Muv-Luv Alternative Preliminary Ideal 作:しゅーがく
当初予定していた通り、短いスパンで投稿させていただきます。
前回の投稿にてUAとお気に入り登録が前回投稿前と比べ、大幅に伸びました!
これからもよろしくお願いします。
『救援か?』
赤い色で塗装された武御雷がそう問いかけた。
『そうだ。国連太平洋方面軍第11軍横浜基地所属の伊隅だ。特命にて《救出作戦》を請け負ったのだ。』
みちるは淡々とした口調でそう言った。
『救出の目的は......あの橙色のヤツだろう。分かっている。我々は直接の指揮を受けるCPを失ったので、貴官の指揮下に入るつもりだが、如何だろう?』
『了解した。』
『私は帝国斯衛軍第7師団第77戦術機甲中隊の楯駒だ。よろしく頼む。』
一切表情を変えなかった楯駒と名乗る衛士は通信を終了した。
斯衛軍は橙色の光を放っている戦術機を円陣形で囲んで周囲を警戒している。機械化歩兵部隊は姿を消していたが、戦術データリンクを確認すると周囲の戦術機の通れる通路を斥候している様だった。
『では、一度ここを脱して、白川郷インターCPに戻る。』
『『『了解。』』』
武達のA-01と斯衛軍、橙色の光を放つ戦術機は密集隊形で旧尾口CPを脱し、白川郷インターCPに戻った。
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武は白川郷インターCPに戻る道中、目の前を匍匐飛行する橙色の光を放つ戦術機が気になっていた。
見た目は米陸軍のF-15Eなのだ。だが、塗装は日本帝国軍の戦術機のカラーリングよりかなり暗い色で塗装されている。
武は戦域データリンクに表示されている目の前の機体の表示を見た。
『JP-Prism-1』
そう表示されている機体は周りを警戒する事なく、優雅に飛んでいる。
その瞬間、秘匿回線のコールが武の耳元で鳴り響いた。
『ヴァルキリー1よりヴァルキリー10。白銀、私から個人的な命令だ。』
秘匿回線の相手はみちるだった。いつもの表情を浮かべ、武に話した。
『これから話す事は本来ならば国家機密だ。話そうものなら殺される。分かったな。』
「はい。で、何でしょうか?」
武は落ち着いた素振りを見せたが、『国家機密』という単語と現在置かれている状況から察するに、目の前の戦術機についてだという事は容易に想像がついた。
『我々の行動を知っている防衛線総司令部より直々の命だ。現在、ヴァルキリー10の前を匍匐飛行している戦術機の護衛任務だ。』
武の想像は当たった。だが、救出したというのに護衛という任務は理解しかねた。
(目の前の戦術機を救出するのが任務じゃなかったのかよ。)
武は声になりそうな言葉を必死に呑み込んだ。
「了解しました。ですが、俺にだけ秘匿回線で仰るとは、何かワケがありそうですね。」
『あぁ。白銀の前を飛んでいるのは、現在帝国軍が開発している戦術機の一つ、『試02式戦術歩行戦闘機 月虹』だ。見てくれから想像はつくだろうが、あれはF-15Jの発展機であり、米軍のF-15SEの日本帝国仕様だ。今回、旧尾口CPにて実戦戦闘訓練という項目で1個小隊分の月虹が投入されたが、残ったのは見ての通り1機のみだ。』
ほぉーと言いながら目の前を飛翔する月虹を武はジロジロと見て観察した。
「確かに、F-15JやF-15Eとは見てくれは似てますね。長刀を装備している辺り、日本帝国軍らしいですね。」
『そうだな。だが、ここで月虹を全機失うのは、帝国が望んでいないんだ。月虹に費やした費用などをか鑑みるとだ。更に、米陸軍でもF-15SEに関してはロールアウトされ、生産ラインに関してはF-15Eのを流用できるが、各部は点々と変換や改修が行われている為に、それなりにコストが跳ね上がっているそうだ。自国内での供給も急がねばならないのに、日本帝国に部品の調達やましてや、『サンプル』としてもう一度『輸出』する訳にはいかないそうだ。』
みちるは月虹の詳細までは言わなかったが、十分に月虹についての情報を話したと判断すると、本題に戻った。
『私の個人的な命令は、月虹の実戦データの再収集だ。香月副司令はヴァルキリーズ全機を護衛に付けてもよいと連絡を取ったらしいが、返答は2機と残った随伴の斯衛軍部隊だけに護衛をさせると頑なに拒んだそうだ。それも、こちらの2機は腕の立つ衛士を寄越せとのこと。だが、斯衛部隊は近隣の基地に帰還せよとの命令が下っている。本来ならば速瀬や宗像などを出したいが、あいつ等は小隊長だから出すことは出来ない。よって、私の自己解釈によって貴様を選んだ。』
「はぁ、そう言った命令ならば確かに速瀬中尉や宗像中尉がいいとは思いますが、一時的に小隊長を2人も外すのは部隊運営に支障をきたしますね。了解しました。」
『すまんな。それにさっき2機護衛につけると言ったが、1機は白銀で、もう1機は御剣だ。通常でも組んでいるのだから問題無いだろう。』
「了解しました。」
みちるは同じ話を秘匿回線で冥夜にもすると言って通信を終えた。
この話は確かに今後帝国に貸を作るには絶好の機会だが、帝国軍の要求を押し切って中隊で護衛すればいいものを何故、あっさりと受け入れてしまったかという事が気になり始めていた。そこまで貴重な機体なら護衛をもっとつけるべきなのだ。
だが、帝国はそれを拒んだ。斯衛部隊も一時撤退する事も知っている筈なのだ。
「おかしな話だ......。」
武はいつに無く真剣に考え込んでしまった。
(護衛なら多い方がいいだろうに。何をするつもりで、何を隠そうとしているんだ。それに、腕の立つ衛士を要求?それこそ数が多い方がいいだろう。)
そんな事ばかりを考えてしまった。
考えている間、眼下には撤収中の機甲師団や戦術機の残骸などの上を飛んだが、それを見ることなく考えた。
本当に不思議な話だった。
『タケル。先に大尉から話は聞いているな。』
「冥夜か。聞いているよ。」
『なれば我らは月虹とやらの先導をして指定ポイントまで向かうぞ。』
「分かった。」
みちるは冥夜との話も終えたらしい。体感時間的には自分の時よりはるかに短い様にも思えたが、それすらも思いつかない程に今回の特別任務には少し違和感を感じていた。
『プリズム1よりヴァルキリー10、11。よろしく頼む。』
sound onlyで現れたのはプリズム1、月虹に搭乗している衛士だ。
「よろしくお願いします。」
顔を出さないところから察するに、そこまでの機密だという事だ。簡単に挨拶を済ませた後、戦域データリンクに変化が起き、通信がまた秘匿回線でみちるから入った。
『ヴァルキリー1よりヴァルキリー10。斯衛部隊が戻ってくるまでの護衛だという事が先ほど香月副司令から連絡が入った。最短の斯衛軍駐屯地は軽井沢だ。往復して補給するだけでも最低1時間はかかる算段だ。それまでの護衛という訳だ。』
「えっ、では白川郷インダーCP付近に駐留させておけばいいんじゃ?」
『ダメだ。斯衛部隊が戻ってくる間に、衛士が強制脱出に成功して何とか辿り着いたのなら月虹の姿を見られてしまう。』
「何故です?」
『まだ帝国軍の一般兵には月虹の存在は知られていないんだ。それに、白川郷インターCPに我々が戻る頃には味方戦術機はおろか、機甲師団、機械化歩兵部隊、砲兵部隊も再び前線で追撃をしている事だろう。その間を見計らって、『あちら側』が用意した『特別』な整備陣によって野戦整備と補給を行った後、味方部隊が展開していない地域にて試験を再開するそうだ。それと、白川郷インターCPの連中は何も見なかったし、何も無かった事にするらしい。』
みちるの言った事が更に武に考えさせる様な内容だった。抽象的で現実的でない内容はこれで本当に護衛であり、国家機密なのか?意味が分からなかった。
「そっ、そうですか。了解しました。」
『頼んだ。』
みちるは武の返事を聞いた後、すぐに通信を終えようとしたが、武はそれを止めた。
「大尉、ちょっと待ってください。」
『なんだ?』
「香月副司令からの特別任務。変に思いませんでしたか?」
武は思い切ってみちるに聞いた。
『私もそれは感じていたが、所詮軍人は上の命令には逆らえないからな。』
そう言って今度こそみちるは通信を終えた。
(何かがおかしい。)
武の中ではもうその事だけが渦巻いていた。
夕呼はこんな意味の分からない行動を武たちにさせる理由が分からなかった。
夕呼なら無理に押してでも中隊全機を護衛につかせた筈。そうした方が、生還率は上がる。
それ以外にもおかしいと思う節は次から次へと浮上してきた。
(何を考えているんだ!)
武は加賀笠間での激戦の疲れと、旧尾口CP地下への侵入で精神的にも疲れていた。普段なら無いことだ。
武は気持ちを入れ替えて、その後白川郷インターCPに到着して、みちるの話があった通りに月虹は目に着かないような場所で野戦整備と補給を行った。それ同時に武たちも補給を受け、それぞれに分かれていった。
ただ武にはさっき割り切った筈のこの護衛任務に関しての不信感が戻りつつあった。
いやーここまで来るといよいよって感じがしてきます(笑)。
自分的にもこの迎撃作戦はいい節目になるかな?とか考えてます。次の話はもう考えが付いてるのですよ。
そういえば、いつもお話しの相手をしてくださってる方(リアルな方)からある原作とマブラヴのクロス物の執筆を検討してみてはという提案を受けました。
ある原作は私自身もマブラヴ並に好きな作品なので、その話をいただいてからはその妄想ばかりです(笑)。ですが、執筆するつもりは毛頭起きないです。
現在2作品を書いている私に3作目まで書かせようとは酷過ぎる(笑)。
という事なので、勝手に雑談を入れてしまいました。
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