やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(独)   作:あきカン

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サブタイ、男とオタクをかけてます。


オタクらしく、材木座義輝は叫ぶ。

ボッチはボッチの考えることがわかるというが、材木座(コイツ)を見つけた時に「確かにな」と思った。だが、四六時中こいつのこと考えているみたいでちょっと癇に障る。

 

「早くあがってこい。お前待ちなんだよ」

 

見下ろしていった先にいたそいつは、一度梯子に足をかけて震えた声で俺を見上げる。

 

「……だ、だがな八幡。足が震えて登れんのだ」

 

見ると確かに足が震えている。高所恐怖症という話は聞いていないが、まあこんなとこにずっと隠れていたら誰だって足が竦むだろう。見ている俺としても結構危ないところに立っている。

だからって引き上げるのも面倒だ。

 

「あ、じゃあお前ずっとそこにいろ」

「あー、あー、助けて八幡!はーちまーん!」

 

血相を変えて叫んでくる。うるさ、材木座うるさ。あと服引っ張んな。

仕方ねえなあ、と振り返ってそこにいる彼女に声をかけた。

 

「海老名、ちょっと手伝ってくれ」

「なんで私が……」

 

嫌そうに呟く彼女に俺は両手を広げて見せた。顔はいつもより凶悪に。八幡スマイル。

 

「俺一人だけでこいつを引っ張りあげられると思うか?」

 

海老名は「はぁ」とため息をつきながらも近づいてくる。掴まれている服の微動を感じとり、俺は材木座の震えがさらに強まったことに気づいた。

眼鏡の奥が互いに逆光で見えないから、余計に海老名の苛立ちと材木座の恐怖心が伝わってきた。

どうにかして引っ張り上げた材木座は、膝立ちの状態でさっきまでが嘘のように淡々と弁を述べ始める。

 

「ふうっ、すまなかったな。実は柵のところで風に吹かれていたところを、扉が開く音が聞こえとっさに飛び降りてしまったのだ」

 

それで俺に連絡してきたのか……って、足が震えてってのは嘘だったってことか。いや、恐らくそれも本当のことなんだろう。

 

「にしてもお前って梯子登れないくらい太ってたか?」

 

材木座は一瞬ぎょっとしたが、悟られたくないのかクイと眼鏡を上げた。

 

「ふっ、実は行き付けのメイド喫茶に新メニューが爆誕したのだ。2キロの特大オムライス(2800円)を食べるともれなくお気にのメイドさんとチェキが撮れるというなっ!」

 

あ……お前それ、完全にカモられてるぞ。

しかも一人でという条件つきの時点で、達成できるやつなんてほとんどいないはずだ。しかし材木座(こいつ)はそれを十回以上完食し、見事メイド全員とのチェキに成功したらしい。いや、言うほど見事か? 本末転倒だろ。

 

「おかげでフィギュアを買えなくなってしまったがな!フハハハハハ!」

「いや痩せろよ……なに増量してんだよ」

 

優しさから注意してやってるってのに、このオタクめチッチッと指振りやがった。その指折んぞ。

 

「八幡よ、貴様にはわからんかもしれんがな、オタクとはそういう人種なのだよ」

「わかりたくもねえよそんなこと」

「む、そうか。それは残念至極……」

 

さっさと話を進めたいんだが。

俺はため息を吐いてげんなりと材木座の顔を見た。随分脂ぎってるな、こいつ……。

ん? いや待て。材木座のこの顔は──、

 

「それはそうと八幡よ、知っているかきさ──」

「材木座」

 

俺はやっとその意図に気づく。こいつ無理に話を逸らそうとしてやがった。証拠に海老名には視線を合わせようとしない。いつかの雪ノ下の時のように。やるな、俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

「どうしてここに来た?」

 

まずは問いかけから入る。答えを出させるために。

 

「それは──」

「やめようよ二人とも。ほら、チャイムもう鳴り終わってるよ。急がないと授業に遅れちゃう」

 

いつも通り変わらず、海老名姫奈が割って入ってきた。なんとか穏便に、そして早く終わらせようとしているのがまるわかりの仲裁。

 

「んなこととっくに知ってるよこっちは」

 

帰りたいなら帰ればいいだろ、と言うと海老名は黙って立ち止まった。その顔はさっきまでと違う真顔。怪人二十面相かよ。

 

「……いいよ、最後まで聞いてあげる。今度は逃げたりしないから」

「──だってよ」

「むぅ」

 

材木座は居たたまれない顔をしている。そりゃそうだ、俺だって同じ立場ならすぐに逃げる。チャイムを理由に。

だが今はその立場にいない。だからこうして、行く末を見守るお節介もやけるというものだ。俺は座り込む材木座に手を伸ばした。

 

「ほら待ってんぞ、剣豪将軍」

「……あとで呪詛唱えてやる」

 

何か聞こえた気がしたが、空耳だろう。その巨体を引っ張りあげて、どこぞの引き立て役はさっさと後ろに下がるとしよう。

向かい合った二人の間に、強い風が吹く。なぜかこういう時に吹く風が、バサバサ材木座のコートを揺らし、こういう時だけ主人公にさせてしまう。どこぞのラノベマニアが書いた小説のように、図ったかのようにタイミングよく。

まあ、というかこの一連の騒動は元々材木座(コイツ)から始まり、全て材木座(コイツ)を主として動いていたのだ。ならば、決着をつける役目も無論――材木座(コイツ)が担うのが筋というものだろう。今だけ主人公の座は貸してやる。

そんな念を送り、目の前の二人を見つめた。しゃんと背筋を伸ばした材木座が、緊張しているが口を開く。

 

「海老名殿」

「うん……」

 

海老名もその視線を見返して頷きを返す。戸惑いも動揺もあろう。おそらくは、これで終わらせるつもりで。

しかしオタクをナメてもらっては困る。お前は今一度知るべきだ。そのしつこさとウザさを。

 

「昨晩、ずっと考えていたのだ。どうしてなのだと。互いにオタクであり、同士であった仲の我らが道を(たが)えてしまったのはなぜか」

 

その物々しい切り出しに、しかし海老名は平然と返す。

 

「私たちは同士なんかじゃないよ。ただのクラスメイト、それだけ。それに道を違えたんじゃない。もともと同じ道なんて辿ってなかった」

「え……そうなの……?」

「うん」

 

海老名の回答に材木座は露骨にしょんぼりした。……あ、これダメかもしんない。

だが顔には出さず、俺は黙って見守った。

 

「でもね、ちょっとは嬉しかったんだ。こんな私でも、本気で好きになってくれる人がいることが」

「海老名殿……」

 

海老名からそんな言葉が出るとは思わなかった俺も驚きを隠せない。おそらくは彼女のなかでも色々と葛藤はあったのだろう。それがどんなものか俺には知る由もないが。

 

「じゃあ───」

「それも、やっぱり無理なんだ。……どれだけ君が私を好きでも、私が君を好きになることはないし。それにその繋がりは、ひどく脆いものだから」

 

愛は脆いと、聞いたことがある。儚いだったか? いずれにせよどっちでもいい。急に人を好きになることもあれば、その逆もまた存在する。また愛が芽生えることによって生じる不協和音。かつての海老名姫奈はこれを嫌い、俺たち――詳しくは俺に協力を求めてきた。

 

今も彼女は不安なのだろう。どういうわけか繋がりを持った相手がコイツで、そしてそれは彼女の何かを保たせるためのものだった。じゃないと積極的に材木座(コイツ)と関係を持とうなんて思えない。少なくとも俺は。

だから、なんとしても繋ぎとめたいのではないか。

 

「だから友達から始めよ?」

 

だからこそ彼女はその結論に行きついた。おそらくは他に選択肢がなかったから。変わることを何よりも嫌っていた彼女のたどり着いた結果が――友達という選択肢。自分から関係を持とうと悩み辿り着いた答えとして、これ以上のものはないと思う。

しかし、侮るなかれ海老名姫奈。オタクとはそういうものではない。なんせあいつら、マジで変わり者の集まりだ。しかもプライドは高いときた。タチ悪いだろ。まったく。いつか絶対『俺の嫁天下一武道会』とか始めるよ。俺はもう決まってるけど。

 

「トモダチ……トモダチ……」

「そう、友達」

 

頷く彼女は、しかし真剣そのものだ。さっきまでの笑顔はもうない。

けれどたまに思う。なぜ友達なのか。友でいいじゃないか。なぜ複数いる必要がある。ボッチだからかもしれない、いや十中八九そうだろうが。友を複数人作ることと、友達を作ることはまったく違うものだと俺は思う。

 

途端、材木座は俯くようにその巨体を丸め込んだ。まるで何かの必殺技を出す前の段階のような間だ。トモダチトモダチと難解も呟いて、うむむむむ、と一瞬息を止めると。一気に叫ぶ。

 

「いっ――いやだああああああああっ!」

「えっ!?」

 

予想外だったのか、海老名が目を丸くする。そこまで拒否られると確かに辛い。俺なら死にたくなる。

だが、断った材木座はなぜか唇を噛み締めて声を震わせている。

 

「そんな薄っぺらいものになんてなりたくないぃぃ! そういうのはいつの間にか静かに終わっていく関係に過ぎないのだぁぁ!」

「なっ!」

 

これはこいつのトラウマだろう。「俺たち一生友達だよな?」とか肩組んで言ってきたわりに転校したら一週間で連絡寄こさなくなる奴。……いやわかるよ? 向こうにも青春があること。けど一週間はないでしょう。

というのは勝手な想像だが、そんな感じのことが材木座(コイツ)にもあったのだろう。もしかしたらそれが、材木座が中二病に目覚める原因となった可能性も……。

しかしそんな叫びが癇に障ったのか、海老名が見たこともない怖い顔で言い返す。

 

「薄っぺらいって何!? だって君、ろくに友達いないじゃない!」

「いないのではないっ、作る必要がないだけだっ! 」

 

何を名言ぽいことを。だがその通りだ。

しかもこのやり取り、よく見ると子どもの喧嘩レベルに喚き散らしている。ま、喧嘩ってそういうもんだよね、本来。

 

「我を認めてくれる人間など世界を見れば我が同士、そこにいる比企谷八幡、そして……海老名殿しかいないのだ。それ以外の輪の中に入っていくなど、我には到底考えられないっ!」

 

認めてはいないけどな。

材木座の発言に、海老名は本気で怒ったようだ。認めたくない、そんな風に見えた。

 

「友達がいなきゃ、繋がりがなければ……生きていくことなんてできないじゃない!」

 

その悲痛な叫びは、今までの彼女の葛藤の全てのようだった。誰とも関係をもち、しかし深くは関わらない。そこには彼女なりの遠慮や戸惑いがあって、全てをさらけ出すような感じではなかった。だが本来、友達とはそういうものな気がする。誰にだって秘密はあり、後ろめたい過去もある。だが繋がりがなければ生きていけないほど、世界はそこまでボッチに厳しくはない。現に俺、生きてるし。ピンピンだし。

 

「だから今、作ろうとしているのだ! 確かに切れない繋がりをなっ!」

 

それでもそれ以上を望むのが、オタクという種族だ。ほしいものはほしいままに、愛すればどこまでも。気持ち悪いくらいに真っ直ぐで、たまにそれが羨ましくもある。……いや、やっぱない。ただ暑苦しだけの連中だ。

昨日の夜、電話を終えるとふと二人のことを考えていた。傍目から見れば美女と野獣ならぬ美女(腐女子)と野獣(厨二)という違和感しか感じない二人。正直ありえない組み合わせだ。

しかし世の中にはそういった一見アンバランスな関係でも以外と相性の良いものが多数存在する。男の娘とか、最強じゃね?

 

「そんなの………好きとか、わかんないよ……。 なんでみんな私に告白するの!? 私誰にも、好きなんて言ってないのに……!」

 

海老名の目から涙が零れ出した。しかし、おそらく本人は気づいていない。押さえきれない葛藤を、長い間溜めていたものをぶちまけずにはいられない様子だった。

だがそんなものは本当のオタクには関係ないのだ。愛は脆くて儚い、だがオタクの愛は……どこまでもしつこい。

 

「推しは突然生まれるものなのだっ!そしてそれは、ぽっと出の新キャラなどではないっ。長く険しいヒロインへの道を渡ってきた、真の王道ヒロインがなるべき姿なのだっ!」

 

ちょっと噛み合ってないような気もしなくもないが、その熱を冷ますのが間違いなのは俺にもわかる。この子ども喧嘩の行く末が、俺にもわからなくなってきた。

そう思っていたら、海老名が自嘲した笑みを浮かべて叫び問う。

 

「じゃあ君は、私のどこを好きになったの!? 顔? それともいつも相談に乗ってあげてるから? ……残念だけど、それは本当の私じゃ──」

「そんなものじゃなああああいっ!」

 

材木座が叫ぶ。もう絶対バレてるよこれ。

 

「我は……我は、ありのままの海老名殿を好きになったのだ! どこかなど決められん。しかし、全部だなどど曖昧に言えるほど、海老名殿の全てを知っているわけでもない。……だからこそ、今我が知っている限りの海老名殿に、我は……我は心を射ぬかれたのだっ!」

 

大きく両腕を広げて宣言する。昔俺もよく真似していた戦隊ものの必殺技を出す瞬間のように、材木座は右手を海老名に向けた。

 

「伝われ我の想い! 届け我の願い! 必殺……超紅蓮(スーパースカーレット)、材木座ァァ……クラッッシャアアアアーッ!」

 

気迫と想いと、押しとどまらないほどのオタク性を秘めたその一撃は、何も、気もありもしないし魔法も使っていないから、当然なにも起こらない。訪れたのは沈黙。はぁはぁと息を切らしてぐっと拳を握る材木座の前で、海老名は黙って立っている。

 

「なにソレ……バカにしてるの」

「そっ、そんなつもりは──」

 

急にあたふたし始める。汗が噴き出て止まらない。

それは、さっきまで喚き散らしていた彼女の声音がマジで冷ややかだったからだろう。これが彼女の素らしい。Fだと思ったらSだったのか……。

 

「じゃあ今のは何、いきなり変なもの向けてきて……」

「あれはその……我の気持ちが届くようにと……」

「馬鹿でしょ?」

 

海老名は本気で引いている。終いには眼鏡をとって、殊更ヤバい目つきで睨んできた。

 

「あんなので私の気持ちが動くわけないじゃない。オタクじゃあるまいし」

「そ、そんな……海老名殿は同士では──」

「それはさっき違うって本人が言っただろ……」

 

たまらず割って入ってしまった。材木座は肩を落とすがすぐに立ち上がる。ああ……これだ。

 

「だが、我は諦めんぞ」

 

そんな諦めの悪いセリフを吐いた。やっぱりだわ。……いや、だからこそか。

 

「何年かかっても、必ず手に入れてみせる」

 

いつかによく聞いた台詞を言って材木座は拳を握った。やっぱりコイツは主人公ではない。

 

「それが我らオタクの唯一絶対の誓いなのだからっ!」

 

そんなものはどの規約にも乗ってはいないのだが、本人が満足げだから言わないことにした。

海老名は終始理解不能という顔をしていたが、やがて息を吐いてぶつぶつと呟く。

 

「何よそれ、意味わかんない。……でも、そこまで真っ直ぐ来られたことなんて一度もなかった。どう向き合えばいいのか、どう答えればいいのか……今の私には、まだ全然わからないから」

「ならばどうする」

 

歯切れ悪く言うと、すっかり落ち着ちを取り戻した材木座が腕を組みながら訊ねた。海老名は諭すように丁寧に言う。

 

「君に見せてきた私は全てが偽物の私だよ。これから君が見る私は君の理想とする私じゃないかもしれない……」

「言ったであろう。我が好きになったのはありのままの海老名殿だ。そんなものはこれからどうとでもなる」

 

……なんか、材木座がかっこいい。

もしかするとこれは……もしかするかもしれない。

二人の間に良い感じの空気が流れ、それを感じとったのか材木座はまた真剣な表情になって、ぎゅっと握った拳をぴしっと伸ばして前に出す。

 

「我と、付き合ってくださいっ───」

 

×××

 

週末のショッピングモール。人の往来が激しい昼の時間帯ながら、新鮮な空気感を肌に覚える。

のんびりと休日を過ごそうか(ただ寝るだけだが)、誰かのエゴサーチでもして鼻で笑ってやろうか、そんなことをあれこれ考えていたが、自然とここに足が向いた。

材木座から、お礼なのかこのモールで海老名と新作のネタ作りをするという連絡があった。めんどくさくて返信はしなかったが。

 

「だから違うっていってるでしょ。そうじゃない。もっと心の機微に触れるような描写を入れないと」

「ううむ……。難しい」

 

今回はこの前よりも遠くから二人のことを見ているが、以前よりも言葉を交わすことが増えたように思う。というか、海老名の方から何かを言うのが増えた。眼鏡を外すようになってから、口調が大分変わった気がする。若干三浦っぽくなった。

もともと本を読むのが好きならしく、純文学を昔読んでいたそうだ。今でも他の──材木座的に言えば同士──仲間とよくやるBL談義でも、そういった心情的な部分の会話が主ということだ。BLはマジだったのか……。

 

「こうだろうか……」

「違う。 もっとこう……んーなんていうのかな……気持ちに寄り添って書くっていうか」

「おっふ……」

 

いろいろと材木座が大変そうだが、これはこれで良いんじゃないかと思う。

材木座だけでなく、海老名の方も執筆を始めたらしい。その時にみせる緩い表情はあの日以来本当にそうなのかまだわからないが、少なくともありのままという言葉を聞いて、本人はスッキリしているのではないかと思う。

どちらが本当の自分なのか決めるのではなく、両方ともありのままの自分だと認めることができたのだから。

互いに良い刺激を与え合える関係。これはもう、編集と作家ではなく、作家と作家と言って差し支えない。

 

……余談だが、結局のところ二人は付き合ってはいない。あの日勢いよく手を伸ばした材木座だったが「それでもやっぱりごめん」と海老名から頭を下げられた。そして「今までのこともごめん」とはっきり謝意を見せられてはその時にまた告白するのはなかなか難しいように思えた。ドンマイ! 次があるさ!

 

───だが、海老名が屋上を去ってから、おもむろに材木座が言った。

 

「しかしまだ、可能性がなくなったわけではない。恋も小説もアイドルも、何もかも、全ては挑戦から始まるのだ。そして何度も失敗を乗り越えて手にした勝利こそが、本当に価値あるものなのだから」

 

そうだろう、八幡よ────。

 

俺たち以外誰もいない屋上で、材木座は俺にサムズアップを見せてくる。

ただでさえ大きな背中がいつもより大きく見えて、遠くを見るようにどんと佇んでいた。

しかし振り向くと、眼鏡の下から絶え間なく涙が流れていた。それでも口元だけは笑ってみせる。

だから思う――。

 

やはりこいつは、本物のオタクだ。




『オタク男子の初恋』これにてエンドです。
もう毎日更新はしないので、それでも更新楽しみにしてるという方以外は外してもらって大丈夫です。今までありがとうございました。
逆にまだ読みたいという人は気長に待っててください。週一か下手したら月一とかになるかと思いますが。
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