愚者と白猫の子は化け猫姉妹?!助けてエルレイねえね!※大人のリィエルの事です。   作:エクソダス

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第5話

「………なぁ」

 

「………?」

 

 

 私は、マコロンと名乗った少女の手を引っ張る、どうしてそんなことをしているのかというと、『殺してみて』という言葉に、彼女が『食い物にならないことはしない』といったからだ。

 ので、家で一緒に何か食べる。という結論に至った。

 

 

「なんで今日しりあった私にそこまでする?」

 

「……?」

 

「…おい、『何言ってんだオマエ』という顔をされても、私が困る」

 

 

 そういって少女は頭をかく、たぶん、私のやってることが理解できないのだろう。

 彼女は仮にも、スラムとひとくくりにされるような者。一般人なら近づこうともしないだろう。

 

 

「正直、わたしにも……わかんない」

 

「………は?」

 

 

 そう、このころの私は、なんでマコロンを家に上げたのか、なんでマコロンを妹にしたのか。自分でも理解できなかった。

 ただ、私は退屈だったんだ。

 無意味な魔術を覚え、無意味に褒められ、無意味に魔術を人のために使う。そんな普通な未来の魔導士としての人生に飽き飽きしていた。

 

 

「なんとなく……君のこと、好きになったから」

 

「……へんなやつ」

 

 

 彼女なら教えてくれると思った。価値のある何かを。

 どれだけ魔術を覚えても、それは使わなければ無価値だ。どれだけすごいものでも使えなければ意味がない。でも、私は魔術以外のやる気は点で起きなかった。

 

 

「……わたしが家に上がったら、オマエは間違いなくコウカイするぞ」

 

「…そう…かな?」

 

 

 そんなこと言われても、実際実感がわかない。

 だって、あのまま『さようなら』したら、一生後悔する気がするから。

 

 

「コウカイしても…いいよ?」

 

「………は?」

 

「えっと……そっちほうが……楽しそうだし」

 

「………まじでへんやつ」

 

 

 マコロンと名乗る少女は呆れ果てたようにため息をつく。

 しかしその表情は何処か優しく、安心する笑顔だった。

 

 

────

 

──

 

 

 さあ、ここで問題です。

 大天使、レミエル=レーダスの義理の妹にして、過去と現在のギャップがとっても可愛い美少女は誰でしょう?

 

 

「そう、私ですっ!」

 

「な、何言ってるの…?マコロン」

 

 

 学院の放課後にハイテンションになっているマコロンを、優しく苦笑いをしながら見つめるレミエル。

 

 

「それで、どうしようか……」

 

 

 レミエルは近くのベンチに座り、今後について考える。

 【魔術で功績を残す】言葉にするのは単純だが、実際簡単な事ではない。

 

 

「かんたんじゃん!この学院の魔術競技祭──」

 

「それじゃ……だめ」

 

「だめなのっ?!?!」

 

 

 そう、駄目なのだ。あれは所詮学生の学芸会のような物。

 つまりお遊びだ。

 必要なのは、どうやって【魔術が危険と判断した者達を納得させる功績を残すか】だ。

 

 

「学院の、用意した……功績じゃ…意味ないよ」

 

「むぅ……そっか」

 

 

 不貞腐れたように、マコロンはレミエルの隣に座る。

 

 

「マコロン…、裏路地で……何か仕入れた?」

 

「おっふ!ばれてるっ」

 

 

 ビクンっとマコロンの肩が一瞬飛ぶ。しかしすぐに表情を変え、仕入れた情報を話し出す。

 

 

「……駄目だよ。悪友共に色々手伝ってもらったけど……うーん」

 

 

 マコロンはあの時、意味もなく裏路地に行ったのではない。情報収集のためだ。

 

 

「魔術を廃止させる根回しがあった訳じゃ無かった……まっ、かと言って魔術が禁止になったら、アイツらも困るだろうしね」

 

 

 マコロンは魔術を禁止にするように根回ししている人間がいると思ったが、裏の世界にはいない。

 つまりは表、表面上でそうなるように操っている者がいる。

 

 

「とにかく情報を…集めよう」

 

 

 この状況では何もできない。

 所詮レミエル達は学生、大人ではない。やれる事には限りがある。

 

 

「…そだね」

 

 

 レミエルの言葉に、マコロンは力強く頷く。

 

 

「なんとかなるさ!たぶん!」

 

 

 マコロンはぴょんぴょんと飛び跳ねる。

 

「そうだね……なんとか──ん?」

 

「? どった?」

 

「いや……あれ……」

 

 

 レミエルの指を指した方角には講師のエルレイがいた。なにか紙のような物を持って、考え事をしている。

 

 

「リィ姉だ、どうしたのかな?」

 

「…わかんない、何か紙持ってるけど……」

 

 

 マコロンはぴょんぴょんとウサギのようにエルレイの前まで移動し、話しかける。

 

 

「やっほー、リィ姉……」

 

 

 ごつっ

 

 突如として、マコロンの頭に激痛が走る。エルレイに殴られたようだ。

 

 

「いたっ!」

 

「 エ ル レ イ先 生 」

 

「えっと………エルレイ先生……、どう…しました?」

 

「ああ…………これ」

 

 

 そういうと、エルレイはレミエルに紙をを見せる。

 見たところ。最初の文字に『招待状』と書かれてある。

 

 

「………招待状?」

 

 

 レミエルは疑問に思いながらも、手紙の内容を読み始める。

 

 

 拝啓。リィエル=レイフォード様。

 貴方様を素晴らしい魔術師と見込み、この招待状を送らせていただきます。

 このアルザーノ帝国における、最強の魔術師をえらび、見事選ばれた暁には、偉大なるエルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ様より、勝利と栄光が送られます。それは何にも代えることができない、素晴らしい名誉です。ご参加、お待ちしています。敬具。

 

 

 

 

「……ナニコレ」

 

 

 要するに、『最強の魔術師決めようぜ★』ってことなのだろう。

 ばかばかしい。

 

 

「リィ……エルレイ先生。こんなの、捨てたほうが良いかと」

 

「……ん、そのつも──」

 

 

 実際、ここには栄光、的な事が書かれているだけで、それ以外の報酬が書かれていない。

 明らかに怪しすぎる。これは無視にかぎ───

 

 

「キタあぁぁぁぁぁぁ─────っっ!!!これだああああああああぁぁぁぁぁ─────っっ!!!」

 

 

 ここに一名。全力でこの出来事に首を突っ込もうとしているバカが一人。

 

 

「……マコロン、静かに」

 

「レミ姉!レミ姉!これだよ!!」

 

 

 エルレイが落ち着かせるのも何のその、マコロンはその紙をとって、天高く掲げる。まるで救世主。と言わんばかりに。

 

 

「えっと………、それって……」

 

「でるんだよ!!これに!!!」

 

 

 半ば予想通りのマコロンの返答に、エルレイは呆れてため息をつく。

 

 

「………あのね、これは二人じゃ──」

 

「……ありかも」

 

「え?」

 

 

 珍しくエルレイの味方をしてくれないレミエルに、エルレイは少し目を点にする。

 

 

「ここ……、【招待状所有者は予選なし】つまり…」

 

 

 つまり、招待状とは別に一般の参加者がいるそこに入ることができれば……、可能性が見えてきた。

 

 

「ほかの参加募集を探せば…!」

 

 

 レミエルは少し浮ついた声で紙を握りしめる。

 するとマコロンもつられるかのように、にこっと微笑み、レミエルの腕をつかんだ。

 

 

「いけるよっ!!」

 

「うん………!」

 

「??????」

 

 

 状況が一切理解できないエルレイはその場で立ち尽くす。

 親に連絡しようかとも思ったが、なんか楽しそうだったからやめてあげた。

 

 

「え、えと……がんば」

 

「ありがとリィ姉!いこっ!レミ姉!」

 

「う、うん!」

 

 

 そういうと、少女たちはエルレイを置いて去ってしまった。

 何か面倒ごとに巻き込まれなければいいが、そんな一物の心配を少しだけしながら。

 

 

「………いちごタルト。おいし」

 

 

 いちごタルトを頬張った。

 

 

 

 

─────

 

───

 

 

 

 結構早い段階で見つかった。デパートのようなところの小さな区画で、いかにも実力者ぞろいの者たちがわんさかといる。

 そこには張り紙で、『最強の魔術師選定』と書かれていた。間違いない。

 

 

「よしっ!!早速申し込もう!!」

 

「ま、マコロン……落ち着いて」

 

 

 正直、レミエルたちはかなり浮いている。

 基本的には20代くらいの人が多く、まだ学生の者は見る限り一人もいない。かなり変な目で見られてるが、気にしない。

 

 

「申し込みます!」

 

「ん?あー。子供か……」

 

 

 受付のお姉さんは苦笑い気味に二人を見つめた。

 

 

「ごめんね、これは遊びじゃないんだ。だから君たちじゃちょっと……」

 

「え~~~」

 

 

 ぶーっ、とマコロンは不貞腐れる。

 さすがにここまで来て引き下がるわけにもいかないので、レミエルが口を開いた。

 

 

「え、えと……、魔術使えるのが……参加条件って……」

 

「あー、そうなんだけど……えっと…ほら、君たちはまだ子供だし、やんないほうが良いんじゃないかなーって」

 

 

 どうやら、この人は私たちのことを子供としてみているらしい。

 どうしたものかと、レミエルは考え込む。

 

 

「でもさー、かわいい子には旅をさせろっていうじゃん?おねがいっ!」

 

「うーん、そういわれてもね~」

 

 

 そんなマコロンと受付の会話を、みんな微笑ましそうに見ている。

 確かにこの人たちからしてみれば、子供が愛らしい事をしている。程度の認識しかないのだろう。

 

 

「おー、受付のねーちゃんや。じゃあこうしないか?」

 

 

 突然、どこか不良の金髪の二人組が現れる。

 

 

「む??おにーさんたち、だれ?」

 

「おにーさんたちが実力を見てやるよ。それで俺たちに勝ったら参加ok。どうだい?」

 

「ま、まあ……ケガしない程度なら…」

 

 

 受付の承諾を確認すると、男二人は不敵に笑う。

 どんな意図があってこんなことを吹っかけてきたのかは知らないが、やるからにはぶっ潰す。

 

 

「…レミ姉。どおする?」

 

「…やるよ」

 

「わかった」

 

 

 そして、レミエルとマコロンはいつもの猫の仮面をかぶる。

 こいつがなければ私たちは始まらない。マインドコントロールのようなものだ。

 

 

「な───っ!!ば、化け猫…姉妹!?」

 

 

 男たち、いや。そこにいる全員驚愕の声を上げる。

 

 化け猫姉妹には都市伝説がいくつもある。

 スラムの人間をすべて支配に置き、ありとあらゆる魔術を使うスペシャリスト。

 帝国軍のエースにすら匹敵する戦闘技術を持ち、そして絶対的な戦術のタクティクス。

 噂を上げればキリがないが、それはすべて事実というのだから、ある意味都市伝説ではないかもしれない。

 

 

「ほ、本当に存在していたのか………!!!」

 

 

「さぁ…………、私達の」

 

「うん…………わたし達の……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「偽善を始めよう」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────

 

──

 

 

 さて、ここで問題です。

 現在不良っぽい人たちをぼこ殴りにし、どうにか参加資格を手に入れたはいいものの。3人チームだという落とし穴を見つけ、意気消沈している圧倒的美少女は誰でしょう?

 

 

「………わたし…だ」

 

「そ……そんなに落ち込まないで……」

 

 

 道端で体操座りをし、意気消沈しているマコロンをしゃがんで頭をなでるレミエル。

 

 

「でもさ!三人なんて聞いてない!いっそ某憑依イリアさん連れてきてこの世界をすべて2人組に偽って貰おうよ!」

 

「………何の話?」

 

「『月の幻術使いと禁忌教典』みんなみよう!!!」

 

「やめて……」

 

 

 バリバリにメタいことを口にだすマコロンに、レミエルは少し溜息をついた。

 

 

「それにしても、もうキリガとエルシュは参加登録してるとは思わなかった」

 

 

 そう、いつもなら『ならどっちか誘おう!』という結論に至るのだが、まさかのもう二人とも申し込んでいるらしい。本当に困った。

 

 

「もおおおおぉ!!!ほんとタイミング悪い!!」

 

 

 ぷんすかと怒るマコロンを、レミエルはどうにか宥める。

 

 

「…………」

 

 

 もう一人、ある程度魔術の実力を持っていて、レミエルたちと肩を並べれる者。そんな人、キリガとエルシュ以外…………。

 

 

「……ライカ?」

 

「ほ?」

 

 

 ライカ、私達の友達でよく話していた。

 正直彼女が魔術のために動いてくれるとは思えないが……ねだればなんとかなるかもしれない。

 

 

「それだ!!ライカちゃんのとこ行こう!!」

 

「え、ちょ───」

 

 

 マコロンはそうと決まったら即行動。

 マコロンはレミエルの腕をつかんで猛ダッシュする。

 

 

「ま、ま…って……ライカは……逃げないからぁ……」

 

「突撃突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!返事はサー!イエッサぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁ────!!!!!!」

 

 

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