最近整備したのはいつ?」

 

「あー、覚えてねぇな。付いた血を拭うくらいしかしてねぇな。」

 

「ロドスに帰ったら、私の所に絶対来て。」

 

「おっ、もしかしてお誘いかい?嬉しいねえ」

 

そういうと睨まれた。

 

「そんなのじゃない。」

 

「冗談だ、冗談。」

 

刀の整備に関してだろ。雑にやり過ぎてたからなぁ。

 

 

 

 

「ヴァルカーン。来たぞー。」

 

「ああ、待っていた。」

 

言われた部屋に入る。おお……鍛冶師の部屋ってこんな感じなのか。ちょっと新鮮だ。

 

「お、ケオベ。」

 

「ラックお兄ちゃん!」

 

ケオベとは前に子守唄を唄ってたらふらふらとやってきて寝た事があって懐かれた。。

 

「ごめん、ケーちゃん。ちょっとラックと話があるから待っててくれる?」

 

「うん!」

 

「じゃあ、刀を見せて。」

 

早速刀を見せると色々調べ始めた。

待っている間にケオベの頭を撫でたりして可愛がる。

 

「うりうり、ここが気持ち良いのか。」

 

「えへへ〜。」

わっしわっしと可愛がっていると襟を引かれた。

 

「っととと、どうしかしたのか?」

 

「どうかしたって、この刀、全然整備されてないな。」

 

「まあ、たま〜に砥石で削る程度?」

 

そういうとヴァルカンがため息を吐いた。

 

「これならケーちゃんの方がマシだ。」

 

「そりゃあなんとも。」

 

「……あまり重く考えてないでしょ?」

 

「あんま考えた事はないな。」

 

なんだかんだ斬れてきたし。

 

「今すぐ整備するから。」

 

「いや、まだ大丈夫じゃ。」

 

「絶対にするから、刀が折れて、あなたが死ぬなんて嫌だから。」

 

「……そこまで言われちゃ言い返せねぇ。

わかったよ。そいつは任せる。」

 

「明日には終わるから、また明日取りに来て。

それと良かったらケーちゃんと遊んであげて、私が作業に入ると暇になると思うから。」

 

「あいあい。

ケオベもそれで良いか?」

 

「大丈夫!それよりおいらお腹ぐーぐー鳴ってる。」

 

「そんじゃ飯食いに行くか。」

 

「おー!」

 

ケオベの手を引いて歩く。じゃないとこの子どっか行くんだよ。

 

 

 

 

「グムー、美味いの頼むー。」

「たのむー!」

「むう、また別の女の子……最近グムとあんまり遊んでなくて寂しいなぁ……。」

 

ふむ、それは確かにそうだな。

グムの手を取る。

 

「ごめんごめん、じゃあ今度デート行こうぜ。二人っきりで。」

 

「……ほんとに?」

 

「もちろん。」

 

「しょ、しょうがないなぁ……待ってて!とびっきり美味しいご飯作るからね!」

 

……チョロ過ぎて不安になってきたぜ。今度、ズィマーとかにでも一言言っとくか。

 

「出来たよ!」

 

そう言って出てきたのはオムライス。とりあえずグムに注文すると大体これだ。好物だから嬉しいけど。

 

「ケオベ、ゆっくり食えよ。誰も取らねぇから。」

 

「うん!」

 

言った端からポロポロこぼれる。

 

「やれやれ……ほら、スプーン貸してみな。あーん。」

 

「あ〜ん。」

 

もごもごと口を動かして無くなったら口を開けて俺がオムライスを入れる。まるで餌付けだな。

 

「あ、ケチャップ付いてるぞ。違う、こっちだ。」

 

「ん〜……!」

 

……まずは簡単なテーブルマナーから教えるか?

ガキの頃のエクシアみたいだ。

 

「ご馳走様でした。……ほら、ケオベ。」

 

「おいらも?……ごちそうさまでした!」

 

「よし、偉いぞ。」

 

頭を軽く撫でる。……さっきから思ってたけど、周りが俺を見てザワつきやがる。

 

「見せもんじゃねぇぞ。」

 

「ハッ、また変な事やってんじゃねぇか。今度は子守りか?」

 

「エンカク……お前もやるか?」

 

「いやいや、俺は良い。そこはお父様にお任せするぜ。」

 

「あ”……?やんのかテメェ。」

 

「やるか?前の事、忘れてねぇからな。」

 

「ケンカしちゃダメ!」

 

急な大声に俺とエンカクがポカンとする。

ケオベを見ると頬を膨らませていた。

 

「……別に喧嘩してねぇよ。んじゃな。」

 

「……おう。ごめんな、ケオベ。」

 

また頭を撫でると笑顔になる。調子狂うなぁ。

 

 

 

 

「寝ちまったよ……。」

 

談話室に行くとすぐに膝に走り込んで来て寝てしまった。

飯食ったら寝るって、ほんと野生児って感じだな。……見てたら俺まで眠くなってきた。

 

「ヴァルカンから頼まれてて動けないんだし、昼寝するか。」

 

子守りも大変だ。

 

 

 

 

「あれ?ラックさんとケオベさん?」

 

談話室の前を通るとラックさんがケオベさんに膝枕をして眠っていた。さっき妙に食堂が騒がしいと思っていたらこういう事だったんだ。

通信端末で写真を一枚撮る。

 

「ふふっ、ドクターにも見せてあげないと。」

 

 

 

 

「フィリオプシス?」

 

「……サイレンスさん。」

 

「どうしたの、こんな所で。……ああ、なるほどね。今はあの子に譲ってあげたら?」

 

「そうですね。後でまた行ってみましょう。」

 

「また行くつもりなんだ。それより、これから少しお茶しない?」

 

「承認、分かりました。」

 

 

 

 

「む、これでは風邪を引いてしまいますね。セイロン様、少し外してもよろしいですか?」

 

「ええ、もちろんよ。こんな幸せな顔して寝ているのは可哀想だわ。」

 

 

 

 

「……ん。」

 

結構寝てたな。……二時間くらいか。

 

「あれ、この毛布誰が掛けてくれたんだ?」

 

ケオベにも掛かってるし、後で礼を言っとかないとな。

 

「まだ寝てやがる。髪食ってるし。」

 

髪を横に流してやると、今度はズボンを口に入れた。

 

「おいコラ。」

 

仰向けにしてもすぐに横を向きやがる。寝相が良いのか悪いのか。

 

「しゃーねぇなぁ。」

 

指を口に近付けると甘噛みされる。服とか噛むよりはマシだろ。

 

「お、まだいたのか。」

 

「ん?ドクターか。どうかしたのか?」

 

「いや、さっきアーミヤに寝ている二人の写真を見せてもらってな。俺も見たかったがもう起きてたか。」

 

「んな事してたのかよ。じゃあ、毛布も?」

 

「いや、それは聞いてないな。」

 

「なら、他の誰かか。」

 

「聞いて回ったら良い。飲むか?」

 

「おう。」

 

缶コーヒーを渡される。

うん、頭がスッキリする。

 

「そういや、仕事終わったのか?」

 

「ああ、なんとか「ドクター、追加の書類がありますよ。」……ああ。」

 

「……今度、飲もうぜ。」

 

「……そうだな。」

 

ドクターがとぼとぼと去って行った。

 

「ん……あれ、ラックお兄ちゃん?」

 

「おはよう。」

 

さっと指を引き抜く。うへ、ぬるぬるだ。

 

「おはよー!」

 

ガバッと抱き着かれる。寝惚けるとかねぇのかよ。

 

「はいはい、苦しいから離してくれ。」

 

受け止めて背中を軽く叩くが、スリスリと体を擦り付けられる。

 

「OK、好きにしてくれ。」

 

そう言った途端、長椅子に押し倒された。

 

「ケオベ……って何してるんだ?」

 

「おう……ラヴァか。助けてくれ、大きなわんこに襲われてる。

ほら、ケオベ。ラヴァが来たぞ。」

 

「ラヴァお姉ちゃん!」

 

「うぐっ……。」

 

今度はラヴァに突撃して行った。悪いけど代わりになってくれ。

 

「ところでハイビスカスは?」

 

「用事があるって、というかなんで私とハイビスが一緒にいると思ったの。」

 

「え、いつも一緒だろ?」

 

「たまたまでしょ。」

 

「そうか?」

 

なんだかんだ仲良いから一緒にいるもんだと思ってた。

もみくちゃにされるラヴァを見ながらコーヒーを飲み干した。

 

 

 

 

「はい、出来た。」

 

「ほ〜……。」

 

なるほどなるほど、気持ち振りやすくなった気がする。

 

「なんか試し斬り出来そうなのあるか?」

 

「竹ならそこにある。」

 

「サンキュ。」

 

節で分けられた竹を軽く上に投げる。

 

「ふっ……!」

 

それなりに気合いを入れて刀を振るうと気持ち良いくらいスパッと斬れた。

 

「こりゃすげぇな。」

 

「どう?」

 

「ああ、良い仕上がりだ。……良かったらこれからも見てもらって良いか?」

 

「ああ。」

 

「助かる。そうだ、これから飯でも食わないか?奢るぜ。」

 

「……酒はあるか?」

 

「おっ、いけるか?じゃあ飲もうぜ。」

 

 

 

 

「だから、ケーちゃんには先に指揮を理解してもらう方が良いでしょ……!」

 

「いーや、ケオベは今のままでも戦えてるんだからまずは綺麗にご飯を食べれるようになってもらう!」

 

「それは後で良いから、まずは命が第一だ。」

 

「そりゃ理解出来るけど、俺らが守ってやりゃ良いだろ?お前だって重装なんだし。」

 

「それはそうだけど。」

 

「ならまずはテーブルマナーな。」

 

「ダメ。」

 

その日は一日中ケオベの話をし続けた。

わからず屋め……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

・ある日の一幕

 

「……。」

 

甲板でタバコを吸う。吸ってる間は何も考えずにぼーっと出来るから純粋に景色を楽しめる気がする。

 

「……やはり、ラックか。」

 

「あれ、テキサス?」

 

「タバコの臭いがしたから来てみただけだ。」

 

「そうか。」

 

「一本、良いか?」

 

「ん、良いけど珍しいな。」

 

「昔、少しの間だけ吸っていたからな。たまにはと思っただけだ。」

 

タバコを渡して、ライターを取り出そうとすると止められた。

 

「少ししゃがんでくれ……これで良い。」

 

そう言ってテキサスが咥えたタバコを俺のタバコの先に付ける。シガーキスか。

 

「洒落た真似するじゃねぇか。」

 

「ダメだったか?」

 

「いんや、大歓迎。」

 

二人並んでタバコを吸い終わるまで海を眺めた。

 

 

 

 

 

 







思ったよりも短くなってしまいましたな。
次回は男の時間?

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
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