酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

27 / 57
二十七話:馬鹿野郎Bチーム

 

 

 

 

ペンギン急便。龍門の中で配達を主として仕事をしているが、荒事に巻き込まれたり、巻き込んだりする会社である。

 

「おい、マジかよ。」

 

「どうしたのボス?」

 

「ソラが今日撮影に行った企業、真っ黒だったんだと。そのくらい先に気付けってもんだ。

てめぇら、準備しろ。カチコミに行くぞ!」

 

「よ〜し、やっちゃおう!」

 

「エクシア、助けに行くという事を忘れるな。」

 

「う〜ん、腕が鳴るわ!」

 

いざ、カチコミに行こうとした瞬間、事務所の扉が開いた。

 

「待ちな!」

 

「ラッ……ク?なんで、そんな格好してるの……?」

 

入ってきたラックは法被、ハチマキ、団扇など、おめぇただのドルオタだな?って格好をして入ってきた。

 

「その話、俺に任せてもらおうか!」

 

「ほう……お前の事は知ってるぜ。どうするつもりなんだ?」

 

「チームを結成する。Bチームだ。」

 

「なんやなんや?Bチームて、なんの略?」

 

ラックは腕を前でクロスすると。

 

「ふっ……バカチームだ!」

 

そう言い放って通信端末を開いた。

 

 

 

 

「おーし、お前ら、わかってんな?」

 

「もちろんだ。」

 

「当然です。」

 

「万全だ。」

 

「おまかせを。」

 

「ああ、大丈夫だ。」

 

「……不快だが、一応な。」

 

「あの〜……。」

 

バイソンが手を上げる。

 

「どうした?バイソン改め委員長系隠れオタク。」

 

「……文句は言いたいですけど、とりあえずなんで敵の居るビルのド真ん中で円陣組んでるんですか?」

 

「ふむ……。」

 

周りを見渡すと銃やボウガン、弓を構えた連中がいる。

 

「はははっ、あんな脳足りんのバカ共に俺らの喋ってる事なんて分かる訳ねぇだろ?

なぁ?アンセル改め病弱系早口オタク。」

 

「そうですね。彼らにはちょっと難しい言語でしょう?」

 

「うわ、サラッと毒吐いたよこの人達……。」

 

「よーし、準備は良いな!作戦は事前にある程度話した通りだ。

最後に、警察には捕まるなよ。迎えに行きたくないからな。」

 

そう言って走り出した。

 

「囮は任せた!」

 

 

 

 

「シルバーアッシュさん。」

 

「ふっ、違うぞ。今の私はセレブ系オタクだ。」

 

「はぁ……なんだかんだ付き合い良いですよね……。」

 

「ははは、これでも結構長いですからね。」

 

「我が主に悪影響とも思いはするがな……。」

 

軽く話ながら激しい音がする方を向くと、エンカクさんが荒ぶっていた。

 

「あの野郎、俺にこんな格好させやがって、後で殺す……!!」

 

「……でも、ちゃんと着るんですね。」

 

「なんか言ったか!?」

 

「いえ、何も……。」

 

ラックさんもこんな格好じゃなくて普通に変装すればいいのに、何を考えてるんだろう。

 

 

 

 

「ひゃっほぉぉお!!」

 

大きく飛び上がって壁や天井を蹴りながら通路を進む。

 

「なんだこのオタク野郎は!?」

 

「わからん!いいから止めるぞ!」

 

「わはは!喰らえローション!」

 

一本道の狭い廊下へローションを撒くと、面白いように転んだ。その隙に三角飛びや頭を踏んで通り抜ける。

矢が横を通り抜ける。

 

「これ実弾じゃねぇか!おいおい、まさか掟も知らねぇのか?」

 

やれやれとため息を吐くとゴム弾を撃ち返す。

 

「さてさて、目的の部屋はこの辺だったはずだ。」

 

周辺を制圧して調べた部屋にカバンから取り出したコップを当てる。

 

『……まだ捕まらんのか!』

 

『思いの外抵抗が激しく……。』

 

『ぐずぐずするな!全く……力のないこいつを囮にクソペンギン共を捕まえるはずだったのにこうも手こずるとはな。』

 

ほうほう……?中々面白いこと話してるな。

 

『クソペンギンは殺すとして、残った女共はどうしてやろうか……ソラは裏でショーにでも出せば稼げる。テキサスは色々と恨みを買ってるから嬲れると聞けば高値だろうと客は来るだろう。情報は少ないが、青髪で角の生えたサンクタは見世物として使えるな。後の女も売ってしまおう。

しかし……全員美人だからな。まず初めに全員味見してやろう。』

 

……ぶっ殺しちゃダメかなぁ。いかんいかん、一応掟は守らねぇと。

気付かれないように部屋に入る。

俺を見て目を見開いたソラに向かって静かにするように指を立てる。

……しかし、胸の上下を縄が通ってるから強調されてエロい。

音を立てないように歩く。まあ普通に歩いてるだけなんだけど。クセになってはいない。

ソラの後ろに回って縄や鎖を外す。

ふふん、こんなの朝飯前だ。目を瞑ったって出来るぜ。

それにしても余程鈍いのか、ここまでしても誰一人気付かない。

ソラを横抱きにする。まるで魔王城から姫を助ける勇者みたい。格好はあれだけど。

んじゃあそろそろ逃げますか。

 

「随分楽しそうにしてんな。」

 

「なっ!?き、貴様どこから!?なんだその格好は!?」

 

「ファンの一人さ。」

 

「っ!やつは龍門の一角を任されてるラックだ!」

 

「え、何。あんた俺のファン?

悪いけどサインは出来ないんだわ。」

 

銃で奥の大きな窓ガラスを何回か撃って割る。……もっとガシャーンッて感じで割れると思ったけど割れないんだな。

仕方ない、蹴破ろう。

周りの護衛をテキトーに流しつつ窓を蹴る。足がジンジンするが先に撃ったお陰でいい感じに割れた。

 

「ほら、プレゼントだ!」

 

ポイッとカバンから一尺玉を取り出して火を付けて投げると窓から外へ飛び出した。

 

「キャアアアアーーー!!」

 

「ははっ!いい悲鳴だな!」

 

スイッチを押すと背中のカバンが開いてハングライダーに変形する。これ 便利だなぁ。

背後で花火の爆発する音が聞こえた。

 

 

 

 

「花火……?」

 

最初に集まっていた所から外に出て戦っていると突然花火の音が聞こえた。

 

「……部屋の中で爆発させたのか?」

 

「ほら、合図が出たから行きますよ。委員長系隠れオタクさん。」

 

いつの間にか全員がそれぞれバイクや車に乗っていた。

早ッ!?今爆発したばかりでしょ!?

アンセルに腕を引っ張られて車に引き込まれる。

 

「出してください。」

 

「おう。」

 

あ、運転はエンカクさんなんだ、ちょっと意外かも。

 

 

 

 

「たーまやー!!多分死んでねぇよな!」

 

花火だし!

 

「うわぁ……。」

 

ソラが可哀想な物を見る目でビルを見ている。攫った相手に同情しなくていいぞ。

 

「そっちばっか見てないで前向いて見ろよ。絶景だぜ?」

 

「前?……わぁ!」

 

龍門の灯りが煌めく街並みを空から眺める。クセになりそうだ。またやってもいいな。

 

「すごい、すごいね!」

 

「お、おお、分かったから揺らさないでくれ。グライダー背中で固定してるから不安定なんだ。」

 

さっきまで不安げな顔は一転して、輝かんばかりの笑顔を浮かべていた。

この笑顔が最高の報酬だ。

 

「ラックさん、助けに来てくれてありがとう。」

 

「ん?ああ、気にすんなよ。元々ペンギン急便がやろうとしてたのを横取りしたようなもんだし。」

 

「でも来てくれたでしょ?」

 

「まあ、当然っつーか……。」

 

そう言うと笑われた。なんだ、俺が率先して助けに来るのがそんなにおかしいか?

 

「お礼しないとね。」

 

「え、マジで?」

 

「うん!……エッチなのはダメだよ?」

 

「わかってるって。サインください。」

 

「……へ?」

 

「サイン、ちょーだい。」

 

そう言うとぷっくりと頬を膨らませた。

だってスキャンダルとか怖いし。面倒起こして鼠に怒られたくねぇし。

 

「サインだったらいつでもあげるから!」

 

いつでも!?

ふむ、であるならば……。

ソラの唇に目を向けるとどことなく期待したような顔をする。

 

「え、じゃあ、生歌とか……。」

 

「むー……。」

 

「なんだよ。いくらなんでも俺だって保身に回る時はあるんだぜ?飛んでるつっても誰かに見られたらやばいし……。」

 

SNSで炎上怖いし……。

そう言うとソラの密着が強くなった。え、何やってんの?カシャッと音がすると端末を操作していた。

 

「写真?まあ、それくらいなら……。」

 

その瞬間俺の端末が鳴り始めた。

 

「……マジで何したの?」

 

ちょっと悪いと思いつつ端末の画面を見ると

 

『空中散歩!とっても気持ち良いね!』

 

というコメントとともに写真が貼られていた。流石ソラと言うべきか一気に反応が増えていく。あ、俺特定された。

 

「何してんだ!?おまっ、このバカ!?」

 

「だって、こういう時はかっこよく優しくキスするのが定番でしょ!!」

 

「これは御伽噺じゃねーの!」

 

「テキサスさんにもよくしてるのに。」

 

「うえっ……。」

 

「ポッキーゲームとか。」

 

「うぐっ。」

 

「やる事やってるし。」

 

「あ、アイドルがそんな事言うんじゃありません。」

 

頬をぷにぷにとつつかれる。抱いてるからされるがままになる。

 

「あー、すりゃいいんだろ!」

 

パッと額にキスをする。

 

「唇は流石にやらねぇかんな。」

 

「……ひゃい。」

 

……そういうのは反応に困るからやめてくれ。

そのまま優雅に空中散歩を楽しんでペンギン急便へ帰った。

当然次の日事務所に呼ばれて二人揃ってキレられた。

……この後モスティマ達の相手しないといけないんだけどなぁ。

 

 

 

 

・ある日の一幕

 

食堂でコーヒーを飲んでいるとモスティマが横に座ってきた。

 

「おー、モスティマ。どうし、た……。」

 

目を向けるとおかしい事に気付く。

いつものホットパンツや黒いジャケットはどこへやら、真っ白な服を来ていた。

 

「それ、儀式の服か?」

 

「うん、こっそり持ってきちゃった。

似合ってるかな?」

 

「あー……うん……。」

 

頭の上から足の先までじっくりと眺める。

 

「……そんなに見られると少し恥ずかしいかな。」

 

「あ、悪ぃ……。」

 

……とても、良い。いつもの服よりも露出は少ないはずなんだけどなぁ。

モスティマの手を握って立ち上がる。

 

「ラック?」

 

立ち上がったモスティマの腰を抱き寄せる。

 

「よし、行くか。」

 

「ちょ、ちょっと……。」

 

「ダメか?」

 

「……しょうがないなぁ。」

 

その言葉一つで心が跳ねそうなくらいだ。

 

「よしイこう、すぐイこう、今すぐイこう。」

 

エスコートしてる時間が勿体なくて、横抱きにして早歩きで部屋に入ると扉を閉めて鍵を掛ける。

次の日まで扉が開くことはなかった。

服が変わるだけであんなに興奮するもんなんだなぁ……。

 

 

 







ペンギンの口調はよくわかんないので心で感じてください。

モスティマの衣装良いですよね。

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。