【安価】安価で作ったデッキでデュエルアカデミア生活【安価】 作:睦月江介
今回は初めてシンクロ召喚デッキとのデュエルです。作者が無知で知らないうちにドラグニティが超強化されていたため、動きを教えていただき形にしました。
正直言えば他作品見てるとやっぱシンクロやエクシーズ強いなって思います。
1:アカデミア決闘者@ラー・イエロー
おーっす、この前面白いデュエルしてきた。みんなにもそのうち影響するかもしれない話だぞ
2:名無しの決闘者@デッキ構築中
おっすイッチ!
3:名無しの決闘者@デッキ構築中
俺らに影響するかもしれないってどういうこと?
4:アカデミア決闘者@ラー・イエロー
新しい召喚法のテスターって人とデュエルしてきた。場合によっちゃ広がるかもしれないってことだな。
5:名無しの決闘者@デッキ構築中
マジか! で、結果は?
6:名無しの決闘者@デッキ構築中
新しい召喚法は確かに夢が広がるな
7:名無しの決闘者@デッキ構築中
今のうちに資金準備しておくか
8:名無しの決闘者@デッキ構築中
↑その召喚法が実装されるか未確定なんだが?
9:名無しの決闘者@デッキ構築中
強ければ実装されるだろ。で、>>6も言ってたけど結果と新しい召喚法の手ごたえ教えろ下さい
10:アカデミア決闘者@ラー・イエロー
結果で言えば負けた。シンクロ召喚って召喚法なんだけどハッキリ言ってメチャクチャヤバい。大革命叩き込んだのに返しのターンに上級モンスターが出てきた
11:名無しの決闘者@デッキ構築中
ファッ!?
12:名無しの決闘者@デッキ構築中
ちょ、待て待て! ってことはあれか? 手札1枚から逆転勝ち決めたのか!?
13:名無しの決闘者@デッキ構築中
ウソやん
14:名無しの決闘者@デッキ構築中
返しのターンにドローしたのがコントロール奪取カードで大革命の素材から出したイッチのワイアーム奪ったとかじゃないのか?
15:アカデミア決闘者@ラー・イエロー
違う。そもそも融合召喚のギミック入ってない。単純に相手の展開力がクッソ高い
16:名無しの決闘者@デッキ構築中
ええ……何それ怖い
17:名無しの決闘者@デッキ構築中
ところでイッチ、シンクロ召喚ってどんな召喚方法なん?
18:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
フィールドにチューナーモンスターってモンスターと普通のモンスターを並べて、その2体を墓地に送って2体の合計レベルのモンスターを出す。枠は白だったぞ
19:名無しの決闘者@デッキ構築中
合計レベルってことはレベル4が2体で8が出てくる感じか
20:名無しの決闘者@デッキ構築中
多分合計レベルさえ合っていれば2体以上でも行けるな。例えば2+2+4の3体で8とか
21:名無しの決闘者@デッキ構築中
消費自体は生贄召喚とそう変わらないな。多分本気でヤバいのはコントロール奪取系カード。奪われてそのまま素材にされるとかシャレにならん
22:名無しの決闘者@デッキ構築中
あとレベル変動させる系のカードな。特にレベル上がる系は強力なモンスター展開できるようになる可能性がある
23:名無しの決闘者@デッキ構築中
それ逆も言えるな、相手モンスターのレベル下げて思惑外すとかの対策取れそう
24:名無しの決闘者@デッキ構築中
イッチ、他に刺さりそうなカード思いつく?
25:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
今回対戦したのはドラグニティってカテゴリだったんだけど鳥獣族とドラゴン族の混合、風属性統一だったから種族メタ、属性メタは刺さると思う
26:名無しの決闘者@デッキ構築中
つまり、群雄割拠だな
27:名無しの決闘者@デッキ構築中
後は猛毒の風とか
28:名無しの決闘者@デッキ構築中
魔法使いデッキなら里で魔法封殺できるな
29:名無しの決闘者@デッキ構築中
次から次へとえぐい対策思いつくなお前ら……そんなお前らが大好きだぜ
30:名無しの決闘者@デッキ構築中
そもそもそのチューナーっていうのとそれ以外のモンスター必要なんだろ?
奈落でチューナー叩き落すだけで良くね?
31:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
多分それは効果薄い。チューナーって見る限りステータス低い奴が多かった。奈落使うなら出てきたモンスターの方かな
32:名無しの決闘者@デッキ構築中
イッチ、それめっちゃ重要な情報だぞ
33:名無しの決闘者@デッキ構築中
王虎ワンフー立てるだけで展開阻害できるやん
34:名無しの決闘者@デッキ構築中
それ以前に魔デッキ叩き込めば手札も場もズタズタにできると思うぞ
35:名無しの決闘者@デッキ構築中
もうやだこの外道決闘者ども
36:名無しの決闘者@デッキ構築中
自分が使う事よりも率先して潰すこと考えてるあたりがもうね
37:名無しの決闘者@デッキ構築中
まだ公表していないテスト段階の代物だから、ねえ……?
38:名無しの決闘者@デッキ構築中
どちらかと言えば自分が使うよりも大会とかでテスターに遭遇する可能性の方が高いですしおすし
39:名無しの決闘者@デッキ構築中
ドラグニティ、って言ったよなイッチ。それ竜騎士じゃね?
40:名無しの決闘者@デッキ構築中
知っているのか>>39
41:名無しの決闘者@デッキ構築中
確かどれも小規模だけどいくつかの大会に出場して結果出してるぞ
42:名無しの決闘者@デッキ構築中
あー、思い出した。あの都市伝説の奴か
43:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
都市伝説ってなんぞ?
44:名無しの決闘者@デッキ構築中
ああ、ペガサスチルドレンの話とごっちゃになった奴な
45:名無しの決闘者@デッキ構築中
ただのI2社お抱えのテスターなのになぜそれがチルドレンという話が出てくるのか
46:名無しの決闘者@デッキ構築中
イッチに説明すると、アカデミアの会長でもあるI2社のペガサス・J・クロフォードって孤児院経営してた時期もあるんだよ
47:名無しの決闘者@デッキ構築中
キリスト教圏は寄付文化根付いてるからな、稼いだらその分寄付とか慈善活動に回す。その一環だな
48:名無しの決闘者@デッキ構築中
で、その中の1つが孤児院の皮かぶったプロデュエリスト養成所になっていてペガサスお抱えのプロを何人も輩出してるっていう話な
49:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
読めた、それが今回のテスターなんじゃないかって話だな
50:名無しの決闘者@デッキ構築中
そういうこと。本人もデュエルを教えることはある、とは言ったけど養成所ってのは否定してるからただの噂、都市伝説ってことになってる
51:名無しの決闘者@デッキ構築中
養成所実際やりかねないから困る
52:名無しの決闘者@デッキ構築中
そもそもテスターって宣伝も兼ねてるから強くないとなれない件
53:名無しの決闘者@デッキ構築中
それな
54:名無しの決闘者@デッキ構築中
イッチ、実質プロ並みの相手とのデュエルだから良い体験させてもらったぞ
55:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
プロってあんなのがゴロゴロいるのか。ヤバいな
56:名無しの決闘者@デッキ構築中
イッチ、それは違う
57:名無しの決闘者@デッキ構築中
I2社お抱えのテスターって下手すりゃそこらのプロより強い。だがプロの世界で結果出すならそれくらいの相手とのデュエルは必要になると思った方がいい
58:アカデアミ決闘者@ラー・イエロー
わかった、そうなるともっと強くならんとな。これからも安価とデッキ強化の助力頼む
59:名無しの決闘者@デッキ構築中
おう、任された
60:名無しの決闘者@デッキ構築中
応援してるぞ、頑張れイッチ
61:名無しの決闘者@デッキ構築中
がんばれー
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「城戸遊一郎君、新しい召喚法のテスターとデュエルしてみる気はありませんか?」
「え?」
鮫島校長に呼び出され、提案されたのはそんな話だった。
「I2社のペガサス会長から打診がありましてね。アカデミアの中でも優秀な決闘者にテストデュエルを行ってもらえないかと」
「評価してもらえるのは嬉しいです。でも、なぜ俺を? カイザー亮に万丈目、三沢、十代辺りにも声がかかりそうなものですが」
「そこはワタシが君を推薦したノーネ、シニョール城戸」
「クロノス教諭」
「ワタシも君のデュエルの腕は買っているノーネ、このままいけばオベリスク・ブルー昇格確実の有望株だと」
「それに、十代君達は七精門の鍵を持っている。いつまたセブンスターズとのデュエルになるかわからない」
(もう少し言エーバ、シニョール城戸は学業成績に劣る分シニョール三沢の陰に隠れがちなラー・イエローの生徒。もちろん勝つに越したことはないけレード、もし負けたとしても既に名前が売れている生徒や我がオベリスク・ブルーの生徒が負けるよりは海馬オーナーの心証が悪くなりづらい今回の話にぴったりの人材なノーネ)
「わかりました、興味もありますしその話お受けします」
「ありがとう、では先方にその旨を伝えておきます。相手は未知の召喚法の使い手、間違いなく強敵ですから君が最も信じるデッキで勝負するのが良いでしょう……君の勝利を信じています」
鮫島校長の激励にしっかりとうなづく遊一郎。そしてその1週間後、デュエルの相手が港に降り立った……のだが、思わず目を疑う。それは遊一郎とさほど年齢の変わらない、高校生くらいの少年だったのだ。
「I2社から来ました、シンクロ召喚のテスターをしています龍谷遊来です。で、君がオレの相手か?」
「あ、はい。城戸遊一郎です」
「よろしく、年も近いみたいだし気楽に話そうぜ。デュエルスペースはどっちに?」
「今回の会場にはワタシ、クロノス・デ・メディチが案内するノーネ。デュエルアカデミアでも一番広いデュエルスペースに新しい召喚法を見たい生徒がギッシリだけど、緊張せずデュエルして欲しいノーネ」
「プロ養成校だし、当然と言えば当然か……大丈夫です。そのぐらいで緊張していたら宣伝役は務まりませんよ。それから遊一郎」
「? 何だ?」
「最初に言っておく。オレはかーなーり、強い!」
「だろうな。でも、簡単に勝てると思うなよ」
クロノス教諭の宣言通り、会場には大勢の生徒がひしめき合っており、シンクロ召喚への関心の高さがうかがえた。気分は完全アウェーだったが、そんな事を気にしていられないとデッキをセットする……先攻は、遊一郎!!
「「決闘!!」」
「俺のターン、ドロー! 俺はテラ・フォーミングを発動、デッキからフィールド魔法を手札に加える。俺が手札に加えるのは祝福の教会―リチューアル・チャーチ! そのまま発動してリチューアル・チャーチの効果、手札から魔法カードを1枚捨てることで儀式魔法または光属性の儀式モンスターを手札に加える。馬の骨の対価を捨て、竜姫神サフィラを手札に加える。そしてマンジュ・ゴッドを召喚! マンジュ・ゴッドの効果、デッキから儀式魔法または儀式モンスターを手札に加える。俺は高等儀式術を手札に加えて、発動! デッキから通常モンスターを儀式モンスターのレベルと同じになるように墓地に送り、儀式召喚を行う! 弾圧される民、海皇の長槍兵、バニーラ、逃げまどう民を墓地へ送り、レベル6の竜姫神サフィラを儀式召喚! カードを1枚セットしてエンドフェイズに移行、サフィラの効果。儀式召喚したターン、または光属性のモンスターがお互いの手札またはデッキから墓地に送られたターンに3つの効果から1つを選んで発動できる。俺は2枚ドローして手札を1枚捨てる効果を選ぶ。ドロー! ……高尚儀式術を捨て、ターンエンドだ」
遊一郎 LP4000 手札3枚 場 伏せ1枚 マンジュ・ゴッド 竜姫神サフィラ
(高等儀式術軸の儀式召喚デッキか……一気に圧縮したな。光属性・天使族の儀式モンスターは厄介なのが多い、出される前に切り札まで持って行く!!)
シンクロ召喚デッキの他にも儀式デッキを所持している遊来は、強力な妨害効果を持つ神光の宣告者、カテゴリー間のシナジーが強く回りだすと絶え間なく儀式モンスターが出て来るサイバー・エンジェル等を警戒し一気に勝負をかける決断をする。
「オレのターン、ドロー! 手札からドラグニティ-レムスを捨てて効果発動、手札にフィールド魔法竜の渓谷を手札に加える。そのまま竜の渓谷を発動! 竜の渓谷の効果、手札を1枚捨ててデッキからレベル4以下のドラグニティを手札に加える。オレはドラグニティ-ブランディストックを捨てて、デッキからドラグニティ-レガトゥスを手札に加え、そのまま特殊召喚する!」
「特殊召喚!?」
「ああ。ドラグニティ-レガトゥスはフィールドに竜の渓谷があれば特殊召喚できる。更に墓地のドラグニティ-レムスの効果、フィールドにドラグニティモンスターがいれば墓地から特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚した場合フィールドを離れると除外される。それじゃ、シンクロ召喚を披露するぜ! レベル4のドラグニティ-レガトゥスにレベル2のドラグニティ-レムスをチューニング! 二つの種族の結束が、新たな竜騎士を生み出す。今こそ駆け抜けろ、シンクロ召喚! 飛び上がれ、レベル6、ドラグニティナイト-ガジャルグ!」
「とんでもないな……通常召喚してないのに上級モンスターが出てくるなんて」
「まだまだ続くぜ、ガジャルグの効果発動、デッキからレベル4以下のドラゴン族か鳥獣族モンスターを一体手札に加え、手札からドラゴン族または鳥獣族のモンスターを一体手札から捨てる。俺はデッキからドラグニティ-ドゥクスを手札に加え、手札からドラグニティ-クーゼを捨てる。ドラグニティ-ドゥクスを召喚して、効果発動。このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル3以下のドラグニティモンスター1体を装備カード扱いでこのカードに装備する。ドラグニティ-クーゼをドゥクスに装備してクーゼの効果、装備カード扱いのこのカードを特殊召喚する」
「ま、まだ動くのか……」
「待たせて悪いな、もう少しだ。ドラグニティ-クーゼをシンクロ召喚の素材とする場合、ドラグニティモンスターしかシンクロ召喚できない。その代わり、このカードをシンクロ召喚の素材にする場合レベル4として扱う事ができる! レベル6のドラグニティナイト-ガジャルグにレベル4扱いのドラグニティ-クーゼをチューニング! 天の龍と鳥獣の王が手を結び、神の槍たる最強の竜騎士が舞い降りる! シンクロ召喚! レベル10! ドラグニティナイト-アラドヴァル!!」
「レベル10、攻撃力3300……!!」
「ちなみに、ドラグニティ-ドゥクスはオレのフィールドに存在するドラグニティカード1枚につき攻撃力が200アップする。つまり、今は攻撃力1900だ。バトル! アラドヴァルで竜姫神サフィラを攻撃!
「ぐあっ……」
遊一郎 LP4000→3200
「アラドヴァルの効果、カードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後、破壊した相手モンスターを除外する! よってサフィラは除外させてもらう、使い回されると面倒だからな。続けてドゥクスでマンジュ・ゴッドを攻撃!」
「ぐうぅっ……!」
遊一郎 LP3200→2700
「オレはこれでターンエンドだ、アラドヴァルにはあと2つの効果があるから説明しておこう。まず1つ目、1ターンに1度、相手がモンスター効果を発動した時に墓地のドラグニティモンスターを除外することでその効果を無効化し、除外する。そして、シンクロ召喚されたアラドヴァルが破壊された時、相手フィールド上の魔法・罠カードをすべて破壊する」
(くっそ、カウンター効果が2つにあの攻撃力……とんでもない化け物だ! 立ってるだけで防御もできるとかシンクロ召喚ヤバすぎだろ!!)
初めて相対するシンクロ召喚、シンクロモンスターの凶悪さに内心悪態をつきながらカードをドローする遊一郎だが、引き当てたカードと目の前のモンスターのテキストを確認し、突破を確信……あわよくばそのまま勝利できると笑みを見せる。
「シンクロ召喚、メチャクチャ強いな! 正直この上魔法・罠の対策までされていたら手の打ちようが無かった」
「本当は魔法・罠を無効にするカウンター罠も伏せたかったんだが、引けなかったんだよ」
「マジか……だが、こっちにとってはラッキーだ。4手、あと4手でお前は詰む」
「随分な自信だな、やってみろ」
「ああ。そっちの切り札を見せてもらったからな、今度はこっちの切り札を見せてやる。まず1手、魔法カード予想GUY! 自分の場にモンスターがいない時に発動可能、デッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚する。俺はレベル3の団結するレジスタンスを特殊召喚。2手、魔法カードトライワイトゾーン。墓地からレベル2以下の通常モンスター3体を選んで蘇生する。弾圧される民、逃げまどう民、海皇の長槍兵を復活」
「こいつは……!」
「儀式召喚はあくまで下準備と引導火力のためのギミックだ。3手、リバースカードオープン! トラップトリック!! デッキの罠カード1枚を除外し、同名カードをセットする。そして、セットしたカードはそのターン中に発動できる! 俺がセットするのは大革命! フィールドに弾圧される民、逃げまどう民、団結するレジスタンスが存在する場合、相手の手札を全て墓地に送り、相手がコントロールするカードを全て破壊する!!」
「げえっ!?」
モンスター効果を使う事なく、盤面を覆されたばかりか手札まで全滅させられ流石にうろたえる遊来。
「アラドヴァルの効果でリチューアル・チャーチが破壊されるがここまで来れば問題じゃない……これで、4手。ダメ押しだ、ハーピィ・ガールを召喚してバトル! 総攻撃だ!!」
「うおおおおお!?」
弾圧される民 400
逃げまどう民 600
団結するレジスタンス 1000
海皇の長槍兵 1400
ハーピィ・ガール 500
総攻撃力3900
遊来 LP4000→100
「ターンエンド!」
手札を使い切ってなお決め切れなかったが、圧倒的な強さを誇るシンクロモンスターを撃破し、宣言通りほぼ『詰み』にまで追い込んだ遊一郎に観戦する生徒達から賞賛が送られる。
「お見事! これは確かに詰み、打つ手なしだ」
「サレンダーするか?」
「まさか。諦めるのは最後のドローを見てからだ……オレのターン、ドロー!」
ラストドローを見て、にやりと笑みを見せる遊来。
「来たぜ、打つ手が。速攻魔法疾風のドラグニティ!! 1ターンに1度、相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合に発動できる。デッキからドラゴン族と鳥獣族のドラグニティモンスターを1体ずつ、効果を無効にして特殊召喚する! 来い、ドラグニティ-ファランクス、ドラグニティ-セナート!! レベル4のドラグニティ-セナートにレベル2のドラグニティ-ファランクスをチューニング! 二つの種族の結束が、窮地を切り開く竜騎士を生み出す。シンクロ召喚! 今こそ舞い上がれ、レベル6、ドラグニティナイト-ヴァジュランダ!! ドラグニティナイト-ヴァジュランダの効果、このカードがシンクロ召喚に成功した時、墓地からドラゴン族・レベル3以下のドラグニティモンスターを装備できる。ドラグニティ-ブランディストックを装備する」
「……クーゼじゃなくていいのか? その気になればまだ回せるんだろう?」
「クーゼだけじゃなくて、ファランクスでも行ける。だが、今回はあくまでシンクロ召喚、シンクロモンスターのテストだ。オーバーキルすればいいってもんじゃない」
「つまり、そいつで勝負を決められるわけか。攻撃力は1900、さっきのアラドヴァルと比べれば極端に高いわけじゃないが?」
「こいつは装備カードを墓地に送ることで、攻撃力を2倍に出来る……が、それすら不要だ。ドラグニティ-ブランディストックを装備しているモンスターは2回攻撃ができる」
「……ダメだな。詰んだのは俺の方か」
「バトルフェイズ、逃げまどう民とハーピィ・ガールに攻撃!!」
遊一郎 LP2700→0
お互い全力を出し切ったデュエル、そしてシンクロ召喚の強さに賞賛の拍手が送られ遊一郎と遊来はしっかり握手を交わす。
「良いデュエルだった。シンクロ召喚、実装されたら使わせてもらうよ」
「ああ、成果は上々だったと伝えるから期待していてくれ……ところで、あの4手で詰むって、あれだよな? 人気特撮シリーズの悪役のセリフ」
「ああ、最初の宣言でそれらしいネタの台詞を言っていたから好きなのかと思ってな」
「実は大好きなんだ……で、セリフ知ってるってことは見たんだよな?」
「ああ、プロの世界ってやっぱりエンタメだからな。セリフ回しとか参考になるかと思って入学前にいくつかまとめて観た中の1つだよ」
「……感想は?」
「実際はデュエルしていたらそれどころじゃない。あとヒーローものの人気シリーズなのにR指定入ってるってどんなのかと思ったら想像以上にキツかった」
「アレはグロ耐性無いとなあ……良いデュエルの礼だ、もうちょっとマイルドで面白いやつを今度送ってやるよ」
その後、約束通り送られてきたニチアサ特撮ヒーローのDVDが男子には貴重なデュエル以外の娯楽として、女子にはイケメン俳優成分の補給として人気を博したのは、また別の話である。
今回は珍しく遊一郎の方がデッキスペックで負けている事もありお互い運命力全開です。結構いい感じにギリギリの勝負ができたと思っております。
スレのペガサスチルドレンの話は遊戯王Rが元ネタですが、アマゾンズ様の『手にした竜騎士と破滅が気難しい』の背景にもサラッと触れております。主人公・龍谷遊来の心境が変化していくのが魅力的なので、一度読んでみてはいかがでしょうか?(宣伝)
スレ民の殺意が高い? ナンノコトカナー?
シンクロ口上は『手にした竜騎士と破滅が気難しい』に登場したもののアレンジで、遊来がラ〇ダー好きということでネタ台詞とオチに組み込んでみました。
「最初に言っておく。オレはかーなーり、強い!」 電〇から。有名な部類の台詞だと思います。
「あと4手でお前は詰む」 アマゾ〇ズから。マイナーかつ悪役の台詞ではあるのですが、かっこいいとは思います。
22/02/01 ルールミスがあったため、修正しました。