酒を飲んで、女を抱く   作:黒色エンピツ

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五十三話:スケベすぎる!!

 

 

 

グツグツと煮えたぎる鍋を俺を含めた野郎共が囲う。その息は荒く、赤面しており、普段の俺たちを知っているやつらが見れば何があったのかと驚くだろう。

……なんでこうなっちまったかなぁ。

 

 

 

 

「謎の肉?」

 

廊下で出会ったアンセルと話しているとアンセルが謎の肉を貰った話になった。

 

「えぇ、クロージャさんが仕入れたみたいでして。食べられる事だけは間違いないそうです」

 

「おいおい……そんな訳の分からんもん──食べるに決まってんだろ!」

 

面白くなってきた。

そうだ、エンシオとバイソンとか、後調理役としてマッターホルンとか呼んでやろう。

メッセージを一斉送信すると少しして了承の連絡が帰ってきた。

先に肉を取りに行くと言うアンセルと別れて購買部へと向かう。折角良い肉だから焼肉といきたいが、ここは皆で食べるから鍋にしよう。

買い物を済ませて戻っている途中でミヅキに出会った。

 

「こんにちは、何買ってたの?」

 

「鍋の具材だ。なんかアンセルが謎の肉貰ったんだってよ」

 

「へぇ〜、ねぇ、僕もいい?」

 

するりと手を繋いでくる。

見えているのに知覚出来ない動きに心臓が跳ねる。

 

「……はぁ、着いてきていいからそれやめてくれ。心臓に悪い」

 

「は〜い」

 

……手は放さないのか。

ため息を吐きそうになるのを堪えて帰ってくると既に全員部屋に揃っていた。

 

「勝手に入ってんなよな。クーリエは?」

 

「別に構わないだろう。手土産も用意してある。クーリエは用事で無理だそうだ」

 

「それは貰う。へー、忙しいな」

 

エンシオから良さげなワインを受け取る。鍋に合うかは分からないが美味ければなんでもいい。

 

「僕は一応おつまみとしてチーズを持ってきました」

 

「お、ナイス。丁度良いな」

 

鍋を食った後はチーズとワインで乾杯だな。

 

「んじゃ、早速頼んだ」

 

そう言って食材の入った袋をマッターホルンに渡した。

 

「あ、お肉は冷蔵庫に入れてあるので使ってください」

 

「……この為に俺を呼んだな?」

 

「俺とお前の仲じゃねぇか?な?」

 

マッターホルンの肩に腕を回すとため息を吐かれた。

 

「作るから大人しくしていろ」

 

「あいよー」

 

そう言ってキッチンに向かうマッターホルンを見て、ベッドへとダイブした。

 

 

 

 

あれから少ししてふわりといい匂いが部屋に漂い始めた。

熱気が少し籠っているからか、少し暑く感じる。

他の皆も同じなのか服の首元を引っ張っている。

 

「冷房つけるか」

 

リモコンを弄って冷房をつける。冷たい風が汗ばんだ肌に心地良い。

 

「鍋だからってこんなに一気に熱くなるかよ……」

 

なんたってこんなに体が熱く──熱く?

この感覚、どこかで……感じた事が……

 

《ラックさん!これ、新しく作ってみた媚薬です!試してみてくれませんか?》

 

「これかぁ!?」

 

アンセルの作った媚薬と同じだ!あの時は風俗で使ってみたがこんな感覚だった。

 

「出来たぞ」

 

顔を赤らめたマッターホルンが鍋を持ってきてテーブルの上に置くと先程までほのかに香る程度だった匂いが一気に部屋に充満した。

 

「一旦落ち着くか……」

 

鍋のせいではあるが、焦ってはいけない。

全員で鍋を囲んで一先ず座る。

 

「では早速──」

 

「まあ待てよ」

 

エンシオが鍋に手をつけようとするのを止めると訝しげな顔をする。

 

「どうした?ヤーカの調理したものだから大丈夫だろう」

 

「つってもアンセルが持ってきた謎の肉だからな。少し様子を見た方が良いだろ」

 

くっ……なんか、変だぞ。

どう見てもアンセルとミヅキが……色っぽい……

いや、きっと気の迷いだ。

俺はドノーマルだ。いくら顔が良くて可愛くても……可愛いな……って違う!

頭を振るって変な考えを外に出す。

 

「ラック、大丈夫か?」

 

バリッ!という音とともにマッターホルンのジャケットのチャックが勝手に開く。

 

「おっと、またチャックが」

 

この側近……スケベすぎる!!

 

「頭がクラクラする……」

 

「大丈夫かエンシオッ!」

 

元々寒い所にいたからからか、暑さには弱いんだろう。

 

「横になれ!いますぐにッ!」

 

「胸元を開けて楽にした方がいい!」

 

「下も脱がせた方が……いえ全部ですね!全部脱がせましょう!」

 

エンシオをパンイチにして寝かせる。

これで一安心だ。

ふぅ、と息をついてまた腰を下ろす。

 

「やはりこの鍋は危険ではないか?」

 

「ですが一応食べられますし、捨てるのは勿体ないですね。せめて一口だけでも食べてみませんか?」

 

「僕もなんだか気になってきたかも、なんでお肉でこんなに暑くなるのか」

 

グツグツと湯気を上げる鍋をジッと見つめる。

 

「それも気にはなりますけど……バイソンさん、前よりもほんのちょっと見ない間に急に……かっこよくなりました?」

 

何……?そんな急に変わる訳がない、とバイソンを見る。

……確かにどこか凛々しさが増しているような。

 

「良してくださいよ」

 

照れたように俯いて顔を手で覆う。

可愛いじゃねぇか……

自分の頬を殴りつけた。

ダメだ、俺もおかしくなってやがる。

 

「ラックさんも前よりいい体になってるんじゃないの?よく見せてよ」

 

「そうかぁ?どうだ、マッターホルン」

 

ミヅキに言われてシャツを脱いで力こぶを見せる。

 

「ほう……悪くないな」

 

悶々とした空気が漂う。

この状況をなんとかしようと思っているが誰もが動けずにいる。

抑えきれない感情をどう発散させればいいんだ……!

 

「ダメだ、僕……もう我慢できません……」

 

バイソン!?

急に立ち上がったバイソンが上着とシャツを脱ぎ捨てて上裸になる。

 

「トレーニングしましょう」

 

なるほどそうか!

全員の気持ちがひとつになった気がした。

服を脱いでパンイチになる。

 

「まずはスクワットだ!」

 

スクワットから始まり、部屋の広さを考慮して腹筋を二人組で行ったり、手四つをして力比べ、果てはプロレスにまで発展した。

それは数時間にも及び、全員がクタクタになって倒れるまで続いた。

……今だ!

鍋に蓋をして部屋から飛び出す。

大丈夫だ。解決策は既に見つけた!

 

「シー!シー、どこにいる!絵の中に入れてくれ!」

 

大声を出しながら走っていると壁に入口が出来て、その中に飛び込むように入る。

 

「うおおおおおおおお!!」

 

シーのいる場所目指して走っていると建物を見つける。

 

「ここか!シー!」

 

「うるさいわよ。さっきから何?」

 

ニェンとリィンもいるな。チョンユエはどこかに行ったのか?

 

「はいこれやる!後これ借りてくぞ!」

 

丁度近くにあった机に鍋を置いて、リィンの近くにある布団を持って外へと出た。多分リィンのだろ。

 

「ちょっとそれは──」

 

後ろから何か聞こえた気がしたが気のせいだろう。

多少の媚薬効果があろうが、あいつらなら大丈夫だろ!多分!

俺頑張った!!!寝る!!!

テキトーなそこら辺に布団を引いて横になると、数時間筋トレをしていたからかすぐに意識が落ちた。

 

 

 

 

「ちょっとそれは私の布団なんだけれど……」

 

「おー、風みたいだな」

 

「どうやら私の傍にあったから勘違いしたみたいだね」

 

シーが大きくため息を吐くと置いていった鍋を覗き込む。

 

「変なの。手もつけていないじゃない」

 

「しかも冷めてるな。折角だし温めて食べるか」

 

ニェンが鍋を火にかけ始めて数分。

クツクツと音が鳴るのと同時に例の匂いが漂い始めた。

三人が不思議だか良い匂いだと思い温めもそこそこに食べ始めた。

 

「美味しいじゃない」

 

「うん、美味しいね。お酒にも合いそうだ」

 

「なんたってこんな美味いもんをあんな顔で置いてったんだ?」

 

酒も入れてのんびりと食べていると段々と口数が少なくなっていき、息も荒くなる。

ニェンとリィンは火照ったくらいに感じているようだが、シーは目が据わっていた。

 

「あー、こりゃあ変なもん食わされたな」

 

「私たちなら大丈夫だと思ったようだね」

 

「ラック……」

 

ゆらりとシーが立ち上がるのに遅れてニェンとリィンも立ち上がる。

目指すは自分たちにこんな物を食べさせてくれた元凶の所へ。

 

 

 

 

……ん、なんか重い。

寝てるってのに一体どこのどいつだよ……。

薄らと目を開くと肌色が見えた。

 

「え、なにドッキリ……?」

 

「漸く起きたのね」

 

混乱した頭で周りを見ると、全裸のシーが上に跨っていて、両腕にはニェンとリィンが抱き着いていた。しかもなんか部屋の中になってんだけど。

 

「こわ……俺なにかした?」

 

「あんなものを食べさせておいてよく言うな」

 

「あー効いちゃったかぁ」

 

マジかぁ。こいつらならなんかいけるって無責任に思ってたんだけどダメだったかぁ。

あ、待って、上で腰動かすな。

まあ、役得と言うべきか。

 

「わかった。ここは俺が責任を持って相手を……」

 

「勘違いしてんじゃねーよ。オメーが私たちに犯されるんだぞ」

 

ぐちゅりと耳の中で音がした。

 

「あぇ?」

 

ぐちゃぐちゅぬちゅぬちょぐぽれろ

両耳の中に舌が入ってきて、目の前で光が弾ける。

逃げようにも人間離れしたこいつら相手じゃ不可能だ。

 

「よく言うじゃない。空を見上げてたら終わるわ」

 

それを言うなら天井の染みだ。

目をギラつかせたシーの顔がどんどん近付いてきてキスをされた。

 

 

 

 

「う……」

 

体が気怠いし痛い。

あいつらの性欲は底無しでもう無理だと言っても止めてくれず何時間も、いや何日も?代わる代わる上に乗って搾られた。

ニェンとリィンはまだ早くに満足してくれたが、シーだけはいつまでも満足してくれなかった。

 

「起きたのね」

 

「……澄ましやがって」

 

傍の机に湯のみが置かれる。

飲んでみるとお茶だった。

 

「あなたのせいで腰が痛いわ」

 

「俺だって全身痛ぇよ」

 

シーに何度も噛み付かれたせいで噛み跡が残ってしまった。というか血が滲んだ所もある。

テキサスとラップランドはまだマシだったのかと思っていると頬を引っ張られた。

 

「んだよ」

 

「私がいるのに他の女の事を考えるの?」

 

「嫉妬してんの?」

 

ギロリと睨まれて目を逸らす。

素直に嫉妬してるとか言ってくれりゃあ可愛いのに。

 

「んじゃ、俺そろそろ戻っから出してくれ」

 

クロージャにお仕置してやる。

 

「出さないわよ」

 

「ん?聞き間違いか?出してくれよ」

 

「出さないって言ったわよ」

 

「……一日くらいはいてやるからそれで我慢するとかは?」

 

「ないわ」

 

……今回はどのくらいで外に出られるかなぁ。

 

 

 

 

「久しぶりの外だ……」

 

ニェンとリィンの協力もあって三日で外に出る事ができた。

疲れているが、やる事がある。

 

「おーい、クロージャー」

 

「あれ?ラック、今までどこに行ってたの?」

 

クロージャの手足を縛ってクロージャの研究室まで運ぶ。

 

「ね、ねぇ、これなんなの?あたしなにかした!?」

 

「アンセルにこの前渡した肉、覚えてるか?」

 

「あー、あれね!美味しかった?」

 

「食わせてやるよ」

 

鍋から一杯分分けて置いたお椀を出す。

冷蔵庫に入れたから大丈夫だろ。……多分。

 

「ほら、あーん」

 

「こ、怖いんだけど!?本当にそれ大丈夫!?」

 

「あーん」

 

「ね、ねぇってば!?」

 

「黙って口開けろ」

 

「ひゃい……」

 

涙目になりながらクロージャが口を開けて肉を口に入れる。

 

「むぐむぐ……普通に美味しいよ?」

 

「そうかそうか、ならもっと食うと良い」

 

「あー」

 

自分から進んで口を開くと、次々に肉や汁を食べさせる。

すると、段々と様子が変わっていって体を捩り始めた。

 

「も、もしかして……」

 

「そうだな。クロージャの思ってる通りだ」

 

「ご、ごめんね?わざとじゃないから、許して?」

 

可愛らしく猫なで声でそういうクロージャに対してにこりと笑った。

 

「ダメ」

 

クロージャを持ち上げてお腹が俺の膝に乗るように乗せると、右手を振り上げた。

 

「ま、待って待って!な、なにするつもり?いやっ!やっぱり言わないで!」

 

「昔からお仕置する時にする事と言えばこれだろ?おしりペンペンだ」

 

スパンッ!と思い切り叩いた。

 

「いったー!?!?」

 

もう一度振り上げて……振り下ろす。

 

「〜〜ッ!?ご、ごめん!ごめんなさい!もうしないから!」

 

再度同じように振り下ろす。

 

「ふぎっ……!?き、傷物にされたってケルシー先生に伝えてやるんだからね!」

 

「まだ余裕があるみたいだな」

 

「あっ、ちょ、まっ……!」

 

振り下ろす

 

「きゃんっ!」

 

振り下ろす

 

「んっ……!!」

 

振り下ろす

 

「ま、待って!なんか、変な感じだから!」

 

振り下ろす

 

「や、やめて!ご、ごめんなさい!反省しました!」

 

振り下ろす

 

「ふっ……ぅぅぅ〜〜〜!!」

 

振り下ろす

 

「え、う、嘘、やだっやだやだやだ!」

 

振り下ろす

 

「……ッ!!」

 

びくびくっとクロージャが膝の上で痙攣した。

 

「ほー……」

 

「み、見ないで」

 

「まさかこれでお前の性癖を開発してしまうとは……これは責任を持って俺が満足するまで続けよう」

 

そう言ってまた手を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

・ある日の一幕

 

 

ロドスの甲板でタバコを吸う。

最近はちびっ子の相手をする事が多いから吸うのも大変だ。

 

「あ……」

 

「ん?」

 

声が聞こえてそちらを見るとフィアメッタがいた。

彼女はモスティマのお目付け役のようなものでモスティマがロドスにいるから羽を伸ばしているんだろう。

ラテラーノ出身のリーベリではあるがあんまり話したことは無いな。しかし、どこかで見たことがあるような気がする。

じーっとフィアメッタの顔を見ていると照れたように顔を背けた。

 

「あ、そうか。あの時の学生か」

 

昔、まだ軍にいた頃に学生に銃の扱いを教える機会があった。その時に熱心に質問をしてきたリーベリか。

 

「覚えていたんですか……」

 

驚いた顔を浮かべる。

サンクタなら聞いてきても不思議では無いが、リーベリだからかよく印象に残っている。

 

「あの時指導した学生で一番可愛かったからな」

 

「……冗談はやめてください」

 

これも嘘では無い。実際、可愛いと思う。いや、大人になった今なら綺麗と言うべきか?

にしても、お目付け役って事は役場か……?めんどくさそうな所にいるんだなぁ。疲れそうだ。

 

「良かったらこれからコーヒーでもどうだ?」

 

「い、いえ、私は……」

 

「な、頼むよ」

 

「……わかり、ました」

 

遠慮していたようだが、強く頼むと渋々頷いてくれる。良い子だ。

 

「俺がいなくなった後の話でも聞かせてくれよ。それとも、俺がいた頃の話でもしようか?」

 

「……ラック様のいた頃の話を聞きたいです」

 

様……?ああ、いや、久し振りにその呼び方されたな。ラテラーノだったらそう呼ばれる事も珍しくなかったか。

 

「そんな大仰な呼び方はやめてくれよ。今はただのラックだ」

 

そういうとポカンとした顔になる。

俺のイメージはどうなってやがんだよ。そんなに上等な人間にでも見られてたのか?

 

「早く来いよ。置いてくぞー」

 

「は、はいっ!」

 

パタパタと後ろから足音が聞こえてきた。

本とか映画には一応目は通したが大体は合っていたんだがなぁ。いつかちゃんと調べるか。

大きくため息を吐いた。

 

 

 






今年に入って二次創作は初投稿です。
最近は新しくオリジナル小説を書いていたので投稿が遅れました。
それからも比重としてはオリジナルの方を優先していくつもりですが、二次創作の方も書いていくので呼んでもらえると嬉しいです。

今後の読みたいと思う内容

  • ラックの過去話や異格イベ等
  • このままで構わん
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