まどかの中学生活   作:ホワイトロリータ

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【ご注意】


●本作品は作者ことホワイトロリータの妄想を爆発させたものとなっています。
時系列が合わない・登場人物の言動がおかしいなどの隠し味がほんのり含まれます。
アレルギーのある方はご注意下さい。

●本作品は、まどマギに東方成分が混入されております。
東方側にオリキャラが登場し、まどかさんが少し魔改造気味になっていますので、ご使用中に異常が出たらすぐにブラウザをバックし、医師の適切な処置を受けてください。


     


これまで

夢を、見ていた。

 

夢の中の私が居るのは、小高い場所にある神社。

その境内にある参道のど真ん中に立っている。

でも私は、1度もここに来たという記憶はない。

夢というのは、記憶の断片を拾い上げて、それを素に自分の願望を再現した世界を作り上げるんだって。

ウィキペディア先生が言ってた。

 

しかし、断片的にもこんな神社を構成する記憶は無いはず。

仮にテレビとかで見たんだとしても、神社の入口にある大きな鳥居。

一旦神社の境内から出て、そこに書かれている『博麗神社』の文字を眺める。

テレビでも、雑誌でも、こんな名前の神社は聞いたことが無かった。

 

なら何故、私はここにいるんだろう。

辺りを見回しても、聞こえるのは周囲に茂る木々のざわめきのみ。

そもそも、ここに来る前は何をしていたのか。

思い出せる最後の記憶は、数週間前から私が通う事になった見滝原中学校。

そこで数学の授業を受けていたという事だけだ。

私の今の服装も、学校の制服だし。

恐らくは、先生の声がいい感じに子守唄になってしまったんだと思う。

 

 

「……起きるまで待っててもいいけど、折角だし探検してみてもいいよね?」

 

 

本来は夢を夢と認識出来ないから、起きた後に『現実にそんなことあるはずない』って一喜一憂するんだけど。

たまに、これは夢だと分かる時があるらしい。

明晰夢って言うんだって、さやかちゃんが言ってた。

そして私は今、夢の中にいる。

そう自分に言い聞かせるために、わざと声に出して独り言を呟く。

 

 

「まずは……神社なんだし、お賽銭かなぁ?」

 

 

再び神社の境内に入り、正面にある社を目指す。

参拝客は誰もいないが、そんな事は気にしない感じで大きめの賽銭箱が置かれていた。

ポケットの中から、財布を取り出す。

ふと、こんな小物までちゃんと再現されるんだな、なんて考え苦笑。

財布の口を開く。

今日は何もする予定は無かったから、小銭しか入っていない。

夢なんだから、あったら1万円札を突っ込んでみるという行為もちょっとしてみたかった。

そんな事を考えつつ、取り出したるは15円。

5円で『ご縁がありますように』

15円で『十分ご縁がありますように』

語呂合わせは結構だが、神様も15円で今時何が買えるのかな?

 

 

「まぁ、いっか。

気持ちの問題だよね!」

 

 

15円を賽銭箱へ投下。

お馴染みの鈴をガラガラと鳴らし。

二礼二拍手一礼。

願い事は……じゃあいい人と巡り会えますように!

現実じゃ思うだけでも赤面しそうな内容の願い。

夢で、しかも1人でいるからこそ祈ってみた。

 

 

 

 

 

「へぇ、ちゃんとお参りするやつがいるなんて珍しいな」

 

 

 

 

 

突如、正面から声が聞こえた。

反射的に顔を上げると、先程までは誰も居なかったはずの社の扉。

そこに腕を組んで寄りかかりながらこちらを見つめる青年がいた。

黒い髪に、美形とまではいかなくともある程度整った容姿。

そして無地の紺の半着……って言うんだったっけ。

そんな上着と下が灰色の袴。

色違いの、飛天御剣流を使うあの人の服装って言えば分かりやすいかも。

今では普段着としては珍しい和服を、見事に着こなしている。

って、冷静にファッションチェックをしている場合じゃなかった。

 

 

「あ……あの、貴方は……?」

 

「ん?

……あぁ、すまんすまん。

この神社を参拝するやつなんて、長いこと居るがそうそう拝めるもんじゃなくてな」

 

 

頭をポリポリ掻きながら、バツの悪そうに答える。

 

 

「んー……俺の事を教える前に、だ。

その服装と今投げ込んだお金から推測するに、お前さん外来人だろ?」

 

「……外来人?」

 

「その反応で分かった。

まぁ、今説明するからこっち座れや。

立って話すんも疲れるだろ」

 

 

そう言うとその人は、お賽銭箱の横に腰掛ける。

不安もあったが、所詮は夢の中の出来事。

そう割り切って、私はその人の隣に座った。

 

 

「ん、まずは自己紹介から始めようか。

俺の名前は『シノノメ』

東の雲って書いてそう読む。

苗字は無い」

 

「東雲さん、ですか。

苗字が無いって、珍しいですね。

私は『鹿目まどか』といいます。

見滝原中学校に今年から通う事になった1年生です」

 

「おう、よろしくな。

てことは今12・3歳か……いやに大人びてるな最近の子は。

あぁ、友人からはシノさんとか、呼び捨てとか色々だから好きに呼ぶといい。

俺もまどかって呼ぶから」

 

「……じゃあシノさんで。

東雲さんって、油断すると噛んじゃいそうなので」

 

「それ、よく言われる」

 

 

ハハハ! と笑うシノさん。

 

 

「さて、まどかに説明だったな。

まずここがどういう場所なのか、教えよう」

 

 

そう言って、シノさんが語った事。

ここは日本のどこかにある異世界。

常識と非常識の境界の先。

博麗大結界に守られる、忘れられた者達の最後の楽園。

『幻想郷』

ここには、過去に忘れ去られた妖怪・神などが実在し。

人との共存を図りつつ、みんな平和に暮らす世界らしい。

 

閉鎖された世界ではあるものの、この世界を隔てているのは物理的なものではなく、あくまで霊力・魔力といった目には見えない力で作られた結界。

それ故に、時たま現代日本人が、結界の綻びに気づかずフラリと幻想入りしてしまう事があるという。

幻想郷の住民は、総じて幻想入りしてきた者達の事を『外来人』と呼ぶことにした。

 

 

「あれ、でも私、フラリと幻想入りするどころか、学校で居眠りしちゃっただけなんですけど……」

 

「んー……

多分だけど、居眠りした時に幽体離脱とかでもしたんじゃないかな?

よく話に聞くでしょ、寝てる自分を上から眺める夢を見たって。

寝てる時は肉体と魂の繋がりが若干弱くなるから、抜けやすい人だと簡単に幽体離脱できる。

抜けにくい人でも、ふとした拍子になる事があるから……まぁ、自然現象と思っとけばいいさ」

 

 

そう言って、私をジッと見つめるシノさん。

 

 

「どーもまどかは、力が異常に宿ってるみたいだな。

なんだこれ、魔力かな?

まぁ兎も角、その大きすぎる力を持った魂が、肉体を離れてフラフラしてたから博麗大結界がこちら側へ引き入れた。

そんな感じかねぇ」

 

「うさんくさいです。

というかその話が本当なら、何でお財布があるんですか」

 

 

あーそれな、と呟くシノさん。

 

 

「今のお前さんは霊体で、まぁ簡単に言えば粘土の塊みたいなものなんだ。

だから、『今手元にこれこれがある』って強く念じれば、自分の体を使ってそれを叶えちまうってこった。

財布以外に、今まどかが服を着てるのも同じ原理な。

まぁ、自分の霊体使って作り上げた以上、普通の人にその金が見えることはないんだが。

試しに、この話を聞いた今。

ちょっくら財布を探してみ?」

 

 

そう言われ、ポケットに手を入れてみる。

さっきお賽銭を投げ込んだ後、確かにここのポケットに入れたはずなのだが。

……無い。

 

 

「だろ?

さっきまでは、『財布は持ってるはず』と思い込んでいたから。

今は、『本当は持ってないんじゃないか?』という、さっきまでの思い込みを否定したから」

 

 

単純だろ、と笑う。

 

 

「シノさんが盗んだとか」

 

「よーしその結論に至った過程をちょっくら話し合おうか。

……まぁ、肉体が起きたら戻るだろうし、そしたら財布もちゃんとあるから確認しろ。

後まどかの状態なら、霊夢を待つこともないしな。

面倒なくさっさと帰れるさ」

 

 

知らない名前が出てきた。

 

 

「霊夢さん、って誰ですか?」

 

「あぁ、この神社の巫女。

博麗霊夢。

幻想郷の……妖怪と人間の厄介事請負人みたいな感じかな。

で、時折来た外来人を外の世界に返すのもあいつの仕事」

 

「へぇ、巫女さんなんだ。

あれ?

じゃあシノさんは何してる人?」

 

「客、かな。

遊びに来たら、今から里に行くからって留守番を頼まれた。

イライラして戸棚にあった煎餅全部食べてやった」

 

「……いいんですか?」

 

「『まどか参上!』って書置きしとくから俺に被害はない」

 

 

思いっきりシノさんの脛を蹴った私は悪くないと思います。

 

 

「慈悲はないのか」

 

「何であると思うんですか!」

 

「ぬう……

なら、書置きオーケーしてくれたら魔法を教えてやる。

お前さん、魔力バカでかいし」

 

「色々突っ込みたいですが待ってください。

書置きと魔法を教えるって対価的にイコールになるんですか?」

 

「霊夢相手の書置きだぞ。

なるに決まってる」

 

「それ、私の明日は保証出来ますか?」

 

「……」

 

 

はぁ、とため息が出る。

大方、食べ尽くした後にどうしようと慌ててる時に私が来たんだろう。

そしてこれ幸いと、狡い手でその霊夢さんの制裁から逃れようとしている。

話した時間は多分1時間もないけど、シノさんの人となりは大体把握できた。

 

 

「……まぁ、魔法にも興味はありますし。

その霊夢さんって人に会わないで済むなら、別にいいですけど……」

 

「流石、まどか!

それじゃあ早速俺と契約して、魔法少女になってもらおうか!」

 

「シノさんが言うと、魔法少女って何か卑猥です」

 

「どゆこと」

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、魔法って具体的にどんな事ができるんですか?」

 

「んー?

そりゃあお前さん。

空飛んだり。

火とか水とか、自然現象を発生させたり。

ビームみたいなので焼き払ったり。

傷を癒したり」

 

「わぁ、ファンタジー。

シノさん何か使って見せてください。

今まで色々お話聞きましたけど、妖怪も神も魔法も実物を見てないのでまだ少しうさんくさいです」

 

「オブラートに包めオブラートに。

何かしてもいいけど。

でも俺が使うのは魔力じゃないんだが……」

 

「この際なんでもいいです」

 

 

うーん、と隣で呻くシノさん。

魔法と言ったら、とりあえずこれか。

そう呟いて立ち上がり、参道へと降りた。

くるりと振り返ってこちらを向き、ジャンプ。

軽く跳ねただけなので、足は直ぐに地面に……着かない。

 

 

「……え、飛んでる……?」

 

「まぁ、初歩の初歩。

まずはこれから始めましょうってやつだが、外来人なら十分魔法っぽいだろ?」

 

 

それに応える言葉は出ず、呆然とシノさん見ながらただ首を縦に振る。

私も立ち上がり、シノさんの下へ。

服をクイクイ引っ張ってもビクともしない。

ジャンプして抱きついてみる。

凄い、落ちない。

トトロにしがみつくさつきとメイの気持ちが少しわかったかも。

 

 

「……役得」

 

 

気付けば、シノさんは私が落ちないように支えてくれていた。

その事に気付き、男の人に密着している気恥かしさと。

先程聞こえた不穏な言葉に。

思わず右手でシノさんの顔に赤い椛を作ったことは、これまた悪くないと思いたい。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、結構長いこと話しちゃってたし。

まどかもいつまでも霊体でいる訳にはいかないから、魔法は次会ったらだな」

 

 

シノさんはそう言いながら、懐に手を入れる。

何かを探す仕草をした後、出してきたのは手のひらに収まるくらいの大きさの青色の勾玉。

はい、と渡してきたので受け取る。

生暖かい。

 

 

「1時間前の私なら、躊躇なく投げ捨ててる一品ですよこれ」

 

「折角のプレゼントなのに酷くない?

人肌だったのは純粋に悪いとは思うけど」

 

 

こほん、と咳払い。

 

 

「でだ。

その勾玉は、来たいと思った時に幻想郷へ。

帰りたいと思った時に外の世界へ。

魔力なり妖力なり使って移動する」

 

「なんでそんな都合のいい物があるんですか……」

 

「いや、俺が暇なときに外の世界へ観光しに行くのに使ってた。

そっちは予備で、俺のもちゃんとあるから。

お揃いのアクセだぜー?」

 

「へぇ……ん?

ちょっと待ってください。

シノさん、たまに外の世界に行くんですか?」

 

「おう、魔法とかそんなのは使わんがな。

別に幻想郷の住人みんながみんな行き来出来る訳じゃないぞ。

今出来るのは、この勾玉を持ってる俺と、この世界の管理人だけだ」

 

 

そういうとシノさんは、首にかけて懐の中に入れていたらしい、ネックレス風にした勾玉を見せてくれた。

勾玉の色は、勿論私と同じ青。

そういや、お揃いのアクセサリーって言ってたっけ。

からかわれてると分かってはいるものの、顔が赤くなるのはそっち方面に免疫が無いからだろうなぁと思う。

 

 

「えと、あの……ありがとうございます。

人肌なのを忘れれば、最高のプレゼントでした」

 

「……人肌なのはそんなに嫌だったのか」

 

「はい」

 

 

からかわれたお返しに、そんな言葉を投げかけておく。

項垂れるシノさんを見て、ちょっと微笑ましく思ってしまったのは内緒。

 

 

「お、そろそろみたいだな」

 

 

私の体を見ながらそう言うシノさん。

つられて私も視線を自分の体に向けると、少し透けていて体の向こうにある石畳がみえた。

肉体の方が起きかかっていて、霊体である私が呼び戻されているんだという。

 

 

「その勾玉を使うときは、人目につかないようにな。

後、一応は管理者のセリフなんだが……

『幻想郷は、全てを受け入れる』

朝昼晩、いつでも気にせず来たい時に来るといい。

あ、それとこの幻想郷の事は秘密な」

 

「え、何でですか?」

 

「頭痛い子だと思われるぞ」

 

「絶対言いません」

 

 

うんうん、と頷くシノさんを最後に。

私の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……め……ん!

か……めさ……!!」

 

 

微睡みから意識が浮上する。

誰かに呼ばれてるらしい。

重い瞼を開けて、視線を上げる。

すると目の前には、数学の先生が仁王立ちしていた。

辺りを見回す。

みんな私の方に視線を向けてきている。

さやかちゃんや仁美ちゃんなんかは、笑いを堪えている感じだ。

 

 

「あ、私、起きたんだ」

 

「そんな状況報告はしなくても分かります。

授業中に寝てはいけません!」

 

「……はい、ごめんなさい」

 

 

寝起きのせいか、頭がボーっとする。

先生は私の謝罪を聞いて、教壇へと戻っていった。

……あれは夢?

さっきまでの出来事を思い出す。

夢にしては、シノさんに抱きついた時の感触はしっかりしてたなぁ。

なんかこう、見た目よりガッチリしてて、男の人!って感じがした。

何でそこを思い出したのか自分でも分からないけど、1人顔を赤らめてニヤニヤしていた姿は周りから見たら奇妙に映っただろう。

見ていれば、だが。

幸い、他の人はみんな黒板を見るのに忙しい。

私はというと、何か今は勉強する気になれず。

机の上に置いてあったシャーペンを片手に、ノートに落書きをしている。

 

 

(……あ、財布)

 

 

そういえば、と思い出す。

シノさんは、財布は体に戻ればポケットに入ってると言っていた気がする。

その言葉通り、ポケットに手を入れるとそこには無事な財布の感触。

安堵すると同時に、コロコロと別の何かが手に当たる感触もした。

これは何だろう。

先生にバレないように取り出す。

 

 

「あ……」

 

 

そこには、先程の夢で貰った青色の勾玉が。

夢だけど、夢じゃなかった。

そんな名言を使えたことに感激しつつ、先程の出会いが夢じゃなかったことに嬉しくなる。

 

 

(魔法を教えてもらう約束もしたし、今日の放課後早速使ってみようかな)

 

 

 

 

 

こうして、私の波乱万丈という言葉がバッチリ当てはまる中学生活がスタートしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様初めまして。
ホワイトロリータと申します。
たまにコンビニで見かけた方もいらっしゃるかもしれません。

今回、まどマギを書き始めてしまった訳ですが。
当方、二次創作くらいでしかまどマギを知らず。
本編アニメを見ながら書いている次第です。

ウィキペディア先生やグーグル先生に、様々なまどマギ情報・時折クロスの東方情報を教えてもらってはいるものの。
呼称・口調・時系列等にアニメの世界観とは若干ずれが発生する可能性があります。
おいおいと思った方。
生暖かい目で見守っていただけたらと思います。


今回は初回なので、2話連続投稿をさせて頂きました。
アニメの1話分も終わってませんが、マイペースに進めるのがホワイトロリータくおりてぃー。

他の作者様の書かれているまどマギシリーズの隅っこで細々とやっていきたいと思っています。
何かの拍子に、まどかの中学生活をご覧になる機会に恵まれましたら。
どうぞ、ページの上から下までお付き合い頂けたらと思います。


ホワイトロリータ。
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