酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

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二十四話:ラッキースケベにロマンを求めるのは間違っているだろうか?

 

 

 

 

 

「……クロージャ、何これ?」

 

「え、薬だけど。」

 

「薬だけど。じゃねぇよ、飲めってか?せめて効能教えてくれよ。」

 

「ラッキースケベになれる!」

 

「エントリーナンバー一番ラックいきます!!」

 

フラスコに入った薬を一息に飲み干す。

うぇ、不味い。

 

「あ、被害者側にだから。」

 

「てめぇ、言うの遅せぇんだよ……!!」

 

クロージャに詰め寄る。こいつどうしてくれようか。

 

「ちょっ!?近寄らないで!」

 

「人に飲ませといてなに……!」

 

後ろの棚から物が落ちてきてクロージャの頭に当たってこっちに倒れてくる。

 

「うおっ!?」

 

受け止めて倒れる。いってぇな……クソ。

 

「いたた……あれ、真っ暗?」

 

「……どこ入ってんだ。」

 

何が起こったのかクロージャがシャツの中に頭を突っ込んでいる。

 

「これがこの薬の効果だよ!」

 

「いいから出ろ!」

 

猫みたいに摘んでシャツから引っ張り出す。

 

「んで、効果はいつまでだ?」

 

「多分、一日かなぁ?」

 

「曖昧過ぎねぇか?」

 

「初めての実験だからね!」

 

「……ふん!」

 

「ふぎゃっ!?」

 

頭突きをして気絶させて寝かせる。このくらいで許してやろう。

全く……自分から飲んだとはいえ、変な事に巻き込まれた。

ため息を吐いて部屋から出ると、誰かにぶつかって倒された。

 

「……んむっ?」

 

目を開くとシュヴァルツの顔が目の前に広がっていた。

 

「……っ!?な、何をしているんですか……!」

 

「ま、待て待て!今のは事故だろ!?」

 

ぷるぷると震えるシュヴァルツを宥める。

 

「わ、わわ、私だって……初めてだったのに……。」

 

「わぁ……シュヴァルツがこんなに慌ててる、意外と純情〜。」

 

「もっとロマンチックになのが良かったのに。」

 

ガシャッとボウガンが構えられる。

 

「うん……?ちょ、ちょっと?」

 

ガキッと矢が装填される。

 

「しゅ、シュヴァルツ……?こ、今度、今度ロマンチックにしようぜ?な?」

 

「しんでください。」

 

頬を矢が掠めた。

 

「……。」

 

「……。」

 

「さらはだ!!」

 

全力で走って逃げる。やばいやばい!?矢が!矢に殺される!?

とりあえず撒かねぇと!

 

「待ちなさい……!!」

 

「あっぶねぇ!?おい、いつもの冷静なお前はどこにいったんだ!?」

 

頭を下げると矢が通り過ぎる。

おい、今の下手したら死んでたぞ!?

煙玉を投げて撒く……よし、なんとかなった。あいつがテンパってて良かった。

 

「これ、部屋から出ない方が良いんじゃねぇか?」

 

メランサみたいな大人しい女の子ならまだしも、またシュヴァルツみた苛烈な女の子だと危ねぇ。

 

「ラック、あっちでシュヴァルツが荒れていたが何かしたのか?」

 

向かいからエンシオが歩いてきた。

 

「いや、クロージャに薬飲まされてぇっ!?」

 

何かに足を滑らせると、エンシオの胸に抱き着く形になる。

 

「……。」

 

「……いや、すまない。お前の事はいい友人だとは思っているが。」

 

「俺だってやりたくてやってる訳じゃねぇよ!」

 

「こっちで声が聞こえた!」

 

やべっ、シュヴァルツ!

 

「ちょ、ちょっと借りるぞ!」

 

エンシオの襟を引き寄せてマントで隠して壁ドンみたいにして隠す。

 

「合わせろ……!」

 

「……仕方ない。後で一杯奢れ。」

 

上手くやってくれよ……。

 

「シルバーアッシュ、ラックは見ましたか?」

 

「いや、見ていないが。」

 

「そうですか。……そちらは?」

 

「ふっ、あまり無粋な真似はしてくれるな。」

 

「……なるほど。失礼しましたね。それでは。」

 

コツコツとシュヴァルツが去っていった。

 

「……助かったぜ。」

 

「気にするな。」

 

「あの、お二人は一体何を……。」

 

声に振り向くとフェンがいた。

 

「あ、や、これは……。」

 

「そういう事はないぞ。ただラックに頼まれただけだ。」

 

「た、頼まれたって……まさかそのような趣味がっ。」

 

「ち、違ぇ!」

 

エンシオから離れてフェンの肩を掴む。このまま変に勘違いされたらたまったもんじゃねぇ。

 

「ひっ!わ、私に何をするつもりなんですか……!」

 

「え、いや、何もするつもりは。」

 

「や、やめてください!」

 

「うおっ!?」

 

持っていた槍が腋を通り過ぎるとフェンが倒れてきて一緒に倒れる。……ラッキースケベ、こういうパターン多いよなぁ。

 

「あいたた……。」

 

「……おい。」

 

こいつマジか、倒れたフェンの顔が股間の目の前にいった。

 

「うぅん……あれ、これは……?」

 

「顔、顔上げろ。」

 

フェンが顔を上げると、俺の顔と股間を交互に見る。それはやめなさい。

 

「ひ、ひゃああぁぁぁ!?!?」

 

顔を真っ赤に染めて逃げていった。

 

「やれやれ……。」

 

「後で謝っておけ。」

 

「そーだな。」

 

そういう事に免疫なさそうだったしなぁ。

 

「んじゃな。悪ぃけど奢るのは今度にしてくれ。今日はマジで無理だ。」

 

「そのようだな。」

 

エンシオを別れて、今度は周囲を警戒しながら歩く。足元も気を付けねぇと。

 

 

 

 

「にゃ〜。」

 

「おっ、お前か。今日はムースと一緒じゃねぇのか?」

 

よく突進してくるねこちゃんが近付いてきたと思ったら反対を向く。

 

「着いて来いって?……まあ、ちょっとなら良いか。」

 

後ろを歩いて行くと庭園に着いた。

 

「ここになんかあんのか?」

 

「にゃーん。」

 

ねこちゃんが転がって腹を見せる。ほほう、愛いやつめ。

お腹をわしゃわしゃと撫でる。ふふふ、ここか?こっちか?

 

「もふもふしおって……ぷわあっ!?」

 

唐突に水が顔面にかかる。……水やりか?

 

「あら……?いたのね、ラックくん。」

 

「やあ……ラナ。」

 

ポタポタと髪から水滴が垂れる。うへぇ、服がぐしょぐしょだぁ。

 

「ごめんなさいね。大丈夫?」

 

ラナが顔をハンカチで拭いてくれる。ふわりと花の香りがする、いい匂いだ。

 

「大丈夫大丈夫、ありがとな。」

 

「いいのよ。私のせいだもの。」

 

大人しくラナに拭かれる。……途中から楽しくなってないか?

 

「ふふっ。」

 

途中から拭く手が撫でるようになる。

 

「おい、俺はペットか?」

 

「良いじゃない。結構似合うかもしれないわよ。」

 

「勘弁してくれ……そういうのはもう間に合ってる。」

 

ラップランドとか。

 

「ふふ、冗談よ。体を冷やさないように早めにお風呂に入ってね。」

 

「ん、サンキュ。ほら、行くぞ。」

 

そういうとねこちゃんが着いてくる、賢い子だ。

 

 

 

 

「ぷぃ〜……気持ち良かったなぁ。」

 

「んなぁー。」

 

「おっと、拭いてやるから大人しくしてな。」

 

丁寧に拭いてやらねぇとな。

 

「そうね、今日の動きは良かったけど、まだまだよ。」

 

「頑張ります。」

 

ん、誰か入って……。

 

「よ、よぉ、メランサにフランカじゃねぇか。」

 

「な、なんでここに……?」

 

「いや、ちょっと濡れちまったからよ……。」

 

全裸だけど、ねこちゃん拭くためにしゃがんでるから致命的な所は見えてないよな?いや、見られたって減るもんじゃねぇけど。

目をずらしてフランカを見ると、やけに俺の体を見ていた。

 

「……フランカ?」

 

「へっ……!?な、なによ?」

 

「いや、なんか妙に見てきてたからなんかあんのかと思ってよ。」

 

「べ、別に何もないわ。」

 

「見るのは好きなだけ見てていいけどさ。」

 

「……そう。」

 

フランカが後ろを向く。あ、出ていかないのか。

 

「……メランサ、見てていいとは言ったけどそんな食い入るように見られると流石に恥ずかしい。」

 

「……わかりました。」

 

若干不服そうにして少し目付きが変わる。……見るのは変わらないんだな。

 

「メランサ……あなた、そっち方向の成長もしているのね……。」

 

好奇心旺盛というかなぁ……。

 

「考えてもしゃーねぇか。行くぞ。」

 

ねこちゃんと外へ出る。今度は面倒がないようにしてほしいな。

……つーか、あの薬何で出来てるんだ?

 

「ドクターの理性剤みたいなのは嫌だぞ。」

 

はぁ、と息を吐いた。

 

 

 

 

「お、アンセルだ。」

 

やっぱ医療オペレーターは作戦がなくても忙しそうだ。

 

「……ちょっと後ろから覗き込んでみるか?」

 

「んにゃあ。」

 

同意、だよな?うん。きっとそうだ。

こっそりと後ろから覗くと、何か薬品を混ぜていた。

 

「わっ!?」

 

ボンッ!と爆発が起こって、アンセルが椅子ごと後ろに倒れる。

 

「あっぶ……!!」

 

慌てて後ろから抱き締めるように受け止める。

 

「だ、大丈夫か?」

 

「う……うぅん……」

 

アンセルが目を開けて俺を見上げる。

 

「あれ、ラックさん。どうしてここに?遂に私に手を出す事にしたんですか?」

 

「えっ……。」

 

想定外なんだけど。

 

「お、お前、前に冗談で言った時は……。」

 

「ふふ、最近は悪くないのではと思い始めました。」

 

はぁ、と熱い吐息を吐く。……無駄にエロいのやめてくれる?

 

「えぇ、大丈夫です。私も男。その辺りは同性の方がスムーズにことが進むと聞きます。」

 

「え、なに、マジで……?」

 

後ずさりすると腕を掴まれた。

 

「……離してくれる?」

 

「つれないじゃないですか。」

 

うわ、目が割とガチ。

 

「待て待て、顔は割といけるけど男はちょっと……。」

 

「最近は寛容になってきたでしょう?」

 

「……まあ、確かに。」

 

「だから大丈夫です。」

 

だいじょう……うん?大丈夫か?本当に?

 

「あれ……?俺がおかしい?」

 

「これから馴染んでいけば良いんですよ。」

 

「……ああ、そうだな。」

 

よく分かんねぇけど、ヨシ!

 

「ダメだよ。」

 

ゴッ、と良い音が頭から鳴る。

 

「いっつ……はっ!?俺は何を……。」

 

「ラック、早く部屋に行くよ。これ以上変な事に巻き込まれないで。」

 

「っととと、わぁったよ。サンキュな、モスティマ。」

 

さっきは危なかった。アンセルを甘く見ていたぜ。

 

「はい、座って。」

 

「ん、ああ。」

 

いつの間にか部屋に戻ってたみたいだ。

ベッドに腰掛ける。やっと落ち着けた感じだ。

 

「大体の話は知ってるけどさ。それにしても油断し過ぎじゃないかな?」

 

目の前に立ったモスティマの手が頬に触れる。

 

「私の事を放っておき過ぎだよ。」

 

不満そうにジト目で俺を見る。

 

「しゃーねぇだろ?お前の仕事は長距離が多いんだから。」

 

「それはそうだけど……。」

 

「……わかったわかった。今度の配達は俺も一緒に行ってやるから、な?」

 

「本当?」

 

「ほんとほんと。」

 

「……うん、ならいいかな。」

 

モスティマが嬉しそうに微笑む。

 

「でもそれとこれとは別。」

 

ガシャリと手錠でベッドに繋げられる。

 

「……軽率に時間止め過ぎじゃね?」

 

「いいのいいの。」

 

「それに、俺はこんな事しなくても相手するけど?」

 

「あの薬飲んだ状態で動かれると何があるか分からないから、念の為。」

 

「そうかい。……好きにしな。」

 

「うん。」

 

そう言うと抱き着いてくる。あれ?思ってたのと違う。

 

「ちょっと、私がいつもエッチな事してるみたいじゃないか。」

 

「思考読むんじゃねぇ。つーか、そうだろ?」

 

「そんな事ないよ。これはラック成分を補充して癒されてるのさ。」

 

「なんだそりゃ。」

 

じゃあ、俺は今モスティマ成分を補給してるって事か?

ゴロゴロと猫のように擦り寄ってきて少しむず痒い。

 

「ラックの周りには猫ちゃんが多いからね。マーキングさ。」

 

「……そうか。」

 

「照れてる?」

 

「照れてねぇ。」

 

「嘘吐きはこうだよ。」

 

むにむにと頬を抓られる。全く痛くねぇ……。

しかし、なるほど……俺の上に寝転がる形で乗って両手を頬を抓ってるからやわやわとしたおっぱいが俺の胸の上で形を変えている。

 

「……?お前ブラは?」

 

「着けてないよ。ラックの部屋に行くつもりだったしね。」

 

「やっぱエッチじゃねぇか。」

 

「エッチじゃないもん。なにさ、ラックの方がエッチでしょ。」

 

「そりゃ当然。」

 

男なんて大体そんなもんだ。

 

「ふぅん。」

 

興味無さげに俺の頬を弄る。

 

「ええい、鬱陶しい。」

 

「あっ、もう暴れないでよ。」

 

「いてっ。」

 

頭を振って振り払うとチョップされる。

しゃーねぇなぁ……。

 

「そうそう、大人しくしてくれればいいんだよ。

よいしょっと。ふふん、頑張って耐えてね?」

 

モスティマが俺の体を登って得意気に言う。

耐えるってなんだよ。

 

「うひっ……!?」

 

耳の中に何かの束が入ってきた。

 

「ふふっ、変な声。」

 

「何しやがった?」

 

「髪だよー。耳触られるの好きでしょ?」

 

「馬鹿、お前知ってんだろ。」

 

「あ、馬鹿って言った。」

 

「……っふ。」

 

逆の耳に指が差し込まれる。

 

「……耳、やめろ。」

 

「〜♪」

 

「んなろっ……。」

 

手錠ぶっ壊してやる。

ギリギリと手錠がら音が鳴る。

 

「あ、ダメだよ。傷が出来ちゃう。」

 

「はふぅ……。」

 

耳を舐められて力が抜ける。

 

「じゃあ、とりあえずこれ外せ。」

 

「や。」

 

「ガキじゃねぇんだぞ。」

 

そういうとズイッとモスティマの顔が目の前にきた。

 

「外さなきゃ、ダメ?」

 

「おま……それは、ズリィって……。」

 

少しずつ視界が震えていき、目を逸らす。

ほんとにダメなんだって。未だにこういう時のこいつの顔はじっと見れない。

 

「ふふっ、ほんとにラックって私の事大好きだよね。」

 

「……うるさい。」

 

そういうとモスティマが俺の頭を撫で始めた。

 

「ラックは可愛いなぁ。」

 

「かっこいいって言ってほしいけどな。」

 

撫でる手がどんどんとゆっくりになっていき、モスティマの顔が俺の横に落ちた。

 

「モスティマ?」

 

「……すぅ」

 

いつロドスに戻ったかは知らねぇけど、多分戻ってすぐに来たんだろうな。

 

「……おやすみ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・今日の一幕

 

モスティマが寝て一時間くらいが経ったを

 

「……やべ、尿意が。モスティマ、起きろ。」

 

体を揺らして起こそうとする。

 

「はうっ……!?」

 

揺らしたらまずい!?

 

「も、モスティマ!起きてくれ!やばい!俺の膀胱がやばい!!」

 

「むにゃ……」

 

「マジで起きろ!お前ェ!!実は起きてるんじゃねぇのか!?」

 

「くぅ……」

 

きゅっと内股になって耐える。

 

「せめて手錠を外しやがれ!?おいこら!俺が情けなく漏らしちまうぞ!?」

 

いや、それはマジで嫌だ。

 

「う、うおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

……一応、漏らす事は無かったと言っておく。

 

 

 

 

 

 

 







結局の所、イチャイチャしているだけでは?
毎日コツコツ書いてますけどネタが難しいですね。

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
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