BanG Dream! ~輝きの向こう側へ~   作:イノウエ・ミウ

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<エリア会話>
達己&伊吹『鈴ノ宮学園』

「それにしても、鈴ノ宮学園ってとても大きいね」

「そりゃそうだろ。何せ創立五十年以上のマンモス高校だからな」

「マンモス高校!?・・・伊吹、マンモスがどこにいるのか分かる?」

「いや、そのマンモスじゃねぇから」


5~6話

5話 幼馴染との再会

 

立川伊吹がバンドに加入して一週間が経った。

達己と伊吹は毎日のように、学校が終わってからKINGDOMでバンドの練習をしていた。

 

「うっし!これで、言われたフレーズは一通り弾けたぜ!」

 

「・・・・・・」

 

一週間前に課題として達己が出したフレーズを目の前の少年は一週間で完璧に弾けたことに、達己は内心驚かずにはいられなかった。

自分が用意したフレーズはそこそこの難易度で、初心者なら完璧に弾けるのに良くて二週間、悪ければ一ヶ月も掛かる物だった。

しかし、伊吹は達己の予想を覆して、一週間で完璧に弾いてみせた。

 

「伊吹って・・・本当にギター初心者?」

 

「おう!一週間前までは弾き方すら全然分からなかったぜ!」

 

力強く答えた伊吹に、達己はため息を吐きながらも笑みを浮かべた。

正直、伊吹が一週間で弾けたことは誤算だったが、達己にとっては嬉しい誤算だった。

これなら、伊吹にギターを教える期間が短くなり、次のライブには早めに出れるだろう。

しかし、バンドのメンバーは、まだ、集め終えていない。

最高の演奏をする為には最低でも後3人。ベース、ドラム、キーボード辺りは欲しい。それも、初心者ではなく、経験者で。

ギターは自分もやっているから初心者でも問題なかったが、他の3つは、達己は弾いたことないから教えることができない。

練習も大事だが、そろそろ次のメンバーも探さないと、と達己がそんなことを思っていると

 

「そうだ達己。お前、練習終わった後、時間あるか?」

 

「ん?この後は特に予定は入れてないけど・・・」

 

「ならよ、ちょっくら俺に付き合ってくれねぇか。お前に紹介したい奴がいるんだ」

 

「紹介したい奴?」

 

奴と聞いて首を傾げる達己をよそに、伊吹は言葉を続ける。

 

「前に幼馴染がいるって言っただろ。俺が紹介しようと思っている奴はそいつだ。入学してから一回も会ってなくてよ。ほら、ここ数日、色々あって忙しかっただろ。けどよ、大分落ち着いてきたから、今日会いに行こうと思ったんだよ」

 

そう言いながら、伊吹はお菓子が入った袋を持ち上げ、達己に見せた。おそらく、入学祝いだろう。

 

「その幼馴染って、近くにいるの?」

 

「おう!商店街で店をやっているんだ。俺はあいつとは、小学校が一緒で家も商店街から近かったから、いつも遊んでたぜ。けどよ、中学の頃、あいつは花咲川女子に行っちまって、学校は別々になっちまったんだ。おかげで、会える日は少なくなっちまった」

 

そう言いながら、少し残念そうな顔になる伊吹。

花咲川女子学園ということはその幼馴染は女子なのだろう。ふと、達己の脳裏にこの間、公園で出会った猫耳少女が思い浮かんだ。そう言えば、彼女も確か花咲川女子学園だった気がする。

 

「それで、どうするんだ?」

 

「・・・せっかくだから行ってみるよ」

 

達己の返答に伊吹は「決まりだな!」といつもの力強い笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

練習が終わり、夕暮れ時の商店街を達己と伊吹は歩いていた。

 

「伊吹の幼馴染がやっている店って、後どのくらい掛かるの?」

 

「もうすぐ着くはず・・・お!ここだ」

 

伊吹が立ち止まり、店の入口前に立つ。

店の名前には『やまぶきベーカリー』と書かれていた。ベーカリーということはおそらく・・・

 

「ここって・・・パン屋?」

 

「ああ、あいつはここのパン屋の看板娘なんだ」

 

そう言いながら、伊吹は店の中に入り、達己も後に続く。

 

「おーい!沙綾ぁー、いるかー?」

 

「いらっしゃいませ!・・・って、伊吹君!?」

 

「え、何!?・・・あ!タツ君!」

 

「ん?・・・あの子、確か公園で会った・・・」

 

そこにいたのは、薄茶色の髪をポニーテールにまとめている沙綾と呼ばれた少女。そして、あの日、公園で出会った香澄という少女が話していた。

突然の幼馴染の来訪に驚く沙綾。驚く友の姿を見て、何事かと思いながら入口を見ると達己がいたことに反応する香澄。あの時、公園で出会った香澄を思い出しながら小さく呟く達己。

三者、それぞれ違う反応をしたが、ひとまず、互いに自己紹介を済ませ、事情を説明した。

 

「いやー、それにしても沙綾に男の子の幼馴染がいたなんて」

 

「そう言う香澄こそ、入学して一ヶ月で男の子と友達になってるじゃん」

 

一通り説明が終わったところで、香澄が沙綾をからかうように喋るが、沙綾も笑みを浮かべながら喋った。

その横で、達己が伊吹に話しかける。

 

「ところで伊吹。入学祝いを渡さなくていいの?」

 

「あ、忘れてた。ほらよ、沙綾。入学おめでとうな。入学祝いだ」

 

「ありがとう伊吹君。そうだ!はい、私からも伊吹君に入学祝いだよ」

 

伊吹からお菓子の入った包みを受け取った沙綾は、お返しにいくつかのパンを袋に入れて、入学祝いとして伊吹に渡した。

 

「しかし、ホントっ久しぶりだな。最後にあったのは、お前んちでやった卒業祝いのパーティーに誘われた時だっけか?」

 

「そうだよ。あの時は紗南と純がはしゃぎすぎて大変だったよね」

 

「別に気にしてねぇよ。それに、お前んちのパン、腹いっぱいに食わせて貰ったし、俺は楽しかったぜ」

 

お互い笑い合いながら楽しそうに会話する伊吹と沙綾。

それを見た達己と香澄は、互いの顔を見合わせると

 

「俺たちは先に帰るよ」

 

「またね、沙綾!」

 

「あ!またね、香澄!」

 

「達己も、また明日な!」

 

伊吹と沙綾に挨拶すると、二人は外に出ていった。

 

「・・・気を遣われちゃったね」

 

「だな。達己もそうだけど、お前の友達、結構いい奴だな」

 

「フフッ!香澄とはね、入学式が始まる前に友達になったんだ」

 

「マジかよ!?俺なんて、あいつとまともに会話するのに二週間掛かったってのに・・・」

 

「確かに、幸畑さんって、あまり人と話さないイメージがあるよね」

 

「だろ。まっ、話してみれば、悪ぃ奴じゃねぇし、お前ともすぐに仲良くなれると思うぜ」

 

「そうかもしれないね。何せ、香澄があだ名で呼ぶくらい気に入っているしね」

 

二人の会話はどんどん弾んでいき、互いの友達紹介から学校生活、最近の出来事、沙綾の弟と妹の様子についてなど、二人は微笑み合いながら会話をしていった。

そんな中、ふと、沙綾が伊吹が背負っている物に気付いて、何なのか問いだす。

 

「ところで伊吹君。後ろに背負っているのって、もしかして、ギター?」

 

「おお、そうだ。俺、バンドやることにしたんだ」

 

「!? へぇー、そうなんだ」

 

一瞬、沙綾の顔が暗くなったが、すぐに顔を戻して他人事のように喋る。伊吹はその一瞬を見逃さなかった。

 

「今はギターの練習をしててよ。達己には、もう少しで人前で演奏できるレベルになれるって言われたぜ」

 

「そうなんだ。そう言えば、香澄もバンドを始めるって、言ってたな」

 

「へぇーあの子もか・・・」

 

ごく普通に会話をする伊吹と沙綾。

しかし、二人の間に漂う空気は徐々に暗くなっており、伊吹と紗綾も表には出さなかったが、それを感じていた。

そんな雰囲気の中、伊吹が意を決したように沙綾に問いかけた。

 

「・・・なあ、沙綾。お前、またやらないのか?バンド」

 

「!?」

 

その問いに、沙綾は驚愕の表情で伊吹を見たが、すぐに下に俯いた。

数年前、沙綾は同級生たちとバンドを組んでいた。伊吹はそれを知っていた。そして、彼女がバンドを辞めてしまった理由も。

それでも、伊吹は戻ってきて欲しかった。仲間たちと共に楽しそうにドラムを叩いていたあの頃の沙綾に。

しばらく静寂が続いたが、沙綾がポツリと言う。

 

「・・・無理だよ・・・今の私は、お母さんや紗南や純の面倒を見ることで手一杯だから・・・」

 

「・・・そっか」

 

沙綾の悲痛な言葉に伊吹は目を瞑りながら小さく返すしかなかった。

二人はそれ以上、会話せず、伊吹は店から出るのであった。

 

 

 

 

6話 小さなきらきら星

 

数日後、ライブハウス、KINGDOM

いつも通り練習をしていると、赤鋼が話しかけてきた。

 

「よっ!制が出てるじゃないか」

 

「赤鋼さん、こんにちは」

 

「うっす!赤鋼さん。お世話になってます!おかげさまでギターも様になってきたぜ」

 

「それは何よりだな。これからも頑張れよ、少年!」

 

「はい!」

 

赤鋼に挨拶をした達己と伊吹は練習を中断すると、その場で赤鋼と三人で何気ない会話を

すると、赤鋼が何か思い出しかのように二人に問いかける。

 

「そう言えば、お前たち、今度の日曜日、何か予定はあるか?」

 

「・・・練習の予定は入れてないし、特にありません」

 

赤鋼の問いに答える達己。

 

「なら、せっかくだからライブを見に行ってきたらどうだ?」

 

そう言いながら、赤鋼は一枚のチラシを達己に渡した。

そこに書かれていたのは、SPACEというライブハウスで行われるガールズバンドのイベントに関してだった。

 

「これって、ライブのイベントか?けどよ、ガールズバンドだけのイベントってのはなぁ・・・」

 

「おいおい、この大バンド時代にガールズバンドも中々馬鹿にできないぜ。今の日本には、凄腕のガールズバンドなんていっぱいいるぞ。特にSPACEはガールズバンドの聖地とも言われているんだ」

 

伊吹の発言に呆れるように喋りながら、赤鋼は再度問いだす。

 

「どうだ?他のバンドの事も知れるいい機会だし、行ってみたらどうだ?」

 

「そうですね。今のガールズバンドのレベルが、どのくらいなのかも知りたいし」

 

「まあ、赤鋼さんがそこまで言うんだったら、行ってみてもいいかもしれねぇな」

 

こうして、今度の日曜日の達己たちの予定が決まった。

 

 

 

 

ライブハウス、SPACE

ライブのイベントが行われるだけあって、中には人だかりができていた。

そんな人だかりの中、達己と伊吹は、辺りを見渡しながら喋り出す。

 

「ここがSPACE・・・中はそれなりに綺麗だね」

 

「くぅー!どんなライブが見れるんだろうな!さっさと行こうぜ!」

 

そう言いながら、伊吹はワクワクした様子でライブ会場に入ろうとしたが

 

「待ちな」

 

突然呼び止められ、振り向くと、白髪の老婆がカウンター越しに座っていた。

 

「あんた達、ライブを見に来たのかい?」

 

「あ、はい。そうっすけど・・・」

 

「見に来たんだったら、チケット代を払いな」

 

「え!?ライブ見んのに金がいるのかよ!?」

 

「当たり前じゃん。ていうか、この間、見に行った時もお金払ったんじゃないの?」

 

「そう言えばそうだったな。アハハ!ライブのインパクトがヤバすぎて忘れちまったぜ!」

 

豪快に笑う伊吹に呆れながら、達己は老婆に話しかける。

 

「お婆ちゃん、ここのチケット代っていくら?」

 

「・・・高校生かい?」

 

老婆の問いに頷く達己。

 

「600円」

 

「600円だね。どうぞ」

 

「そらよ、婆さん」

 

「確かに受け取った。それと、こいつで好きなドリンクと交換してもらいな」

 

そう言いながら、老婆はドリンク券を達己と伊吹に渡した。

 

「ありがとうございます」

 

「ありがたく頂くぜ、婆さん!」

 

老婆にお礼を言うと、達己と伊吹はドリンクを受け取るべく、ドリンクカウンターへと向かう。

 

「いやー、まさか、ただでドリンクが貰えるなんて、最高だな!SPACE!」

 

「紹介してくれた赤鋼さんに感謝しないとね」

 

「(赤鋼だって!?)」

 

話しながらドリンクを受け取る達己と伊吹。

一方、赤鋼という言葉に、達己たちの会話を聞いていた老婆が反応した。

 

「赤鋼・・・なるほど・・・中々できる奴らだと思ったけど、あの若造のとこの・・・」

 

長年の勘というのは中々馬鹿にできない。そんなことを思いながら、どこか感心した様子で老婆は、達己と伊吹が会場に入っていく様子を見るのであった。

 

 

 

 

ライブは大いに盛り上がっていた。

会場の熱気は最高潮に達しており、それは、後ろ側で見ている達己たちにも感じるくらい熱かった。

 

「くぅー!この熱!この迫力!バンドって最高だぜ!」

 

「だね。演奏のレベルはともかく、どのバンドもみんな楽しそうに弾いてるから、こっちまで、楽しくなってくるよ」

 

他愛のない会話をしながら、後ろ側でライブを見続ける達己と伊吹。

しかし、ライブが続いていくに連れて、達己や伊吹、観客たちはある違和感を覚え始めた。

 

「なんか、予定と違ってねぇか?」

 

「うん。どのバンドも、さっきから予定よりも結構長い時間ライブしている。まるで、時間を稼いでいるような感じがするんだ。それに、本来ならこの時間帯でライブをするはずのGritter*Greenってバンドがまだ一回も出てない」

 

どのバンドも、先程から時間稼ぎをしているようなライブをしていることと、本来ならこの時間帯でライブするはずのGritter*Greenが未だに出てないことに違和感を覚える達己。

結局、Gritter*Greenは一度も出ずに、ライブは終わりを迎えた。

 

「なんつうか、釈然としねぇライブだったな」

 

「・・・多分、何かしらのトラブルがあったんだと思う」

 

観客たちが次々と会場から出ていき、達己と伊吹もスッキリしない気持ちのまま帰ろうとしたその時

 

「こんにちはーーー!!!」

 

「ん?あいつは・・・」

 

「戸山さん・・・?」

 

少女の大声が聞こえてきて、ステージの方を見ると、そこには香澄がいた。

 

「初めまして!戸山香澄です!」

 

大声で自己紹介する香澄。

突然ステージに現れた名も知らない少女に観客が戸惑う中、香澄は置いてあるスタンドマイクに向かって息を吸うと

 

「・・・きらきら光る・・・」

 

「!?」

 

「おいおい、マジかよ・・・」

 

香澄は突然歌い出した。それも、ただの歌ではない。歌であっても、その歌は保育園、或いは小学校低学年辺りで歌うであろう童謡、きらきら星であった。

正直言って、彼女の歌はあまりよろしくなかった。何処か緊張しているのか、声は低く、音が聞き取りにくい。

しかし、彼女は決してステージから逃げようとせず、ただ、ひたすらに歌い続けていた。

 

「お、おい!何やってんだよ!?」

 

その時、ステージ裏から少女の声が聞こえてきたが、その声に気付いた香澄は一旦ステージから出て、数秒後に戻ってきた。先程声を上げたと思われる金髪ツインテールの少女、市ヶ谷有咲と共に。

 

「ちょ、な、何!?」

 

有咲が戸惑いながら香澄と観客を交互に見る中、香澄はマイクを有咲の方に向けた。有咲も歌おうよ、という意味だろう。

初めは抵抗していた有咲であったが、香澄の力強い推しにより

 

「・・・お、お空の星よー・・・」

 

顔を赤くしながら、歌の最後の部分を歌った。

突然、ステージで歌い始めた香澄と有咲。

しかし、周りの観客は突然のきらきら星にどう反応すればいいのか分からず、呆然と立ち尽くしていたが

 

”パチパチパチパチ”

 

この場にただ一つ、拍手の音が聞こえ、ステージで歌っていた香澄や有咲。周りの観客が一斉に拍手がした方へ振り向くと

 

「達己・・・?」

 

達己が、この場でただ一人、香澄と有咲に拍手を送っていた。

周りから「あれって・・・星の王子様!?」「なんで、ここに!?」と困惑の声が聞こえる中、達己は特に気にともせず、ステージから自身を見つめている香澄を見上げた。

 

「・・・二つ聞いていいかな?」

 

「は、はい!」

 

突然の質問に驚きながら返事する香澄

 

「まず一つ目。どうして、歌う曲をきらきら星にしたの?」

 

「えぇっと・・・咄嗟にきらきら星が思い浮かんだからです!」

 

「っ!?・・・フフッ、変なの・・・」

 

意外すぎる理由に思わず吹き出してしまう達己。しかし、香澄を正面から見据え

 

「でも・・・素敵な理由だと思うよ」

 

「そ、そうかな~、えへへ・・・!」

 

照れくさそうに笑う香澄に、笑みを浮かべながら達己はもう一つの質問をする。

 

「もう一つは・・・なんで、ここで歌ったの?」

 

それは当たり前の質問だった。香澄か今日のライブに出演するはずのない人物である。にも関わらず、何故この場で歌ったのか、緊張を我慢してまで歌おうとしたのか。

そんな当たり前の質問に香澄は

 

「・・・友達の為です」

 

たった一言で答えた。

何故、ステージで歌うことが、友達の為になるのか。普通に考えれば理解し兼ねない。

しかし、達己はそれで良かった。なぜなら、香澄の信念に満ちた力強い瞳が全てを語っていたから。

だから、達己はこれ以上追求することはせず、最後に自身の願いを告げた。

 

「そう・・・それじゃあ最後に・・・もう少しだけ聞いていいかな?香澄、君の歌を・・・いや、君たちが奏でる音楽を!」

 

「!? うん!!」

 

達己の願いに、香澄は一つ返事で返すと有咲と共にもう一度歌い始めた。

すると、二人の下にベースを持った黒髪の少女、牛込りみがやって来た。

何処か緊張気味にステージに立つりみは機材の調整を済ませると、ベースをゆっくりと弾き始めた。

音は小さく、けれども、懸命に弾いており、それを見た香澄ももう一度歌い始めて、有咲も香澄に持たされたカスタネットをリズムに合わせて叩いた。

会場は盛り上がりはしなかったものの、達己も含めて皆静かに香澄たちの演奏を聞いていた。そこに・・・

 

「お待たせーーー!!」

 

遅れてやって来たGritter*Greenの登場により、場は一気に盛り上がった。

Gritter*Greenの奏でる音に合わせて、きらきら星を歌う香澄。

会場はいつの間にか盛り上がっており、ライブの熱気が戻ってきた。

 

「スゲーな。音楽って・・・」

 

「うん。音楽の力は、きらきら星をも輝かせることができるんだ」

 

達己と伊吹もまた、ステージの上で輝いている香澄たちに魅了されながら、ライブが終わる最後まで見続けていた。

ステージの上で輝いている小さな星は、今日のライブで一番輝いているように見えた。




星1「筋肉少年」立川伊吹

「よっ!俺は立川伊吹だ!Beyond'Worldのギターを担当しているぜ。ギターに関しては素人だけどよ、Beyond'Worldの一員として、最高のギターを弾けるようになるのが今の俺の目標だ!後は・・・筋トレが好きな奴はいつでも話しかけてくれ!今なら、俺流筋トレの極意、百の型まで一気に教えてやるぜ!」

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