やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(独)   作:あきカン

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俺ガイルー新ーの話、昨日知りました。ネタ被っても許してください。


川崎大志は、精一杯がんばる。

「……ねえ、沙希さんってうちの兄のこと好きだと思う?」

 

突然そんなことを聞かれて、川崎大志は「えっ」と振り返った。

 

「前から怪しいと思ってたんだよねー。でも沙希さんって、そういうの周りに見せたがらない感じだし、小町の勘違いかなあ……」

 

はてと小町は人差し指を頬に当てる。大志はその問いに「そうだよ」と言える自信があった。昨日、遊園地の件で川崎にそのことを話す最中、八幡が一緒でもいいか尋ねたところ。

 

「……まあ、うん」

 

明らかに動揺を隠そうとしていた。

しかし、これは大志(じぶん)が答えてはいけないことだ。

たとえ、100%の自信があったとしても、それを伝えるべきは自分ではない。

ここで「うん」と答えれば、話を続けられることができ会話の時間が増える。しかし大志はそれを放棄した。

 

「まあ、どうだろうね。……本人に聞いてみないとわかんないよ」

 

すると小町はうんうん頷いた。

 

「そうだよねー。そういうのは当人同士の問題だもんね。小町反省!」

 

と、大きく叫んで前を向いた。何がしたかったのかわからないが、小町は不意に大志の方を向く。

 

「ね、ちょっと行きたいとこあるんだけどさ、いい?」

 

そう聞かれて、大志は反応に一歩遅れたが。

 

「あ、うん」

 

と頷いた。

 

 

 

 

 

 

どこに行くかと思えば、そこはおもちゃ屋だった。土産物屋というべきか、普通なら帰りがけに向かうのが一般的だが。

八幡たちも以前訪れたことのある店で、小町は見るからにはしゃいでいた。

 

「あ、これかわいー」

 

ててててと店内を歩き回り、目についたものを片っ端から手に取っていく。さすがに全部購入する気はないらしく、眺めてみては次の場所に移動した。

とりわけ、パンさんのぬいぐるみには一層時間をかけて吟味していた。

 

「雪ノ下先輩へのお土産?」

 

聞くと小町はうーんと唸って言う。

 

「たぶんもう持ってると思うんだよねー」

 

雪ノ下のパンさん好きは、八幡たちの間では有名な話だ。年パスを買っていると聞いたときには、さすがに引いてしまったが。見るからに人混みの多そうな場所を嫌っていそうで、それなのに年パスを買うとは、どこまで好きなのか……。

 

「同じの被っちゃうと気遣わせちゃうと思うし」

 

ああなるほどと、大志は思った。そういうのを、女子はみんな気にする。雪ノ下は優しいから、きっと「ありがとう」と言って受け取ってくれると思うのだけど。

ちなみに今手に持っているのは、秋の限定品だ。

そして小町はもう一つ、マグカップを手に持っていた。これは猫のイラストの入った、持っていてもお揃いとして使うことができる。

 

大志はポケットの財布に手を当てた。手持ちがちょうど同じくらい。ここで全額払うと言って男気を見せるか、それとも何も言わずにやりすごすか。また帰りにここに寄って、今日のお礼だと何かプレゼントを買える機会がやってくるかもしれない。

 

「うん、やっぱりこっちにしよ」

 

悩んでいる最中、そんな言葉が聞こえてきて大志は「じゃあ!」と声を張り上げ胸に手を当てた。

 

「おれが半分出すよ。それなら雪ノ下先輩が持ってても大丈夫でしょ。京華へのプレゼントってことにすれば」

「え、でも。それで雪乃さんが持ってたらどうするの?」

 

当然の疑問である。半ば部外者に近い存在の大志に、そこまでしてもらう義理はなかった。

しかし大志は引き下がらない。体勢を崩されようが、最後まで諦めないメンタルことが自分の最大の武器だと知っている。

 

「おれも奉仕部の一員みたいなものだから、先輩のためにこうするのは不自然じゃないと思うよ」

 

精一杯の理由だった。まだ部員ですらない、というか認められてもいないのだが。理由としてはそれが一番自然だと思った。

 

「そっか、それもそうだね。じゃあ半分お願い」

 

両手を合わせてありがとうと伝えてくる小町に「全然っ」と鼻をこすって大志は応えた。

 

会計を済ませている間、お土産が入ったカゴの中にいつの間にかもう一つマグカップが入っていることに大志は気づく。

 

あれは……。

 

きっと兄の分だろう。ということは、帰りに買い物をする機会はやってこないのだ。いくつか目星をつけておき、帰りに吟味して選ぼうと思っていたが、そううまくはいかないらしい。

 

悔しさを滲ませるように、大志は小さく拳を握った。

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