愚者と白猫の子は化け猫姉妹?!助けてエルレイねえね!※大人のリィエルの事です。   作:エクソダス

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ロクアカ×ビルドが。また見れる事を願って。


ライカ=シュラウザー

元ネタ

ロクでなし物理学者と禁忌教典 ライト=シュラウザー


第6話

 最初は家に入って荒らしてやろう。

 あの女が話しかけてきた時はそう思っていた。

 金品すべて巻きあげれば、しばらくは飢えを凌げるだろう。それしか考えてなかった。

 

 

「ただ……いま」

 

「! レミエルっっ!」

 

 

 こいつの母親らしき人物が、抱きしめる。なんかリボンが猫見たいな銀髪の変な女だ。

 

 

「もうっ!!どこ行ってたのよ!」

 

「ご…ごめん……なさい」

 

 

 怯えながらも素直に謝るコイツ。

 やっぱりただの親に逆らえないガキじゃないか。親の顔を知らない私が言っても説得力がないが。

 

 

「……まぁ、無事に帰ってきたならいいわ。んで?この子は?」

 

「え、えっと……」

 

 

 コイツは言葉に詰まる。

 いやいや。オマエが連れてきたのに事情説明できなくてどーする…。私は少し呆れて口を挟む。

 

 

「……マコロン。こいつに連れてこられた」

 

「え、えっと……。路地裏に一人でいた……から」

 

「路地裏…、スラムの子ね」

 

 

 なるほどと、こいつの母親は納得する。

 いや、納得するのかよ。

 

 

「……そうだ」

 

「わかった。部屋を用意するわ。まぁレミエルと同じ部屋でいいでしょ」

 

「う、うん……。ありがとう…おかあ───」

 

「まてまてまてまてまて」

 

「? なによ?」

 

 

 いやおかしいだろうコイツら、なんで軽く【お友達を止める感覚】で人を住まわせようとしてんだ。

 

 

「……いや、私はそんなことたのんでない」

 

 

 ぶっちゃけすぐに門前払いを食らうと思っていたのでこれは反応に困る。

 

 

「えっと……私と住むの……いや?」

 

「ああ、いやだねっ!!」

 

 

 刹那───

 私はこいつに向かって勢いよく拳を繰り出す。大の大人でも気絶する程度の拳だ。

 それで何度も何度も気絶させ、金目のものを奪ってきた。

 ただの子供には到底……。

 

 

 

がしっ。

 

 

 

 

「………ぇ?」

 

 

 止められた。

 まるで卵でも取り扱うかのように、優しく片手で止められた。

 

「……やっぱり……、あなたといると……。楽しくなりそう」

 

 

 イカれてる。

 生きてて初めてそう思った。いきなり殴られて「楽しくなりそう」まるで今までが死ぬほど退屈だったようなその言い方。 

 私は…マコロンは初めて恐怖を覚えた。

 

 

 

レミエル=レーダスという奇妙な存在に。

 

 

 

 

 

───

 

──

 

 

 

 

 空前絶後のぉ───っ!!

 

 天才美少女ぉぉ───っ!!!

 

 レミ姉を愛しぃ!レミ姉を愛した女ぁ──!!!(一方通行)

その名は………。

 

 

 マコロォォォオオオオォォォォ──ン!!!

 

 

「いえいっ!」

 

「な、なにやってるの?」

 

 

 突然、宝くじでも当たったかのようなハイテンションなマコロン。

 レミエルはいつも通り苦笑いしている。

 

 

「と、とにかく……。ライカのところに行くんでしょ?」

 

「うんっ」

 

 

 ライカ=シュラウザー。

 ビルデネアという国の科学者の家庭の女の子だ。

 科学や実験に一生懸命で、このアルザーノ魔術学院には『科学を生かすためにかじりに来た』という名目で来ている。

 しかしその魔術の腕前は素晴らしく、間違いなく今の学院の実力者、5本の指に入るであろう。

 

 

「ライカは……多分この時間なら図書室にいる…よね?」

 

「うんっ!そのはずだべ!いくっぺ!」

 

「…だべ?っぺ?」

 

 

 マコロンの言葉に疑問を覚えながらもレミエルは学院にある図書室に直行する。

 

 

 

 

 

────

 

──

 

 

 

「うせろ」

 

「三文字ぃ!通称塩対応ぅ!!!」

 

 

 すこし暗くなり、学院が静寂に包まれているある一室。

 レミエルたちは図書室で、例のライカに塩対応を食らっていた。

 ライカは呆れた顔をしながらシッシと本ではらう。

 

 

「今私は研究で忙しいの。どっか行って」

 

 

 彼女はアルザーノの制服を着ていて、赤髪のショートヘアで、寝癖がぴょこんと立っている。

 基本的真面目なので、そっけないが、心は優しいのでレミエルやキリガたちと良く絡んでいる。

 

 

「そんなことやってる場合じゃないのぉ!この学院と魔術がなくなるかもしれないんだよ!」

 

「だから、んなことどうでもいいのよ」

 

 

 ライカは呆れたように断言する。

 そしてライカは持っていた筆を机に置いた。

 

 

「私が魔術を勉強してるのは、人の役に立ちたいからじゃない。自分のためでもない。『ビルデネアの科学を発展させるため』言ってしまえば、魔術単体だけで考えるならお遊びね」

 

「ぐぬぬ……」

 

 

 マコロンは悔しそうな声を上げる。

 ぶっちゃけ予想通りの返答が返ってきたので、どうしようか迷っている。彼女はここの生徒にはめずらしく、魔術事態に興味がない。

 

 

「さ、帰った帰った。あんたとレミエルに協力する気はないわ」

 

「………えと」

 

 

 レミエルは何か言いたげに、弱々しく手を上げる。

 

 

「…なによ」

 

「ほんとに……いいの?」

 

「何が?」

 

 

 レミエルは震える声で話を続ける。

 

 

「この学院がなくなれば…、ライカは魔術を覚える手段がなくなる、そしたら。科学の進歩は発展途上で終わるよ?」

 

「……」

 

 

 その瞬間、場が重い雰囲気になる。

 レミエルの目は暗く、どことなく恐怖をあおる眼差しだ。

 

 

「科学だけだと限界がある…。どれだけすごい科学があっても…知られなければ無力…。科学だけで、発展できるのかな…?貴方の両親がやりつくした…はずなのに」

 

 

 レミエルは煽る、無意識のうちに。

 ライカは科学の国を発展させた科学者の娘だ。ライカ自身も、科学だけではだめだと、今までと同じだとわかっている。

 

 

「だから…えと、魔術の基本のこの学院は……あったほうがいいんじゃないかな~……って」

 

「……レミエル。あんたある意味脅してるのわかってる?」

 

「そ、そんなつもりじゃ……」

 

 

 レミエルに他意はないが、確かに脅している。『科学だけではあの国は生き残れない』と。限界が来ると。

 

 

「ま、いいわ。口車に乗ってあげる」

 

「やったあああああぁ!!!!ありがとおおおおおおおぉ!!!」

 

 

 その言葉を聞いた瞬間。マコロンはハイテンションになり、欲望の赴くままライカを抱きしめる。

 

 

「だーっ!もうっ!うざっ!急に抱き着くな!!」

 

「ライカちゃんツンデレかわいぃぃ────っ!!!!結婚しよおおおおぉ────っ!!!」

 

「なっ!!」

 

 

 突然、告白され、ライカは紅くなるがすぐに持ち直し、マコロンに拳骨をぶつけた。

 

 

「だうっ!!」

 

「いい加減やめなさい!さて、やるからには本気でやりましょう。レミエル」

 

「う……うん」

 

 

 レミエルは、ライカが手伝ってくれることに安堵したが、あまり心配はしていなかった。

 だって、この子はとてもやさしい人だから。絶対助けてくれると思った。

 

 

「よーしっ!これで優勝だ!」

 

「おバカ。作戦をちゃんと立てるわよ。基本的にあんたとレミエルが前衛、私が後衛。状況に応じて私が白魔打つからあんたらは戦闘に徹しなさい」

 

「さっすがー!なんだかんだやる気出してくれるライカちゃん良き!」

 

「う、うるさいわね!さっさと作戦練るわよ!猛者が集う大会なんだから!!」

 

「…ふふっ」

 

 

 レミエルは、マコロンとライカのトークを微笑ましそうに見る。

 これからが本番だ。どうにか魔術がなくならないように頑張らなくちゃ。

 

 

 

───

 

──

 

 

 

 

「よーし!ライカちゃんも誘えたし!あとは努力!勝利!レミ姉ぇ!!!」

 

「え、えっと……最後になんで私入れたの…?」

 

「私の3本柱っ!!!」

 

 

 にかっとマコロンは笑う、それにつられ、レミエルもつられて笑ってしまう。

 ライカを誘った下校中。あたりはすっかり暗くなっていて、月と星々がきれいに光っている。空気もおいしい。

 レミエルは優しくマコロンの手を握りながら大きく息を吸う。

 

 

「あ、レミ姉!レミ姉!」

 

 

 すると、マコロンがレミエルの裾をくいくいっと引っ張ってくる。

 

 

「なに?」

 

「あそこでさ、ちょっと遊ばない?」

 

 

 マコロンが指をさしたのは、何の変哲もない公園だ。

 しかしそれで理解したレミエルは苦笑いをする。

 

 

「あはは……、そうだね、少しだけ……」

 

「やったー!」

 

 

 マコロンはピョンピョンとはしゃいで喜んでいる。

 公園の中まで歩き、中央付近でマコロンの手を放す。

 

 

「それじゃ……」

 

 

 レミエルは愛用のコンバットナイフを取り出し、構える。

 

 

「はじめよー」

 

 

 マコロンも同様に、コンバットナイフを取り出し、逆手持ちして構えた。

 

 

「……」

 

 

 刹那────

 レミエルは常人では理解できないような速さで駆け抜け、マコロンと対峙する。

 

 

「……」

 

 かんっ!!

 

 二つのコンバットナイフが金属音とともにかち合う。

 それから二撃、三撃と何度も金属音をならすが、マコロンとレミエルは何もしゃべらず、ただ黙って目の前の『敵』を仕留めようとする。

 

 

「……っ」

 

「───っ」

 

 

 その二人の動きはまるでダンスのよう、そして金属音は心地よい合いの手のように感じ。

 優しい月の光がその戦闘というダンスを輝かせている。

 

 

「………」

 

「……」

 

 

 二人は何もしゃべらない。いや、しゃべる必要性がない。

 二人は戦うことによって、互いに信頼しあい、認め合っている。

 通常の姉妹とは違う、狂気的な姉妹愛だ。

 

 

 そのあと、二人は戦闘というダンスを10分ほど楽しんだ。

 

 

 

 

 

───

 

──

 

 

 

「………ふぅ」

 

「はい、レミ姉。お茶」

 

「あ、ありがとう」

 

 

 ひとしきり楽しんだレミエルたちは、ベンチに座り休憩していた。

 レミエルはマコロンからお茶をもらうと一口飲み、ほっと息をつく。

 

 

「これで何回目かな?レミ姉と戦ったの」

 

「数えて…意味ある?」

 

「それもソーダ」

 

 

 けたけたとマコロンは笑う。

 彼女にとっては殺しは日常的に行っていたものだ、しかしレミエルはそんなことはしたことがないので、マコロンとの殺し合いはいつも新鮮だった。

 

 

「……ねえ、レミ姉。今って楽しい?」

 

「…………?」

 

 

 突然、マコロンがそんなことを言ってきた。

 しかしレミエルは考えるそぶりすら見せず、断言する。

 

 

「うん…、マコロンといると、とっても良い刺激……」

 

「そっか………」

 

 

 その言葉を聞き、マコロンは少しだけ悲しそうな顔をする。

 

 

「…なんかさー、私って今楽しいのかなーって」

 

「……」

 

「レミ姉といるのは楽しいよ?でもこんな楽しい。私が『経験していいのかな』ーって」

 

 

 マコロンはスラムの生まれだ。

 まだ自分がこんな普通の生活をしていることの実感がない。だから不安なのだ。

 自分があの家に存在してもいいのか。

 

 

「……ふふっ」

 

「…?なに?レミ姉」

 

「楽しいなら。今度は楽しいを、退()()にしてあげるね?」

 

「…ぇ?」

 

「退屈って思えるくらい幸せになって、何もないって思えるくらい普通の生活を送って……充実した生活なんて……させてあげない」

 

 

 レミエルは、少しだけこのマコロンという少女に嫉妬していた。

 何故か、この子はあんなに汚い生活を送っていたのに、目はキラキラしてて、まぶしかった。

 何もかもがつまらなく、表だけ着飾った自分とは大違いだと。

 

 

「…だから、私と…退屈、しよ?」

 

「……やっぱ変な奴」

 

 

 マコロンは笑った。まるで昔に戻ったように。

 

 

「なら。わたしはレミ姉に充実を教えてあげる。人生の荒波におぼれても、抗う楽しさ。どんなに絶望的な状況でも、努力するやりがい。退屈じゃ、絶対に見つけれない『生きがい』。それを経験させてあげるね」

 

「ふふっ……やれるものなら…ね」

 

 

 彼女たちは、少し変わった姉妹愛で結ばれ、決して交わることはないが、けして離れることもない。

 とても奇妙な二人だ。

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