酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

3 / 57
三話:戦いの後は昂るものさ

 

 

 

ドクターめ、やりやがったな。

 

「美味しいね!でも、お金出してもらって良いの?」

 

「もちろん、払うのは当然だろ?」

 

人混みの中から背中に刺すような視線を感じる。

考えろ、モスティマは今配達に行っている。

とりあえずズィマーがいる事は分かっている。殺気がヤバい。

 

「食べる?あ〜ん。」

 

「あ〜……うおぁ!?」

 

頭があった位置にゴム弾が飛んできた。

エクシアか!

 

「大丈夫?」

 

「だ、大丈夫大丈夫。行こうぜ!」

 

予想では狙撃オペレーターが他にもいるはず、アーツなんて使えば目立つからな。

そう思っていると目の端に少女が見えた。

 

「ぶふっ。」

 

「?」

 

何でもないと手を振る。

フ、フロストリーフだと!?小柄な体を活かしてきたか!しかも、その奥に赤い服の少女がいたな、確かレッドだったか……。

 

「アハハ……」

 

声が聞こえてバッと振り返るが誰もいなかった。

え、誰?聞いた事あるようなないような声だったな。

と、とにかく、まだ何人かいるみたいだが、今の四人を除いて遠くにいるみたいだ。

……撒くか。

 

「グム、こっちに。」

 

「わわっ、待って待って!急に引っ張らないでよ〜!」

 

少し強引なやり方になるが、しゃーない。

 

 

 

 

「エクシア、落ち着いたら?今ので完全にバレたよ。」

 

「あはは、落ち着いてる、落ち着いてるよ。プラチナこそ見失わないようにね。」

 

「それなら心配いらないよ。」

 

 

 

 

「可愛いぃ〜!」

 

「そりゃあ……良かった……。」

 

猫に懐かれてるグムを眺める。

猫カフェに着くまでに時間掛かりすぎだろ!!結局撒けなかったし。

怪しい行動をしようとするならば銃弾が飛んでくるかナイフが振り下ろされる。

こいつら殺る気だぞ!?

 

「ラテアートも可愛いなぁ、グムも出来るようになったらみんな喜ぶかな?」

 

「そりゃあ喜ぶだろ。可愛いものを見て喜ばない女の子はそうそういねぇし、男でも可愛いもの好きはたくさんいるしな。」

 

「そっかぁ、じゃあ頑張るね!」

 

「おう、頑張れよ。」

 

頭に手を伸ばすと銃弾に弾かれる。

え、これもダメなの?つーか店内だぞエクシア。

くそぅ、折角のデートなのに台無しだ。

ため息を吐くと猫が跳んで顔に張り付いた。

 

「もぶっ……。」

 

「あははっ!ずっと構ってってアピールしてたのに無視するから怒っちゃったんだよ。」

 

……気付かなかった、集中出来てないな。

でもまあ、たまには普通のデートも悪くないかぁ。

猫を顔から剥がす。

 

「ほれほれ、ここがええんか。」

 

俺のテクを見せてやるぜ。

猫の至る所を強弱加えながら撫で回すと猫がゴロゴロと甘え出す。

ふっ、こんなもんよ。……本当なら女の子に使うんだけどなぁ。

ため息を吐いたが、猫に頬ずりするグムを見て笑みを浮かべた。

やっぱ、美少女は目の保養になるぜ。

 

 

 

 

あれから漫画みたいに不良に絡まれる事も無くロドスへ戻ってきた。

 

「今日はありがとう!」

 

花が咲いたような笑顔のグムに笑顔を返す。

 

「どうしたしまして、俺も楽しかったし、その笑顔だけで俺は満足だぜ。」

 

きゃー、と言いながら照れるグムと別れる。

すると背中に銃口を当てられた。

 

「ふっ……今日はやけにモテて困るぜ。俺の体は一つだってのに。」

 

振り返ると青筋を浮かべたエクシアとフロストリーフとズィマー、それと笑い続ける……えーと、そうそう、ラップランドがいた。

その後ろにプラチナとレッドがいるが二人は特に何もしてこなさそうだ。

 

「どうしたみんな、もしかしてグムとデートしててジェラシー感じてたのか?」

 

「訓練室、行こうよ。」

 

「おいおい、七人でヤるのか?体がもたないぜ。」

 

フロストリーフの戦斧を持つ手がギリギリ鳴る。

 

「はははっ、フロストリーフ。久し振りに会ったからって緊張してんのか?」

 

戦斧を向けられた。あれぇ?

 

「へい、ズィマーもそんな怒るなよ。可愛い顔が台無しだぜっ!」

 

振り下ろされた斧を真剣白刃取りで受け止める。

 

「ラップランドはどうしたんだ?初対面のはずだが……一目惚れ?っかー!モテる男は辛ぇなあ!」

 

「アハハハハ!そうだねぇ、今すぐ君と戦いたくてゾクゾクするよ!」

 

ヒュー!モテてんねぇ!

 

「後ろのお二人さんはどうする?ってか、レッドがいねぇ。」

 

「私は別にいいかな。あの子はモフモフって言いながらどこかに行ったよ。」

 

モフモフに負けてしまった……だと。

 

「まあ、いいや。そんじゃあ五人でヤるか!」

 

バックステップしつつ斧から手を離して、刀と銃を取り出す。

 

「訓練室へゴー!うはははははっ!!」

 

殺気が後ろから追いかけて来るのを感じながら訓練室へ向かった。

 

 

 

 

「え?ラックと監視の四人が訓練室に?」

 

プラチナからの報告を聞いた俺はすぐにラックの扱いに慣れているであろうシルバーアッシュを連れて訓練室へと向かった。

 

「放っておいても良いと思うが……。」

 

「いやいや、まだ彼の戦力とか知らないし、危ないと思ったからさ。」

 

「……お前がそう言うならば。」

 

訓練室へと着いて内部を映しているモニターを見る。

 

「なんだこれは……。」

 

俺はラックの実力を低く見過ぎていたのかもしれない。

 

 

 

 

「ヘイヘイ!興奮し過ぎて狙いがズレてるぜ!」

 

「うる、さいなぁ!」

 

エクシアの嵐のような弾幕が迫ってくる。

 

「忘れたのか?射撃ってのは常にクールにするもんだって教えたろ?」

 

ハンドガンをゆっくり弾幕へ向ける。

 

「ワンショット。」

 

一発の弾が吐き出され、弾幕へと向かっていくと、弾が弾幕に当たり、弾かれた弾が他の弾に当たる。

弾幕が俺の所へ辿り着く頃には俺に当たる弾丸は全て弾かれていた。

冷静なエクシアの弾幕だったらこんな事は出来ないが、感情に任せて雑にバラまかれたのならこのくらいなんて事ない。

 

「ちょっ、ズルい!」

 

そのまま放った二発目の弾がエクシアの額に当たる。

 

「ん〜……か・い・か・ん!」

 

「この変態め!」

 

上から振り下ろされる戦斧を横に一歩ズレて避ける。

 

「腕が鈍ってないか?あれだけ個人指導してやったと言うのに……嘆かわしいなぁ。」

 

「ふん!個人指導と言いながら何も知らない私にベタベタ触ってきてヌケヌケと!」

 

「ブラッシングしてあげただけだぜ?」

 

「嘘つけ!胸も触られた!」

 

「あれは貧相な体だから揉めば大きくなると思ってたんだ!……健康的になっても変わってないみたいだけどな。まあ、小さくても俺は好きなんだが。」

 

縦横無尽に振り回される攻撃を避けながら指先でつんっと胸を突く。

 

「ひゃんっ!……ゆ、許さないぞ!」

 

「んべ〜。」

 

胸を守るように腕で隠すフロストリーフに舌を出してながら煽る、顔真っ赤にしちゃって愛いやつよのう。

 

「おっと。」

 

直感を信じてしゃがむと首があった場所を斧が通り過ぎる。

 

「グムの仇だ!」

 

「待て待て、勝手に殺してやんなよ……。」

 

力強く叩き付ける斧を避けながら思う。

この子、喧嘩慣れはしているが、動きに粗が多い。

でもその豪快な戦い方は嫌いじゃないぜ。

 

「あらよっ!」

 

刀で下からすくい上げるように斧を弾き飛ばす。

 

「まだまだ、技術も学ばないとな。」

 

ベチッ、とデコピンをする。

 

「く、くそぉ!」

 

「へへ〜、悔しかったら強くなりな。」

 

さて、ここまでは前菜。

 

「なぁ、ラップランド。俺とお前って接点あったっけ?」

 

「ないよ。ただ、銃と刀を使う変わったトランスポーターの噂は知っていたからね。」

 

「なるほどねぇ。」

 

うわ〜、めんどくさっ。正直とっとと終わらせたいんだけど。

むっ、天啓が降りてきた!

 

「わかったわかった。ただし、条件付きだ。」

 

「良いよ。楽しませてくれるならね。」

 

「おうよ、レディに退屈を与えないのはジェントルマンの基本さ。

んで、条件なんだが……これ終わったら今度はベッドの上で勝負な!

戦った後ってのは猛り立つものがあるからな!」

 

「……っああ、ボクは構わないよ。」

 

「よっしゃ、成立な。やる気出てきたぁ!」

 

マガジンを入れ替えて、準備を整える。

 

「退屈させないでよ!」

 

ラップランドが両手の刀?……多分刀を振ると剣圧が飛んできた。

 

「うっわ、お前もかよ!」

 

フロストリーフにしてもエンシオにしても近距離武器なのに遠距離攻撃してくんなよな!

 

「よぅし、見てろ。俺も頑張って出来るようになったんだからな!」

 

刀を鞘に収めて構える。

 

「ぬんっ!!」

 

勢い良く振り下ろすと振った衝撃が空を割り、ラップランドへと飛んでいく。

 

「へぇ、アーツ無しでやるなんてなかなか面白いじゃないか!」

 

「溜める必要があるからお前らよりも不便だけどな!」

 

疲れたから途中からハンドガンに変えて応戦するが、威力としてはこっちが劣り、押される。

 

「じゃあ近寄って斬る!」

 

走り出すとアーツの勢いが増した。避けたり切り裂いたりしている途中でジャンプして避けると、その隙を狙って追撃が来る。

 

「甘い、甘いぜラップランド!」

 

俺が昔どんな戦い方してたと思う?知らないだろ!

懐からプラ板を取り出して足元に置いて蹴る。ほら、二段ジャンプ。

それから攻撃後の隙を叩くが鍔迫り合いになる。

 

「くっ、やるね!」

 

「そろそろ終わりにするか?ええ?」

 

鍔迫り合いから強めに押し出して、刀を左下に構える。

 

「ハハハハ!良い、良いよ、とても良い!もっと味合わせておくれよ!」

 

そして、息を吐き、止めた。

 

 

 

 

「決まるぞ。」

 

「え?構えてるだけに見えるけど……。」

 

「奴は認めようとしないが、奥の手のようなものだ。

アーツが使えない代わりに鍛え上げた技の結集だな。」

 

俺は喉を鳴らして、しっかりを目に焼きつける為にモニターを睨んだ。

……次の瞬間にはラップランドの両手に持った刀が弾き飛ばされていた。ラップランドも信じられないのか目を大きく開いている。

 

「い、今のは……。」

 

「説明するのは簡単だ。

ただ速く刀を上に斬り上げ、すぐに斬り下ろしただけだ。ただ、奴の技で見えない程に速くされている。今のは二連だが更に連続で放てるはずだ。」

 

「凄いな。」

 

素直に賞賛した。そういう他にない。

 

「しかし、なぜあれが奥の手じゃないんだ?初見では見切れないだろう?」

 

「正にそれだ、初見だからこそ通じる技。あれはカウンターだ、相手から近寄って来なければ意味が無い。

それと奴が言うには息を止めるから疲れるのと、連撃をし過ぎると次の日筋肉痛になるからあまり使いたくないそうだ。」

 

「なるほど……ところで、どうしてそんなに詳しいんだ?」

 

そう聞くとシルバーアッシュは顔を歪めた。

 

「あの技の実験台にされていたからな。」

 

ああ……。

 

 

 

 

「イエーイ!四人抜き!完全勝利!」

 

尻餅をつくラップランドにピースサインを向ける。

 

「さてさて、それじゃあ?満足出来ただろうし約束を守ってもらおうかな?」

 

しゃがんでつつつっと太腿を撫で上げる。

 

「っ……も、もちろん、約束だからね。」

 

おや?おやおやおやおや?

 

「お前……経験ないな?」

 

ぼっ、と顔が赤くなる。

 

「へぇ、こりゃあツイてんなぁ、お前のハジメテを全部オレが貰えるって訳だ。」

 

口角が上がり、三日月のように広がる。

 

「ドクター、エンシオ。さっきから見てんのは知ってるかんな。今回は互いに了承の上なんだから邪魔すんなよ。」

 

一言警告してラップランドを横抱きする。

 

「さあ、行こうじゃないかレディ。安心しな、ハジメテでも気持ち良くするから。」

 

抱きながら片手で頭を撫でる。……思っていたよりもかなり綺麗な髪だな。

腕の中で縮こまっているラップランドを見ると狼と言うよりも

 

「子犬だな。」

 

「馬鹿にして……!」

 

口から溢れた言葉に反応して睨み付けて来た。

 

「あまりそういう目で見るんじゃない。余計興奮してきたぜ。」

 

あー、堪んねぇ、ここまで反抗的な態度をしている女性はあまりいない。どんな良い声で鳴いてくれるのかが楽しみだ。ああ、もちろん気持ち良くするってのを忘れはしない。

廊下に出ると誰にも見られないように警戒しながら自室へと向かう。今まではふとした瞬間に見つかるとめんどくせぇからな。

 

「さあ、到着だ。」

 

出来る限り優しくベッドへ降ろすと、顔と体を隠すように体を丸めた。

 

「隠さないでくれよ、可愛い顔が見えないじゃないか。」

 

「……うるさいよ。」

 

隙間から手を通し、顎を持ってこっちを向かせ、そのまま首元に手を伸ばす。

 

「さあ、俺の目を見て。ゆっくり呼吸をするんだ。」

 

耳、頬と順番に撫でていくうちに呼吸が落ち着いていき、リラックスしてきた。

 

「良い子だね、その調子だよ。」

 

ループスの場合、耳や尻尾の付け根が敏感である場合が非常に高い。そのため興奮させるには触るべきだが、尻尾は尻に近く、警戒される為、耳の付け根を撫でるのが良い。

右手は頬を撫でつつ左手で耳の付け根にそっと触れる。この時に顔がこっちをむくようにする。

 

「目を見て、呼吸も忘れちゃいけないよ。俺に合わせて……吸って……吐いて……。」

 

力が抜けて、丸まっていた体が緩み、口で呼吸を始め、見つめていると目が潤んできた。

ゆっくりと顔を近付け、キスする寸前で止める。

 

「良いね?」

 

最後の判断を委ねると、きゅっと袖を掴まれる、その手は震えていたが、強く拒まれていないと判断した俺は軽く触れる程度に唇を重ねる。

 

「んっ……」

 

そのまま服の中に手を伸ばし━━━━━━━

 

 

 

 

次の日、ロドスの食堂ではツヤツヤして上機嫌な顔のラックと顔を赤くして俯いたラップランドが食事をしていたという。

 

 







残ったエクシア達?反省会とかしてるんじゃないですかね。頭空っぽで書いたんで頭空っぽで読んでください。

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。